Realize 2
chapter 15 深遠
引きずられる−
彼の中の何かにと、ずっと想いながらも。
それでも。

「・・・やっ・・・・・」
「・・・・見せるんだ・・・」
「ふ・・・っぅ・・・ぁぁ・・・許・・し・・て・・・」
「言いながら・・・・こんなにして・・・」

彼の指先が開かれた足の中央に伸びる。

「ぁぁ!!!」
触れられるだけで全身が震えるような快楽。
その全てを支配される快感。

知りえた、その感覚はもはや逃げられようはずもない。
ただ、もっと欲しいと望むばかり。
「こんなに、濡らして・・・・」
「・・・い・・・やぁ・・・」
「ゆりは・・誰の?」
「・・・あ・・・ぁぁ・・・・・だめ・・・だめ・・・」
「言うんだ・・・・」
焦らされるような動き。

全身に施された、拘束に、逃げることも、隠すことも出来ないまま、ただ唇だけが自由。
眼の前に彼がいるのは気配でわかっても。
目隠し越しではどんな表情をしているかはわからない。

でも、わかる。

彼も、また私に欲情してくれているのだと。

小さな、音がする。
カチリと電源の入る音。
そして鈍い振動音。

「!!・・い・・いやぁ・・・やだ・・」
無言のまま、乳房に触れるか触れないかの位置で嬲られる。
「ぁぁ!!!」
「いやらしい・・・」
全身に震えが走る。

恥ずかしい。

もどかしい。

もう、何とかして欲しい。

もっと、触れて。
もっと、辱めて、と。

身体が言葉を裏切って、反応を示す。

恥ずかしさから、拒否の言葉が出るだけだと。
彼は当の昔に見抜いている。

「・・りょ・・・涼・・・・涼・・・・」
「ゆり・・・言え・・・」
「わ・・・私は・・・・涼・・の・・・・」

言葉を一瞬ためらいながら。

「涼だけの・・・・・もの・・・・」

言っていいのか、躊躇しながらも。
彼にそれを言うことはいけないのではないのかと。
彼がそう望んでも。
私がそうであることを求めていても。

そういってはいけないのではないかと、思いながらも。

彼の中にある何か、に触れるのではないかと。

それでも、私自身が彼のものでありたいと願い、それをここだけでも叶えられるものならばと。

堕ちてもいい。

それを私が今、望んでいるのだから。

満足げに、彼が私の目隠しをはずす。
その瞳は。

限りなく、優しい。
chapter 16 終焉 へ

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