シルク・ド・フリーク


先日、僕が気を失ってからというもの、クレプスリーは少し変になった。 具体的に言うと、どんなに「イイ雰囲気」になってもクレプスリーはキス以上のことをしなくなった。 「恋人」どうしなのにそれ以上のことをしないというのは、クレプスリーは僕にあきてしまったのだろうか。 そんなことはない、とは言い切れない状況になってしまっていた。

いくらか過ぎた日のこと。
星がいつも以上にキラキラときれいに輝いていた夜のことだった。 いつものようにクレプスリーと夕食をとり、お互い自分のやりたいことをしていたときだ。
「ダレン・・・。」
と、クレプスリーによばれた。
「なに?」
と聞くと、クレプスリーは明るくこう言った。
「久しぶりにシルク・ド・フリークへ行かんかね?」
シルク・ド・フリーク・・・・。エブラ、元気かな?Mr.トールさんや他のみんなも・・。
そのときは「うん、行く!!」と元気よく答えてしまった。
シルク・ド・フリークのみんなと会いたかったのもあるし、クレプスリーとの中を修復したかったしね。
でもそのときは、これが悪夢への道のりだってことに気づいていなかった。

次の日の夜。
クレプスリーがMr.トールの居場所を発見したので、さっそく準備を始めた。 日記帳やら洋服やら入れてたら、
「そんなもんでええわい。」
と、クレプスリーにしかられてしまった。
少しシュン、としたけれど荷物がカバンからあふれるほど出でたからクレプスリーの言うとおりにした。
僕の準備がすむと「いくぞ。」と言われ、さっそく出発となった。
クレプスリーの背中に乗ってフリットするのはひさしぶりなのでちょっとドキドキした。 けれど、クレプスリーの背中にひっついてクレプスリーの体温を感じていると、いつのまにか僕は眠ってしまっていた。

目を覚ましたのはシルク・ド・フリークのテントの中だった。寝たままうーんっと伸びていると、にゅるっとした感触が腿の上にはった。
「ひゃっ、何!?」
おもわず、ぎゅっと目をつぶって、叫んでしまった。
びくびくしていると、そこから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ひさしぶりですね、シャン君?」
「Mr.トールさんっ?」
ぱちっと目を開けて見ると、Mr.トールさんが僕の足の下でにこにこと笑っていた。
「おひさしぶりですっ。元気でした・・」
よいしょっと、と体を起こしつつ言おうとしたら体が上がらなかった。 正確にはMr.トールさんが僕の体を組み敷いてきた。
「何するんですかっ!!やめてくださいっ!!」
「ふっ。気持ちのいいことなんですけどね。やめてもよろしいのですか?」
Mr.トールはそう言って、僕の胸の先をぎゅっとつねってきた。
「っやめ・・」
「ほらね、気持ちよくありませんか?」
「っ・・・。」
正直、Mr.トールさんがこんなことをする人だとは思ってもいなかった。 だからなのだろうか。ぶちっと、堪忍袋の緒が切れた。
「やめてって言ってるでしょ!!」
切れてしまった僕はMr.トールのおなかをげしっとけった。けれど、Mr.トールの体はけったぐらいではびくともしなかった。
「私に抵抗するんですか?ですがそれも私をあおるだけですよ。」
Mr.トールはそう言ってシルクハットをポイッと投げ捨て、シュルッっとネクタイをはずしたかと思うと、それで僕の手をぐるぐると巻きベットの柱にくくりつけた。
「やっ、はずしてっ。」
唯一、自由の利く足でじたばたと抵抗した。
「はずしませんよ。」
その足もMr.トールの体によって止められてしまった。
「以前あなたを見たときからずっとその体を味わいたいと思っていましたから。」
ベロッと舌なめずりをするMr.トールの顔を見てぞくっとした。
「クレプスリーがシャン君をつれてここへくると知ったときからこうなれることをずっと望んでました。今日は私の気がすむまで付き合ってもらいますよ。」
Mr.トールが言い終えた瞬間、僕が着ていたシャツのボタンがぶちっと、Mr.トールによってちぎられた。 「やっぱり・・・。きれいなピンクですね。」
「ゃあっ・・、見ないでっ。」
「くすっ。おいしそうなピンク色をしているのに見ちゃいけないんですか?」
Mr.トールはもう一度舌なめずりをして僕の胸の突起をがりっと噛んだ。
「いっ・・た・・。」
「今は痛いでしょう?けれどもう少ししたら快感になりますよ。」
そうつぶやくともう一度、僕の胸の突起をがりっとかんだ。
「やめ・・てぇ・・。。」
「ほら、もう気持ちよくなってきたでしょう?。」
「気持ちいいわけないでしょっ・・。」
「上の口ではそういっても下ではどうでしょうか?」
にんまりっと笑いながらするりとズボンのすきまに手をいれてきた。
「やっ・・・。」
「ほら、もうこんなになってますよ。」
Mr.トールは僕の先走りの液をわざわざ見せてきた。
「もぅ、やめ・・てぇっ・・。」
「こんなに気持ちよくなってるのにやめてもいいんですか?」
「だから、気持ちよくないんだってばっ・・。」
その言葉を言った瞬間、変になった恋人の顔が浮かんできた。
そして、何だかんだ言ってもクレプスリーは僕の恋人だな、と思いながら
「僕が気持ちよくなるのはクレプスリーだけなんだからっ。」
と、きっぱりMr.トールに言った。

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+コメント+
初登場のMr.トールさんでございます。
いまいちしゃべり方がよくわからず、ある漫画の登場人物みたいなしゃべり方になってしまいました。(誰かわかりますか?)
んでもって、今回も続きます。いろいろあります。次回をお楽しみに!(誰も楽しみにしないですね・・・。。)
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