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白昼夢を見ているようで、ソレは現実で。
まごうことなく、リアルな出来事。
確かな感触。
思い描いていたよりずっと強い、瞳で。
想像していたよりもっとたくましい腕で。
私ーを抱きしめて、離さない。
求めていた、抱きあいたいとそのとき確かに願っていたのは私だけではなかったと。
その行動で彼ー夏彦は示す。
触れるその指が優しく、淫らな私を引き出す。
「・・ぁ・・・ぁぁ・・・・」
「こう・・されるの・・好きだよ・・ね・・?・・ゆり・・・」
「ん・・・ん・ぁ・・・ぁ・・ぁぁ・・・」
小さく首を振るそこに唇を寄せネッキングを繰り返す。
「ほら・・・こうやって、舐めあげるのも・・したいって・・言ってた・・」
「・・ふ・・ぁぁ・・だめぇ・・・」
「耳元・・・すごく・・感じてた・・・俺の・・・声だけで。」
回線の向こう。
どこのだれとも知らないまま、彼の声で乱れ、その醜態をカメラに見られ、彼に送った。
何度も。
何度も。
幾枚も送られたそれの使い道など考えもせずに送った。
”ゆり>だってぇ・・・・写真って・・・そんなの・・・取っておいてどうするのよぉ〜〜?”
”夏彦>スライドショーで、、画面いっぱいに流すのです。”
”ゆり>な・・なんで?”
”夏彦>自分で慰めるときにですよ”
”ゆり>ええ?”
”夏彦>それほど驚くことですか?自慰をすることが”
”ゆり>んじゃなくても・・・もっと・・ほかに・・・きれいなのとか・・いっぱい売ってるでしょぉ・・・・私なんて・
・・”
”夏彦>ゆりは私との会話のログで、、自慰をしませんか?”
”ゆり>・・・・・・・・・ぐ・・・”
”夏彦>しているでしょう?”
誰でもない、私で自分を慰めたい。
自分の快楽を私で得たい。
そう言ってくれることがどれだけか嬉しかった。
言葉には表せないほど。
羞恥と嬉しさの隙間に湧き上がる快楽。
なぜ、彼は私に自分自身を教えてくれたのか?
わからないまま、私は彼を求め続けている。
キスと上半身への愛撫だけで私の下腹部が蕩けきっているのがわかる。
「ぁ・・ぁぁ・・・」
声すらも抑えきれない。
思わず指を噛み締める私のその手をふうわりと大きな温もりが包む。
「駄目・・・もっと・・・声あげていい・・・」
硬くしこった乳首を唇ではさみ、甘く吸い上げる。
「・・は・・ぁぁん!・・・」
その場所が熱を帯びている。
熱く彼の口内よりもっと熱く。
舌がその輪郭を確かめるように蠢いていた。
「は・・ぁぁ・・・」
「綺麗な・・・・ピンク色・・・を・・・きれい・・・だ・・・」
”夏彦>綺麗な・・・・ピンク色・・・を・・”
”夏彦>摘むと・・・すぐ・・固くなり・・乳輪が・・縮んで・・・・”
”夏彦>そこに、、、、小さなボツボツが・・浮き出てしまう”
「あのときと・・同じ・・・・すぐに・・硬くなる・・・乳首・・・きれいだ・・」
声が、文字とシンクロして身体に染み通り、甘い快感で満たしていく。
もう・・いい・・・
何も考えない、今までのことも、これからのことも。
抱き合い、この暖かさは決して偽りじゃないから。
求めて。
もっと、抱き合って。
触れ合って。
すべてを彼とともに。
夢と現の狭間でかまわないから。
思い出しかけたあの彼に、少しだけ心を揺らしながら。
彼の手の中に自分を預けた。 |