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引きずられる−
彼の中の何かにと、ずっと想いながらも。
それでも。
「・・・やっ・・・・・」
「・・・・見せるんだ・・・」
「ふ・・・っぅ・・・ぁぁ・・・許・・し・・て・・・」
「言いながら・・・・こんなにして・・・」
彼の指先が開かれた足の中央に伸びる。
「ぁぁ!!!」
触れられるだけで全身が震えるような快楽。
その全てを支配される快感。
知りえた、その感覚はもはや逃げられようはずもない。
ただ、もっと欲しいと望むばかり。
「こんなに、濡らして・・・・」
「・・・い・・・やぁ・・・」
「ゆりは・・誰の?」
「・・・あ・・・ぁぁ・・・・・だめ・・・だめ・・・」
「言うんだ・・・・」
焦らされるような動き。
全身に施された、拘束に、逃げることも、隠すことも出来ないまま、ただ唇だけが自由。
眼の前に彼がいるのは気配でわかっても。
目隠し越しではどんな表情をしているかはわからない。
でも、わかる。
彼も、また私に欲情してくれているのだと。
小さな、音がする。
カチリと電源の入る音。
そして鈍い振動音。
「!!・・い・・いやぁ・・・やだ・・」
無言のまま、乳房に触れるか触れないかの位置で嬲られる。
「ぁぁ!!!」
「いやらしい・・・」
全身に震えが走る。
恥ずかしい。
もどかしい。
もう、何とかして欲しい。
もっと、触れて。
もっと、辱めて、と。
身体が言葉を裏切って、反応を示す。
恥ずかしさから、拒否の言葉が出るだけだと。
彼は当の昔に見抜いている。
「・・りょ・・・涼・・・・涼・・・・」
「ゆり・・・言え・・・」
「わ・・・私は・・・・涼・・の・・・・」
言葉を一瞬ためらいながら。
「涼だけの・・・・・もの・・・・」
言っていいのか、躊躇しながらも。
彼にそれを言うことはいけないのではないのかと。
彼がそう望んでも。
私がそうであることを求めていても。
そういってはいけないのではないかと、思いながらも。
彼の中にある何か、に触れるのではないかと。
それでも、私自身が彼のものでありたいと願い、それをここだけでも叶えられるものならばと。
堕ちてもいい。
それを私が今、望んでいるのだから。
満足げに、彼が私の目隠しをはずす。
その瞳は。
限りなく、優しい。
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