■ミスターXの罠■

【1】
 
 
 
 
 

ルパンと分かれて一直線に続く廊下を逃げていた次元と五右エ門はようやく現れた横道に飛び込んだ。
ズドーン、ズドーンと廊下いっぱいに迫り来る象の迫力はなかなかだった。
方向転換できない象はそのまままっすぐに進んでいくが、この先に方向転換できるだけの広さがないとはいえない。
象が戻ってこないうちに今来た道を戻らなくてはいけない。
次元は廊下に首を出し、左右を確かめる。
右には去っていく象の尻、左はなにもないまっすぐな道。
「よし、五右エ門、行くぞ」
次元がそう声をかけて今来た道を走り出した、その背後で。
「うわっ!?」
という五右エ門の驚きの声と倒れる音、そして何かを引き摺るような音。
「どうした!?」
振り返った後方には予想通り五右エ門はいない。
急いで戻って横道を覗くと、その奥にある扉がバタンと閉まるところだった。
もちろんどこにも五右エ門の姿はない。
たぶん、あの部屋に連れ込まれたのだろう。
だが、誰が?
あれだけの腕を持つ五右エ門があっという間に連れ去られたのだ。
相当な腕前だと考えられる。
「五右エ門っ」
それでも迷うことなく次元はその部屋へ走りだした。
部屋にたどり着いてもすぐにはドアはあけない。
ドアの横の壁にぴたりと背中を当て、銃を構えて中の様子を伺う。
相手を斬り捨てた五右エ門が飛び出してくるかとも思ったが、そんな気配はない。
なにかが引き摺られるような音。
小さく続く機械音。
そんな音の中に聞き覚えがある声が混ざった。
呻くような苦しんでいるような、そんなくぐもった声。
それが五右エ門が発している声だと理解した次元は、すぐさま部屋のドアをあけて中へ飛び込んだ。
銃を構えていつでも攻撃できる態勢をとる。
しかし、目の前に広がった光景に唖然としてしまった。

ヤスミン姫の拉致を告げたビデオが王室に届けられた。
そこに映っていた姫と、彼女の服を引き裂いたタコ足のようなもの。
そのときはそれがなんなのかわからなかったが、今その正体が目の前に晒されている。
巨大な、蛸のようなロボット。
胴体から長い吸盤のついた足がうねうねとうねり出ている。
機械とは思えないほどリアルなそれはまさに蛸の足。
ヌルヌルに濡れてテカテカと光を反射している。
だが、それだけなら次元はここまで驚きはしなかった。
ビデオを見ていたし、この要塞が機械だらけであることは既にわかっていたことだ。
なにが次元を驚かせたかというと、機械に捕らわれた五右エ門の姿に、だった。

両手を一纏めにされた五右エ門の体は宙に浮いていた。
かろうじて斬鉄剣は握っているものの、それを振るう自由はまったくない。
「うっ」
くぐもった声をあげて五右エ門が仰け反る。
あまりにもエロティックな光景に次元は無意識に唾液を飲み込んだ。

一本の蛸足は五右エ門の腕を一纏めにしている。
一本の蛸足は体に巻きつき、その先端を五右エ門の口に押し込めている。
一本の蛸足は上衣に潜り込み、胸元で淫らに蠢いている。
一本の蛸足は袴の裾を巻き上げながら右足に絡みついている。
一本の蛸足は袴の横の隙間から入り込みその先端は袴の裾から出ている。

蛸足は一本一本が意志を持っているかのように、五右エ門の体のいたるところに巻きつき蠢いているのだ。

殺そうとする意志は感じられない。
だが殺す以上の悪意を発している。
五右エ門に性的刺激を与え、欲情させようとしているのは一目瞭然。
「うっ、んンっ」
五右エ門が逃げるように首を左右に振るが、絡みつく蛸足は捕らえた獲物を嬲り続けている。
ぐいっと着物の襟が広げられる。
二本の足が伸び、両胸を飾る小さな乳首を先端で捏ねくりはじめた。
「ぐっ」
無暗やたらに暴れるが、その先端が狙った場所から離れることはない。
それどころか、空中で両足をM字型に広げさせられ、袴をたくしあげられる。
あらわれた白い褌。
その隙間に器用に潜り込んだ蛸足が、股間のイチモツに巻きついた。
「うっ!!っぅぅ」
口に差し込まれていた蛸足が前後に動きだし、口内をくちゅくちゅと犯しはじめる。
その動きに連動するように股間に巻きついた蛸足も上下に動き出した。
 
 
 
 
 
 

[ (2)へ ]


■Mr.X NO WANA■

 
 
 
■なかがき■

新ル65話『ルパンの敵はルパン』を観た人なら
きっと誰もが妄想したであろう内容です(^^)v

五右エ門によるゴエスキーのための触手プレイ♪←バカ
 
 
 
 
 

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