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全身を走る熱が、意識を混濁させ、ただ相手の熱さだけを感じ取っていた。
擦りあげるたび、胎内で相手が蠢くたびにその波が上がる。
「ん・・・ん・・・ぁ・・ぁぁ・・」
感じすぎると声すら出なくなることを教えられる。
相手を探してさまよう手が必死で何かを掴む。
腰をくねらせ快楽を逃そうとする私の身体を抱え込む。
「もっと・・欲しがるんだ・・・」
熱い吐息と共に耳元に囁かれるたびに奥で新たな泉を沸き立たせる。
逃がさないとばかりに貫くその雄が私の中で重量感を増していく。
欲しいと言葉ではなく身体で語り合う。
そうお互いに。
息する間を惜しむほど貪るように互いを求めている。
「んん!!!ぁぁ・・ぁ・・・ぁん・・・ん・・りょ・・・涼!!!」
「ゆり。言うんだ。もっと・・」
「ほし・・・い・・・ぃ・・・いい・・・」
理性なんかもう無かった。
ただ快楽だけが欲しい。
感情なんて知らない。
ただ身体が求め合っている。
この感情をなんていうのかを知らない。
でも知っている。
互いが互いを必要としているこの感覚。
でも認めたくない。
認めてはいけない。
勘違いもしたくない。
だから、確かめたい。
その方法が間違っているのかも知れないけれども。
こうして求め合う。
そして、そこに存在する何かを互いに探している。
答えは見つかっているのに、見ないふりをしながら。
認めるのは互いに怖いのだ。
認めてしまったら、もう戻れないから。
全身を駆け巡る快感が間違いなく互いに感じている。
こんなに深く溶け合えることを知らなかった。
否−
そうなるのかもしれないと思うほどのことはあったけれども。
それでも、それを確かな形で私に教え込んでいく。
互いのために。
身体の中心部に打ち込まれた雄の杭が私の身体も心も貫き、全てを奪う。
欲しいと求め、求められ、何も無い状態で愛し合う。
何があっても自分の責任だと。
「ああ!!こ・・・壊れ・・ちゃ・・う・・・だ・・め・・・」
「壊れろ。」
さらに奥深く抉られる。
「ぁ!・・・うう・・ぁぁ・・」
「逝け・・・」
言葉と共に。
抱かれるとはこういうものなのだと。
抱き合うとはこういうものなのだと。
互いが互いの全てを求めていい。
何も考えなくていい。
心地よさと気持ちよさの両方を求めていいのだと。
そして。
逝くことは罪悪ではない。
逝かされることも。
もっとと求めたって、それはいいのだ。
二人でいる、そこに何のタブーなどない。
二人だけで、許しあえばいい。
そう知った。
だから。
もっと深く、抱き合い、快楽を求め合える。
その先にある、何かを探し、彷徨う。
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