|
朝、整えたそのリネンが二人の身体に歪む。
明るさも気にならないほどに深く深く口付け、互いに触れ合う。
温もりをー熱を。
それでも触れる手は以前より、優しく、いたわるように。
蘭世は俊の首に腕を回しもっとというように身体を寄せると俊はその背中に手を回し抱きしめる。
「ぁぁ!・・・」
こんなにも、触れたかったのだ。
互いに。
背中の指をすぅっと背筋に沿って滑らせると蘭世が喉の奥で喘いだ。
開かれた喉元に俊は吸い付き、薄く痕を残す。
「しゅ・・ん・・・」
久しぶりに聞く、その声。
二人だけの秘め事。
一言で俊の抑制が外れる。
蘭世を組み敷きその乳房に顔を埋めながら腕を下腹部へと伸ばしていく
。
「・・・は・・ぁ・・・」
求められている、ただそれだけで蘭世の身体が急速に快楽の曲線を上げてゆく。
俊の指先が茂みにもぐりこんだそのときにはすでにその泉は蜜を湛えていた。
戯れるようにその泉の表面を波立たせると蘭世の肢体がピクンと跳ね上がる。
「ぁ!・・ぁぁ・・・ん・・・」
敏感な部分を避けるように指先での遊戯を繰り返しながら幾度と無くキスを繰り返す。
「・・しゅ・・ん・・しゅ・ん・・・」
俊の耳元で蘭世がうわごとのように繰り返す名前。
父と母ではなく、男と女としてそこに居る。
その現実を互いに分かち合う、瞬間。
猥らな水音と荒い息だけが寝室にあるー音。
そして時折小さく上がる甘い喘ぎ。
しとどに溢れる泉のその奥にはまだ、触れるのを躊躇っていた。
それでも、少しずつ周りをなぞりながら中央へと進めていく。
ゆっくりと・・・おそるおそる、それでも確実に。
蜜に塗れた芽の膨らみまで到達すると俊の指先がその敏感な部分を優しく触れた。
「ぁぁ!!!」
一際大きい声を上げて蘭世が跳ねる。
その声を聞いて俊は愛撫を先に進める。
「・・・は・・ぁぁ・・・しゅ・・ん・・・」
睫を震わせながら眼を開き俊を潤んだ瞳で見つめる。
「・・・大丈夫・・・だから・・・」
・・・もっと・・・・
言葉にしなくても分かる。
触れて欲しいと。
「分かった・・・」
俊はそれでも慎重に指先を入り口で上下に擦ると蘭世が切なげに声を上げる。
そのまま先端を胎内へ埋めた・・・
「・・ふぅ・・ぁ・・・」
少しキツいそこにゆっくり奥までー
「ぁぁ・・・・ん・・」
ぎゅっと締め付ける感触に俊は無理しない程度に動かし始める。
1本から、2本へと時間をかけながら慣らしていく。
「しゅ・・ん・・・」
蘭世を見つめると、苦しげにそれでも微笑んだ。
その瞳に俊は心を決める。
傷つけないように指を抜くと太ももに手を当て両足を開かせる。
恥ずかしげに頬を染めながら蘭世がその促しに応える。
片膝を曲げさせその身体の間に自分の身体を入れると自身のいきり立った雄を蜜壷に寄せていく。
先端にその熱さを感じると俊はさらに蜜を自身に絡ませる。
「ぁ・・!・・ぁぁ!・・・」
その焦らすような愛撫に蘭世の身体の高ぶりは頂点を迎えようとしている。
俊はそのまま蘭世のそれを感じ、あえてそのまま続けた。
「ぁ!!だ・・だめぇ・・・やぁ・・・・」
「・・逝け・・・・」
「ぁ・・ぁ・・・は・・・・ぁぁ!!!」
びくんと強い痙攣のような震えが先端から感じられる。
俊は蘭世の絶頂とほぼ同時に自身を胎内に埋め込んだ。
絶頂の余韻を感じる間もなく蘭世の快楽がつながっていく。
「・・あ!!!あ・・・だめ・・・・ぇ・・・」
落ちない曲線が蘭世の頭を占める。
「・・もっと・・・だ・・・」
「しゅ・・ん・・・しゅ・・」
怖かった。
恐れていた。
二度と触れてもらえないかも知れないと。
怖かった。
恐れていた。
あんな辛い出産のあとでもまた俺を求めてくれるかと。
互いに思いやりすぎて、恐れすぎてー
近すぎて遠すぎて。
愛しすぎるほど、相手が大事だから出来なかった。
でもー
愛しいから欲しい。
心もー
身体もー
すべてが互いのためにあることを確かめるために必要な。
言葉も、気持ちも、すべて。
互いが互いのために或ることを確認するために必要な儀式ー
よりいっそう互いが互いでなければならなかった意味を知る。
深い、深い、想いが伝わるー
すっかりと俊が胎内に納まるとしばらくその感触を互いに確認するよう
にぎゅっと抱き合う。
「俊・・・・・」
「・・ぁぁ・・・・」
心地よさと気持ちよさの混じった快楽が二人を包む。
そうして俊は腰を少しずつ動かしだす。
蘭世は動きに合わせるかのように胎内が蠢くのがわかった。
「・・や・・ぁ・・・ぁ・・・」
自分であって自分でないような変な、それでいて不快ではなくむしろー |