***10:殺伐とした日常・リターンズ*** |
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302 名前: クロト ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/07/27 16:32 ID:??? さて、どんな八つ当たりをしてやろうか? 口座のハッキングはやり飽きたな。(でもとりあえずもらえるもんはもらっとこう) CD割るのも、本破くのも、もうやり飽きた。売りに行くのもいいが、とくに金に困ってるわけではない。 どうしようか。 ・・・・・・・そうだ!薬をすり替えよう! 僕は医務室にある養命酒をかっぱらってくると、研究室に向かった。 当然ロックがしてあったが、僕には関係ない。GWSXXXてロックを開けると、研究室に忍び込んだ。 今日の薬は、と。どこだー?お、あったあった。 そしてオルガとシャニの薬の中身を養命酒にすり替えると、研究室を抜け出した。 すり替えた薬の方は僕が持っていよう。もし、また独房に入れられて薬をもらえなかったりしたときにでも役に立つ。 監視カメラの映像のすり替えも前もってしておいた。完璧だ。 これで養命酒を飲んだアイツらを見たらきっと気分は晴れる。ククク。薬の時間が楽しみだぜ。 にしても研究室に忍び込むのは大変だった。 あんまりやらないようにしよう。疲れた。 306 名前: シャニ ◆X252m6L3HA [sage] 投稿日: 03/07/27 21:04 ID:??? 今日も薬を飲む時間がきた。 何故かクロトがニヤニヤしている。 いつものように与えられた薬を飲む。 ん? 味が違うぞ・・・。 何だこの味は? とりあえず自分の部屋へ戻って音楽を聴くことにした。 ぐ・・・、苦しい・・・。 音楽を聴いていた俺を激痛が襲った。 う・・・ぐっ、これは、薬切れだ! くそ、味が違うと思ったら・・・なんてことだ。 俺は部屋から出ようとしたが、苦しくて歩けない。 部屋を這いずり、やっとのことで外に出られた。 続く 348 名前: オルガ?いさだくフリセ ◆agurOOY75E [sage] 投稿日: 03/08/04 20:50 ID:??? 招集をかけられた。いつもおなじみの薬の時間だ。 薬を手渡される。正式名称は「Xナンバー生体CPU強化薬」 詳しいことは知らんがこれがないと俺たちは生きていけない。 まあそんなことはいい。とりあえず飲むか。くっと飲み込む。 うむいつもと変わらない……。なんじゃこりゃ……。 まずい、いや正確に言えばコレだって薬だからうまいもんじゃない。しかしこれは 近くにいた研究員にこっそりと尋ねてみた。 「内容変えたかのか?」 「はい、a452薬を約2.5%増やしました。よくお分かりになりましたね。」 「そうか……。」 味がこんなにも変わってしまうのかとすこし驚いた。 もしや俺の舌はかなり肥えてるのでは?などとくだらないことを考えつつ、俺は部屋に帰った。 が、異変はすぐに現れた。苦しいのだ。薬切れのときと同じだ。ヤヴァイ。 いま飲んだばっかりなのに、何故だ。とりあえず薬をもらわなければ。 361 名前: クロト?!殺抹? ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/08/05 15:50 ID:??? 薬の時間になった。あんまりニヤニヤしてるとバレるな。 なるべく顔に出さないように気を付けたが、やはり思わず笑いそうになってしまう。 シャニもオルガも何か気付いたようだった。 オルガが研究員に何か言ってる。やばいかな? だがオルガは納得したらしく、薬の時間はいつものように終了した。 やった!バレなかった! 笑い出しそうになったが、それをこらえて部屋に戻った。 部屋に戻ってしばらくすると、シャニの部屋から呻き声が聞こえてきた。 薬切れだ!あははは!いい気味だ! オルガの部屋からも苦しそうな声が聞こえる。 クククク!愉快! 八つ当たりは大成功だ。今までの恨みもはらせた。 今日はいい気分で寝れそうだ。 364 名前: シャニ ◆X252m6L3HA [sage] 投稿日: 03/08/05 16:06 ID:??? 俺は部屋からでるとすぐに研究員を捜した。 薬が切れてまともに動けない。 それでもなんとか頑張って研究員を見つけ、声をかけた。 「く、薬・・・薬を・・・。」 「おい、薬ならさっき飲んだはずだろ?」 「・・・いいから、薬を・・・・」 「わかった。ほら、コイツを飲め。」 助かった・・・俺は研究員から渡された薬を飲んだ。 これだ・・・いつもの味。 そのとき、後からオルガが苦しそうにやって来た。 奴もか・・・。ということは犯人はクロトか・・・? もしアイツだったら・・・ボコボコにしてやる・・・。 少し休んで体力が回復した俺は、クロトの部屋に直行した。 367 名前: オルガ?いさだくフリセ ◆agurOOY75E [sage] 投稿日: 03/08/05 16:32 ID:??? 研究所までの道のりはおもった以上に、、、長かった、、、 ほふく前進だったのに途中人に呼び止められなかったのが不思議だ。 人と会わなかっただけだが。研究所に入るとそこには既にシャニがいた。 うまそうに薬を飲んでいる。俺だけじゃないようだな。その後研究員に薬をもらい一命を取り留めた俺は 恐らく犯人であろうクロトをぶちのめしにクロトの部屋へと向かう。部屋の前にはシャニもいた。 「こんかいだけは、な。」 「ハン」 そういうシャニの口元は、確かに緩んでいた。 370 名前: シャニ ◆X252m6L3HA [sage] 投稿日: 03/08/05 16:48 ID:??? クロトの部屋に入ろうとしたがロックがかかっている。 恐らく俺が来るのを察知してのことだろう。 ドアを壊そうと体当たりするが俺だけの力じゃ無理がある。 ・・・ん? ちょうどいい所にオルガが来た。 オルガは「こんかいだけは、な。」と言ってきた。 「ハン」 俺は、小さく頷いた。 バァァン!! 俺とオルガで同時に体当たりすると、ドアは簡単に壊れた。 ククク、面白いことになってきたぜ・・・。 部屋の中ではクロトが長い棒を持って待ち構えていた。 俺達とやるつもりか・・・? 今までの恨み・・・今日で晴らす・・・。 372 名前: クロト?!殺抹? ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/08/05 17:11 ID:??? シャニが部屋から出ていったようだ。オルガも出ていったらしい。 たぶん研究室に薬をもらいに行ったんだろう。 やばいかな。 とりあえず部屋のロックをした。2対1じゃ分が悪い。何か武器が必要だ。 棒だ。あいつら2人程度これで十分だな。 それに実はこの棒は手元のスイッチで電流が流れる。要するにスタンガンと同じ効果があるってわけだ。 ドンとドアに何かがぶつかる音がした。シャニがドアに体当たりしてるらしい。 よく考えたらあいつらにロックをやぶる技術なんてなっかったな。なーんだ。 体当たりでドアが破れるもんか。やっぱ馬鹿だなー。ハハハ! バァァン!! でかい音と同時にドアが壊れた。おいおい、どんなショボイドアなんだよ、これは! たかが2人の体当たりで壊れるなんてショボイにも程があるだろ! いや、こいつらが強化人間で、今マジ怒ってるせいか?チッ、そんなことはどうでもいい。 僕は棒を構えた。 来るなら来い!返り討ちにしてやる!撃滅!! 375 名前: オルガ?いさだくフリセ ◆agurOOY75E [sage] 投稿日: 03/08/05 21:12 ID:??? 蹴破ったドアの先には、棒を持ったクロトがいた。ふん、予測済みってことかよ。 先にシャニが走る、クロトの顔面にけりを飛ばす。とっさにクロトは棒で防いだ。 棒がはじける、そこに俺が足払いを放つ。難なくジャンプでかわされた。 「ステージ2が僕にかなうわけないだろう!?」 「うっっせーよぉ!」 次はハイキックを飛ばす。今度は棒で防がれる。 その棒に足を引っ掛け、思い切り足をけって、今度は顔面をけろうとした。 今度は判断が遅れたのか手で防いだ。すこし痛そうな顔をした。が、俺の手を思い切りはじいて、俺を蹴飛ばした。 そこでシャニがその足を掴んで投げ飛ばす。クロトは壁にぶつかった。すぐさまクロトは立ち上がり棒を拾った。 棒でシャニを突く、手で受けたようだった。しかしシャニは倒れた。そんなにも突きが強力だったのか? 今度は俺に向かってくる。とっさに左手を上げて、棒を受けた、が、全身に電撃が流れたような痛みが来た。 「、、、、まさか、、、、、」 「ははは、僕の勝ちだ!」 しかしその後ろにはのっそりと立ち上がる影を見つける。そしてその影は思い切りクロトの後頭部を殴った。 ばったりと倒れるクロト。さらにその後ろの影も倒れ、そして俺の意識も途絶えた。 384 名前: シャニ ◆X252m6L3HA [sage] 投稿日: 03/08/06 15:04 ID:??? 「クロト、お前だけは許せねえ!」 「薬の味が変わってる時点で気付かなかった奴が悪いんだろ、ヴァーカ!」 ・・・・・・なんだぁ? 俺はオルガとクロトの大声で目が覚めた。 どうやらここは医務室の中らしい。 クロトの部屋で気絶した後、ここに運び込まれたのか・・・。 「いいか、このことをアズラエルに言いつけてやる!」 「そんなことしたら、もう一度痛い目にあってもらうよ?」 横ではオルガとクロトが争っている。 よし、俺も加勢してやろう。 ・・・そう思った瞬間、医務室のドアが開き、アズラエルが入って来た。 「君達、まだやってるんですかぁ?」 ちっ、せっかくクロトを叩きのめしてやろうと思ったのに。 まあいいや、薬のことをアズラエルに話すとしよう。 ククク・・・クロトの奴、これでもう終わりだな。 388 名前: クロト?(´∀`)? ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/08/06 22:27 ID:??? 気が付いたら医務室にいた。 確か、シャニ、オルガを返り討ちにして、それから誰かに後から殴られた。たぶんシャニだな。 結局俺達はまとめて医務室に運ばれたってことか。 隣のベッドを見るとシャニとオルガが寝ていた。 チッ。こいつらを返り討ちにして気持ち良く寝ようと思ってたのに。一発殴っとくか。 そう思って近付くと、オルガが目を覚ました。 僕の顔見るなり、「クロト、お前だけは許せねえ!」と殴りかかってきた。 それをよけ、「薬の味が変わってる時点で気付かなかった奴が悪いんだろ、ヴァーカ!」と言ってやった。 言ってからしまった!と思った。これじゃ僕が薬をすりかえたって認めたことになる。もうばればれだが。 僕たちが争ってるのを見て、医務室の姉ちゃんは出て行ってしまった。 「いいか、このことをアズラエルに言いつけてやる!」 「そんなことしたら、もう一度痛い目にあってもらうよ?」 そう言ったとき、ドアの開く音がした。 「君達、まだやってるんですかぁ?」 アズラエルだ。クソ、嫌な奴が来た。 続く 389 名前: クロト?(´∀`)? ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/08/06 22:39 ID:??? 「クロトが俺達の薬をすり替えたんだよ」 シャニが言った。フン、言ってろ。うまく切り抜けてやる。 「僕じゃないよ。僕にそんなことできるわけないじゃない」 「嘘つけ!」 そう言ってオルガが僕の胸ぐらを掴んで、殴ろうとした。 「あ〜もう、やめなさい」 ほらほら、とアズラエルが僕とオルガを引き離した。 「僕じゃないよ!僕がやったっていう証拠でもあるわけ?」 「てめぇ!」 「クロトもオルガも落ち着いて。ちゃんと説明してくださいよ」 アズラエルがため息まじりに言った。 「だから俺とシャニの薬がすり替わってたんだ!だったらこいつしか犯人はいないだろ!」 「証拠もないのに僕が犯人だって言うのかよ!」 「お前の薬だけすり替わってなかったのが証拠だ!」 「あ〜、ほら、2人とも落ち着いて」 オルガがすごい顔で僕を睨んでいる。まあ、当然といえば当然だが。 だけど大丈夫。証拠は何一つ残してこなかった。この場を切り抜けるだけの自信はある。 絶対にうまく切り抜けてやる! 461 名前: クロト?(´∀`)? ◆WqroXKjrUQ [sage] 投稿日: 03/09/03 22:51 ID:??? ドアが開いて、失礼します、と兵士が入って来た。 おっさんに何かを告げるとその兵士は部屋を出ていった。 「確かにクロトがやった可能性は高いですが、証拠がないのも事実です。 監視カメラにも映っていなかったそうじゃないですか。 証拠がないのではクロトが何かしたのか、研究員のミスか、 それともまた全く別の誰かによるものかもわからないでしょう?」 なるほど、さっきの報告は研究室の調査の結果だったらしい。 「そうですねぇ。今回は忍び込まれた研究員側にも責任はありますしねぇ。 まあ2人とももう体の方も大丈夫なわけですし、これで終わらせましょう」 それを聞いて僕がニヤっと笑うと、他の2人が僕を睨み付けてきた。 これはあとでもう1騒動ありそうだな、めんどくせーと思っていると、 「いいですかぁ、3人とも。これ以上何かするようでしたらお仕置きですからね?」 と、おっさんが言った。正直助かった。 けど、今日のおっさんはなんかおかしい。いつもなら3人ともお仕置きを食らうところだというのに。 なんだか機嫌がいいようだ。 その理由は新しい艦長を見たらすぐにわかった。新しく来た艦長は若い女だったからだ。 艦長がいなくなるのはさみしかったが、タイミング良く来てくれた新しい艦長は有り難かった。 おかげで僕はお仕置きを免れたわけだし。 お仕置き食らっても予備の薬持ってるから大丈夫だけど、ゲームができないのは辛いわけで。 まあとにかくうまく切り抜けられたわけだ。ありがたいことで。 ****************** 327 名前: 瑞葉 [sage] 投稿日: 03/08/01 23:42 ID:??? もうすぐ日も暮れる。今日も蒸し暑い一日だった。 そんなことを考えながら、庭木に水をやっていると、こんな時間に郵便配達がやってきた。 「速達です。」 「暑いなか、ごくろうさまです。」 暑中見舞いを速達で? 差出人は、・・・アズラエル様。やはりどこか変ってらっしゃる。 はがきを裏に返す。あっ。 そこには、アズラエル様といっしょにオルガさんも写っていた。友人の方たちと きれいな女性の指揮官のような人も写っていた。 「暑中お見舞い申し上げます。今年は多忙にて、そちらへ伺うことができません。 代わりに息子のように可愛がっているオルガに行ってもらいました。 ムルタ・アズラエル」 それにしてもオルガさんとお友達の方たちったら、みんな変なポーズを取ってておかしい。 アズラエル様は、悪ふざけがお好きだから、こんなポーズを取らせたのね。きっと。 あ、でもこの写真のアズラエル様は、うちにお泊りになられていた時のお姿と比べると、 なんだかちょっと背が高すぎるような?・・・いくら手前に写っていらっしゃるからといって、 オルガさんは、布団から足がはみ出そうなほどだったし。もしかしてオルガさんは、 気を遣って、背中を丸めてらっしゃるのかしら。 これ以上、考えるのはやめよう。お客様に失礼だ。アズラエル様は、私のために わざわざ速達で送ってくださったのかもしれないし、そうであるならそのご配慮に 感謝しなければいけない。 とにかく、このはがきは、おばあちゃんに頼んで譲ってもらおう。 オルガさんの返事はまだ来ないが、元気そうな様子がわかり嬉しくなった。 ヒグラシ蝉が鳴いている。夕闇があたりをつつみ始める。 そろそろ片付けて、戻らなきゃ。 BACK<<HOME>>NEXT |