秋の夜長 11
「・・はぁ・・・ぁああん・・・ん・・・はぅ・・」
蘭世の肌は俊の手にぴたりと吸い付き、その滑らかさはいつでも俊を夢中にさせる。
それを悟られないようにするのに、蘭世を先に夢中にさせてしまう。
いつだって男はそんなものかもしれない。
捉まえたのは俊ではなく蘭世。
捉まえられたのは蘭世ではなく俊なのだ。
いや、どちらが捕らえたわけではないのかもしれない。
二人で甘美な檻の中にとらわれているのだろう。
鍵などなくても決して逃げない、そんな気など起こらない、二人だけが入ることの出来る
蜜で彩られた檻の中。
その中で二人はいつも、いつでもお互いを見つめあい、愛し合う。
誰にも邪魔できない、いばらの中にある檻。

「・・・・・しゅ・・・・・ん・・・・・ぁは・・・あ・・・」
蘭世の指が俊を求めさまよう。しっかりとその指に自分の指をつなぐ俊。
「・・・ふ・・・くぅ・・んん・・ん・・はぁ・・・あああ・・・」
全身くまなく俊の舌と息がふれては離れ、離れてはふれる。
絶え間なく続く愛撫は蘭世の快感のカーブを高く持ちあげる。
俊はすぐにでも蘭世に入ってしまいたいのを我慢しながら、蘭世を味わう。
「・・あああ・・・やぁ・・・・・だめぇ・・・・ああああ!!・・・・」
蘭世の体が一度ビクンと震えると、高い喘ぎ声を上げた。
俊の指が蘭世の秘部へ滑り込むとそこは俊を拒むようにきつくしめ、押し出そうとする。
その奥から蜜が滴り落ちるようにあふれる。
「・・・ほら・・・・こんなに・・・締め付けてるぜ・・・もっとして欲しいんだろ?・・・」
耳元でささやかれる俊の言葉。うごめく指。
「・・しゅ・・んん・・・ん・・ああ・・ねぇ・・・・お・・ねがい・・・」
「ん?」
「・・も・・・わた・・し・・あ・・だめぇ・・・」
「・・・・言ってみろよ・・・・・お仕置きは続いてんだぜ?・・・」
「・・・や・・ぁ・・・ああ・・ん・・・ああん・・・はぁ・・・・」
俊の唇が蘭世の乳房の頂点をはさみ、舌先でいたぶりをはじめる。
硬くしこったそれは蘭世の快感の高さを示している。
「はぁん!!・・ああ・・・あん・・だめぇ・・・そんな・・・・」
「・・いい声で・・・鳴くな・・・・・ここ・・・」
「・・・やぁ・・やめてぇ・・・・・もぉ・・もぉ・・・・・」
「・・もう?」
俊は言葉責めをやめようとしない。
枕の下に隠しておいたローターを取り出し、スイッチを入れるともう片方の乳房へと触れさせる。
「・・やぁ・・あああ・・・・・いやぁ・・・だめ・・・・・あああ・・ん・・・んん・・」
・・・・なんで・・・なんで・・・こんなに・・・ああ・・・わたし・・・
蘭世の困惑が俊に流れ込んでくる。わかっている、わかっている。蘭世の望みは。
・・・・言ってくれ・・・・俺が欲しいと・・・・その一言が・・欲しい・・・
二人で行う夜の秘め事を自分だけのものとしたくない。
望みはいつだって一つ。
蘭世に望まれたい。欲しがって欲しいのだ。
自分が欲しがるように。
無いものねだりの子供のような欲望だ。
すべてを蘭世は与えてくれている。何が不満だ、そう思う心も存在しているのに。
「・・・気持ち・・いんだろ・・?・・・」
無言で小さくこくんと蘭世はうなずいた。
うれしそうに俊は蘭世にキスをし、そして何度も繰り返す。
「・・・じゃあ・・・どうしたい?」

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