***7:オルガ帰還と手紙*** |
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618 名前: 旅館の娘 [目の色の違いは無視して sage] 投稿日: 03/07/16 16:53 ID:??? オルガ ◆TfPXe8kems様 覚えていらっしゃいますか。きっともうお忘れでしょうね。 私は、あなたが日本で滞在された旅館の娘です。 おばあちゃんに頼んで、宿泊帳を見せてもらい、こうして お手紙を書いています。 まさか、金魚を取ってくださった方が、うちのお客様だなんて 思ってもいませんでしたから、本当に驚きました。 その後、お体はいかがでしょうか。随分と苦しそうに していらしたので、あの夜は本当に心配いたしました。 短い御滞在でしたけど、日本の夏を楽しんでいただけたでしょうか。 来年の夏もまた、お会いできるといいですね。 瑞葉 追伸 写真を同封しました。お帰り際にあなたに頼んでシャッターを 押してもらったものです。 (写真) 788 名前: 瑞葉 [気に入らなかったらスルーを sage] 投稿日: 03/07/17 01:25 ID:??? 「ねぇ、おばあちゃん。お祭りの時、うちに泊まっていたオルガさんっていう お客さんだけど、いったいどんな人なの?」 「おやおや、お前もそんな年頃かね。」 「違うわよ。そんなんじゃないわ。ただ、ちょっと、その、色々気になったから。 金魚もいただいたし...。」 「別に、言い訳しなくてもいいんだよ。そうさね。あの人はアズラエル様のご紹介でここにいらしたんだよ。」 「アズラエル様って、あの、私が小さい時から年に一度ここにお泊りにいらっしゃる方でしょ。 うちみたいな貧乏旅館にリムジンで乗り付けてくる不思議な人。」 「これ、自分の宿をそんな風に言うもんじゃないよ。うちだって、昔は随分と小綺麗 な宿だったんだから。それにアズラエル様はね。まだ学生さんの頃からうちを 贔屓にしていただいている特別なお客様なんだからね。変な風にいうと罰があたるよ。」 「別に変とは言ってないわよ。でもアズラエル様のご紹介って、いったいあの人は・・・」 「瑞葉や。よくお聞き。長年旅館の女将を務め上げた私が見るところ、あのオルガさんという人は、お前には叶わぬ恋の相手さね。 あの人は、たぶん何か大きな運命を背負い込んでいなさる方だよ。早いとこ、忘れてしまうのが一番さ。」 「ねぇ、おばあちゃん。お願い、宿泊帳見せて!どうしても手紙を書きたいの!」 「書いてどうするんだい?結局、最後に苦い思いを味わうのはお前だよ。」 「ただ御挨拶を書くだけよ。そんなに心配しないで。」 押し問答の末、おばあちゃんはやっと宿泊帳を見せてくれた。 住所は、地球連邦軍戦艦?オルガさんって軍人さんだったんだ。 おばあちゃんとの約束を守り、私はただ挨拶を綴り、別れ際に撮って貰った写真を同封した。 返事が来ることを密かに祈りつつ。 706 名前: 艦長 [sage] 投稿日: 03/07/16 21:05 ID:??? 今日オルガが帰ってくるらしい。 アズラエルが食堂の飾り付けをしましょうと言った。 なんでわたしがそんなことをとも思ったがやることがある訳でもないので アズラエルの言うとおりにやっていた。クロトも一緒だ。 途中でシャニも参加し、割と早く終わった。 「おかしいですねぇ、道にでも迷ったんでしょうか?」 オルガは12時ごろに戻ってくる筈だったのだがまだ帰ってこない。 なにかあったんだろうか、それとも寄り道か。 シャニもクロトも食堂を去っていった。 わたしも暇だったので一度食堂を出て艦内をうろついていた。 するとオルガ宛に手紙がきていた。 宛名の文字からすると女性だろうか。なかなか綺麗な字だった。 帰ってきたら渡そう。 続く。 625 名前: オルガ ◆TfPXe8kems [sage] 投稿日: 03/07/16 17:41 ID:??? しかしまだ年貢を納めるわけにはいかなかった。よく考えればおみやげなんてどこで買ったもいっしょだ。 俺は町へと走った、そしてやっと見つけた。ジャパニーズショップだ。 誰もまわりにいないことを確認しアズラエルに言われたものをかった。 これで大丈夫だ。さっさと帰らないと、遅くなってしまう。走って艦へと帰った。 艦の前では一般兵が待っていた。もうみんな待っていると、俺を食堂へ招き入れた。 垂れ幕やら飾りやらがたくさん飾られていた。俺は歓迎された。何がなんだかわからないが、 悪い気はしなかった。アズラエルがこっちを見ている。さっき買ってきた、ものを渡す。 「ほら、ちゃんと土産買ってきてやったぜ、アズラエルのおっさん。」 結構気が引けたが、まあばれなければいいだろう。 「ほうこれですか・・・。確かに受け取りましたよ。」 ばれてないようだ、でも今回ばかりはアズラエルに感謝だ。いい思い出が出来た。 「はい、それじゃあ食事にしますよ。」 その台詞で帰ってきたことを実感した。仮面ライダーふりかけも待っていることだろう。 その後艦長に呼ばれた。俺宛の手紙があるそうだ。誰だろう。裏を見た。 瑞葉。聞いたことない名だが、日本人であることがわかった。まさかとは思ったが、俺はその手紙を握り締め、 自室へと走った。自分のベッドに滑り込み、手紙を開いた。 >>618 俺の夏は、まだ終わっていなかった。 622 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/16 17:06 ID:??? いくら待ってもオルガが帰って来ないので、俺は部屋へ戻ることにした。 「あ〜あ、バイトまで断ってやったのに。やっぱ俺行って来るわ」 クロトはそう言い残して出掛けてしまった。 俺はいつものように部屋で音楽を聴いていた。 ちっ、せっかく用意してやったのによ。 仕方ないから夜まで寝ることにした ・・・ん? なにやら外が騒がしい。あまりにもうるさかったので俺は目が覚めた。 声は食堂の方から聞こえる。俺はすぐに食堂へ向かった。 やはりオルガだった。仲間達から歓迎を受けていた。 今何時だ・・・? そう思って時計を確認したら、もう夜の6時だった。 「ほら、ちゃんと土産買ってきてやったぜ、アズラエルのおっさん。」 「ほうこれですか・・・。確かに受け取りましたよ。」 艦長、アズラエル、艦の仲間達・・・みんなが食堂に集まっていた。 いや、一人だけいない奴がいる。クロトだった。 奴はバイトで忙しいのだろう。 「はい、それじゃあ食事にしますよ。」 アズラエルが言った。 よし、待ちに待ったごちそうだ。これにありつければ俺は。オルガやクロトなどどうでも良かった。 716 名前: 艦長 [sage] 投稿日: 03/07/16 21:16 ID:??? オルガが帰ってきた。大分遅い帰艦だ。 アズラエルがお土産を頼んでおいたのかオルガが何か渡していた とりあえず皆で食事にすることにした。 調理人も食堂の飾りつけなどから察したのか、今日は特別メニューだ。 にも関わらずオルガは仮面ライダーふりかけをかけていた。まぁ別に悪いとは思わんが そういえばここのところ艦内で仮面ライダーふりかけが流行っているな。 思ったより評判でよかったよ。 そして食事が終わるとオルガに手紙を渡した。 彼は少しの間不思議そうに手紙を眺めていたが自室へ戻っていった。 わたしは本部から呼び出しがあったので明日行かねばならない。1日留守になる。 本部には朝までに着かねばならないから3,4時頃には起きねばならんな。 今日はもう寝よう。 697 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/16 20:43 ID:??? オルガが帰ってきたので、俺達は飯を食うことになった。 今日の夕飯はかなり豪華なものだ。俺はさっそく食い始めた。 うまい、うますぎる。俺はなんとなくオルガの方を見た。 ・・・奴は、仮面ライダーふりかけをかけていた。 完全に洋食だというのに。まあ、奴のことなど俺の知ったことじゃない。 黙って飯を食べ終えると、俺は自分の部屋に戻った。 それから一時間経過した。そろそろオルガも部屋に入っただろう。 俺は、マイクロ・サイクロプスのスイッチを入れた。 「う、うわぁぁぁぁぁ、がはっ・・・。」 聞き慣れた悲鳴だ。だが、それはオルガのものではない。 バイトに行ったはずのクロトのものだった。 878 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/17 22:12 ID:??? 今日オルガが帰ってくるらしい。そしてなぜかオルガのために食堂を飾り付けることになった。 艦長も人が良すぎる。わざわざオルガのために飾り付けなんて馬鹿らしい。 そう思いながらもしぶしぶ手伝った。 オルガがもどるはずの昼になっても、アイツは戻ってこなかった。 まったく、どこで油を売ってるんだか・・・。部屋の飾り付けも完璧だと言うのに。 いくら待ってもオルガが帰ってくる様子はなかった。 むかつく。むかつく。むかつく。むかつく。・・・そうだ!!! 「あ〜あ、バイトまで断ってやったのに。やっぱ僕行って来るわ」 そう言って僕は食堂を後にした。 そうさ、この好きにシャニの取り付けたマイクロ・サイクロプスとやらを改造してやろう。 まずはデータをとって、改造をして、さらには同じ物をシャニの部屋にも取り付けてやる。 きのうの仕返しと、今日待たされた分の仕返しだ。ざまぁみやがれ。 GWSXXXでオルガの部屋のロックを外すと、僕はまっすぐにマイクロ・サイクロプスのもとへと向かった。 もちろん、隠しスイッチの場所は知っていたので、踏まないように気を付けたが。 「お帰りなさい!オルガ!!」の横断幕と部屋の飾り付けが僕を更にいらだたせる。 覚悟してろ、オルガ、シャニ。 続いとけ 882 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/17 22:37 ID:??? 外が騒がしくなってきた。オルガが帰ってきたのか? やばい、いそがないと。オルガと鉢合わせたら全部パァだ。 マイクロ・サイクロプスのデータはとった。 ・・・なるほどね。シャニもなかなかやる。ん?最大温度50℃?ふん、シャニも甘いな。 僕は最大温度を80℃に書き直した。 さて、そろそろやばいかな。オルガが部屋に帰ってくるかもしれない。 それに僕はバイトへ行ったことになっている。誰にも会うわけにはいかない。 オルガの部屋を出ると、周りを見回して物陰に隠れた。もちろんオルガの部屋のロックはちゃんとした。 食事は終わったらしい。みんな食堂から出てきたようだ。 シャニが部屋に入っていった。なら、そろそろオルガも来るか? しかし、僕はそこであることに気が付いた。無線スイッチの発信元の書き換えがまだだったのだ。 これではスイッチを入れることが出来ない。オルガがうまいこと隠しスイッチを踏んでくれれば話は別だが。 だが、どうせなら自分の手でスイッチをいれたい。くそっ!失敗した! そうしているうちにオルガがやって来た。隠しスイッチ、踏め、踏め〜、僕は念じた。 僕の念も虚しく、オルガは隠しスイッチを踏まなかったらしい。しかも部屋からは笑っているような声まで聞こえてきた。 今スイッチを入れることができたらどんなに気持ちいいだろう。そう思うと悔しくて仕方なかった。 僕のイラつきは最高潮に達した。 もうちょい続いとけ 883 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/17 22:56 ID:??? あまりにむかついてきたので、僕はオルガの部屋へなぐり込みに行くことにした。 「オラァ!!オルガァァ!!!!」 勢い良く中に飛び込んで、その中の異常な暑さに驚いた。 ヤツは踏んでいたのだ、隠しスイッチを。どうやら室温は徐々に高まっていったらしい。 オルガは本棚の前でのびていた。呼びかけたがあまり反応はない。・・・これはやばそうだ。 その辺にいた兵士を呼ぶとオルガを医務室まで運ばせた。 再び部屋にはいると、マイクロ・サイクロプルのスイッチを切り、窓を開け、部屋の換気をして熱気を逃がした。 80℃はやっぱだめか。僕はしぶしぶ最大温度を50℃に書き直した。 こんなことで死なれたらたまったもんじゃない。 見た感じ、死ぬ程やばそうってわけでもなかったが、危険性はある。心臓に悪いったらない。 そういえば、さっきの騒ぎでシャニは出てこなかったな。またヘッドフォンで音楽でも聴いてるのか。 まあとにかく、それなら俺がここにいるってこともバレないわけだ。 さっさと無線の発信元をこのGWSXXXに書き換えてしまおう。 「!?」 ブゥン、と言う音がしてマイクロ・サイクロプスのスイッチが入った。 シャニがスイッチを入れたんだろうか。慌ててスイッチを切ろうとしただ、スイッチが反応しない。 無線の発信元の書き換えはまだだった。くそ!シャニのヤツ!! 急いで書き換えを済まそうと思った。書き換えればGWSXXXからスイッチを切れる。 「う、うわぁぁぁぁぁ、がはっ・・・」 だめだ、暑い。暑すぎる。頭がうまく働かなくなってきた。 「ぐうっ、はぁはぁ・・・」 意識が遠のいていく・・・。シャニ・・・覚えていやがれ・・・。 ぼんやりした意識の中で僕はシャニに医務室に運ばれて、医務室のおっさんに預けられた。 なんで、こんなときに限って、いつものねえちゃんじゃねぇんだよ。 僕の意識はそこで途切れた。 終わってみる 764 名前: オルガ ◆TfPXe8kems [sage] 投稿日: 03/07/16 23:31 ID:??? 手紙を読み終え、その余韻に浸っていた俺は、その部屋の異常な暑さで目が覚めた。 なぜかわからんが暑い。とりあえず写真と手紙を汗で濡らさぬように机に閉まった。 あたりをみまわした。ベッドを見てびっくりした。天蓋が付いている。なによりも俺が気づかなかったことにびっくりした。 俺がいないのをいいことに好き勝手に……まさかと思い本棚を見た。本棚には何もない。それは前からなのだ。 問題はその奥の隠し本棚だ。少しは残っていたはずだ。隠し本棚を開けようとする、パズルを解こうとする。 解けない。難しくなっている。くそ、わからん!しかもこの暑さ尋常じゃない。頭がボオ〜としてきた。 この暑さのせいだ。ああ、瑞葉、意識がとおくなって行くよ……。 735 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/16 21:48 ID:??? 「ぐうっ、はぁはぁ・・・。」 オルガの部屋からクロトの悲鳴が聞こえてくる。 俺はマイクロ・サイクロプスのスイッチを切り、オルガの部屋へ向かった。 そこにはクロトが倒れていた。どうやら気を失っているようだ。 ちっ、さすがにいきなり50度はきつ過ぎたか・・・。 とりあえず俺はクロトを医務室に連れて行った。 「こいつ、気を失ったんですが・・・。」 「ああ、任せなさい。」 俺はクロトを医務室のおっさんに預け、オルガの部屋に戻った。 そこには何事も無かったようにオルガが座っていた。 「おい、なんかようか?」 「別に。」 オルガが聞いてきたので、俺は一先ず自分の部屋へ戻ることにした。 そういやオルガの奴、手紙を読んでたなぁ・・・。 クロトが何故オルガの部屋にいたのか? オルガの持っていた手紙はなんなのか? 疑問に思うことは幾つかあったが、とりあえずクロトは俺が倒した。 今日はそれだけで満足だった。 754 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/16 22:35 ID:??? オルガが帰って来た日の夜のことだ。 艦内ではクロトが倒れたという情報が広まり、話題になっていた。 もし俺のせいだとバレたら、またお仕置きされるので、 俺はアズラエルにこう言い繕った。 「クロトはきっと外で日射病にでもかかったんでしょう。」 「おそらくそうでしょうねぇ。今日は暑かったですし。」 どうやらアズラエルは信じてくれたようだ。 フン、これで俺がやったことだとバレる心配は無い。 その後俺は医務室に行き、クロトはどれくらいで回復するかを訊ねた。 「なに、彼なら一時間もあれば回復する。」 と医者は言った。 ちっ、たった一時間かよ。だが、同時に少しホッとした。 気に食わない奴だが、死なないで良かった。 俺は心のどこかでそう思っていたようだ。 ま、生きてればまた甚振れるしな。もう遅いので俺は寝ることにした。 855 名前: オルガ ◆TfPXe8kems [sage] 投稿日: 03/07/17 19:38 ID:??? 俺は目覚めた。辺りを見回した。白い棚が幾つか並んでいる。その中には薬のビンが幾つか置いてある。 ここは、医務室か。俺は部屋の中で倒れたことを思い出した。起き上がろうとした。が、頭にくらっときたのでやめた。 しばらく寝転んでいた。人の顔が視界をふさぐ。 「大丈夫ですか?」 はっとした。大丈夫ですかって、まさか!その人の顔をよく見る。医務室のお姉さんだった。溜息をついた。 「はぁって、何?」 明らかに怒った様子だ。プライドが打ち崩されたのだろうか。 「人の顔見て溜息つけるようなら大丈夫ね。」 えっ、そうつぶやいたのが早いかお姉さんは俺をベッドから突き落とした。痛い。 「てめぇ、なにすんだよ。」 「ほらほら、邪魔だから早く帰りなさい。」 もっとも凶暴なのはこの人だと思った。俺は痛みを我慢し自室へと向かった。 623 名前: 連合軍兵士 [sage] 投稿日: 03/07/16 17:18 ID:??? 噂の3人組の1人、金髪の少年が夕暮れのデッキに佇んでいた。 もうすぐ日没だというのに本は読みづらくないのだろうかと訝しんでいると 彼はどうやら本の間に写真を挟んで見ているらしかった。不粋とは思いつつ も双眼鏡で覗くとそこにはまだあどけない浴衣姿の少女があった。 彼の恋人なのだろうか 彼女の為にも死に急ぐなよ。少年。 865 名前: 連合軍兵士1/3 [sage] 投稿日: 03/07/17 20:06 ID:??? 噂の3人組の1人、金髪の少年が艦に戻ってきた。 食堂には彼からの日本みやげであるらしい浅草のかみなりおこしや マカデミアナッツチョコが置いてあった。私はマカデミアナッツチ ョコはチト違うだろうと思ったが、おそらく空港で買い物などする 時間がなかったのだなと考えありがたく一粒いただいた。 当の金髪の少年はあいかわらずデッキチェアーで寝転びながら読書 にいそしんでいた。ときおり、どことなく大人びた面持ちで水平線 を眺めている。旅は人を成長させるのだろうか。きっと日本で重要 な任務を全うしたに違いない。私はそう思った。 866 名前: 連合軍兵士2/3 [sage] 投稿日: 03/07/17 20:07 ID:??? 食堂前にあるジュース自販機で私が飲み物を買おうとすると、カー ドを入れたのにもかかわらず飲み物が出てこない。その上カードも 機械に飲み込まれたままウンともスンとも言わない…故障だろうか? 本来なら業者にTELして修理にまわすのがスジだが、いかんせん本 艦は作戦行動中でありそういう訳にもゆかない。私が困り果ててい るとオレンジ色の髪の少年がこちらに向かって歩いてきた。彼もジ ュースを買いに来たのだろうか。彼は自販機がカードを受け付けな い事を知ると「撲滅!抹殺!」とブツブツ叫びつつなにやら見なれ ないPDAを取り出し自販機に接続した。彼がコードを入力するとす ぐに私のカードは勢いよく飛び出し、通路に落ちた。私は自販機を 直してくれた礼を言うと彼は「これで僕だけはジュースがタダで飲 みほうだいだぜ!ついでにこの自販機にも僕がヒマつぶしに作った ロシアンルーレット機能をインストールしておくか。当たりが出た ヤツの飲み物は自動的にホットコーラだ!!撃滅!」と満足げに微 笑んでいた。 867 名前: 連合軍兵士3/3 [sage] 投稿日: 03/07/17 20:07 ID:??? 私は気を取り直して自販機で炭酸水を買うと(当たりじゃなくて幸 いであった)今度は緑色の髪の少年が通路の奥から現れた。オレン ジ色の髪の少年がそれに気付くと「よーしシャニがきたな。どうな るか楽しみだぜ!抹殺!」と呟き物陰に隠れた。私もつられて物陰 から様子を伺うと緑色の髪の少年(シャニという名らしい)は例の 自販機の前に立ち止まり、懐からカードを取り出している。 「よーし…いいぞシャニ…当たれ当たれ!撃滅!」オレンジ君はと ても楽しそうだ。ところがシャニ君のカードは 『カード残高がありません。入金してください』のアナウンスと共 に機械から吐き出されてしまった。どうやら口座に金がなかったら しい。 「チッ…クロトの野郎、また俺の口座を荒らしやがったな…ウザ!」 彼はそう言うとスタスタと元来た道を戻っていってしまった。 「クソ!シャニの奴…!面白くねェ…抹殺!!!!!!!!」 オレンジ君は悔しそうに走り去っていった。 894 名前: 艦長 [sage] 投稿日: 03/07/18 15:30 ID:??? 早朝、本部へ着いた。大分あの艦にいたので本部は久々だ。 会議ではこの前のオーブでのことについてや、 宇宙であの4人が乗る艦についての話があった。 そこで新しい艦長も紹介された。 律儀でなかなか軍人らしい大分若い黒髪の女性だった。 あの反逆した艦、アークエンジェルの元クルーだったらしい。 問題視されているあの4人が乗る艦だから苦労するだろうが頑張って欲しい。 その後ダラダラと夕方まで続いた会議が終わり、 わたしは久々に会った友人と一杯飲みに行った。 今乗っている艦の話から懐かしい昔の話まで大分話した。 彼は「あの4人が乗っている艦なら色々苦労するだろう?」と言った。 わたしは「確かにな」と苦笑して言った。 「でも奴等は奴等なりにいいところもあるさ。苦労は毎日のようだが飽きなくてすむしな。 問題視されちゃいるが、わたしはあの艦の艦長になれてよかったと思ってるよ。」 彼は「相変わらずだな」と笑っていた。 次の日わたしは帰艦した。あの4人が同じ艦にいるのもあと数日だ。 BACK<<HOME>>NEXT |