***5:居ない間に好き放題*** |
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365 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 15:05 ID:??? 作戦が一段落して、俺達もしばしの休息が得られる。 アズラエルが俺達を海外旅行に誘ったが、行ったのはオルガだけだった。 正直、俺も行きたかったが、ガキ臭いと思われるは嫌だ。 そんな俺は、オルガはある意味勇者だと思う。 奴のようなのが人生の勝利者なのかもしれない。 だが、せっかく邪魔者が一人減った今回の休暇、楽しませてもらうことにする。 まずはオルガの部屋を荒らすか・・・。 しかし、いなくなったオルガの部屋にはロックされている。 そこで俺はクロトを呼んだ。 奴のGWSXXXならロックを解除することが出来るのだ(当然一般の人ではそんなことは無理)。 「ピピッ。」 オルガの部屋が開いた。 フフッ、一人で楽しむからこういうことになる。 俺達はオルガの部屋の中に踏み込んだ。 389 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/15 18:05 ID:??? オルガがアズラエルと旅行に出かけた。 日本というところには行ってみたい気もしたが、 アズラエルやオルガやシャニと一緒に行くと思うと気が乗らなかったのでやめることにした。 が、予想が外れて、シャニまで残ってしまった。 まあいい、シャニはこないだのことで大人しくしているし、 アズラエルやオルガがいない休暇を存分に楽しもうと思った。 そう思っていると、シャニが僕の部屋を訪ねてきた。 (珍しいこともあるもんだ) 何か用?と聞くと、オルガの部屋の鍵、開けてくんない?と言いやがった。 また部屋でも荒らす気か?バレたらめんどいから嫌だね、と言うと、 アズラエルはオルガと旅行中だからバレないだろ?と返してきた。 そーいやそうだっけ。 ちょうどヒマしてたところだったし、オルガはむかつくし、 よく考えたら貸したゲームも返してもらってないし、 ゲームを返してもらうついでにストレスの発散でもしてくるか。 僕はオルガの部屋のロックを解除した。 さて、どうしてくれようかな? 408 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/15 19:47 ID:??? オルガの部屋は意外とキレイに片付いていた。 この前僕達に荒らされたせいで物がなくなったからだろう。 っていうか何もない。本棚も空だ。何も入っていない。 荒らしようがなかったので帰ろうとしたら、「ここ見てみろよ」とシャニが本棚を動かした。 驚いたことに中からもう1つの本棚が出てきた。・・・・だが中身はほとんど残っていなかった。 俺がこの前売りさばいたからな、とシャニが得意げに言った。 こんなもん作るなんて、オルガもよっぽどひまなんだな、と思ってよく見てみると、 奧に僕の貸したゲームが落ちていた。・・・よし!取り戻した! これでもう僕の目的のほとんどは果たされた。あとはひまつぶしに部屋を荒らすだけだ。 と言っても、もうただ荒らすだけでは物足りない。どうしよっかなー。 あ!そうだ!この前見たリフォーム番組でやっていたことを試してみよう!! 軍艦だけあって、必要そうな工具はほとんど揃っている。 ベッドは天蓋つきにしてやろう。ひらひらのピンクのカーテンだ。 隠し本棚は僕の技術をもってもっと高度なからくりをつけておいてやろう。 パズル式だ。超かっこいい。 このパズルは僕でもGWSXXXをつかわないと解けないな。 シャニも妙な機械を設置していた。 こうしてオルガの部屋のリフォーム?は終わった。最高だ。最高傑作の完成だ。 オルガの帰りが楽しみだぜ・・・。 437 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 20:37 ID:??? 俺はクロトと一緒にオルガの部屋のリフォームを始めた。 クロトが何やら変なことをやっていたが、 俺は密かに作っていた機械をオルガの部屋の真ん中に設置した。 その名は「マイクロ・サイクロプス」。 これは俺が独自に開発したイタズラ用の機械だ。 実はストーブを改造して作ったものなんだが、コイツは無線を使って自由に操作出来る。 今は夏だ。室温を50度まで高めることが出来るのでオルガはろくに生活出来なくなるハズだ。 と言っても仕返しが恐いので、いざというときしか使わないが。 とりあえずクロトの作業も終了したようだし、俺は自分の部屋に戻った。 373 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 15:42 ID:??? それは、オルガが旅立った翌日の出来事だ。 昨日はオルガの部屋を今までにないぐらいに思いっきり荒らしてやったので、 今日の俺はすっきりしている。しかし、何か物足りない。 せっかくの休暇なのだから変わったことがしたい。 そう思った俺は、外に出ることにした。 「これは・・・。」 街を歩いていた俺は、ある看板を見つけて足を止めた。 そこには「吉野家」と書いてある。 ここは元々は日本の店だった。そういやオルガがいったとこも日本だったなぁ・・・。 日本を味わってみたいと思った俺は、吉野家で飯を食うことに決めた。 「ガラッ。」 戸を開けて中に入り、椅子に腰を下ろした。 「牛丼か・・・並で。」 とりあえず俺は並を頼んだ。 牛丼を食うのも久しぶりだ。 「ガラッ。」 ん、誰か入ってきたようだ。 後を振り返るとそこには見覚えのある顔があった。 そう、うちの艦長だ。 続く 374 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 16:09 ID:??? 艦長は俺を見るなり、隣に座ってきた。 「いつものを頼む。」 艦長が言った。・・・いつもの? 艦長、ここの常連だったのか。 俺はいつも吉野家で飯を食っている艦長が、少し可哀相だと思った。 昼になるといつも出かけていると思ったらここに来てたのか・・・。 しばらくして俺のとこに牛丼・並がきた。 艦長のとこには見慣れぬ品がおかれた。 これが隠れメニューというやつだろうか。さすが常連だ。 さっそく俺は牛丼を食べ始めた。 これが吉野家の牛丼か・・・。うまかった。 「すみません。」 すでに食べ終えた艦長が言った。 おそらく会計を済ませるのだろう。 「これで、あの緑の髪の少年の分も・・・。」 艦長はそう言うとサッと店から出て行った。 金をほとんど持って無い俺を気遣ってのことだろう。 ほとんど話したことも無いのに、なんていい人だろう。 オルガやクロトとは大違いだ。 俺は感動に打ちひしがれ、店を後にした。 425 名前: 艦長 [sage] 投稿日: 03/07/15 20:23 ID:??? 今日の昼も吉牛へ行った。シャニが居た。ヤツもこんなとこで昼食にするんだなと思った。 とりあえず"いつもの"を頼んだ。メニューについては言わないでおこう。 シャニの所に牛丼並が運ばれ、わたしのところにも来た。 シャニはわたしのメニューを不思議そうに見ていたが、目の前の並に手をつけた。 美味そうに食べていた。 わたしは会計時にシャニの分も払っておいた。 この前の金庫の件もあり、そんなに金を持ってはいないと思ったからだ。 わたしは吉牛を去り艦に戻ろうとした。と、その時アズラエルから連絡があった。 続く 383 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 17:38 ID:??? 吉野家を出た俺が次に向かったのはTSUTAYAだ。 もちろん俺はCDを買うためにここに来たのだ。 俺はこの前HMVで売ってなかったCDを探した。 しばらく店内を探すと、ついに見つけた。 ラクス・クラインの「静かな夜に」だ。 俺はCDをレジに持ってった。 しかし、レジには何故かクロトがいた。 「ん・・・なんでここにいるんだ?」 と俺が聞くと「バイトでやってるんだ。」と答えた。 そして、「このCDは10000アースダラーだ。」と言ってきやがった。 「ハン、これは1500アースダラーのハズだ。」 「嫌ならいいんだよ? でも、他の店にいっても売り切れだと思うよ。」 ぐっ、確かにそうだった。 実際このCDは最後の一つだった。 「・・・これでいいんだろ?。」 ぎりぎり10000アースダラーを所持していた俺は、仕方なく金を出した。 訴えればどうにでもなるが面倒臭かったし、 またコイツから金を盗んでやればいいと思ったからだ。 「ありがたいことで。」 クロトは悪党のような笑みを浮かべ、金を受け取った。 いつかやってやる。 そう思って俺はTSUTAYAをでた。 続く 394 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 18:20 ID:??? 俺はTSUTAYAを出た後、金が尽きたのでそろそろ帰ることにした。 しかし帰る途中で見てしまったのだ。 風俗店に入っていく艦長の姿を。 俺は自分の目を疑った。まさかあの艦長が風俗なんて・・・。 しかし、間違いは無かった。 まあ、艦長も大人だし、これが普通なんだ。 俺はそう自分に言い聞かせ、帰ることにした。 そして、俺はようやく自分の部屋に戻った。 まあいい、俺にはこの静かな夜にがあればいい。 今日はこれを聞いて夕食まで待つことにした。 431 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/15 20:28 ID:??? 昨日のオルガの部屋のリフォームが最高の出来だった。 今日はシャニも出かけていったし、もう邪魔なヤツはいない。最高の日だ。 とにかく気分が良くて、ゲームもいつも以上に夢中になれた。 679 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/16 20:02 ID:??? 休暇中は軍の訓練がないのでひまだ。(基礎トレーニングは毎日やってるけど) ゲームもいいが、そろそろ新しいゲームも欲しくなってきた。 なので、散歩がてらにTSUTAYAに行くことにした。 今は平日の昼間な上に、このところ戦闘続きでTSUTAYAはかなりすいていた。 レジの人も1人しかしなくて、かなりひまそうだ。 すいません、ちょっと探しているものがあるんですけど、と客がレジの人に言い、 レジの人は客に連れられてどこかへ行ってしまった。 自動ドアが開いて、シャニが入ってきた。 僕は驚いて、とっさにレジのカウンターに隠れた。 シャニは僕に気付いた様子もなく、しばらくうろうろして何か探しているようだった。 カウンターに隠れながら、こっそりシャニの様子をうかがっていると、ついに見つけたらしい。 CDを持って嬉しそうにこちらに近付いてくる。 レジの人は客についていったまま戻る気配はなかった。僕は立ち上がった。 「なんでここにいるんだ?」 とシャニが言ったので、バイトやってる、と答えた。(もちろん超うそ) 「10000アースダラーだ」 レジを適当に弄りながら言った。レジの操作なんてMSに比べたらチョロイもんだ。 1500アースダラーのはずだ、とシャニが言ってきたので、 「嫌ならいいんだよ? でも、他の店にいっても売り切れだと思うよ」 と言ってやった。ラクス・クラインは人気だからな。ヤツは渋い顔をしながらも、 これでいいんだろ?と10000アースダラーを出した。 「ありがたいことで」 これで(10000-1500×消費税10%=)8350円は俺のもんだ。やったぜ! バイト編初日後編へ続く 760 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/16 23:06 ID:??? シャニが店を出ていったのを見届けて、ゲームでも見てくるか、 とカウンターを出ようとしたとき、レジの人が客と一緒に帰ってきた。 君、何をしてるんだ、と言われちょっと焦ったが、 「お客さんがいたんで、変わりに会計しておきました。 レジの打ち方間違ってないと思うんですけど、確認してもらえますか?」 と言って、レシート(もちろん預かり1650円、おつり0円で売ってある)を差し出した。 レジの人はレシートを確認すると、あってるよ、ありがとう、と言った。 それじゃ、と僕はゲームを見に行った。 おもしろそうなゲームを見つけた。 それを持ってレジへ行くと、レジの人が忙しそうに会計をしていた。 さっきの人じゃないか。そう思っていると、君!と声を掛けられた。 「悪いんだけど、少し手伝ってくれないか?」 どうやら、難しい注文が入ったらしく、そっちをやりたいので、会計をしてて欲しいらしい。 ひまだったので、まあいいかと思って引き受けた。 「いやあ、助かったよ。ありがとう」 ラッシュは大変だったが、それは時間にして30分ほどで片付いた。 会計してもらえますか?と、ゲームを差し出すと、 手伝って貰った分安くしておいてあげるよ、と500円まけてもらうことになった。 なんでも、戦闘が続いたせいで、人手が足りないらしい。 休暇中ひまだったし、手伝いましょうか?と言うと、レジの人は本当か!?とかなり喜んでいた。 またシャニが来たら金もふんだくれるし、ゲームもまけてもらえる。僕にとっても悪くない話だった。 こうして僕のバイトは始まった。 艦に帰ると、さっそく買ってきたゲームをやり始めた。 ふと気が付くと、辺りは暗くなりつつあった。 晩飯でも食ってくるか、と部屋を出ると艦長がやってきた。 やけに機嫌のいい僕を不思議そうな顔で見ていた。 どこかへ出かけるようだったので、「艦長、どこ行くんですか?」と尋ねると、 「ああ、アズラエルを迎えに行ってくる」と言った。 アズラエルってオルガと旅行に行ったはずじゃ!?僕は血の気が引いていくのがわかった。 じゃあ、と言って艦長は出て行ってしまった。 どうしよう。オルガの部屋のことがバレたら。いや、絶対バレる。バレるに決まってる。 またお仕置きか?独房か?またあんな生活をしなくちゃならないのか? 飯を食う気にはなれなくて、とりあえず部屋に戻ることにした。 409 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 19:51 ID:??? 夕食の時間になったので俺は食堂に行った。 どうやら艦長はすでに戻っているようだ。 平然とした顔ですでに飯を食っている。 艦長は俺を見つけるとこっちに近づいてきた。 「これを。」 艦長は仮面ライダーふりかけを俺のそばに置いて去っていった。 ほう、これがオルガのかけていたやつか。 なんだか良くわからんが試しに飯にかけてみることにする。 「パラパラ・・・」 いい感じの色だ。後は味が問題だ。 とりあえず俺はふりかけご飯を食ってみた。 うん、うまい。オルガが夢中になって食っていたのもわかる気がする。 さすがに栗ご飯にかけるのはどうかと思うがな。 しばらくしてクロトが食堂に入って来た。 「なぁんだ、お前もそんなお子様用のふりかけ食ってんのかよ?」 「はん、結構うまいぞ。てめえも食えば?」 こいつにはいくつもの恨みがあるが、こんなうまいものを食わないなんて 非常に勿体ないと思ったからだ。 クロトはさっそく自分の飯に仮面ライダーふりかけをかけ、それを食った。 「うめぇ、感動!」ともの凄く嬉しそうに食っていた。 ハン、単純な奴だ。そう思ったがまた争いの元になるだけなのでやめといた。 俺はオルガとは違うからな。 さて、後は寝るだけだ。 824 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/17 14:25 ID:??? 実は、バイトをしようと思った1番の理由は他にあった。 明日限定発売の超レアなゲームが発売されるのだ。 それが発売されることは宣伝もされていないし、僕も今日まで知らなかった。 今日はTSUTAYAでそのゲームの予約ができないか確かめるつもりだった。 当然どこにもそんなゲームのことは書いてなかった。レジの人も知らなかったようだ。 だが、明日の入荷を確かめると、そこにはそのゲームがあった。たった1つだけ入荷するらしい。 バイトで潜り込めば朝一番に来たときに、買うことができる。 しかも、働いた分安く手に入るってわけだ。 軍の訓練に比べたら、TSUTAYAのバイトなんて大したことはない。 レジの操作だって、MSに比べたらチョロイもんだ。 人手が足りない、とレジの人は言った。チャンスだった。 「手伝いましょうか?」僕が言うと、レジの人は大喜びだった。 これであのゲームを手に入れることができる。 独房にも入らなくてすんだし、オルガも日本へ行ったっきりだ。 バイトも明日1日やったらさっさとやめればいい。 僕は気分よくベッドに入った。 446 名前: 艦長 [sage] 投稿日: 03/07/15 20:49 ID:??? 「艦長さん、○○という風俗店にいるんですが、ちょっと野暮なことがありましてね…」 アズラエルはそう言った。迎えに来いと言っているわけか…。 わたしは風俗店には興味が無いのだが…仕方がない。 途中クロトとすれ違った。 クロトは「艦長、どこ行くんですか?」と尋ねてきたので 「アズラエルを迎えに行ってくる」と答えた。 するとなにやらクロトは驚いたような顔をした。完全に血の気が引いている感じだ。 また何かやらかしたんだろうか。 とりあえずわたしはクロトに別れを告げ アズラエルの居ると言うその店に行きすぐさま連れて帰った。 艦に戻り夕食にした。 オルガにふりかけを買ってきたが居ないようなのでシャニに渡した。 わたしはそのまま去ったがその後すぐ食堂から クロトの「うめぇ、感動!」という声が聞こえた。 そんなに美味いのか…あのふりかけは。 今度買い溜めをして食堂に置いておこうと思った。 458 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/15 21:08 ID:??? シャニの部屋から物音がした。シャニが帰ってきたんだろう。 どうしよう。やっぱりシャニにもアズラエルのことを言った方がいいんだろうか。 ドアの開く音がして、シャニが出ていったようだった。 気が付くと外は真っ暗だった。きっとシャニは晩飯を食いに行ったんだ。 俺も、来るだろうお仕置きに備えて、腹にものをつめこんでおこうと思った。 その時にシャニにアズラエルのことを言えばいい。 食堂に行くと、シャニが飯を食っていった。 ・・・ってふりかけかよ。今の状況を知らないやつはのんきでいいよな。 シャニにすすめられて、ふりかけご飯を食ってみた。うまい。 これが独房前の最後のマトモな食事かと思うと、余計にうまく感じた。 「うめぇ、感動!」 思わず声が出てしまった。 シャニが何か言ってくるかと思ったが、ハン、と言うと何事もなかったように飯を食い続けた。 そうだ、シャニにアズラエルのことを言わないと。 でも、今はこの飯を腹いっぱい食べておこうと思った。 続く 472 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/15 21:40 ID:??? 「やばいんだ」 飯も食い終わり、僕はついに切り出した。 「アズラエルが帰ってきてる」 シャニは一瞬ぎょっとした顔をしたが、ハッ、まさか、と信じていないようだった。 「マジだよ。さっき艦長が迎えに行ったんだ」 そう言うと、どうやら今度は信じたらしく、シャニの顔色が悪くなっていった。 「じゃ、あれがそうだったのか・・・?」 どうやら思い当たるフシがあったらしい。 「やばいぜ。気付かれたらまた独房だ」 「なぁ〜にが気付かれたらやばいんですかぁ?」 「!!」 振り向くとすぐ後にアズラエルが立っていた。 「また君たちは何かしでかしたんですか?まったく、だめだめなコたちですねぇ」 心臓がものすごい勢いでなっている。やばい。やばいやばい。 「ほら、隠したって無駄ですよ。さっさと白状しちゃいなさい」 どうする?どうする!?どうやったらこの場を切り抜けられる!? 「まぁ、どうせまたオルガの部屋で何かやらかしたんでしょうけど」 僕は絶句した。ごまかせるはずなんてなかった。 もうだめだ。 続く 478 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/15 22:04 ID:??? 「おやおや、まあ、これは・・・」 アズラエルは、オルガの部屋の変わりっぷりにすっかり驚いているようだった。 いつ「お仕置き」という言葉が出るかと僕は気が気ではなかった。 「ふむ、おもしろいですねぇ、これとか」 アズラエルは本棚のパズルが気に入ったようだった。 どうやら、解こうとしているらしいが、どうにもうまくいかない。 僕ですらGWSXXXをつかってやっと解けるようなパズルなので、無理もない。 しばらく挑戦し続けていたが、やっと諦めたらしく、僕にパズルを解けと言ってきた。 言われた通りパズルを解いてみせると、 複雑な変形をして現れたもう1つの本棚に、アズラエルはすっかり感心したようだった。 やけに上機嫌で部屋を見て回っているので、 「お仕置き・・・とか、やんないの?」 と思わず聞いてしまった。シャニがこっちをにらんだので、しまった!と思ったが、アズラエルは 「別にこんなことくらいでお仕置きにはしませんよ」 と言った。これにはまじで驚いた。 「あ、いいですよ、もう行っちゃって。私はもう少しこの部屋を見ていきますから」 どうやらアズラエルはあの部屋が気に入ったようだった。 まあ、とにかく、ありがたいことで。 484 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 22:22 ID:??? アズラエルがリフォームされたオルガの部屋を調べている。 クロトはもう行っちゃったようだが、俺は残って様子を見ることにした。 「あれぇ? なんですかぁ、この怪しげな機械は?」 しまった、アレに気付いてしまった。 アズラエルはマイクロ・サイクロプスを念入りに調べているようだ。 「シャニ、この面白そうな機械はどうやって使うんですか?」 アズラエルが聞いてきた。はん、これはちょっと面白いことになるかもな。 「作動させていいの?」 後で文句を言われないように一応聞いといた。 「ええ、もちろんですよ。」 「わかった。」 ピッ! 俺は持っていた無線で、マイクロ・サイクロプスのスイッチを入れた。 相手はアズラエルなので温度は少し弱めの40度だ。 ブゥゥゥゥン! 「ん、なんですか・・・う、ぐわぁぁっ・・・。」 あのアズラエルが苦しんでいる。なんとも滑稽だ。 俺らは強化されているので、40度程度ではあまり熱いとは思わない。 だが、アズラエルは今にもダウンしそうだ。 ピッ! スイッチをOFFにしてやった。 「あっああ、ホント、面白い機械ですねぇ。ま、まぁ、今回は私がやって欲しいと言ったのですから、 仕方ないでしょう。」 そう言ってアズラエルは足早に去っていった。 おそらく水でも飲みたいんだろう。 しかし、愉快だった。本当に愉快だった。 829 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/17 15:50 ID:??? 僕は気分良くTSUTAYAに出かけた。 そして入荷されたものを漁った。どこだ?どこにある!? ・・・・・あった! 見つけた。このゲームだ。間違いない。 そのゲームをこっそり避けておくと、他の入荷物を並べ始めた。レジの人は気付いてない。 あとは今日1日働いて、帰りにあのゲームを買えばいい。働いた分はまけてもらうためだ。 接客なんか冗談じゃないが、ゲームのためだ。仕方ない。機械的にやっておけば大丈夫だろう。 もうすぐ開店だぞ、と声をかけられた。はい、と返事をするとカウンターに入った。 今日1日、1日の辛抱だ。 続いとく 466 名前: シャニ ◆fp5l7xCBjQ [sage] 投稿日: 03/07/15 21:18 ID:??? 部屋に篭ってるのもアレなので、俺は今日も出掛けることにした。 クロトもバイトに行ったらしいんで、邪魔でもしてやるか。 さっそく俺は奴がバイトをしているTSUTAYAの中に入った。 ふん、いつもと変わらず人で賑わってるようだ。 レジの方を見たら奴がいた。当然だが、俺以外の客に対しては真面目に働いてるようだ。 ん? どうやら奴の隣にはもう一人店員がついてるようだ。 ふん、おそらく先輩だろう。これはいい機会だ。 俺は適当なCDを取ってレジに向かった。 クロトの奴、顔にしわを寄せてやがる。ちょっとからかってやろう。 俺はCDをクロトに渡した。「2000アースダラーです」 さすがに今回は真面目のようだ。 俺は袋に入れられたCDを受け取ったとき、奴の指を思いっきりつねってやった。 「ぐっ、てめえ・・・。」 「こらっ。すいませんお客様。コイツ、まだ慣れてなくて・・・。」 先輩と思われる店員が言った。俺は何も言わずに立ち去った。 営業が終わった後、奴はこってり絞られることだろう。 ククク、いい気味だ。 830 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/17 16:50 ID:??? 今日のTSUTAYAは昨日より人が多い。 めんどくせぇが、これもゲームのためだ。1日だけの辛抱だ。 だが、これだとシャニが来たときに金をふんだくれない。 アイツのことだ、きっと僕の邪魔をしに今日もここに来るだろう。ひまだろうし。 レジにはいつも2,3人の客がいて、とくに難しい注文も入らなかった。 僕とレジの人は機械的に会計を続けた。ちくしょう、こんな時にシャニが来たら・・・。 店のドアが開いて、人が入ってきた。黄緑のきもい色のキタロウヘアー・・・シャニだ! ヤツは僕と、隣のレジの人を見ると、ニヤっと笑ったようだった。やばい!僕は直感した。 数人の客の会計を済ますと、目の前にCDが置かれた。シャニだ。 「2000アースダラーです」 レジの人も他の客もいる前で、10000だの、20000だのなんて言えるわけがない。 2000アースダラーを受け取って、CDを袋に入れてシャニに渡した。 「!」シャニのヤツが僕の指をつねりやがった。 「ぐっ、てめぇ・・・」思わず文句を言おうとしたら、こら!とレジの人に怒られた。 ちくしょう!シャニのやつめ!覚えていろ!! その後はとくに変わったこともなく、その日のバイトは終了した。 悪いけど今日で辞めさせてくれ、と言うとレジの人はすんなり承諾した。(シャニとのことのせいかもしれない) その日の給料約1万で、あのゲームを買った。給料の残りは口座に振り込んだ。 僕がバイトをやめたことは内緒にしておこう。バイトに行く、と言えばきっとシャニをだませる。 明日は今日の仕返しだ。覚えてろ、シャニ! バイト編終わっとく 265 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/25 00:00 ID:??? 僕はやっとこの前手に入れた例の超レアなゲームを始めることにした。 GWSXXXにゲームをセットし、スイッチを入れる。タイトルが表示された。 ・・・・・・・・は?「スーパーリアルロボット大戦」?なんだ、このタイトルは?ふざけてんのか? 実はこのゲームの情報を手に入れたのは、軍の中心部にハッキングしたときだった。 (なんでそんなところからこんなゲームの情報が出てきたのか不思議だったが、調べるはめんどくさかったのでやめた) そこではタイトルは「スーパーリアルロボット大戦」(仮)となっていた。 バイトの入荷品欄にもそう載っていたが、だれが本気で「スーパーリアルロボット大戦」だと思うか! わざわざバイトまでして手に入れたゲームだってのに、どっかで聞いたようなしょぼいタイトル。 ひどく期待を裏切られた気分だ。最悪だ。こんなことならあのバイトの日に朝一番に店に来て 「限定発売のゲームがあるはずだ!」 とか喚いていた金髪のヤツに20000アースダラーで売りつけてやれば良かった。 そういえばあいつはどこでこのゲームのことを知ったんだろう?ま、どうでもいいけど。 ゲームの内容はなんてことない対戦ものだった。だが、登場する機体に驚いた。 そこには連合軍で使用している戦艦、MSが名前こそ違うが、ほぼ正確なデータで登場していた。 これにはまじでびびったたが、とりあえずレイダーによく似た機体を使ってゲームを進めた。 僕は本物のレイダーのパイロットだ。なめるな!!! だが、ストライクもカラミティもフォビドゥンも簡単に倒し、あっさり全面クリアしてしまった。 こんなもののために!ゲームを叩き割ってやろううかと思ったとき、いきなり画面が変わり、ネットに繋げと指示がでた。 裏面はオンラインゲームになるってのか?・・・いや、あまり期待はしないでおこう。 そう思いながら僕はGWSXXXをネットに繋いだ。 BACK<<HOME>>NEXT |