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私の身体に彼の視線と指。
そして、彼の気持ちを表すかのごとくの束縛。
私の本当の初めてを奪えないのなら。
そのほかの全ての初めてが欲しいと。
物言わない、彼の、唯一の主張。
全身に絡みつく、それは彼の気持ち。
そこにあるのは愛じゃなくても、確かになにかつながるもの。
互いが互いの傷を舐めあっているといわれても仕方がないこと。
それでも−
繋がれたい。
願ったのは、きっと私。
本当は、本当は。
彼の全てで私を縛って欲しいと。
決して言葉に出来ない願い。
だから、示す。
彼の愛撫に、触れてくる手に。
そして、その縛りに。
全てに感じている、私を見て。
貴方にしか見せない。
貴方しか見ることのない。
貴方しか出来ない。
貴方にしかさせない。
私の初めての痴態全てを。
快楽に翻弄され、それでも貴方を欲しいと熱望している私を。
その紐が貴方の言葉なら。
私は、それに全部で応え、その悦びに全てをゆだねてしまおう。
それを貴方が望んでくれるなら。
何度だって、その全てを見て欲しい。
私は、貴方のもの。
貴方だけのもの。
貴方だけの、奴隷だから。
その裏に、彼の言葉が聞こえてくる。
全てで私を、自分だけのものにしたいのだと。
どこにも行かないで。
自分をもっと受け入れて欲しいと。
彼も−怖い−のだろう。
そうやって私が彼を受け入れてしまうから。
いつしか私がいなくなってしまうのではないかと。
いなくなってしまうから受け入れてくれるのではないかと。
それは正しくて、違う。
本当は、全てが欲しいと叫んでしまいたい。
彼といる全ての時間がいとおしいから。
何もしなくても。
ともにある時間があまりにも心地よく、初めて知った、感情があるから。
私を抱いて。
抱きしめて。
その腕で、全て私を独占して欲しい。
互いの感情が、緩やかに近寄り、寄り添っていく。
時間をかけていい。
私は、貴方が、必要で、貴方が必要と思ってくれる限りは。
貴方と、ともにいたいのだ。
確認方法が、身体を繋いで、自分しかない相手を見ることならば。
私はいくらだって、貴方に見せたい。
もっと、触れて。
もっと、責めて。
もっと、私を貴方だけで埋め尽くして。
ほかには、何も、望まない。
私だけの、貴方で、貴方だけの私で。
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