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恋は2度した。
一度目の恋は、実ることはなかった。
あまりにも近すぎて、男女になりえなかった彼。
でも、大事な私の親友として今いてくれる。
二度目の恋は、パートナー。
背伸びをした恋。
彼の同情から始まった恋。
ただただ、好きなだけで、結婚まできた。
無理をしている恋、彼に嫌われるのが怖くて、彼の望むままの私でいる恋だ。
そして、今私は三度目の恋を自覚している。
彼―夏彦に。
パートナーへの恋を育てて、生活にするのが結婚だと思う。
そうする努力をしてきたつもりだ。
少なくとも私は。
でも育てるのなら二人でなくては育たない・・・・・。
片一方だけが与えるだけでは・・・・枯れてしまう・・・。
バランスが崩れた土壌に、きれいな花は咲かないから。
そして私は恋を見つけてしまった。
素直な、自分に、無理をしない恋。
等身大の私を受け入れてくれている、彼”夏彦”に。
何度も何度も、否定した。
そのことを受け入れることが怖かったから。
いつか失うことが怖かったから。
いいえ、そうではなかった。
認めてしまえば、私は後戻りができなくなると知っていた。
でも、逃げないで、見つめてしまえば。
簡単に自分の中で温かく灯る。
それを抱えて、私は強くなっていく。
そんな自分が愛おしくてならない。
間違った方法であるのは承知の上で。
私は彼に添いたいとそう、思い始めている・・・・・。
彼と探したいと思ってしまっている。
時間をかけて、無理をしないで、できるところから。
そう・・・二人逢うことから始めたい。
だから、いつか、時が来れば、きっと逢える。そう信じている。
なにか変わる日は、くるかなんてわからないもの、未来はまだ不確定。
どちらかのためじゃない、お互いの未来のために。
いつでも向き合っていられるように。
無理も負担も、かからぬように。
夏彦>ええ・・・きっと・・・・
ゆり>逢いたい・・
二人が同じ想いでいるなら、きっと逢える。
そう・・・・。
いつかは。
この手が、心が、つながっているなら・・・・。
そして、私は気がついてしまう。
パートナーへの違和感を。
こんな想いを彼に抱いたことが無かったことに。
いつも、いつも、追いかけていたことに。
どうして・・・?
彼が、私を抱くのは・・なぜか?
好き・・・だけではない。自分の欲望を満たしたいから。
互いの欲望ではない、自分の欲望、ただ、それだけだと確信してしまう。
彼にとって私は単なる所有物、自分の思いとおりになる玩具・・・・。
意思のない人形とでも思っているのかもしれない・・・。
事実、それは・・そう演じていたかも知れない。
彼”夏彦”にとっても私はおもちゃなのかもしれない。
彼との行為でそれを望んでいるのは確かな私だから・・でも・・心がついてきていると感じているからかもしれない。
彼は私がいやと言えば、本当にいやと言えば、それ以上はしないだろうということがわかっているから。
泣き叫ぶまで、強引にはしないだろう・・・・。
というよりは、自然に受け入れるように持っていくのかもしれないが・・
それでもそれは私が望むまで、彼は私を待つだろう。
確証なんてないけど、彼の言葉で、私は彼をそう、感じている。
それが、彼とパートナーの違い。
大事にするという意味合いの違い。
「人」として大事にする彼。
「所有」として大事にするパートナー。
その違い、がわかる自分がいる。
でも、やさしくないわけじゃないことも十分にわかっているから。
真実はどちらなのか・・・・・?
いつか、私にやってくる、真実・・・。
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