■そのあと彼らは■
 
 
 

 
外壁が崩れ一面に硝子や瓦礫が散乱しているナイトホークス社の廊下を五右エ門はずんずんと歩いていく。
俺はそのあとを慌てて追った。
事前に調べ上げた情報を頭に叩き込んでいるルパンや俺と違って、五右エ門はこの建物の内部構造は知らないはずだ。
それにこの騒ぎ。敵が駆けつけるのも時間の問題だろう。
「おい、五右エ門、待てよっ」
ルパンは大丈夫なはずだ。
俺たちがしなくちゃいけないことはルパンの元に向かうことではなく、この場から逃げ出すことだ。
「待てったらっ」
五右エ門の歩みを止めようと、後ろから腕を捕らえ引きとめようとした。
だが、手は空を切り、かろうじて着物の袖を握れただけだった。
俺と五右エ門の歩む速度の違いで、握った袖は引かれ、着物の肩がぐいと肌蹴た。
筋肉に覆われてはいるが細い腕と白い肩が露になる。
さっき、セクシーな五右エ門を拝見したあとだけに、艶かしさを感じ心臓がどきんと鳴った。
「なにをする」
五右エ門が怒ったような声色でそう言いつつ、ようやく足を止め俺の方に半身分振り返った。
だが、俺はそんな五右エ門の様子など目にはいらず、ただ一点を凝視した。
肌蹴た首筋と胸元に紅い痕が散っているのだ。
それはどうみても虫刺されだのキスマークだのと言われる類で、俺の目には間違いなくキスマークにしか見えなかった。
腕を振り俺の手を払う五右エ門はきっとこんなものが自分の躯についていることに気がついていないのだろう。
俺といえば、さっきまでのアーミーマニアに対する嫉妬も相まって、目の前が真赤に染まった。
「・・・五右エ門」
「なんだ」
自分の声が地の底から響いているような気がした。
「とりあえず・・・ここから逃げ出したあとにゆっくりと話を聞こうか?」
「なにを言っている?」
「いいから、俺の言うことを聞け。俺たちは今すぐここから脱出する。いいな?」
いきなり殺気立った俺の様子に驚いたように息を飲んだが、少しの沈黙のあと「わかった」と五右エ門は答えた。



「次元っ、なんだこれはっ!」
五右エ門が苦しそうな息の下、それでも怒ったような慌てたような叫びをあげた。
アジトに着いた途端に五右エ門の腹に一発ぶち込み、ふいをつかれてもろに喰らって躯を折ったところを寝室に引き摺り込み、ベッドへ放り投げたのだ。
俺は無言で五右エ門の上に馬乗りになり、その躯をロープでぐるぐると縛り上げる。
「なっ、なにをっ」
もちろん暴れるが、怒りマックスの俺に敵うはずはなく。五右エ門はあっという間に俺の手によって縛り上げられた。
手首は勿論のこと腕ごと上半身を縛り、ついでに暴れさせないように足首もきつくひとつに縛った。
自由を失った躯を上向きにさせ、俺は着物の合わせ目を掴み、乱暴な動きで肩から引き下ろす。
五右エ門が息を飲む。
肌蹴られた白い肌には紅い痕が点々と散っている。
それをひとつずつ指先で押さえながら数えると、つけられたあとは4ヶ所あった。
そのうちのひとつは乳輪のすぐ横にあり、乳首を吸われたことを想像するには容易かった。
「あの男にナニをされた?」
「・・・次元?」
「このキスマークはどういう状況でつけられたのかって聞いてるんだよ!!」
激昂した俺の様子に驚いたのか、キスマークのことなど思いもよらなかったのか、五右エ門の顔に驚愕の表情が浮かび、そのあとすぐに真赤に染まった。
「ここと、ここと、ここと、ここ!それにここも嬲られだろ?」
紅い痕を辿り、最後にまだ柔らかい乳首を強く摘みあげると五右エ門が痛そうに顔を歪める。
「あの男に縛りあげられて・・・ナニをされた?」
怒りながら問い続ける俺を、五右エ門は抗議するような目で睨みつけた。
それが俺の怒り、嫌、ずっと燻っていた嫉妬に火をつけた。
五右エ門の躯に圧し掛かり、紅い痕のひとつに噛み付く。
「!?」
押さえ込んだ躯がビクリと大きく跳ね上がったが、俺は気にせず、すべての痕を歯型と新たなキスマークで上塗りしていく。
噛みすぎて滲みでた血を舌で舐め取り、吸い付く。
「うっ、やめっ」
「ナニされたか言えよ」
「や・・・めろ、次元!」
言い訳しないくせに俺を拒絶するような言葉を吐く五右エ門に苛立ちを感じた俺は、シーツの端を引きちぎった。
「答えねぇならもう黙れ」
シーツを口の中に押し込み、猿轡を噛ませる。
五右エ門の目が大きく見開かれたが、もう俺は俺自身の暴走を止められない。
「ナニされたか俺が躯の隅々まで調べてやるよ」
腰紐をとき、袴を一気に縛られた足首辺りまで引き下げる。
膝小僧を掴み両足を広げさせると、褌に包まれた股間と白い内股が露になった。
足を閉じようとする力が加わるが、間に躯を滑り込ませ両肩で両膝をブロックし、閉じさせない。
視姦するようにじっくりと眺めるが、太腿や内側に赤い痕はひとつもなかった。
だからといって安心はできない。
「ここは触られなかったのか?」
褌の上からくにゃりと股間を掴む。
「ここは弄られなかったのか?」
褌が食い込む後ろを指先でぐいっと押した。
「んっ!」
五右エ門はくぐもった声をあげて、俺の指から逃げようとするように腰を振る。
だが、俺が逃がすはずもなく。
「そんな風に腰振ってあいつを誘ったのか?」
掴んだものを少し乱暴に揉みあげながら、生地ごと挿入するように指をぐりぐりと進ませる。
柔らかい内股を甘噛して、強く吸い上げ真赤なキスマークを散らし、足の付根に舌を這わせ敏感に反応したところをしつこく嘗めまわす。
下半身の3箇所同時の愛撫に五右エ門の躯から次第に力が抜けていく。
呻き声に甘さが交じり始めた頃には、俺の手の中のモノは固く勃起していた。

俺は全ての愛撫をとめて躯を起し、五右エ門を見下ろした。
しっとりとした汗を浮かべた顔を紅く染め目を瞑った五右エ門が荒い呼吸を繰り返している。
猿轡をされて縛りあげられ、着物も中途半端に肌蹴た状態で快感に喘ぐ姿。
見たくって仕方がなかったそれはすごくセクシーで、俺から嫉妬や怒りをそげ落とし、代わりに欲情と征服欲を湧き上がらせた。
ごくりと喉が鳴る。
滅茶苦茶に抱いて、快楽に泣き喚かしたい。
俺は再び身を沈め、五右エ門からゆっくりと褌を剥ぎ取る。
薄い茂みとそそり立った欲望。
既にしっとりと濡れ紅く染まっている後門。
それらが一気に目の中に飛び込んでくると興奮たまらず、反り返ったモノにむしゃぶりついた。
「んン!!」
五右エ門の躯が大きく仰け反る。
その動きで、喉の奥まえ突きこまれるが、その状態で思いっきり吸い込んでやる。
バキュームファラしてやりながら後門に指を突っ込むと、引き攣ったような喘ぎがあがる。
口内のモノが益々大きく膨れあがり、五右エ門の躯が痙攣を始めた。
今にも射精しそうなのを確認して、俺は口を離し、指を引き抜く。
支えがなくてもびくともしないほど立ち上がったソレは俺の唾液と先走りにまみれて、テラテラとイヤらしく光っている。
先端をあと1回でも擦ってやればすぐに達しそうな感じだ。
だが、簡単にいかせるつもりはない。
猿轡につかった、破ったシーツの残りを手にとり、その根元をキツク縛りあげる。
「!?」
五右エ門の戸惑いが伝わってくるが、縛ることで完全に射精をせきとめる。
今度は2本、指を後門に挿入しよく知る前立腺をぐりぐりと刺激しながら、吐き出すことができず打ち震える先端を指先で撫で回した。
「ッ!!」
猿轡でくぐもってはいるが、発せられる喘ぎは泣き声に近い。
それはそうだろう。
射精の寸前を無理矢理せき止められ、それなのに射精を促すように前立腺を刺激され、敏感になった鈴口を弄くりまわされているのだから。
過ぎた快楽は苦痛に変わる。
今の五右エ門はまさにそんな状態なんだ。
手の動きは止めず、ゆっくりと五右エ門の躯に覆いかぶさる。
眦から涙が流れ、苦しげに眉を顰めた五右エ門の表情を真正面から覗き込む。
俺の気配を察したのか、閉じていた目が開き、俺を見つめ返してきた。
 
 
 
 
 

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■SONOATOKARERAHA■
   

    
 
 
   
 ■なかがき■
『そのとき彼は』の続きのジゲゴエロ。
書く気はなかったのですが、感想頂けたので調子に乗りました(笑)
縛り+猿轡プレイです♪




 
 

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