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全身を余すことなく彼の視線に晒され、それすら、快楽の糸口へと繋ぐ。
そうしたい、そうされたい。
望みは合致しているから。
だから。
求め合う。
それを肉欲と呼ぶなら呼べばいい。
それだけというほどお互い愚かではないから。
互いに必要だから。
どんな形であれ、互いが互いを必要としていること。
それがわかるから、こうして望みをぶつけ合う。
触れられたい。
触れたい。
壊されたい。
全てを自分の−
自分だけのものにして閉じ込めたい−
「・・・どう・・したい・・?」
見下ろす視線にどうにもならなくなるほど身体の奥から熱が湧き上がる。
「・・・・・して・・・」
「聞こえない。」
「犯して・・・私を・・・壊・・し・・て・・・下さい・・」
望む、言葉。
互いが望む言葉。
互いの心を、身体を奪い合い、壊し、貪りそして−
溶け合うことが出来るから。
薄明かりで互いの裸体が見えている。
愚かしいほどに溢れたその身体。
猛々しいほどに起つその身体。
ベッドに押さえつけられ両足を大きく割られる。
匂い立つほどの蜜に高ぶりを擦りゆっくりとその蜜源へと浸入する。
「・・ん・・・んん・・・」
そこが脈打ち、嬉しそうに飲み込んでいくのが自身でも分かるほど。
「き・・・て・・・も・・と・・」
奥まで、貫いて。
全部を。
貴方だけの私を、貴方の腕の中で。
全て奪いつくして。
胎内を擦り上げられる感触と圧倒されるほどの圧迫感。
今まで感じたことがないほどの強い快楽がある。
何度と無く彼の手を求めた。
上がる声に思わず顔を彼の胸に埋めようと身体をそらす。
「見えない。」
吐息の隙間に彼の熱い囁き。
「ふ・・や・・ぁぁ・・み・・ない・・で・・・・」
「見て・・・下さい・・だろ・・?・・」
言葉に合わせて彼が腰をグラインドするたび、全身がベッドに落ちる。
「いやらしい・・・・・・」
「・・ふ・・ぁぁ・・・や・・ぁ・・」
「・・・感じて・・・こんなになった・・・乳首も・・・」
指先が硬くしこった乳首をひねり上げる。
「ぁ・・ぁぁ・・・・ぁ・・」
「ほら・・・入れられて・・・悦んでいる・・ここも・・・」
いやらしく、くちゅくちゅと動くたびに聞こえる音。
「・・ぁぁぁ!!!!」
言葉と身体に意識が連れて行かれる。
「りょ・・・お・・・」
「逝け・・そのまま・・・・」
「や・・ぁぁ・・・こ・・・われ・・・・」
「壊れろ・・・もっと・・・」
「ぁ・・ぁぁ!!」
身体の奥底からなにかが狂っていく感覚。
怖い、でも−
彼ならば、いい。
彼が連れて行ってくれるそこならば。
何があっても、逃げない、彼ならば。
狂って、壊れたように、彼を求めても、いいと。
教えるように、抱く。
教わるように、抱かれる。
二人でそこに行きたいと願うから。
隔てる何かがなくなるほど熱く溶け合ったまま。
快楽−二人だけが知っているそれ−に、届く。
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