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私と彼は、時間の許す限り、チャットを繰り返す。
ほんのわずかな時間でも、私は、彼に逢いたい。
その感情は、とても彼”夏彦”を欲して、やまない危険をはらんだもの。
当初思いも及ばなかった、私の変化。
心の天秤の均衡を取りながら、私は彼に逢いに行き、言葉を交わす。
不思議な感情なのだ。
逢ったこともない、見たことも無い、直接言葉を交わすことも無い。
なのに、こんなに囚われる。
その、チャットセックスだけではない。
普通の、普段の、何気ない会話。
それすらも、かみ合う。
相手のことを考えながら、あげる言葉のシンクロニティ。
その喜び。
その中で見出した、互いの価値観のある種の一致。
出会うのが遅すぎただけ・・・そう言い訳しながら。
誰でもない自分に。
もし、もっと早く出会えていたら・・・
それもない。
今だから出会えたのだろう・・・・
だから後悔したくない。
私は・・・認めよう・・・・
彼は、今、私の、心の、大事なところにいる・・・。
夏彦>ああ、そういえば・・・
ゆり>?
夏彦>前回の、課題の写真がまだでしたね・・・?
ゆり>あ・・えと・・・あの・・・まだ・・・
夏彦>まだ・・ですか?
ゆり>だって・・・その・・・なかったし・・・だから・・・かわりの・・なら・・
夏彦>代わりのものでは・・やりにくいのでは?
ゆり>でも・・まだ・・少しは・・・・恥ずかしく・・ないし・・・
夏彦>・・・・・ゆり・・・・
ゆり>夏彦さん・・みたいなの・・も・・・なかったし・・・
ゆり>ま・・まさか・・・今から買いに行けなんて言わないでしょう?
夏彦>いい勘をしていますね・・・・
夏彦>恥ずかしくないチョイスは・・・いけませんね・・・?
ゆり>いやぁ!!
夏彦>ペナルティも・・ですよ・・・ほおっておいた罰です・・
そうして、私は彼に、下着を剥がされ、その状態で外に出される。
見えないんだから、そんなことをする必要は無いはずなのに。
やらなくても、わからない、やったといえばいいだけなのに。
彼の言葉に逆らうなんて出来ない、いや・・・・彼の命令に従いたい。
認めなくては・・・彼は私のために命令を下している。
しばらくのちチャットに戻る。彼はその間私を待っている。
夏彦>おかえり・・・ゆり・・もう、身体が熱いのでしょう?
ゆり>誰の・・・せいよ・・・?・・もう・・・
夏彦>乳房を晒して、写真を撮ってごらんなさい・・・見てあげます、貴女のその・・・熱くなった身体を、私の眼で。
ゆり>ああ・・・・
私の手がカメラに伸びる。そして、シャッター音。
彼に送られていく、私の恥ずかしい写真たち。
言葉だけの、それ。
リアルにする必要なんてない・・・そう・・・
だけど、私はそれを望み、そして、私は彼に調教という名で抱かれる。
私の欲望、彼の支配。
それがまさに、かみ合った瞬間。
私は・・・
いいえ・・・きっと・・・
二人とも。
同じ想い、感覚。
快楽の中で溶け合っていると信じていたい・・・・。
私の身体は、すでに彼にすべて見られ、そう、見られている。
それでも彼は私と逢ってくれる。
私が私でいいと・・言ってくれている・・?
認めたくない事実を突きつけられてきている。
そう、私は。
私は、あるがままではパートナーに愛されていない事実ー。
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