乾いた絶頂(後)

 
バーナビーは虎徹の足を広げさせ、反射的に閉じようと動く足の間に体を割り込ませた。
膝をベッドと虎徹の太腿の下に差し込むと虎徹の腰が浮く。
シャワーから連れ出した虎徹はもちろん一糸纏わぬ裸だ。
尖った乳首も、支えがなくとも天を向く性器も、丸見えになっている。
腰が浮いたことによってはっきりと見える後門も綺麗な色で特に汚さは感じない。
じっと食い入るようにみつめると視線を感じたのか、その場所はヒクヒクと蠢いた。
誘われるように指先でそっと触れると、虎徹の体がビクンと大きく跳ねた。
「だ、めだ」
小さな呻き声と一緒に下半身が逃げようとよじれる。
耳に入った今まで聞いたことのない弱々しい声で、バーナビーに一気に火がついた。
ピタリと指先を宛がいぐいと力を入れると、そこは大した抵抗もせずにスブリと受け入れた。
あまりの柔らかさにバーナビーは一瞬驚く。
もしかしたら浴室で自慰にふけっているときに、性器だけでなくここも弄っていたのかもしれない。
その妄想はあまりにも淫らで、バーナビーの股間は更に大きくなった。
興奮のままに指を進めると抵抗もなくずぶずぶと沈む。
「あっ、ああ」
虎徹の体が仰け反り、白いシーツの上で黒髪が乱れた。
体内は発火するのではないかというほど熱く、肉壁が絡みついてくる。
興奮してぐるぐるとかきまわすと、目の前にある虎徹の性器が今まで以上にぐんと反り返った。
逃げようとしているのか、もっととねだっているのか、どちらともつかない動きで腰が揺れる。
噛み締めた唇からは、さっきまでの喘ぎとは違う微かな呻きと荒い息が漏れる。
バーナビーが指を引き抜こうとすると肉壁の締め付けがいっそうきつくなり、逃すまいとするかのように蠢いた。
堪らなくなって無理矢理引きずり出し、もう一本を添えて一気に貫いた。
「ひっ、あぁぁ!」
綺麗な筋肉を包んだ肌に汗が噴出す。
遠慮なく擬似セックスのようにかき回しながらハイスピードでピストン運動を繰り返す。
しかし、女と違い濡れることのない後門は次第に乾いていき、仕舞には指の動きをはばみはじめた。
絶え間なく響く喘ぎ声に苦痛の色が混ざっていく。
ギチギチと動きがとれなくなると、さすがにバーナビーは体内を傷つける恐れがあることに気が付いた。
慌てて二本の指を引き抜くと、虎徹の体が安堵したようにゆっくりと弛緩した。
だが、バーナビーにはここでやめるつもりはまったくない。
さっき虎徹を風呂場から連れ出すときに一緒に持ってきたボディローションを、虎徹の股間に垂らす。
反り返った性器の先端からトロトロと流れ落ち、尻の間を伝ってシーツに染み込んでいく。
万遍なく濡れたことを確認し、今度は自分の性器にローションをぶっかけた。
ローションの瓶を横に置き、行為を再開する。
今度は指を3本に増やしローションまみれの後門にゆっくりと挿入した。
濡れた後門はバーナビーの指をギュウギュウと強く締め付けながらも貪欲に飲み込んでいく。
「あっ、やめッ」
頭を振って腰を揺らした虎徹が拒否の言葉を吐いた。
ここまで昂っているのに、まだ完全に快楽に落ちない精神に感心しながらも、反対に強い征服感が湧き上がってくる。
指を根元までぐっさりと挿し込み3本の指を好き勝手にバラバラと動かすと、虎徹の体が跳ねるように痙攣した。
「あぁ、あっ、あぁっ」
一度も触られていない虎徹の性器はこれ以上ないほど反り返り、ダラダラと先走りを流している。
内部を探って前率線の位置を探すと、コリッとしたものが指先に触れた。
「ひっ!」
虎徹が引き攣った悲鳴をあげた。
「ここですね」
コリコリと何度か擦り、間違いなく前率線であることを確認したあと、バーナビーは指を引き抜いた。
虎徹の足を大きく広げさせ抱え込み体制を整えても、抵抗はない。
体を前方に倒し顔を覗きこむと、唇の端からは唾液が垂れ、琥珀色の目はぼんやりと見開らかれていた。
今まで一度も見たことのない表情だった。
いつもは明るくおおらかで性的な要素を見せない男なのに、今は自分に翻弄されされるままになっている。
ゾクゾクと背筋を快感が駆け抜ける。
完全に征服し、正気を失うほどよがり狂う姿がみたい。
指によってすっかりとほぐされローションまみれになった後門に、バーナビーは自分の性器を宛がった。
前立腺の場所はしっかりと確認した。
確実にその場所を突き、擦ることができる角度に体を合わせる。
「虎徹さん」
名前を呼ぶが虎徹は反応を返さない。
何度も呼び続けると、ようやく目に光りが戻り、その視線がバーナビーを捕らえた。
「僕が誰だかわかっていますか?」
「・・・ば、にー」
その答えに満足したバーナビーは腰にぐっと力を入れ、虎徹の体内に侵入を開始した。
散々指でほぐしたとはいえ、指と性器では大きさが全然違う。
さっきは指をスルリと飲み込んだが、今度はそう簡単にはいかない。
しかしバーナビーは遠慮しなかった。乱暴な動きも交えて、ぐいぐいと打ち込んでいく。
「っ、ま、まて!!」
今までほとんど抵抗をしていなかった虎徹が足をばたつかせ、腰を引き侵入をはばもうとした。
だが、抱え込まれた足と大きな手でしっかりとホールドされた腰は微動だにしない。
先端に感じる肉の熱さにバーナビーの興奮が更に高まる。
なかなか開かない後門に焦れて、尻肉ごと指で押し広げるとバーナビーは全体重をかけて圧し掛かった。
「ひっ、あっあぁぁぁーーーーーーっ!!」
熱く巨大な楔が強引に体内を引き裂いていく痛みと激しい圧迫感に虎徹の唇から叫びが迸る。
一番大きな鬼頭をようやく収めることに成功したバーナビーは荒い息を吐きながら、腰の動きをとめた。
キュウキュウと吸い付くように締め付けてくるそれは過去に一度も味わったことないほど強烈なものだ。
女なんて目ではない。
油断するとあっというまに達してしまいそうだ。
バーナビーは大きく深呼吸を繰返し、迫り来る絶頂感をどうにか押さえ込んだ。
そうしている間に虎徹の息も少しずつ落ち着いてくる。
ものすごい圧迫感はあるが痛みは収まりつつある。
痛みが完全に引くと今度は、その体内の塊の存在がぞくぞくとした快感となって虎徹の下肢をジンジンと痺れさせはじめた。
先端を締め付けている肉壁がゆっくりとほどけ少し緩んだあと、奥へ引き込むように蠢きはじめた。
それを性器全体で感じたバーナビーは腰の角度を整え、まだほとんど外に取り残されたままの竿と結合部分にローションの残りを垂らした。
「いきますよ、おじさん」
大きさや動きをリアルに伝えるために、わざとゆっくりと挿入していく。
前立腺付近で一度とめ、鬼頭部分を押し付け腰を揺らすと、虎徹の体がビクビクと跳ね上がった。
角度を変え先端で何度もつついたあと、擦りつけながら一気に奥まで貫いた。
「−−−−−−−−−−−ッ!!」
声にならない叫びをあげて、虎徹の体がえびぞりにしなり、天を向いていた性器の先端から精液が迸った。
触れられていないのに、男を奥底まで受け入れただけで達したのだ。
「くっ」
バーナビーは咄嗟に下半身に渾身の力を込め、思わず呻いた。
虎徹が射精しているその間、内壁が信じられないような動きをしているのだ。
まるでバイブレーション。
キュウウと締め付けながらも、細かい振動を与えてくる。
目を瞑り、息をとめ、腰に力をいれ、バーナビーは今にも射精しそうになるのを必死になって耐えた。
振動がようやく収まり、硬く瞑っていた目をあけると、虎徹がぐったりと弛緩している姿が目に飛び込んできた。
精液まみれの腹としんなりと横たわった性器がみえる。
快感の去ったあとの脱力で、バーナビーへの締め付けが緩まっている。
バーナビーは虎徹が落ち着く暇も与えず、ふたたび腰を前後に動かしはじめた。
狭いのは相変わらずだが、さっきよりは動きやすい。
大きくかき混ぜては小刻みに奥を突き、次には引き抜いてすぐに一気に突きこむ。
バーナビーが腰を複雑に動かし続けると、虎徹がまたいやらしい声をあげて喘ぎはじめた。
目の前でどんどん育っていく性器が虎徹の快感そのもののようで、バーナビーは思わず片手で握り込む。
手の中で硬さがぐんと増した。
上下に摩擦すると、トロトロと流れ始めた先走りがバーナビーの手を濡らす。
絶え間なく発せられる喘ぎ声に煽られ、バーナビーの腰の動きはどんどん早くなる。
ギリギリまで引き抜いては突き上げるという動きを繰り返すと、虎徹が泣き声をあげた。
外も中も激しく擦りあげられた虎徹はあっというまに二度目の射精をした。
びくんびくんと痙攣しながら達する体内はやはりさっきと同じようにバイブレーション。
今後はたまらずバーナビーも根元までぐっさりと挿し込み性器全体でその振動を愉しみながら、最奥に溜まった精液を思いっきり吐き出した。
「あっ、やめっ」
注がれた熱さで、快楽に溶けていた虎徹の意識が現実に引き戻される。
男に犯されよがりまくる己の姿を自覚し羞恥に全身が染まるが、後門は収縮を繰返しバーナビーの精液を一滴残らず絞り取ろうと蠢く。
「凄いですね、あなたのここ」
すべてを注ぎ込み絶頂感が少し収まったバーナビーは大きく深呼吸を繰り返したあと、腰を揺らしいやらしく笑った。
女の膣の中でもこんなに動きはしない。
女性器と後門という穴の違いということもないはずだ。
実際アナルセックスを好む女としたことはあるが、こんなに締まりはよくなかったし振動なんてしなかった。
もしかしたらネクスト能力のせいかもしれないと考えたが、そんなことはもうどうでもよかった。
くせになる快感。何度何度も味わいたくなる。
まだまだ足りない。もっと欲しい。
「・・・へんたい」
「男にやられて善がっているあなたも充分変態ですよ」
そう返しながら、一度抜こうと腰を引くが肉壁には吸盤がついているのではないかと思うほど吸い付きなかなか抜けない。
それでも思いっきり引き抜くと、ぬぷりと音を立てバーナビーの性器と一緒にたっぶり注いだ精液が溢れでた。
後門から巨大な塊が抜ける、排出の快感に虎徹の体が震えた。
「ほら、また勃ってきましたよ?」
既に二度も吐精したのに、虎徹の性器はまた硬くなりはじめていて指先で弾くとクンと硬さを増した。
「もう、よ・・・せっ」
閉じようとする細く長い両足を体で遮り、今まで以上に大きく広げさせた。
口では抵抗する言葉を吐くが、体はまだ欲しいと蠢いているのだ。
「もっと、でしょ?」
ふたたび先端を宛がう。
鬼頭の感触に虎徹の腰が無意識に揺れるが、それは逃げるというより押し付けるような動きだった。
それを自覚し、虎徹が唇を噛む。
「理性なんてふっとばしてあげますよ」
じりじりと沈み込ませると、虎徹が息をとめて仰け反っていく。
散々性器で可愛がられた後門はすぐに柔らかくほどけ、覚えたばかりの男を咥える快感を喜んで迎え入れる。
注いだ精液のせいか、今度はスムーズに入っていく。
だがバーナビーは奥までは入れなかった。
先端だけを挿入し角度をかえ、一点を突き始めた。
「あっ!?」
虎徹が思わず悲鳴をあげた。
元々犯人に触れられたのは前立腺だ。
抽挿時もカリで擦ってはいたとはいえ、そこを直接刺激されれば抵抗どころか、あっというまに理性を飛ばすはずだ。
先端で小刻みについてはドンと突きこみ、側面やカリでぐりぐりと刺激することを繰り返す。
肉壁に包まれているのはほんの先端部分のみでほとんど外に残した状態。
それでも敏感な先端を絶え間なく刺激することでバーナビーも充分快楽を得ていた。
だが、前立腺を集中攻撃されている虎徹は堪らない。
バーナビーの腕に爪をたて、無意識に腰を引いて激しい快感から逃げようとする。
それを許さず絶え間なく刺激を続けると、虎徹の目から次第に正気の色が失せていく。
自分が与える快楽に落ちていく虎徹の姿をみて堪らなくなり、腰を回し捏ねるように突くと虎徹の体が大きく仰け反った。
同時に挿入した先端にさっきと同じバイブレーション。
体内の反応も、虎徹の表情も、体の痙攣の仕方も、また絶頂を感じていることは一目瞭然だった。
だが、今度はなぜか性器は勃起したままだ。
一滴も射精はしていない。
疑問が頭をよぎるがその理由を考えるよりも先に、肉の蠢きを愉しむためにバーナビーは奥まで一気に貫いた。
ビリビリとした感覚が側面に伝わってくる。
締め付けの強さと蠕動をバーナビーは性器の根元から先まで全体でじっくりと味わい愉しむ。
最高の気持ちよさだ。今まで誰を相手にしても感じたことのない全身が痺れるような快楽。
だが残念なことに、達したばかりのバーナビーには絶頂感は襲ってこない。
その分、肉壁のざわめきをたっぷりと味わうことができた。
今回の振動はさっきよりも長かった。倍以上の時間はあったと思われる。
それだけ虎徹の絶頂を感じている時間が長かったということだ。
後門が緩んだところでバーナビーは汗を滴らせながら、虎徹をみつめた。
汗まみれで荒い息を吐き、まだ絶頂感から抜けてないことがひとめでわかる。
それなのに虎徹の性器は勃起したままなのだ。
不思議に思うものの、バーナビーの体は今度は刺激される快感よりも吐き出す快感を求めはじめ、無意識に腰が動きはじめる。
「あっ、まだっ、ああっ、やめっ!」
落ち着いていない体を遠慮のない動きで刺激された虎徹が頭を振りながらバーナビーを押しかえそうとするが、力は弱々しくなんの抵抗にもなっていない。
今度はバーナビー自身が快感を得るための動きだ。
前立腺への集中攻撃でなく、大きく腰をスイングし性器全体を肉壁に擦りつける。
引き抜いては奥まで貫くと、鬼頭への衝撃感と側面への摩擦による快感がバーナビーを襲う。
快楽を追いながらも、途中で前立腺を刺激することは忘れない。
ぐりぐり押したりカリでひっかいたりと、突き上げながらも性器全体を使って攻める。
「あっ、あっ、あっ」
奥を突くたび、短い喘ぎが虎徹の口から漏れる。
前立腺をひっかくと喉の奥から甘い叫び声が発せられる。
荒い息を吐きながらバーナビーが何度も何度も突きこむと、また虎徹の体が仰け反り痙攣した。
虎徹の絶頂のときの独特の体内の蠢きは、信じられないほどの快感を咥え込んだ性器に与えてくる。
バーナビーは耐え切れず、顎を突き出し仰け反りながら腰を震わせながら精液を注ぎ込んだ。
バーナビーが出し終わっても、虎徹の絶頂はとまらないのかバイブレーションは続く。
普通ではない長さだ。
男なら出して終わりのはずなのに、虎徹は射精すらしていない。
ただひたすら絶頂を感じているだけだ。
ようやく振動が止まり締め付けが緩むが、振動を与え続けられていたバーナビーの性器は達したばかりだというのに硬くなりはじめていた。
ここで止める気がバーナビーにはまったくない。
まだまだこのバイブレーションを、気持ちのいい体を味わい続けたい。
半勃起のまま、バーナビーは腰を振り性器を熱い肉壁に擦りつける。
ぬるぬるとした感触が気持ちいい。締められる先端、摩擦される側面。
刺激を受けたバーナビーの性器はまた、どんどんと硬くなり反り返っていく。
完全な勃起感を感じたとき、また虎徹からの長いバイブレーションがきた。
その動きを堪能しつつ虎徹の様子をじっくりと観察すると、すっかり意識が飛んでいるのか目は大きく見開かれ、体はガクガクと激しく震えていた。
これが。
ここにきてバーナビーはようやく理解した。
これが、ドライオルガズム。
話には聞いたことはあるが、ただの与太話かと思っていた。
だが、この虎徹の状態をみる限りそれは本当のことだったのだ。
射精せずに絶頂を感じる。
その快感は射精の何倍、何十倍だという。
そしてそれを感じる時間も信じられないほど長く、射精を伴わないため絶頂感は何度でも繰返し訪れる。
究極の快感。
虎徹はその究極を感じているのだ。
絶頂の度に体内がバイブレーションするのは薬のせいか、それとも元々虎徹が名器と呼ばれるものを持っているのかはわからない。
だが、これならバーナビーも何度も何度も長い時間をかけて強烈な快感を味わい続けられるのだ。
虎徹は際限なく絶頂を感じ、その長い絶頂の間の体内の動きを存分に愉しむことが出来る。
「・・・まるで麻薬だ」
虎徹にとっても、バーナビーにとっても。
このセックスは強烈すぎてやめることができない。
「射精しないなら、射精せずにいられないくらいまで犯してあげますよ」
バーナビーの顔が妖しい笑いを浮かべる。
征服欲、加虐感、色々な感情が混ざりバーナビーの性欲を高めていく。
すでに二回も射精しているというのに、まだまだ足りない。
もっと啼かせて気が狂うほど善がらせて、その体内をどっぶりと自分の精液で満たしたい。
そんな衝動をとめる理性はとっくの昔に消し飛んでしまっていた。
バーナビーは性器を引き抜くと、くんにゃりと脱力した虎徹の体を引き起こしうつ伏せにする。
女と違い男の体は重い。その足を抱えなくていい分動きやすい。
力なく寝そべる虎徹の腹の下に部屋にある限りの枕を差し入れて腰を突き出す体制をとらせる。
バーナビーの目の隠されることなく虎徹の穴が晒される。
散々嬲られた小さい穴は真っ赤に染まりぷくりと膨れ上がっていた。
今は閉まっている後門の周りは精液まみれで、淵には細かく泡だっている。
男の後門なんて見たくもないもののはずなのに、今は欲情を煽るだけだ。
「いきますよ、虎徹さん」
そう声をかけたあと、バーナビーは一気に突き込んだ。
シーツを握り締めて虎徹は悲鳴をあげるが、後門は抵抗もせず巨大な性器を咥え込む。
すでに虎徹の後門は男を受け入れるための性器と化していた。
性器を咥え込み締め付け、挿入を悦び更なる快感を欲する。
バーナビーは後ろから圧し掛かると今までは与えなかった愛撫を施しはじめた。
前に回した手で胸や腹を撫でまわし、尖った首を指先で摘み、転がす。
「あっ!」
ちいさい喘ぎとキュッと反応して締まった後門で、虎徹が感じたことが伝わってくる。
「いくらでもいってください。たっぷり注いであげますから」
バーナビーはそう呟いて、腰を突き上げはじめる。
ギシギシと鳴るベッドの音と、ぐちゅぐちゅという結合音。
虎徹の啼くような喘ぎ声とバーナビーの呻き。
それらは部屋を隅々まで満たし、いつまでも絶えることはなかった。

*

ふう、とバーナビーは大きく溜息をついた。
ネクスト能力の解除を口実に、虎徹を思う存分抱いたのはもう1ヶ月前のことだ。
翌朝、熱を出し動けなくなった虎徹を看病した。
ヤりすぎたことは自覚していたし、虎徹の状態はどうみても無理させたせいだったからだ。
ネクスト能力の影響が残っていないことを確認し、虎徹が自分で動けるようになったところで自宅まで愛車で送った。
看病している間も車の中でもふたりとも一言も言葉を交わさなかった。
自分達の行為が信じられなかったし、口を開いてその話題になるのを避けたかったからかもしれない。
翌日からは何事もなかったかのように振る舞った。虎徹も同じだ。
いつもの気の置けない相棒に無事戻れたと思っていたのに。
1ヶ月経って。
性的に満足できない自分に気がついてしまったのだ。
虎徹とのセックスはあまりにも強烈だった。
あの体内の振動、あの乱れる姿、そしてくせになるような低い喘ぎ声。
どうしても頭から離れず、夢にまで見てしまう。
あの特殊な肉壁の蠢きはきっとネクスト能力のせいで、もう一度抱いたとしても同じ快感を味わえるはずはない。
そう自分に言い聞かせるが、すぐに『次に抱く』という選択肢があることに気がつき自己嫌悪する。
深夜に虎徹とふたりきりになることがあったとしたら。
何をしてしまうのかわからなかった。


ふう、と虎徹は大きく溜息をついた。
ネクスト能力の解除のためにバーナビーに抱かれたのはもう1ヶ月前のことだ。
翌朝、熱を出し動けなくなったたが、バーナビーは甲斐甲斐しく看病してくれた。
まあ、寝込んだのはバーナビーとのセックスでかなり無理させられたことが原因だから当たり前といえば当たり前だが。
熱で朦朧としてはいたが、あの抗いがたい衝動は二度と湧き上がってこなかった。
無事解除されたことを考えれば、バーナビーに感謝をしなくてはいけないのだろう。
看病している間も自宅へ送られる間もふたりとも言葉を交わさなかった。
自分達の行為が信じられなかったし、口を開いてその話題になるのを避けたかったからかもしれない。
だが、1ヶ月経って。
たまに体が疼くようになった。男としての刺激ではなく、後ろがなにかを欲しがって疼くのだ。
そんな自分にショックをうけ、しばらくは立ち直れなかった。
だが、それほどバーナビーとのセックスはあまりにも強烈だったのだ。
女を相手するのと違う、支配される快感。
射精による快感ではない、体内の奥が爆発するような強烈な快楽。
そんなものを求めてしまい自己嫌悪する。
もう二度とあんなことは御免だ。そう思うのに。


体を繋ぐことで心まで繋いでしまったのか。
もともとそういう要素や感情が心の奥底に沈んでいたのが、表面化してしまっただけなのか。
ひとつの結論がでるまで、ふたりは悶々とした夜を過ごすことになるのだった。
 

 
  

 


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