呪縛 10
「何を見ているの?」
彼が言う言葉。
「・・・・貴方を・・・・」
「・・・見ていた・・・」
「俺を・・?・・」
眼だけで笑う、彼。
逆光でそれ以上の表情が見えない。
彼が私の背中に手を入れると、私を起き上がらせる。
「ああ・・・・いい顔だね・・・」
私は彼からどう見えているのだろうか・・?
欲望のまま、彼に溺れていく私のこの浅ましい心の奥。
それすらも見透かしているのだろうか・・・。
「や・・・・・」
私は思わず眼を伏せる。
何ゆえ、彼は私に逢うのか・・・・
改めての漠然とした疑問が浮かび上がる。
私は伏せた目を彼のほうへ上げると疑問を口にする。
「どうして・・・・?」
「ん?なんの話?」
彼は不思議そうに私を見つめた。
その瞳の欲望が薄まる。
「私に・・・・どうして・・・?・・」
彼はやさしい瞳になると、後ろ手のネクタイをほどいた。

「逢いたいことに理由はいるのか?」
彼の言葉。
そうなのだ・・・・
理由なんて無い。
でも・・・知りたい。
彼の心の奥を。
私をもとめているのかどうかを。

ふわりと彼の腕の中に私が抱きとめられる。
「貴女を・・・・・こうやって・・・」
彼が囁く。
「確かめたかったからかもしれないね・・・」
私は彼のぬくもりの中にいる。
「言葉だけでは、貴女はわからない。」
彼の声の中にいる。
私はそっと彼の背中に手を回した。

彼はそんな私を抱きしめたまま、ベッドに沈む。
身体の重みが私にかかってくる。
彼の身体も、私と同じに熱く感じられる。
耳元に彼のやわらかい吐息がかかり、それとともに、舌が蠢きだす。
どくんと音がして私の中で何かが変わる。
それは決していやなものではなかった。
「・・ぁぁ・・・」
彼の動きに私は身を捩じらせ、その甘美な責め苦から逃れようとする。
「ここを・・・こうされるのが・・好きなんだったね・・」
「だ・・・だめ・・・」
「そうかな・・?・・」
彼の指先が私の体のラインをなぞっていく。
「・・ぁぁ・・・・ぁっ・・・ん・・・ふぅ・・・・ん・・・」
その触れるか触れないかの感覚は私を少しずつ狂わせていくようだ。
ただ、快楽だけを望んでいく。
私の情けないほどの欲望。

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル