黒い十字と銀の月
塗られた姉に花束を〜



一章 Lady of Blood



「養女?」

 着替えを済ませたボクと冬菜は、ダイニンクルームで彼女―――エストリィさんの手料理を囲みつつ、父さんから経緯を説明してもらっていた。

「ああ」

 向かいの席で父さんはロールキャベツみたいな料理を食べつつ、淡々と答えた。

「いや、なんでそんないきなり……」

「ごめんなさい、私がアキトシに無理を申しましたから」

 父さんの隣に座っているエストリィさんがスプーンをスープの皿に置き、しゅんと俯いてしまった。

「あ、えっと……」

「お兄ちゃんは、お姉ちゃんができるの、イヤなの?」

 ボクの隣の冬菜がちょっと非難するようにボクを見た。

 どうやら冬菜は新しい家族ができる事を喜んでいるようだった。

「え? いや、そういうわけじゃないんだけど……」

 ボクもその事について反対しているわけじゃない。

 ただ単に、こんな重大な事を前もって言わないのだろうかと思っただけで……。

「流石に手続きなどでゴタゴタがあったし、絶対に連れて帰れるとは限らなかったしな」

 それを酌んでくれたのか、父さんはロールキャベツの付け合せの黄色いパンみたいな料理を齧りながらそう言った。

「父さんな、実は金目当てのテロリスト達に誘拐された事があってな……」

「ええっ!?」

 父さんのいきなりの告白にボクと冬菜がビックリして声を上げた。

「は、初耳だけど……大丈夫だったの?」

 誘拐されるなんて、タダ事じゃないと思うんだけど……。

「すぐに解放されたからな……その時、エストリィに出会ってな、向こうに居る間、色々世話になったんだ。この通り日本語が達者だから」

「私、昔から日本という国に憧れていたのです……だから必死に覚えました」

 確かにエストリィさんの日本語は発音もスムーズで、声だけ聴けば誰も彼女を海外の人とは気づかないんじゃないかと思うほどの流暢さだった。

「会社では英語で間に合うんだが、さすがにプライベートではそうもいかなくてな。ずいぶん助けられたよ」

「父の強さも、母の暖かさも知らず、身寄りのなかった私にアキトシは父親のように接してくれました」

 エストリィさんはそう言って何かを思い出すように目を瞑った。

「アキトシは毎日のように貴方がたの話をしてくれたのですよ……そして私はその話を聞くのが大好きでした」

 そして今度はとても優しい目で、彼女はボクと冬菜を見つめた。

 ちょっと恥ずかしくなって、ボクは誤魔化すようにエストリィさんの出身国の郷土料理らしいロールキャベツを口に運んだ。

 普通と比べて酸味の強くてクセがあるけど、慣れると美味しいと思う味だった。

「どうか私を家族の一員に加えていただけないでしょうか?」

 と、エストリィさんは真剣な眼差しで訴える。

「わたしは大歓迎……、こんなキレイなお姉ちゃん」

 モジモジしながらも、冬菜は嬉しそうに首を何度も縦に振った。

 寂しがり屋の冬菜には、家族が増える事がたまらなく嬉しいんだろう。

「ボクも……その、歓迎します」

 だから、ボクも嫌だとは言ってないわけで。

 それも、こんな綺麗な姉さんは大歓迎なわけで。

「ありがとうございます」

 深々と、頭を下げるエストリィさん。

 言葉遣いと言い、物腰と言い、気品と言い、大和撫子は絶滅して久しいと言うけど、



(海外で生き延びてたんだねぇ)



 日本人として、何か大切なものを見つけたような気がした。

「これで、私もアキトシの事をお父様、と呼べるのですね」

「……そうだな」

「わ、わたしもお姉ちゃんって呼んでいいですか?」

 冬菜が今更な事を言った。

「ええ、もちろんですよ」

 でもエストリィさんは嬉しそうに微笑んだ。

「ハルキ君は、私を何と呼んで戴けますか?」

 そして急に、エストリィさんはボクに目を向けた。

 彼女の薄氷色の瞳がボクの瞳の中に、とても綺麗に映える。

 これがファンタジーの世界なら、きっと魅了の魔法が込められてるんだろうな……。

「お兄ちゃん、そんな口開けてボーっとしてたらバカみたい」

 ……なんて思ってたら、冬菜が呆れ顔でツッコんできた。

「そんな、綾香ちゃんみたいな事言うなよ……」

「お兄ちゃんも、キレイな女の人は好きなの?」

 そりゃ当然だろう、我が妹よ。

 ……とは言えず。

 ただ苦笑いで誤魔化すしかなかった。

「……………………」

 そして正面には、エストリィさんが期待に満ちた目でボクを見ていた。

 とりあえずボクは彼女をどう呼ぶか……?

 お姉ちゃん、は子供っぽいし……。

 アネキ、はエストリィさんに合わないっぽいし……。

 ねーちゃん、も同様。

 姉様、は彼女にはぴったりと思うが、なんとなく百合っぽくてちょっと嫌だ……。

「やっぱり、姉さん、かな?」

 オーソドックスだけど、これが一番しっくり来るような気がした。

「姉さん、ですか……姉さん、姉さん……」

 エストリィさんは何度もその言葉をかみ締めるように呟いた。

「日本語とは不思議ですね、同じ意味なのに様々な呼び方あって……姉さん……ああ、この響きも素敵です」

 とても気に入ったのか、エストリィさんは胸に手を当てつつ目を閉じてうっとりと悦に入っていた……。

「ああ、今日はなんという素晴らしい日なのでしょう! 父親だけではなくこんなにも愛しい弟と妹ができたのですから」

 というか、オーバーだと思った。

 見た目とは裏腹に、結構ハイになれる人なのかも知れない。

 ……ちょっと可愛いと思ってしまった。





 エストリィ姉さんを迎えての団欒はそう長くは続かなかった。

 冬菜が熱を出してしまったからだ。

 その冬菜は父さんに抱きかかえられて部屋まで連れて行ってもらい、今は薬を飲んで眠っている。

 それを見届けたボクと姉さんは、キッチンで手分けして後片付けをしていた。

 ちなみに父さんは、お風呂で長旅の疲れを癒している最中だ。

「……フユナさんは大丈夫なのですか? ハルキ君」

 可愛いヒヨコが描かれたエプロンをつけた姉さんが、洗っていた食器を渡しざまにボクに訊いてきた。

「冬菜は母さんに似て身体が弱いから、よく熱を出すんです」

 その食器を受け取り、それをキッチンタオルで拭きながら答える。

「母さんとは、ナツミさんの事ですね」

「母さんの事、知ってるんですか?」



 ―――風野夏海。



 3年前他界した母さんの名前だ。

「アキト……お父様は貴方がた兄妹の話だけではなく、ナツミさんの話もしてくださったのですよ」

 食器を洗う手を止めて、姉さんは遠い目になった。

「母さんの話、ですか?」

「ええ、とてもお優しい方だったと聞いています……お父様からは自分にはもったいない奥さんだって、何度もノロけられましたよ」

 そう言って姉さんはクスリと、思い出し笑いを一つした。

 本当にこのヒトの笑みは、ドキリとしてしまうほどに綺麗だ。

 ついつい、見惚れてしまう。

「ハルキ……君?」

 ふと気づくと、姉さんが不思議そうにボクの顔を覗き込んでいた。

 もう少し、ボクが歩み寄れば唇と唇が触れ合う程の距離。

「わあああっ!?」

 慌ててボクはその距離を離す。

「ボーっとして、熱でもあるのではないですか?」

 と、姉さんの白い手がボクの前髪を掻き分けて額に当たる。

 姉さんの手のひらは水仕事をしていたせいでさらに冷たかったが、それが今はとても心地良かった。

「ちょっと熱いかも知れませんね……大丈夫ですか?」

 心配そうな目で見つめる姉さん。

「だ、大丈夫!」

 あんまりビックリしたせいか声が裏返ってしまった。

「それなら、いいのですが……無理はしないで下さいね」

「は、はい」

「家事は任せて下さい。こう見えても私、得意なのですよ」

 ふんと、腕まくりして姉さんが笑った。

 その笑顔はとても無邪気っぽくて、さっきまでの綺麗な表情とは打って変わって凄く、

(可愛い……)

 見惚れてしまいそうだったけど、また変に思われたくなかったので我慢した。

「ハルキ君も家事が得意だとお父様からお聞きしてましたのよ」

 再び、姉さんが食器洗いに取り掛かった。

「そ、それほどでもないけど……」

「日本の男性は家事をしないと聞いていましたが……確か『武士は喰わねど高楊枝』と言うんですよね?」

「いや、多分言わないかと……」

 というか、その言葉の意味が分からなかった。

「あら、私、勘違いしていましたか……」

「それはともかく、最近は男でも家事をする人は多いんですよ」

 ……と、世間では言われている筈なんだけど、何故か身の回りには1人もそんな出来た男は居なかった。

「まあ、そうなのですか。でも、それならハルキ君にいろいろな日本の料理を教えていただけますね……よろしければお願いできませんか?」

「え? ま、まあボクでよければ……」

「ありがとうございます!」

 と、姉さんは濡れた食器を持ったまま深々と頭を下げた。

「あ、いやそんなに畏まらなくても……」

「私、懐石料理とか作ってみたかったのです、頑張って覚えますのでご指導、ご鞭撻の程を宜しくお願いします」

「いやそんなご丁寧に……って、え? 懐石料理?」

「はい!」

 満面の笑みと期待に満ちた目をボクに向ける姉さん。

「ごめんなさい、それは無理……」

 懐石料理なんて、作るどころか食べた事もなかった。

「む、無理なのですか?」

 姉さんの表情が、ガーンという擬音が良く似合う表情になってしまった。

「ボクが作れるのは世間一般の料理だけなんです……」

「懐石料理は世間一般の料理ではないのですか?」

 そして今度の姉さんの表情の擬音は、キョトン。

「違います……」

 そんな、日本のもてなしとなごみの心を極めた料理が毎日の食事だったりしたらウチの家計はあっという間に破綻してしまう。

「まだまだ日本の勉強が足りないようですね……すみません」

 がっくりと、姉さんは肩を落としてしまった。

「え、あ、いやそんな……これから覚えていけばいいんだし」

 ちょっとツッコミ過ぎただろうか。

 まだ日本に来たばっかりの姉さんにこんなに手厳しくしなくても良かった筈だ。

「ぼ、ボクも姉さんの故郷の料理を作ってみたいです。良かったら教えてもらえませんか?」

 とりあえず、話題を変えようと試みる。

「私の故郷の料理をですか?」

「はい、あの、ロールキャベツなんかちょっと酸味があって美味しかったし」

「ああ、あれはサルマーレですね」

「そんな名前なんですか、あの料理」

「ええ、あれは私の故郷でも一般的な料理で、作れないとお嫁に貰っていただけないんですよ」

「お嫁にですか?」

「ええ。日本で言えば、ええっと……あの腐った豆のスープみたいなものですね」

「く、腐った豆のスープ?」

 そんな料理、日本にあったっけ……。



「ひょっとして、味噌汁?」

「ああ、そんな名前でしたね、確か」

 まあ、確かに味噌は大豆を発酵させたものだから、間違っちゃいないんだろうけど……。

 ……地域によっては米や麦も使う事があるのは、この際置いとこう。

「ああ、でもこうやって誰かと食事を作ったり後片付けしたりができるなんて、とても嬉しいです」

「そ、そうですか?」

「ええ! 今まではずっと独りでしたから……」

「あ……」

「作った料理を食べてくれる人が居るだけでも幸せだというのに、一緒に作って下さる人まで居るなんて……感激してしまいます」

「そうですね。ボクもこうやって喋りながら後片付けするのは久しぶりだから楽しいです」

 1年程前までは、よく隣の綾香ちゃん家のおばさんに料理を習いに通っていたけど、最近はそういう事もめっきりなくなってしまっていた。

「フユナさんは料理をしないのですか?」

「冬菜はドジっ子だから……皿を渡せば落として割るし、包丁を持たせれば指を切っちゃうし、危なっかしくて」

「まあ」

「それに冬菜は身体が弱くて病院通いが続いてたから……今は大分良くなったけど昔はよく入院してたんであんまり家に居なかったんです」

「そうなのですか……」

 姉さんから最後の食器を受け取り、それを戸棚にしまう。

「流石に2人だと片付けも早いですね」

「ええ、本当に」

「……お風呂、空いたぞ」

 丁度いいタイミングで父さんがキッチンにやってきた。

「ではハルキ君、どうぞお先に」

 姉さんがエプロンを畳みつつ、ボクにそう言った。

「え? ああ、んじゃお先に」

 お言葉に甘えて、先に入る事にした。





 ―――真夜中。

 本日の全ての予定を終了させて自室のベッドで眠っていたボクは、首筋にくすぐったさを感じて目が覚めた。

「……?」

 何か、犬か猫かにペロペロと舐められている感覚。

「……??」

 もう少し意識がはっきりした所で、誰かが仰向けで寝ているボクに覆いかぶさっている事に気づいた。

「うう……何?」

 久しぶりに暗闇が怖くなった冬菜が潜り込んできたのだろうか?

「重いから、どいてよ冬菜ぁ……」

「お、重いですか? ……ショックです」

「あれ?」

 その冬菜とは違う声にボクの意識が少しだけ覚醒した。

 目を開けてみれば暗がりの中、ぼんやりと見える誰かの顔の輪郭。

「くすっ、駄目ですよハルキ君……女性に重いなんて言っては?」

 そして、その誰かはボクに乗っかったまま身を起こしてクスリと笑った。

「え? あ、ごめんなさい」

 反射的に謝ってしまった。

「えっと……誰だっけ?」

 頭がボーっとしていて、目の前の人が誰なのかが分からない。

 分かったのはその人が女の人である事ぐらい。

 それも、血のように紅いレースのネグリジェが良く似合う、とっても色っぽい女の人だった。

「冬菜、じゃないよね……?」

 冬菜がこんなに色っぽくなっちゃったら、お兄ちゃんビックリだよ。

 ……ああ、でも女の子は成長が早いって言うしなあ。

 そのうち冬菜も彼氏とか連れてきたりして、その彼氏が、

(お兄さん、冬菜さんを僕に下さい!)

 とか言ったりするのかなぁ。

 ……そうだよなぁ、冬菜もいつかはお嫁に行っちゃったりするんだろうなぁ。

「冬菜ぁ、お嫁に行ったりしたら、お兄ちゃん寂しいよう」

「え? な、何故、そこで泣いてしまうのですか?」

 目の前の女の人が、困った顔で慌ててしまった。

「そーいえば、誰だっけ……?」

 ボーっとした意識の中で、記憶の引き出しをいくつも開けてみる。

 でも何故か、いつもは色々な記憶が収められている筈の引き出しの中は、今はその悉くが空っぽになっていた。

「私は……」

「ああ、綾香ちゃんかぁ……」

 綾香ちゃんなら、この色っぽさも納得だ。

 それに彼女ならこんな夜中にボクの部屋に忍び込むのも簡単だ。

 だって昔は屋根を伝って、よく遊びに来ていたんだから。

 ……でも。

「駄目だよ綾香ちゃん、また危ないっておばさんに怒られちゃうよ」

「……綾香ちゃん?」

「うん、綾香ちゃん」

 でも、目の前にいる綾香ちゃんは、いつもの彼女とちょっと違っていた。

「あれ? そういえば綾香ちゃん……胸小さくなったね」

「え?」

 ボクの目の前で揺れる2つの膨らみには、いつもの、ボクを窒息させてしまうほどのボリューム感がなかった。

 もっとも小さいってわけでもなく、手ごろな大きさって感じだ。


 ―――ああ、そうか。


 そう言えば、綾香ちゃんはあの大きな胸を小さくしようといつも努力してるって言ってたなぁ。

 きっとその努力が実ったに違いない。

「良かったね、綾香ちゃん。痩せる石鹸が効いたんだね」

「や、痩せる石鹸……ですか?」

 目の前の綾香ちゃんは、ますます困った顔になってしまった。

「……あれ」

 でも、目の前の綾香ちゃんから、またいつもと違う所を見つけた。

 窓から差し込む月の光に映えて、うっすらと輝く金色の長い髪。

「髪の色が変わってる……コスプレ?」

「ああもう、何がなんだか……寝ぼけてるんですねハルキ君」

「寝ぼけてる……?」

「んもう、お姉さんを忘れてしまったのですか?」

「お姉さん?」

「はい」

「お姉さん、お姉さん……あ」

 ようやく、最後の引き出しの奥から記憶の欠片を見つけ出した。

「エストリィ姉さんかぁ……」

「やっと思い出していただけましたか」

 嬉しそうに目の前の女の人……エストリィ姉さんが微笑んだ。

「でも、そのエストリィ姉さんがどうしてボクの部屋に居るの?」

「ええ、夜這いしに来たのですよ」

「夜這い?」

「異性の部屋に夜中に忍び込む事を、そう言うのではありませんでしたか?」

「ん〜」

 しばし、考える。


よばい よばひ 2 【夜▼這い/▽婚】

(名)スル
「呼ばふ」の連用形から〕男が求婚をし、女の許(もと)に通うこと。
元来、男が女の所に通う婚姻形式が一般であったが、
のち嫁入り婚が支配的になると次第に不道徳なものと考えられるようになり、
「夜這い」などと解されるようになった。
「くはし女(め)をありと聞こしてさ―にあり立たし―にあり通はせ/古事記(上)」

 ―――goo 辞書よりまた引用


「多分合ってる」

「そう、良かった……でもハルキ君、目を覚ましてしまいましたね」

「うん……でも身体がちっとも動かないし、頭もぼーっとしててよく分かんないや……」

「そうですね、今のハルキ君には麻酔が効いていますから」

「麻酔?」

「ええ、痛いのはハルキ君も、お嫌でしょう?」

「うん、痛いのは嫌い」

「眠ってるうちにと思っていたのですが……少し麻酔を増やした方がいいみたいですね」

「注射も嫌いだよぅ」

「くすっ、注射はしませんよ……」

 そう、姉さんは微笑みながらボクにゆっくりと顔を近づけてくる。

「んっ……」

 そして、ボクと姉さんの唇が重なる。

「む……ぐっ」

 その刹那、姉さんの舌がボクの唇を割って入ってきて、そのまま咥内で蠢動した。

 姉さんの唾液が滝のように、どんどん送り込まれてくる。

 それはとても甘い味と香りがして、喉から体内に落ちていく度にボクの身体が芯の方から熱くなっていった。

「う、あぁ……っ!」

 ボクは姉さんの唇に吸い付き、彼女の咥内からその蜜のような分泌液を激しく貪るように飲んだ。



 ―――それはさながら渇きに耐えかねた熱病患者の如く。



 姉さんの紅い唇と舌はとても柔らかくて、そして氷のように冷たい。

 でもその冷たさが、火照ったボクにはたまらなく心地良かった。

「くすっ、もうよろしいようですね」

 姉さんは唇を離すと微笑んだ。

 その笑みは今まで見た事がない程の、妖しい笑みだった。

 ああ、このヒトは本当に色々な笑顔を持っているんだなぁ……。

 ……と、思った。

「あ、熱い……よ」

「そうですね……ああ、ハルキ君のここ、こんなに熱くなっています」

 そう言って、姉さんが触れたのはボクの下半身でいきり立つモノ。

「う、あ……っ!」

 パジャマ越しに先端を撫でられる。

「熱くて、硬くて……ふふっ、幼い顔つきでいらっしゃるのにとっても大きい」

 ついに姉さんの手がズボンの中に入り込み、細くて冷たい指先が直接ボクのモノにやんわりと絡みついた。

「くっ……ああっ!」

 その刹那、脳髄に電気的なショックが駆け抜けた。

「では、こちらからいただきましょう」

 姉さんの身体が、下の方にずれる。

 そして、ボクのズボンが引き抜かれるのを感じた。

 下着も一緒に剥ぎ取られ、恥ずかしい箇所が姉さんの目下にさらけ出される。

「な、何を……はんっ!?」

 先ほどまで感じていた乾いた感触が、打って変わってねっとりと潤った感触に変わった。

「くっ……」

 身を起こそうと試みるが、身体中が鉛にでもなったかのように重く、指先一つピクリとも動かせなかった。

 それでも渾身の力を使い、なんとか首だけは上げることができた。

「ね、姉さん……」

 そして見たものは、ボクのペニスを咥える姉さんの姿だった。

 柔らかく、そしてしっとりした姉さんの舌がボクの敏感な部分を包み込み、そしてぬるりと刺激していく。

「う、ああ……」

「はぁ、我慢しなくてもいいのですよ……そして早く貴方の熱い生命を」

 舌を絡みつかせるだけでなく、唇もキュッキュッと先端や幹の部分を締め付けられる。

「あ……うっ、だ、駄目ぇ……」

 敏感な所を刺激されればされる程、下腹部にムズムズした感覚が走り、そのムズムズ感がどんどん大きくなっていく。

「駄目……出ちゃうよ……っ」

「ああ、貴方の命が少しずつ溢れてきています……もっと、もっと飲ませて下さい」

 止めといわんばかりに、姉さんの首の動きが早くなり、ボクの敏感な所を唇で余す所なく刺激していく。

 竿の部分も姉さんの細い指が上下にしごかれ、袋までもがやわやわと揉みしだかれる。

「あ、ああっ!」

 そして鈴口を舌先で突付かれた瞬間、ボクの体内から熱いものが迸った。

「んっ、はぁ……凄いですハルキ君」

 その迸った熱いものを全てコクンと嚥下して、姉さんは紅潮した面持ちで言った。

「はぁはぁ……ご、ごめんなさい」

「あら、どうして謝るのです?」

「だ、だって姉さんの口の中に……」

「くすっ……大丈夫ですよ」

 姉さんは妖しい笑みを浮かべつつ、唇の周りを舐めた。

「ああ、まだ出てきています……私が綺麗にして差し上げますね」

 と、再び姉さんがボクの徐々に縮みつつあるペニスを口に含み、まだ滲み出てくるネバついた粘液を優しく舐めとって綺麗にしてくれた。

「やっぱり、貴方くらいの歳のものが生命力に溢れていて、とっても美味しいです……」

 そう言って、姉さんの顔がボクの顔に近づいてくる。

「さあ、次は……」

 そして舌なめずりを1つして姉さんは……。





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