|
パートナーには彼”夏彦”のことを。
心に住まわせてしまった、別な異性のことを。
言わずに、パートナーを受け入れることをやめてしまった。
きっかけは彼だったのかも知れない。
相手を、そう私と、互いに高まろうとする彼”夏彦”の根本的な考え方。
多分初めてだったのだ、感じるという本当の意味を、知ったのは。
濡れることが感じることではない、身体の奥底から湧き上がる何かわからない感覚。
もっと欲しいと、そう、心からその感覚を欲しいと求める感情。触れ合いたい、つながりたいと。
身体から心へと広がる快楽。
でも、
原因はパートナー自身にある。
それは本人が気がつかない限り、きっと変わることは出来ない。
私が言ったところで、彼自身に変化する気がなければ、変わることはない。
ずっと、続けてきて、徒労に終わった事実を見せ付けられていても。
もう少し、あと少しと。
彼”夏彦”には、私のことを。
自分自身の性格をわかりすぎるほど知っている自分だからこそ。
ただ、ともに時間を過ごすだけでいい。
穏やかに過ぎる時間を。
互いの気持ちを感じる時間を。
どんな形でもいい、二人共有できる、時間が欲しいと願ってやまない。
交わっても交わらなくても、互いが近づければそれで十分・・・・。
もっと彼を、彼自身を知りたい、そして私を知って欲しい・・・
貪欲に、彼を求めている。身体も、心も、気持ちも。なんて身勝手な自分・・・。
迷惑にしか・・・ならない。負担にしかならない。わかっているのに。
自分自身、理性で感情を押さえ込みコントロールするだけが精一杯なのだ。
わがまま、自己中心的、こらえ性の無い人間、どれも私を象徴している言葉。
私が選ぶ、険しい道。でも、自由になりたい。
女であるが故の何かも味わうことになるだろう、理不尽さも。
一人で耐えてみせる、私は、きっと大丈夫。
相手を苦しめるとしっているけれど。
誰をも、すべてを。
それでもいい・・・・・
パートナーとすごす時間。
彼”夏彦”とすごす時間。
いずれも私の中の歴史として・・・形にならなくても。
積み重ねることが出来る。
逃げ出したと蔑まれてもかまわない、パートナーが幸せになるならば。
卑怯だと思われてもかまわない、彼”夏彦”が幸せをつかんでくれるならば。
私自身が幸せになること、考えるのはあとからでいいから。
誰も彼も傷つけて、私が幸せになるなんて、許されることじゃないから。
いつか、時がめぐり、偶然が出会いを引き寄せたときに、
幸せならば、私は救われるだろう・・・。
私の選んだ道が間違いじゃなかったと思える日がくるならば。
今すぐに決断することは多分、出来ない。
ただ・・・私は知っている。
頭ではなく、感覚で。
幸せだった・・・・
楽しかった・・・
それを醜いものにしたくない・・・
綺麗ごとなのかもしれない。自分が傷つきたくないだけかもしれない。
それでも相手を相手との時間を大事に思うから。
彼といたから今の自分があると言えるのならば。
きっと、間違ってなんかいない。
ゆり>こんばんは、夏彦さん。
夏彦>久しぶりですね、ゆり。
ゆり>ええ・・・本当に。
夏彦>どれくらいのご無沙汰でしたでしょうね。
ゆり>仕事でしょう?それはそれです・・・
彼”夏彦”は時間を作って私と話をしてくれる。
とても、うれしい、が私は本当は知っているのかもしれない。
彼に私は必要ではおそらくは無いことを。
もっと、もっと、すばらしい、素敵な女性たちが彼の周りにはたくさんいるはずだから。
だから、ただ・・・ここだけで。
この一瞬の欲望の解放に私を使っているだけだとしても。
それすら本当はいらないのかも知れない・・・
でも私が、望んでいるから。
切り捨てることが出来ないから。
・・・やさしく・・・強い・・人・・だから。
ずるい、ずるい、私を
今は、包んでくれている・・・・感謝しかできない。
・・・ごめんなさい・・ありがとう・・・・
貴方をまだ、解放してあげられない私を、許して・・・ください。
情けなく、おろかな、私を、どうか。
でも、いつか。
私は、私の本当の願いを叶えたい。
・・・・出来ないだろうこととわかっているけれども。
わかりなさい、彼は仮想空間の人。
ネットの世界の人なんだ。
それでも、好きになってしまった自分をその世界で受け止めてくれた。
だから・・・
走らない、飛び込まない。
でも、
彼の腕の中で、未来をともに見つめたいと、一瞬だけ夢見た・・・。
|