解放区 NYへのいざない・2
葡萄瓜XQO

 少年の股間のものは、皆が見守る中徐々に力を漲らせ
ゆっくりと勃ち上がっていた。股間の元気さとは対照的に、
少年の表情は実に飄々としたものだ。そして見守る周囲の
表情にも興奮と言うものは余り浮かんでいない。精々浮かんで
いても好奇心であったりその勃ち上がりの鮮やかさに対する
羨望と言った所だろう。
 少年は股間の分身を手を使わずにゆらゆらと玩ぶ。周囲の
視線を感じて彼自身の好奇心にも拍車が掛かった様だ。ふと
気付いて傍らのテーブルに置いてあったセルフサーヴィスで
盛り付けたフルーツパフェに手を伸ばし、スプーンを使わずに
指で掬い取って食し、身体にもクリームを擦り付ける。身体の
火照りをクリームを使って鎮めている様だ。
 少年の居る位置の環境設定は常夏。でも、実の所世間では
今日はクリスマスイヴであったりする。
 そして、彼と同じ様な行動を取っている少年は、実は室内の
彼方此方に居る。擦りつけているのがケーキであったりゼリーで
在ったりの違いはあるのだろうが。ここは、少年達の束の間の楽園…。
 彼等は、興奮と好奇心を伝染させあって解放されているのだ。
 それを見守っている、少年『だけ』に振舞われるクリスマス スペシャル盛り付け担当の二人。
 「この企画は当たったみたいだな」
 「ああ、皆良い顔してるぜ。…多分、賛同者の一部には思惑
違いな奴も居るんだろうけどな」
 「お前はどうなのよ?」
 「俺?この状態の成功が嬉しいに決まってるじゃない。下心
なんてある訳ね―し」
 「嘘ついてんじゃね―よ」
 口の端の笑いと共に布越しに熱い固まりをがっしり握りこまれる。
 「あの中で仕事をするにはお前には下心がありすぎるよな」
 「その下心に期待してるのは誰だっての」
 「…無邪気に勃たせる事はもうできねぇ、か」
 ふと、口元に浮かぶ寂しそうな微笑。
 「いきなり殊勝になったな」
 「裸=スケベって短絡するのは、下心たっぷりの大人だけで
充分だ、ってな」
 「だな。一人で悶々としてたら却って妄想しちまうだけだし?」
 「同じ歳頃の連中のそう言う時の裸を見てるだけでも、かなり
気楽なんで無い?」
 「だろうな。で、な」
 「俺達も解放されようって?」
 「あの時みたいにな」
 「バカやろ」
 スーパー銭湯・ニューヨークのクリスマス企画・『少年解放区』
は静かに進行してゆく。彼等がここで生み出した興奮をどう展開
させるかは、夜だけが知っている。進み行く夜だけが。
2004.2.1執筆
2004.3.13『しょたやねん』にて初出。
2004.12.22加筆。
2003年度出展『NYへのいざない』の続編的な作品です。

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