■恋人の証明(5)■
 
 
 
吐き出された恋人の快楽の証を、レゴラスはすべては飲み干さなかった。
唇を引き締め、口内に精液を残す。

はぁはぁと胸を上下させながら荒い息を吐くフロドの両足を大きく広げる。
フロドはビクリと躯を震わし咄嗟に膝を合わせようとしたが、すぐに力を抜いた。
不安や恐怖もあるだろうに、それを必死に抑えて身を任せてくるフロドに愛しさが増す。

内腿に軽く口付けながら、太腿の裏に両手を廻し広げた足をそのまま上へ押し上げる。
M字型になったフロドの両足。
軽く浮いた細い腰と、すべてが露になった下肢。
吐精して力を失った性器の下の薄桃色の小さな蕾がレゴラスの目に晒される。
視線を感じてフロドの躯に力が入り、蕾もヒクヒクと震えた。

レゴラスは躊躇うことなく、自分を受け入れるその場所へ唇を寄せた。
唇の感触を蕾で受けてフロドは驚きと羞恥にちいさく叫んだ。
この場所を性器と化し、レゴラスを受け入れるということは知識としてよく理解はしていた。
しかし、実際にその場所に、それもあの美しい唇で触れられたと思うと、なんともいえない罪悪感がフロドを襲った。

「駄目、レゴラス!き、汚い・・・」

下肢にある金色の頭を手で抑え、身を捩って離れようとしたが。
レゴラスはもとより、両足を捕らえられたフロドの躯はビクリとも動かなかった。
何も言わないがふと笑った気配がする。
そして、フロドは蕾が濡れていくのを感じた。

可愛いことを言うフロドにレゴラスは目を細めて微笑んだ。
"汚いことなんかない。綺麗だ。"
そう言って安心させたかったが、今口を開くことは出来なかった。
言葉の変わりに行動でそれを伝えようと、蕾を唇の先で軽く吸う。
少しづつ口に溜めていた精液で可愛い蕾を湿らせていく。
半分出した所で、唇の隙間から舌を出す。
尖らせた舌先から精液を滴らせながら、蕾の中へと差し込んでいく。

体内に忍び込んでくるのがレゴラスの舌だと気がついてフロドは悲鳴をあげた。
濡れた柔らかい塊はじわじわと侵入し、内部を舐めてくる。
腰を捩って逃れようとしても躯は硬直してしまっていて自分の意思の通りに動かない。
自分を襲っている感情が、恐怖なのか快感なのか羞恥なのか。
フロドにはもうわけがわからなくなってしまっていた。
逃れようとする軽い抵抗と泣き声に近いフロドの声は、レゴラスの背筋にゾクゾクとした快楽を走らせた。

この中に早く自分を収めたい。
レゴラスは逸る気持ちと躯を、強い理性を持って押し留める。
唾液と交じった精液をすべて注ぎ込んでからようやくレゴラスは唇を離した。
ピクピクと震え収縮を繰りかえすピンク色の蕾。
挿入を待ち望んで淫らな動きで早く早くと誘っているようにみえる。
レゴラスは躯を起こすとフロドの様子を伺った。
快楽と羞恥に正常な判断を失ったフロドの躯は既に弛緩していて、切なげな喘ぎと共に荒い息を繰り返している。
添えるように躯を横たえて、上気した頬にそっと口付けた。

じっくりと解して濡らしたその場所にレゴラスは指を当てる。
そしてゆっくりとゆっくりと沈めていく。
しかし、フロドの門はキツク指1本がようやくな状態だった。
力を込めて押し込んでも第二間接くらいで動けなくなる。
凄い締め付け、凄い抵抗だった。

快楽に溶けていたフロドの躯が硬直する。
息を飲み、目をきつく瞑って必死になって痛みに耐えている。

もっと指で解さなければと、蕾への愛撫を続けるが女性の性器とは異なるのだ。
そう簡単に緩み男を受け入れる準備が出来るはずもない。
唾液と精液だけでは不十分だった。
これらのものは時間と共に乾いていってしまう。
既に蕾は柔らかさも湿り気も失い、異物感に硬く閉じてしまっていた。

どうにか2本の指を埋め込んではみたものの、そこまでだった。
肉壁にギッチリと拘束され、指を動かすことが出来ない。
それよりも、フロドの様子にレゴラスから欲望が剥げ落ちていく。
異物感と圧迫感。
それに裂けるような痛み。
フロドか感じているのは苦痛でしかなく、快楽などもうほんの一握りも残っていないということが、ひしひしと伝わってくる。

ふう、と大きく溜息を吐くとレゴラスは指を抜いた。
聞こえた溜息と、喪失感にフロドは瞑っていた目をあけた。
すぐ目の前にレゴラスの顔があり、その顔には苦笑に似た柔らかな笑みが浮かんでいた。

「レゴ・・・ラス?」
「今夜は・・・やめよう」

驚いて瞳を見開いたフロドの髪をレラゴスは優しく梳いた。

「無理だよ。今、貴方の躯が私を受け入れることは出来な・・・」
「嫌だ!」

フロドは叫ぶとレゴラスの胸に縋りついた。

「僕は大丈夫です!だから、抱いてください!」
「駄目だよ・・・自分の躯のことだ。自分でわかるでしょう?」

無理に躯を繋げれば裂けてしまう。
苦痛しか感じることが出来ないだろう。
だが。

「それでも!僕は貴方が欲しいんです!!お願いレゴラス!!!」

蒼い瞳に涙を溜めて必死にしがみついてくるフロドに、レゴラスは困ったような表情を浮かべた。
そして、ゆっくりと躯を起こし寝台に座すると、フロドの腕を掴んで引き起こし自分の前へ座らせた。

 
 
 
 
 

(6)へ
 

   
  
 ■なかがき■
王子、かなりな紳士です。(笑)
反対にフロドは随分積極的。
こんなレゴフロもたまには良いでしょう♪
   
   

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