|
彼の下半身の高ぶりが私の手に触れる。そこは雄雄しく反り返り、そう、私を貫くために。
「欲しかったら、ほしいって言わないとあげないよ・・?」
とことん、私を弄び続ける彼の言葉。
私はその彼が何よりも欲しいのだ。
「・・・・ください・・・・」
赤く色づいた唇の吐息の隙間に私は望むことだけしか口に出来ない。
埋め尽くしてほしい・・。
私のこの、淫らに、堕ちた、身体に。
最終的な、快楽をこの身に与えて欲しい・・・。
「そう・・・・」
彼は体勢を入れ替える。
・・ああ・・・やっと・・・
もらえると感じたその瞬間、私の下腹部は冷たい感覚のみが湧き上がる。
「いやぁぁ・・・・」
どこに隠し持っていたのか、わからないが、その無機質ななにかが突っ込まれていた。
「俺を・・・欲しいとは・・言わなかったね・・?」
薄く眼を開けると、彼が私を見つめていた。
彼は私の手を掴み、下腹部に突き刺さっているそれに手を添えさせる。
「や・・・」
それは私の想像以上に大きく感じられる。
「自分で、動かしてごらん・・・ここが・スイッチだよ・・」
彼がゆっくり私の耳に口付ける。
「ほら・・・欲しいんだろう・・?」
・・・欲しい・・?・・・
冷たく感じていたそれが私自身の熱を吸い込んでいく。
無意識に私の指がスイッチを動かしていた。
低い振動音とともに私の身体が跳ね上がった。
「ぁぁぁ!!!」
一気に快楽の曲線が上カーブを作り出し、私の身体を翻弄する。
そのうねりとともに、腰が蠢いていくのを私自身が止めることが出来ない。
指先に感じるその動きが私の心を染め抜いていく。
その私の手に彼の手が添えられる。
「さ・・・まだだよ・・・」
彼の手が私の手を包んだまま、私の中に入ったそれを出し入れし始める。
「アア・・・・は・・・ああ・・ん・・・」
ピストン運動とくねるそれが私の快楽を煽っていく。
その部分が派手な水音を立てているのもわかっていた。
彼の唇が私の耳元で囁く・・・・
「イキなさい・・・このまま・・・全部・・・みてやるから・・・」
私はその言葉に、意識を飛ばしてしまった・・・。
私はふと、髪の毛を撫でられる感覚で眼を覚ました。
ゆっくりとあけた眼に飛び込んできたのは彼の瞳。
「眼が覚めたみたいだね・・・・・・・?」
私はそのときはじめて自身が失神していたことを理解した。
「・・・どれ・・・くらい・・」
「・・そうだね、ほんの一瞬だよ・・」
窓から差し込む光が夕方を示していた。
「でも・・もう・・外が・・・」
私はその瞬間まで忘れていた、下腹部に差し込まれたあれのことを。
小さく低く、鈍い音を立てながら、それはまだ蠢いていたのだ。
「・・あ・・・・」
その異質感が私を呼び覚ます。
「貴女は・・・」
彼が囁いてくる・・。
「意識を失っていても・・・ここだけが・・」
彼の指が私の下腹部を滑る。
「起きているように、咥えこんでいたんだよ・・・」
「・・・ぁぁ・・」
私は全身にはびこる気だるい脱力感の隙間から、官能の炎がちろちろと湧き上がってくるのを意識せざる得ない。
「どれくらい・・欲しがるつもりだい・・?」
どこまでも、言葉で私を堕としていくー彼ー。 |