君は野に咲く華のようで 8


「れ・・・い・・!!・・・・」


・・・知っている、この感触・・・
・・・忘れない・・・忘れられない・・・
「そう・・・俺だ・・・」

・・・君を抱いたのは、僕・・・・
「どうして・・・」

驚愕の、脅えた瞳が怜を射抜く。
その瞳を閉じさせるようにまぶたに口付ける。
・・・君が好きだから・・・

・・貴女がどうしようもなく好きだから・・・・

・・・僕だけのものにしたかったから・・・・・

ー誰も見ないで。
ー僕以外誰も。

たとえ君が僕を好きでも、
僕以上に君は僕を好きではないから。
僕以外、誰もいなくなりさえすればいい。

愚かな・・・・僕。

君が僕を好きなことが、僕を壊していく。

君が・・・・・
「れ・・・い・・・こ・・・たえ・・・て・・・ぇ・・・!!・・・」
澪の悲痛な叫びを唇で引き受ける。
そして彼女の中へと身体を進めた。
「・・ぁ・・・ぁ・・・う・・・」

・・・ああ・・・そうだ・・・・

・・・・私を・・・引き裂いた・・・あの・・男・・・・だ・・・・

・・忘れられない・・・忘れるもんか・・・・・

・・・・・許せない・・・けど・・・・・けど・・・・

すれ違う心と、求め合う身体。
アンバランスなバランスの中で快楽を奪い合うように。


貴女が

貴方が

ここにいる・・・・・


それだけが真実。


何度も粘膜が擦れ、互いを壊すように、抱き合った。
貪るように。
奪うように。

幾度と無く快楽の波に呑まれた。
それでもいいと、思った。

うねるような膣内にすべてを吸い込まれる。
貫く雄の強さに、背筋を走る電流。

貴女がここにいること。

貴方がこうしていること。

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