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「ただいま〜〜。」
やれやれという態で家の玄関を上がる。
「しっかし買ったなぁ・・」
「しばらくは買い物行かなくて済むかも。」
「そうか。そりゃよかった。」
「うん、ね、俊。汗かいたでしょ、先にシャワーどうぞ。」
「お前は?」
「うん、まず片付けてからね、だから先に俊で。」
「ああ、判った。」
台所まで荷物を運ぶと、俊は2階へ着替えを取りに行く。
「さってと・・・片付けて・・夕食は何にしようかなぁ・・・」
手早くしまうものをしまって夕食の下ごしらえを済ます。
「夜はさっぱりしたものの方がいいわね、きっと。」
あっさりとした酢の物を冷やし、煮物をさっと作る。
そうこうしているうちにバスルームからシャワーの音がし始める。
手際よく作業をこなして、冷蔵庫に片付けると俊がリビングへやってきた。
「ちょ!俊、ちゃんと着てよ!!」
「い〜だろ〜あちぃんだし。」
そういう格好はトランクス1枚。とても愛良がいるときは出来そうにもない。
「もぅ・・・・」
呆れたような空気を出すと蘭世は自身もシャワーを浴びるためにバスルームへ向った。
シャワーの音が聞こえ出す。
かちゃっとバスルームのドアが開く。
「ええ?」
驚いたように蘭世が振り向くとそこに俊が立っていた。
「え?何?何?」
「いや・・なんとなく。」
「なんとなくって・・・ちょ・・だめ!!」
ずんずんとシャワーの下の蘭世に近づくと俊はそのまま蘭世に口付けた。
「ん!・・・」
二人に少しぬるめのお湯が降り注ぐ。
触れては離れ、離れては触れ。
深く、弱く。
互いの唇が重なり、舌が絡まる。
「・・・まだ・・明るい・・」
「だから?」
キスの隙間で蘭世が抵抗の言葉を口にする。
甘い、キス。
降り注ぐシャワーの味、のはずなのに。
「・・ぁ・・・」
俊は片手でボディソープの蓋を開けるとその液体を蘭世の身体に落とす。
ぬるりとした感触がシャワーの水圧にあわ立っていく。
「だ・・めぇ・・」
触れ馴らされた手が違う。
すべるようなそれが蘭世の身体を熱くするー
白い肌が日光でさらに青白く光る。
それすらを覆すように中から紅く燃えるように。
「ぁ・・・ぁぁ・・・」
幾度と無く重ねた夜が蘭世を呼び覚ましていく。
俊の指先が背中のラインをなぞる。
ビクンっとくねるように背筋が反り返る。
開いた首筋に俊の舌が触れる。
水の流れに逆らうように下から上へ。
「・・・ん・・ん・・・・」
切なげな声を出しながら蘭世はきゅっと俊の肩へと手をかける。
ともすれば崩れ落ちそうになる蘭世の腰を支えながら俊は蘭世の首筋から耳へと舐めあげ、軽く耳たぶを噛んだ。
「ぁぁ!!!!」
瞬間に上がる声。
俊の舌が耳をなぞり、えぐるー
「・・ね・・だめ・・・ね・・ぇ・・・」
蘭世が責めるように俊の耳元へ囁く。
「なんだ?」
「・・・だめ・・・」
「何が?」
「・・・だから・・・まだ・・・明るい・・」
「そうか・・・?」
俊は意に介さないというように蘭世の耳を嬲る。
「・・や・・ぁぁ!・・・・」
身体の泡はもう消えている。
外の暑さはすべて洗い流されている。
代わりに違う熱さが二人を取り巻く。
冷やせないほど、熱くー
俊は蘭世を抱きながらバスタブに腰掛ける。
水音がバスルームに響くよりも強く蘭世の耳には俊が立てる唾液の音が脳に突き刺さる。
「・・ぁぁ!・・・」
俊の指が蘭世の乳房へとゆっくりと動いていく。
先端がシャワーに触れて震えるが、それを避けるようにふくらみをゆっくりと撫でる。
ちょうど乳首の周りをピアノを弾くように。
「・・ぁ・・ん!・・ん・・・」
先端に近づいては裾野へと、裾野から先端へとそれでも頂点には触れないと繰り返す。
「は・・ぁ・・・ぁ・・・んん・・・」
黒髪が俊の腕に絡みつく。
それすらも俊をかき立てるだけ。
「ぁぁ!!しゅ・・ん・・ね・・・ぁ・・・」
「・・なんだ・・?・・」
俊ははぐらかす。
「・・や・・ぁぁ・・・」
繰り返される指先の愛撫。
ふるふると痛いほど張り詰めた頂点が水滴に嬲られるたび蘭世の身体が跳ねる。
幾度目かの感触とともに俊の指先がようやく頂点を弾いた。
「ああ!!!!」
大きく声を上げると蘭世は身体を一瞬硬直させ、俊に総てを預けた・・・・
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