『続・蘭世ちゃんのヰタ・セクスアリス』:6666ゲット記念


☆こちらは『パラレルトゥナイト』と同じ設定になってます。
☆それらをご理解頂ける方のみ、お読み下さいねv

◎前編

蘭世がカルロ宅で外泊をしてから数日がたった。
・・・外泊、といってもそんな色っぽい理由ではなく、
パーティで酔いつぶれ二日酔いがなかなか収まらなかったため、
カルロの屋敷で1晩世話になっただけであった。

(・・・あの日は 惜しかったなぁ・・・)
夜。
蘭世は寮の部屋で、勉強机に座ってほおづえをついていた。
ネグリジェにカーディガンを羽織っていた。
宿題も終わって、机の上には書きかけの日記。
そうして、ぼおっと、”あの時”起こったことを思い起こしている。
『教えて・・・』
そう言った私を、優しく抱きしめてくれた。
ベッドに横たえて、首筋にキスをくれて・・
蘭世にはもうそれだけでとろけそうだった。
思い出すたびに身体の芯が熱くなるのを感じる。
(なのに私ったら、ムードぶちこわしよぉ・・・)
二日酔いで吐き気に阻まれてしまった。
だから、余計、惜しまれるのだ。
あんなに飲まなきゃ良かったと、深く後悔している。
(でも、あれがお酒だって知らなかったし、
 飲み過ぎたらあんな風になるなんて・・・)
思わず、ふうとため息がもれた。
(ああもうーカルロ様早く帰ってこないかなー!!)

”元気になったら覚悟をしておきなさい”

そう言って笑っていたカルロは、今は異国の地だ。
大事な取引の折衝に立ち会うため出張中である。
明後日には帰れそうなことを言っていたが・・・
(・・・帰ってきたら、いよいよ!?)
はたっ とそれに気が付く。
いよいよ、なのだ。
「きゃー!!」
思わず顔が真っ赤になる。顔から湯気でも出ていそうな勢いだ。
火照った両頬を手で覆い隠し、ふるふると頭を振る。
(いやーん もう蘭世ったらエッチっ・・・!雑念退散、だわっ)
数日前までは何も知らなかった蘭世。
ルームメイトの貸してくれた性教育の本でなんとか”いよいよ”、の正体を
知ったところだ。

「ちょっとおー蘭世、なにやってんの?」
ベッドに転がって雑誌を読んでいた、くだんのルームメイト・・タティアナが
こちらを振り向く。
もう居眠りをしていたのだが、叫び声で目覚めてしまったのだ。
その声はもう相当眠たげだった。
「ごっ・・ごめん タティアナ 起こしちゃった?」
真っ赤な顔は見せられない。
ルームメイトに背を向けたまま、どぎまぎしながら返事をした。
「んーいいよ。パジャマに着替えなきゃ」
ごそごそ、背後で服を脱ぐ気配がしていた。

気分転換に腕を伸ばし、小さく伸びをする。
(そうだ、あの本届いていたんだっけ)
蘭世は時々、日本から雑誌を取り寄せていた。
こちらのも読むのだが、やはり読み慣れた日本語のほうが楽でいい。
今日はファッション雑誌を数冊。
机の中で一番大きな引き出しを開け、大きめの紙袋を取り出す。
紙袋には大きく”柚子書房”と印刷されている。
いつも蘭世は日本のこの店へ注文をしているのだった。
表紙に赤い文字で「anan」と書かれているその本をとりだした。
日本で流行しているファッションがわかって興味を引く。
まずはカラーページ。
「今年もブーツがはやっているんだ・・・」
「やーん このニットかわいい・・・へえ、こんな風にカットソーに重ねるのね・・・」
ぶつぶつ言いながらページをめくる。
「・・・ん?」
白黒のページに通りかかったところ、ふいに蘭世はある文字に目を留めた。
『あなたはいくつ知っていますか!?SEXトリビアの泉』
ぐっ。
その3文字がちょっと(いや、とても)気になり、ページをめくる手が止まる。
(とりびあ〜?・・・ふんふん、無駄な予備知識、ね ふーん)
序章を読んで、最初のトリビアを見る。

『男性のアレのサイズは、日本人の平均12センチ、外国人の平均17センチ』

「ええーっ!?」
思わず蘭世はまた叫んでしまった。
へぇ・・どころではない。
今度は隣の部屋からも苦情が来そうな大声だった。
(アレ・・・って、あれ よね!?)
「ちょっとぉらんぜー さっきからどうしちゃったのよー」
一度布団を被ったタティアナがのろのろと起きあがった。
寝入ったところで起こされちょっと不機嫌な声だ。
蘭世はしまったと口を押さえる。
「え・・・えとっ・・・今、雑誌読んでてね・・・」
「でぇ?」
それを話そうかと思ったが・・・
「・・・ごめん大したことないのっ、お休みっ」
「ヘンなの。蘭世も早く寝なよ。お休み」
「うんっ」
気恥ずかしくてやめてしまった。
それに眠たげなタティアナにくだらない話をすると
怒られそうな雰囲気だったし・・・。

(見間違いじゃないよね・・・!?)
もういちどそのページに視線を落とす。
・・・間違いではないようだった。
説明文がその下に書いてあり、顔を赤らめながらもじっと読んでみる。
「え、タッちゃうと、そのサイズになるの・・・うわー?!」
蘭世は興味本意で読んでいたのだが、ふと、あることに気が付いた。
(外人、て、日本人から言うと欧米人よね・・・
 じゃあ、カルロ様も”外人”になるわけで・・・!?)
蘭世は雑誌を広げたまま机に置く。
そして座ったまま椅子を引き、おそるおそる手前の細い引き出しを開け・・・
中からプラスチック製の物差しを取り出した。
両手でそれを机の電灯にかざす。
メモリを見ると・・・15センチまでのものだった。
(こ・・これより大きいの!?)
しかも2センチも大きい。
それが平均だとすると・・・
蘭世は冷や汗が出てきた。
その17センチ前後になった代物をどうするのかは
蘭世はもう知っている・・・知識として。
だが。
(そんな大きな物、どうやって入るの!?)
思わず俯き、自分の下腹部の辺りへ視線が泳いだ。

(どっちかというと私の体型は日本人寄りよね・・・)
蘭世は日本に住んでいるだけで、魔界人なのだが
それでも周りにいるルーマニア人の女生徒達と比べても小柄だった。
周りの生徒達も蘭世が日本人と信じて疑っていない。

(カルロ様のっ・・・)
12センチでもびっくりだが、さらにその上である。
平均だから、誤差はあるだろうがとにかくそのくらい大きいらしいと。
長さがあれば、きっと太さだって・・・
(・・・!)
蘭世は雑誌をパタンと閉じ、自分のベッドに飛び込み頭から布団を被った。
「そんなサイズっ 入るの想像できない・・・!」
最初は痛いと聞いていた蘭世だったが。
痛いのを通り越して壊れてしまいそうだと思ったのだ。
(カルロ様が”覚悟しておきなさい”って、言ったのは・・・
 そういう”覚悟”だったのかしら!?)
枕を抱え、ぎゅっと目をつぶる。
ロマンチックなこと、陶酔するような事ばかりを想像していた蘭世だが
ここに来て一気に怖くなってしまったのだった。


つづく


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あとがき(?)

ananで読んだ「日本人の平均12センチ、外国人の平均17センチ」てのを
日本の柚子書房(笑)から取り寄せた雑誌で読んだ蘭世ちゃんが
ビビるお話………。
パラレル・トゥナイトの番外編みたいな感じ(??)で…。

というのが柚子様のリクエストでございます。悠里め、
力が入りすぎてこのカウプレ話長くなりました;
独断と偏見で前編・中編・後編で参ります。
本日は前編まで。
続きは、近日中にアップしますのでご了承下さいませ・・・

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