わたしとあなたはルーマニアの月明かりの下で出逢い、惹かれあい、そして結ばれた。
魔界人と人間という異なる生き物であるわたしたちがそうなったのは、きっと運命だったのだと思う。
「運命」なんて言葉を持ち出すと、「おまえはロマンティストなのだな」なんて
笑われちゃうかもしれないけれど。それなら、「神様の悪戯」でもいい。
どんな言葉を使ったとしても、ただの小娘にすぎなかったわたしとマフィアのボスであるあなた
―――本来なら接点を持つはずのない二人が出逢えた偶然は、奇跡だったとしか思えないから。

二人が初めて出逢った夜のことを思い出しては、決まってあなたが口にすることがある。
『月明かりに照らされたおまえは、妖精と見紛うほど可憐だった』と。
初めて肌を重ねた夜に、あなたがどこか自嘲気味に笑ったことも、わたしは覚えている。
そう、『まるで、汚れない天使の羽根をもぎ取った罪人にでもなったような……奇妙な気分だ』と言って……。
それから今に至っても、あなたがわたしを労わるように優しく抱いてくれるのは、その名残なのだろうか。

……だけど。
わたしは妖精に喩えられるような真っ白な女の子なんかじゃない。あなたが思うほど、清らかじゃない。
恥ずかしいし、呆れられたくないから、決して口にしたりしないけれど。
わたしは欲張りになってしまった。
ううん、今まで自覚していなかっただけで、本当はわたしって、すごくフシダラな女の子だったのかもしれない。
二人で過ごした夜はまだ片手の指で足りてしまうほどで、その行為には、いまだに緊張してしまうし、
すごく恥ずかしいと思ってる。
それなのに……夢を見ることがあるの。
……わたしたちがシーツの上で汗と吐息を激しく撒き散らしている夢を。
そして、そんな夢を見た翌日には、決まって思ってしまう。
もっと強く抱きしめてほしいと。
もっと熱い吐息を聴かせてほしいと。
もっとあなたと夜を過ごしたいと。

“もっと、もっと―――”

そう願う、貪欲なわたしが、確かにいる。

でも、言わない。
こんなこと、絶対に言えるわけがない。
……まさか自分がこんなことを望んでしまう日が来るなんて、思ってもみなかった。



“こんなわたしを知ったら、あなたはどう思いますか―――?”














■□■ 甘い毒薬 --- Side 1 Ranze --- ■□■:萌様 作 カルロ様聖誕祭2004



「疲れたか? ランゼ」

私室に戻り、気遣わしげに声をかけてくれたのは、今日誕生日を迎えたわたしの婚約者だ。
今しがた、ようやく彼の誕生日パーティーがお開きになって、招待客たちがこの屋敷を後にしたところだった。
外は既に漆黒の帳が降り、夜も深い。
パーティーが跳ねてしまえば、あとは、喧騒を嫌う主の意向に従って、この屋敷は静寂に包まれるばかり。
敷地が広大だから、パーティー会場を片付ける物音も彼の部屋までは届かない。

「ううん、大丈夫。それよりもカルロ様のほうが疲れているんじゃない? 
パーティーの間中、ひっきりなしに話しかけられていたんだから」
「いや、わたしは平気だ。それより今日はすまなかった。
本当はおまえと二人きりで過ごしたかったのだが……」

申し訳なさそうに見つめられ、わたしはブンブンとかぶりを振った。

「いいのいいの。だって、ベンさんの言うとおり、わたしもこういう場に慣れなきゃいけないし。
それに今夜はカルロ様がわたしのことを正式に婚約者だってみんなに紹介してくれて……
すごく嬉しかったの。エヘヘ……」
「ランゼ……」

はにかんだわたしを優しく抱き寄せて、彼はわたしの額に軽くキスを落とす。
本当は慣れないパーティーで少し疲れていたんだけど……現金なもので、
彼のキス一つで、疲れなんてあっという間に吹き飛んでしまった。


今日は、二人が出逢ってから初めて迎えるビッグイベントだったから、本音を言えば、
わたしだってカルロ様と二人きりで彼の誕生日を祝いたかったんだけど……。
それは叶わなかった。彼の職業―――と言うか、立場ゆえに。
裏社会の頂点に立つカルロファミリー。そのボスの誕生日ともなると、
個人のイベントでは済まないのだそうで。
誕生日パーティーと銘打っていても実質はマフィアの会合のようなもので、
各組織のボスや幹部たちを集結させた上で貢物(?)を献上させ、それを周囲に見せつけることによって、
カルロ家の勢力を誇示するのだそうだ。
だから最初はわたしもそんなパーティーに出席するのは場違いだと遠慮したし、
カルロ様も、このパーティーには出席しなくていいと言ってくれていた。
だけど、彼の腹心の部下であるベンさんが異を唱えたのだ。

『ランゼ様は近い将来ダーク様の妻となられる御方。差し出がましいようですが、
それまでにある程度、我々の世界に慣れていただかねばなりません。
今回のパーティーは我がファミリーがどれほどの存在なのかを窺い知る絶好の機会かと思われます。
どうぞご出席を』
というのが、彼の主張で。

……恥ずかしながら、「妻」という言葉に敏感に反応してしまって……。
その響きに陶酔するだけ陶酔しきった後、二つ返事で頷いてしまったのだ。
だけど勿論、それだけの理由で承知したわけじゃあ、ないのよ?
わたしがカルロ様の「妻」になったら、お互い、住む世界を共有することになるわけだし。
「妻」としては、「夫」の仕事や交友関係なんかを知っておくべきだし。
だから―――ベンさんの言い分ももっともだと思えたから、承諾した。
カルロ様も内心は思うところがあったのか、それに納得して―――今夜のパーティーと相成ったわけだ。

パーティーは想像以上にゴージャスで、参加者も流石に「そのスジ」の人たちだけあって、
なんとも言いがたい迫力に最初はひるんでしまったけれど、カルロ様がずっとわたしの肩を抱いていてくれたし、
一応は誕生日パーティーだからそれなりに和やかな空気が保たれていて、特に問題もなく宴は幕を閉じた。

そして、ようやくカルロ様の私室に戻って、二人だけの楽しいパーティーが始まるはず……だったんだけど。



まさか、あんなことになるなんて。



■□■



「それにしても、すごいなぁ……」

部屋の隅に積み上げられている贈り物の山を見上げ、心からの感嘆を漏らしたのはわたし。
これらは今夜カルロ様に贈られた誕生日プレゼントの一部で、部屋に収まる比較的小さなサイズのものばかり。
カルロ家の部下さんたちが中を厳重にチェックした上で、
問題ないものだけが彼の私室に運ばれてきたというわけだ。

何が入っているのだろう、と興味津々だったわたしの気持ちを読み取ったのだろう。
彼がネクタイを緩めながら、楽しそうに笑いかけた。

「気になるものがあれば開けてみなさい」
「えー、でも、せっかくのカルロ様へのプレゼントなんだから、カルロ様が開封しなきゃ」
「これだけの量を一人で開封するのは時間がかかる。だからランゼに手伝ってほしい。駄目か?」

確かに。部下さんたちの事前チェックによって、過度に飾られた包装はすでに取り払われてはいるものの、
品物は箱やケースに一旦戻されているから、それらを全て一人で開封するの一手間だ。
もっとも、カルロ様がいそいそと誕生日プレゼントをチェックする姿なんて想像がつかないし、
……きっと、現実に、やらないだろうけど。

「……そういうことなら。じゃあ、遠慮なく開けるね」

失礼しまーす、と呟いて、わたしは早速作業にとりかかる。
中から何が飛び出してくるのか想像すると、ワクワクが止まらなかった。
なにせ、贈る側も受け取る側も、半端でない金銭感覚の持ち主なのだ。
ハイソな人たちが言うところの「誕生日プレゼント」とは、どういったものなのか。
パーティーの最中、次から次へと献上されていく品々にわたしの庶民的好奇心が刺激され、
大きな声では言えないけれど、実は、肝心のパーティーそっちのけで
箱の中身が気になってしまっていたくらいだ。
彼らの品と、パーティーが始まる前にわたしが贈ったカフスとネクタイピンのセットとを比べて、
卑屈な気持ちに全くならないと言えば嘘になる。
だけどここまでスケールが違うと、もはや羨ましいのを通り越して、宝箱を探るような
……好奇心のほうが勝ってしまうのだ。
それにカルロ様はその時すでに盛装していたにもかかわらず、
わたしの贈ったカフスとネクタイピンに合う服にわざわざ着替えて、嬉しそうにそれらを身に付けてくれたから。
贈り物の価値は値段ではなく心がこもっているかどうかなのだ、とわたしは自分を納得させ、
安心することができたのだ。


時間の経過と共に、わたしの目の前には、文字通り「お宝の山」が築き上げられていった。
予想通りと言うべきか、はたまた予想を遥かに超えていたと言うべきか。
出てくるもの出てくるもの全てが、無教養なわたしでさえ判る、高価で珍しいものばかり。
宝石であったり、絵画であったり、陶磁器であったり、純金であったり、年代物の銃であったり。
正体の判らないものはカルロ様に尋ねながらの作業は、目新しいものの発見と美しいものの観賞の連続で、
独特の雰囲気を醸し出していたパーティーと比べても、実に楽しいものだった。

そして、一通りそれらを堪能した後、彼のデスクに小さな箱が残されているのに気が付いてしまったのだ。
……それが「あんな出来事」を引き起こす起爆剤だとは、この時のわたしたちは夢にも思わなかったわけだけど……。


それは、綺麗にラッピングされた、10センチ四方くらいの小箱。
簡素だけどリボンがかけられているところを見ると、きっとカルロ様への贈り物の1つなのだろう。
だけど、きっちり包装されたままのそれは、中を検閲されていないということを示していて……
しげしげとそれを眺めてしまう。部下さんたちがチェックを忘れたのだろうか、と思ったのだ。
すると、わたしの視線の先に気づいたカルロ様が、ああ、という顔でそれに応えてくれた。

「あれはさっき、ベンから渡されたものだ」
「ベンさんからのプレゼントなの? へぇ…。一体何が入っているのかしら……」

贈ったのがベンさんと知って、俄然興味が湧いてくる。
なにせベンさんと言えば「ダーク様至上主義」で、ちょっと悔しいけど、カルロ様のことは誰よりも詳しい人。
その彼がカルロ様のために選んだものとは―――?
プレゼントを何にするかで散々悩んだわたしとすれば、それが気にならないわけがない。

「開けてみるか?」とカルロ様に尋ねられたけれど、流石にこれには首を横に振った。
これだけが検閲されなかったのは、彼がベンさんを無条件に信頼しているという証。
(わたしからのプレゼントも当然検閲されなかったけど)
他の贈り物のことは棚に上げてしまうことになるけれど、これはわたしが開けるべきものではない。
そう答えると、カルロ様は少し微笑んで、包装に手をかけた。

優雅な所作でリボンと包装紙が解かれていき……。
現れたものを見て、一瞬、絶句。
箱の中には、親指の爪ほどの大きさで、黒みがかった茶色の球体が数個。

「これ……」
「……チョコレート、のようだな」

見た目といい甘ったるい匂いといい、それ以外の何物でもない。

「カルロ様は甘いものはあんまり好きじゃないよね? そんなこと、ベンさんが知らないはずないのに、
どういうことなのかしら」
「さあ。どういうつもりなのかは判らないが……。ベンのことだ、何か意味があるのだろうな」
「う〜ん」

どんな謎かけのつもりなのだろうか、と小首を傾げてしまう。
ペットが飼い主に似てしまうという話をここで持ち出していいのか少々悩むけれど、
冗談が嫌いなカルロ様の腹心の部下はやはり冗談が嫌いで、意味のないことはしないように思う。
でも、ここにあるのは、どう見てもごく普通のチョコレートで。
……ベンさんがカルロ様に贈るくらいだから、よほど高価で美味しい極上の品なのだろうけど。
果たしてそれだけなのだろうか。

悩むこと、数分。
以前テレビ番組で取り上げられていたウンチク話を、ふと思い出した。

「そうだ! 疲れている時には甘いものがいいって言うじゃない? 
だから、パーティーで疲れたカルロ様を癒そうってことなのかも。うん、きっとそうよ。
なんてったってベンさんは気配りの人だから!」

うんうん、と一人頷き、わたしがその考えに満足していると、
カルロ様も少し間をあけてから頷いてくれたのだが……。

「……おかしい?」
「いや。そうかもしれないな」
「嘘。だって、目と口元が笑ってるもの」
「そんなことはない。……種明かしは後でベンに直接訊くとして、よければおまえも食べなさい。
おまえの言うとおりなら、きっと疲れがとれる」
「やっぱり笑ってるじゃない!」
「気のせいだ。さあ、口を開けて。甘いものは好きだろう?」

微笑を浮かべたカルロ様は、ぷぅっと頬を膨らませたわたしの口元にチョコレートを一つ近づけた。
……その仕種がひどく甘くて。
餌付けしている親鳥と餌付けされている雛鳥のような構図が、すごく面映かった。
なんだか誤魔化されているような気がしないでもないけれど、このまま、誤魔化されてあげてもいいかな……
なんて気分になってしまって。

「じゃあ1つだけ……」

くすぐったい気持ちで、わたしは「あーん」と口を開いた。
カルロ様が食べさせてくれるチョコレートの味はどれほど甘く、美味なのだろう、
と大いなる期待を込めながら。


―――ところが。


「これ…、ウイスキーボンボンだったのぉ……?」

チョコレートを噛み締めた途端にホロ苦い液体が口内に流れ込み、思わず眉を寄せた。
たしかにこれなら、甘いものが苦手なカルロ様でも食べられるかもしれない。文句なしに大人の味だ。
でも。でも。
不味い。
少なくとも、わたしの口には合わない。
舌にも刺激が強く、できることならこの場で吐き出してしまいたいくらいだった。
だけど、行儀が悪いし、ベンさんにも悪いような気がして、なんとかそれを喉の奥に押し込む。

「水を持ってこようか?」
「ううん。これくらい、平気だもの」

カルロ様が可笑しそうに訊いてくるから、なんだか自分がすごくお子様なように思えてしまい、
つい虚勢を張ってしまう。
すると彼はますます苦笑しながら、自分もまた、チョコレートを口元に運ぼうとして。
その瞬間。
デスクの電話が鳴り響いた。
カルロ様はチョコレートを箱に戻して受話器をとり、引き締まった表情でルーマニア語を繰り出し始める。
おそらく重要な商談なのだろう、しばらく話し込んでも彼が受話器を戻す気配は見られず、
わたしは彼の邪魔をしないように、デスクの向かいのソファーに腰をおろした。


それから十分ほど経ったころだろうか。
……自分の躯に起こりつつある異変に、わたしが気づいたのは。


どうしたことか、やけに喉が渇いて、奇妙なほど躯が熱いのだ。
喉の奥から躯全体に、じわじわと熱が拡がっているような、そんな感覚。

風邪でも引いたのだろうかと考え、すぐにそれを否定する。そんな兆候は全くなかった。
では空調がおかしいのだろうか。……それも否。
この部屋に足を踏み入れた時から空調はそのままだし、カルロ様も変わらぬ様子で話しつづけている。

ということは、さっきのチョコレートのせいかもしれない。
でも、そんなに強いお酒が使われていたとは思わなかった。
いくらわたしがアルコールに弱いといっても、口にしたのはほんの少量……おそらくは小匙程度のはず。
それなのに、躯がこれほどまでに熱を帯びてくるなんて。
きっと、顔も真っ赤だ。鏡を見るまでもなく、頬に触れるまでもなく、判る。
でも。


“躯が熱いのは……顔が赤いのは……、本当にお酒のせいなの―――?”


不意に、そんな思いが頭をよぎり……。

「…………っ!」

わたしは……自分が深刻な状況に陥りつつあることを察知して、戦慄を覚えた。
火照った躯とは裏腹に、背中に冷たい汗が流れる。

さっきから、ずっと。
カルロ様から視線をそらすことが出来ない。
それも、ただ視線をそらせないだけではなくて―――。
聞き慣れたはずの彼の声が、普段より低く艶やかに聞こえて………腰に響く。
流暢なルーマニア語を紡いでいるその唇の動きが………艶かしく、卑猥に見える。
わたしの視線に気づいて、あの涼しげな眼差しがこちらを振り返ったとしたら。
そして、真正面からあの瞳に射抜かれたとしたら。
………想像するだけで、下腹部に甘い痺れが走った。

わたしの視線にどうか気づかないで。
……おかしな気分になっているわたしを見られたくないから。

わたしの視線にどうか気づいて。
……おかしな気分になっているわたしを見てほしいから。

その相反する想いが、わたしをますます熱くし、困惑させていく。

本当に、どうしてしまったというのだろう。
どうなってしまうのだろう、わたしは。
心も躯も、制御することが出来ない。
呼吸ですらままならず、途切れ途切れの熱い息だけが、口元から零れていく。
まるで、躯の皮膜が全て剥がされ、全神経が剥き出しになったかのようだ。
そして全神経がカルロ様だけに反応し、わたしの躯に甘い刺激を与えつづけている。
ただ彼を見つめ、彼の声を聞いているだけなのに、躯の震えが止まらなくて。
カルロ様を欲して、躯の一番奥の部分が湿り気を帯びてくる。いや、すでに潤っている、
と言ったほうが正しいかもしれない。
まだ、指一本触れられていないのに。
彼はただ電話をしていて、わたしはただそれを見守っているだけなのに。
それだけのことなのに何故、こんな淫らな心地になれるというのか。
このままだと、彼に縋りついて、「そこに触れて」とねだってしまいたくなる……!

恐ろしくなって自分の躯を強く抱きしめた途端、唐突に、
カルロ様に一番最後に抱かれた時の記憶がフラッシュバックした。

あの長い指で躯のラインをなぞられて、あの舌と唇で全身をくまなく愛撫されて。
ゆっくりと時間をかけて、わたしの躯が解きほぐされていく。
指で翻弄され、焦らされた後、ようやく彼がわたしの中に押し入ってきて
……わたしははしたない声をあげつづける。
そして、彼が切なげにわたしの名を呼び、わたしの中に熱いものを迸らせ
……わたしは真っ白な世界へと意識を飛ばしてしまうのだ……。

生々しすぎる映像が脳裏を駆け巡り……太腿を擦り合わせるようにして足が動いてしまう。
淫蕩な動きだと、霞みがかった意識の中でぼんやりと思うのに。
判っていながらも、止めることが出来ない。

「……あぁ…ん……」

無意識のうちに、妙な声が零れてしまっていた。
ハッと我に返り、慌てて居住まいを正すが、時すでに遅し。


「ランゼ……?」


受話器を握ったままのカルロ様の涼やかな瞳が、訝しげにわたしを見つめていた。
鋭敏な彼が、わたしの異変に気づかないはずがなかったのだ。


そして、二人の視線が絡みあった刹那―――。
ドクン―――と、わたしの心臓が大きく跳ねあがった。



それが羞恥によるものなのか、恐怖によるものなのか
……それとも甘い快楽の期待によるものだったのか。
この時のわたしには、判断することなど出来なかった―――。





■NEXT:Side 2 Carloへ■


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