realize
35th The wavering heart
パートナーへの感情・・・

私はなぜ?彼とともに生きようとしたのか・・・?
そして今・・・・なぜ私は彼を切り捨てようとするのか?

彼が好きだったから。一緒にいたかったから。理由なんてそれだけだった。
だから、彼の言葉だけを信じた。
彼の過去を、私への不誠実を、なにもかも、思いだけで超えることが出来ると夢見ていた。
現実を見えなかった、いえ、感情が瞳を曇らせ、夢だけを見つめた。
彼の想いは自分にあると信じ込もうとしていた。
私が彼を好きなのだから、彼も私を好きになっていてくれている。
そのためになら私はなにもかも、投げ捨てられたのだから。

では、なぜ、私は今なのか・・?
私が彼を好きで、彼を受け入れていた事実から、彼は私への依存を覚えてしまったから。
頼めばなんとでも言うことを聞いてくれる・・・
自分にとって便利な存在。

努力をするそのそぶりすらなかった。
嘘でもいい、そのそぶりだけでも見せてくれればだまされたのに・・・・
私ならばきっと、その形だけでもきっとだまされた。
でも・・・・彼はただ、いるだけ。

決めるのがいやなのではない。
自らが動かないことがいやなのだ。
何でも、人任せ、面倒なことはしたくない。

忙しいから・・・
自分はわからないから・・・・
・・・・そんなことを考えることが面倒だから・・・・
頼むほうが楽だから・・・・

彼は出来ないのではなく、やりたくないのだ。
出来るだけ自分のやりたいことだけをやっていたい人なのだ。
大人子供、なのだろうと。

依存すれば、それは楽だろう。
されるほうもそれに喜びを見出すことだってあるだろう。

以前の私なら、そうだったのかもしれない。
だが
今は、私はそれをよしとしない。

助け合うことと依存とは違う。
それが、わかる自分がとても嬉しい。

そしてパートナーにとって、私はただの「所有物」でしかなかった。そう「人格」ではない、「便利なもの」だ。

自分が好き勝手しても相手が自分を好きなのだから、いやならば嫌いになるといえばいいだけ。

自分が便利に使う道具なのだから・・・・。
うわべだけのやさしさ。
それを見抜けなかったのは自分だ。
だから、自分自身で決断を下さねばならない。
しかし、私はちゃんと分かっている。
これは、私に必要な時間、相手であったのだ。
私が私を認めるために必要な事実・・・時間・・・・出来事・・・・
高い授業料だった・・・・
でも、パートナーと向き合わなくては、私は先に進めない。
それを、私は彼”夏彦”に突きつけられた・・いえ・・・・違う。
私のために、彼はあえてそれを見させたといえる。

私は・・・・・・どれだけでも、彼”夏彦”に思ってもらえていること。

彼”夏彦”のやさしさ・・・・
わからない、わかるわけが無い。
そう思いながらも、彼の言葉の真意を探る。
ただのチャットパートナーでしかないんだと、思い込もうとしている私には見えなかっただろう。

今なら見える、彼の感情が少しだけだけど。
彼の優しさは私に負担をかけないようにするやさしさだ。
もちろん、都合のよい部分だけといってしまえばそれだけだとしても。

最初は気がつかなかった。
彼の言葉の隙間に、秘められたその感情に。
相手のためではなく自分のための優しさのように見せていたから。
でも、違った。
自分に優しく出来るから相手に優しく出来るのだと知った・・・・。
相手に何も求めないから、出来るのだ・・と。
それを知ったときにはもう、私は言葉が出なかった。

私は、少なくとも、仮想空間の中でどれだけでも彼のやさしさの中にいたのだ。
それに甘え、わがままをいい、彼に負担をかけていたことに気付かぬままに。

欲しい感情のままに彼の優しさに甘えた私。
それをそれと知らぬ間に。
彼はどれだけでも、私を受け入れてくれていたのに・・・・・。
おそらくは壊したのは私だと、思っている。

すべてが遅いのかもしれない・・・・・・・・・。
子供過ぎた、私。
彼の想いは既に過ぎ去りしものなのか・・・

これから先は、私は彼に見られて、辱めれられ、ただそれだけの女としての価値だけになるやもしれない。
それでも、私は彼に見られたい、それだけでも彼に求められることに私は快楽を感じ、彼を引き止めたい。

私を見て・・・・
もっと、見て・・責めて・・・いやらしい女にして・・・
淫らに貴方の前で、私は狂うから。
貴方が欲しくて、貴方の声に、言葉に。

声を聞かせて、私を抱いて。
もっと、おかしく、なってもいい。
すべて私の望みだから。

それでも、私はきっと今なら素直に言える・・・・・・
以前言葉にするのにためらったあの一言。
「ありがとう・・」

貴方がいたから自分を知ろうと思えた、そして自分をわかっていない自分を見つけた。
貴方と出会えたから、自分をいとおしく思えた。
私は自分自身を、自分で愛していなかった。
だから、代償を求め、人に甘え、人からの思いを欲しがった、でも違った。
私を救うのは私自身、仮面の向こうにある穴を埋めるのは自分自身。
私を、愛し、守るのは自分なんだ・・・・

もう、怖くない。

きっと、歩ける。

そして、パートナーと向き合って、正しい答えが出せる。
そのために彼は私を突き放してくれたのだから。

貴方への想いは、私の中にちゃんとあるけど。
快楽を求めるだけで。
それで私は、貴方とつながる、それだけで。
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