初夏の夜の空気には、草木の吐く青臭い匂いが入り交じっている。
 帰りがけにコンビニで買ったモナカアイスを囓りながら、譲(ゆずる)はすっかり日が落ちて真っ暗になった夜の公園を、学生鞄を片手にぶらぶらと歩いてい た。
アニメ研の友人の手伝いをしていて、こんなに遅くなってしまったのだ。
 時刻はもう、夜の七時をとっくに過ぎている。
 十年ほど前までは映画研究部(通称・エイケン。 マンガとは関係ないので念のため) だったということもあってか、
アニメ研は文化祭用に様々なアニメを作るのが伝統になっている。
だが、アニメやマンガがみたいだけという部員が大半を占めることもあって、人手が足りない。
そこで、帰宅部で暇な譲に白羽の矢が立てられたというわけだった。
 まだ、公園の出口は見えない。
 この市民体育公園はかなり広く、子供が遊ぶ遊具の他にも、小さいながらもバックネットつきで、ちゃんとマウンドがある野球をするスペースはあるし、
小学生がサッカーをするくらいのスペースもあり、おまけにテニスコートが四面もある。
更衣室とシャワールームまであるのはやり過ぎという気がしないでもないが、通常は鍵がかかっていて利用できない。
 この町には中小の工場が多いということもあってか、最近は東南アジアや中南米から出稼ぎに来たと思われる人も増え、治安の悪化が懸念されている。
もっとも、彼らが好んで犯罪を犯すというわけでは決してなく、実際に話をしてみると気のいい明るい人が多いということもわかるのだが。
 市民の声もあってか警察のパトロールや自警団が定期的に巡回していることもあり、今のところは事件らしい事件は起こっていない。
譲も公園の入口で、町内会の自警団と出会い、気をつけるようにと言われたばかりだった。
 夜道は危険だと言われているが、さすがに男を襲う変質者などいるとは思えない。
「おっと……」
 ちんたら食べているうちに、モナカの皮からアイスが溶けて指をべとべとに汚してしまっていた。
譲は残りを一口で頬張り、一気に飲み込んだ。汚れた手はどうしようかと迷ったが、すぐ近くに水飲み場があったことを思い出した。
 手をぶらんと垂らしながら水飲み場へ足を向けた譲は、一瞬、ぎょっとして歩みを止めた。
 道からちょっと茂みのある方に外れたところに、『それ』はいた。

 ――何だろう? あれは。

 理解はできたが、納得できるものではなかった。
 二人の全裸の女が、水飲み場で絡み合っていたのだ。しかも一人は、水を飲む蛇口の上に腰を下ろしている。

(あそこに、蛇口が……っ!)

 ひそやかではあるが黒い陰りの中に、銀色の冷たい突起が潜り込んでいるのがわかった。それを背後から抑えこんでいる女がいる。
「あ、はぁっ……お腹の中に、水が……お水がいっぱいぃ、流れ込んでぇ……ますぅ」
「そろそろ一杯になったかしら。さあ、お退きなさい」
「はい」
 譲は身を隠すことも忘れて、魅入られたように彼女達の淫靡な行為を見つめている。
 蛇口の上に座っていたのは譲と同じか、少し下くらいの少女だった。そしてもう一人は、金色の髪をした白人と思われる少女だった。
だが、言葉は自然な日本語だったし、顔もまるきり外国人というわけでもない。もしかしたら、ハーフなのかもしれない。
 しかも、こちらも全裸だ。
 水飲み場の台から下りた少女は、ふらふらになりながら腰を下ろしてしゃがみ、足を大きく開いた。
「出しなさい」
「はい……」
 ちいさな水音が、静かに響く。
 譲は股間がはちきれそうに固く張り詰めているのを自覚しながら、呆然として突っ立っていた。
「はぁぁ……」
 少女は体を震わせて、媚びを含んだ息を吐く。
 どれだけ多くの水を体内に含んでいたのだろう。長い長い放尿、いや、排泄だった。
 目が放せなかった。
 譲の視線は、少女の股間と胸に集中していた。だから、金髪の少女がいつの間にか姿を消していたことに気がつかなかった。
 排出を終えた少女は、譲が見ている目の前で股間に手をやってオナニーを始めた。
彼女から、目が離せない。まさに釘付けである。
「つ・か・ま・え・た♪」
 後から声がしたかと思うと、譲は背中からがっしりと抱きしめられた。何か柔らかいものが背中にあたっているのがはっきりとわかる。
 譲は振り返ろうとしたが、動くことができない。
 棒立ちになっている譲を、少女は背後から器用に服を剥き始めた。
制服の上着とワイシャツをさっさと脱がせ、シャツもはぎ取り、足下にずり落ちたズボンとトランクスを片足ずつ引き抜いて、
ついでに靴下と靴まで脱がしてしまったのだ。
 アスファルト舗装の上に、譲は完全な全裸で立ち尽くしていた。恥かしいと思う間もない早業だ。
 譲を全裸に剥き終ると、金髪の少女は前にまわり、彼の目の前に立った。
 意外に大柄で、譲と同じくらいの背丈がある。白い肌が、夜景から浮き出ているようだった。
 彼女の背後には、自慰をする手を止めて立ち上がり、ゆっくりとこちらに向かってくる少女の姿が見えた。
「ちょうどよかった。探しに行く手間が省けたわ。この子にしましょ」
 金髪の少女は言った。

 彼女はしゃがんで、限界まで張り詰めて破裂しそうな譲のペニスを指でつつき、
「完全に剥けてもいないけど、ま、この歳ならこんなものかな。まだ童貞の匂いがするわ。
でも、病気を持ってないってのはポイント高いわよね。それに、ずいぶんとたまっているみたいだし♪」
 と言って、おもむろにぱくりと口で咥えた。
「う、わ……」
 唇と舌で包皮を剥かれ、敏感な裏筋をしゃぶられる。びくん! とペニスが弾け、射精したような感覚が伝わってくるが、精液が出たわけでもないようだ。
「んふー♪」
 袋を手で弄ばれ、太腿をさすられる。あまりの気持ち良さに連続して射精してしまいそうだが、なぜかびくびくと震えるだけで精液は出ない。
「ああっ……ああ……」
 情けない声でうめく譲を、金髪の少女は妖艶な笑みを浮かべ、上目で見つめている。

(どう? 気持ちいい?)

 声なき声が、譲に語りかけているようだ。譲は、もっと気持ち良くして欲しいとばかりにがくがくと頭を上下に振る。
 彼女がカリを唇で絞り上げた時、譲は弾けたように射精していた。今までに経験したことがない勢いで精液が出ているのがわかる。
それを嫌がる素振りも見せずに、少女は受け入れている。そればかりか、ストローを吸い上げるようにして最後の一滴まで絞りつくそうとすらしたのだ。
 やっと少女が離れた時、譲の下半身は痺れで麻痺してしまったように感覚がなくなっていた。それなのに、ペニスだけは勢いを失うことなく、屹立したまま だった。
「んふふぅ♪」
 嬉しそうに微笑みながら、譲の目の前で唇を開いて見せた。
 口の中は、精液でたっぷりと満たされていた。精巧な象牙細工のような歯が並ぶ内側からは、次々と白い液体が堰を越え、薔薇色の唇からこぼれ出た。
 たっぷりと見せつけてから、彼女は口を閉じ、こくんと小さな音をさせて飲み込んだ。。
 そして近寄ってきたもう一人の少女の顔を両手で捕まえて顔に近づけ、キスをした。
「む……んふ……」
 子猫がミルクを舐めるような音がする。まだ口の中に残っている精液を、もう一人の少女に送り込んでいるのだろう。
 二人のもつれ合う様子を見ているだけで、射精できそうだった。股間は再びがちがちに張り詰めて、痛みさえ感じている。
 たっぷりと一分以上は唇を重ねてから、ようやく二人は離れた。
「どう? この男の子の精液」
「体が熱くなります。こんなに美味しいものだなんて、おもっていませんでした」
 唇に残っていた精を、舌でぺろりと舐めあげた。
「美味しくって、舌が痺れてしまいます。とっても滑らかで濃くって……あ。少しつぶつぶがありますね」
「それは、この子が精液をたっぷりと溜めていた証拠よ。まだ何度も出せるわね」
 そう言いながら金髪の少女は、譲のペニスを後ろ手に指でつついた。
「でも舐めるより先に、もう欲しくてたまらないでしょ?」
「はい」
 少女はすかさずうなずいた。
「おま○この中に、たっぷりと精子を注ぎこんで欲しいです」
「合格よ。もうあなたは、立派な淫魔だわ」
「ありがとうございます、おねぇさまぁ……」
 そう言って、金髪の少女にキスをねだる。
「あなたは本当に甘えん坊さんね。でも、これからは自分で精気を吸って独り立ちしなければならないのよ。この子は私から贈る、最後で最初の特別な御馳走 よ」

(淫魔……淫魔だって?)

 二人の会話を耳にして、譲は心の中でうめいた。
 ゲームマニアの殿山ほど詳しくはないが、ファンタジーRPGなら何本かやっているから、そういうモンスターがいて、それが悪魔の仲間とかそのくらいはわ かる。
友達に貸してもらったエロ小説の中にもそんな話があった。
 だが、実在するとなれば話は別だ。そんな話なんか聞いたことがない。
あったら、とっくに大騒ぎになっているはずだ、などと考えてはいるが、目の前の全裸の少女たちに意識の大部分を奪われているので、考えがまるでまとまらな い。
 もしかすると、いや、間違いなくこの展開だと……。
 全裸で硬直したまま股間をみなぎらせているという間抜けな姿で、譲は、恐らくは淫魔である金髪の少女が近づいてくるのを、黙って見つめることしかできな かった。
 彼女は譲のほっぺたに両手を当て、譲を引き寄せるようにしてキスをした。少なくともおぼえている限りでは、彼にとってファーストキスだった。
 はっきり言って美少女だし、初めての相手としては文句など言えない。ただし、それが精液臭い口でなければの話しだが。
「わっ!」
 なめらかなアーモンドくらいの大きさの塊が、つるりと譲の口の中から食道、そして胃へと落ちていった。
「それは“淫魔の種”よ。運と素質があれば、あなたも淫魔になれるわ。じゃあ、麻紀菜。たっぷりと、この童貞君をしゃぶり尽くしてあげなさいね」
「はい、おねぇさま……」
 麻紀菜と呼ばれた少女は胸と股間をいじりながら答える。
 譲は公園の茂みの中へと軽々と引きずっていかれ、金髪の少女のなすがままに、芝生の上に転がされた。
背中がチクチクするはずなのに、なぜか柔らかいベッドの上で寝ているようだった。それは彼には見えないが、譲がわずかに空中に浮いているからだった。
「じゃあ、あとは若い人にお任せってことで。おふたりさん。ごゆっくり〜♪」
 金髪の淫魔は、見掛けに似合わず年寄り臭い台詞をはいて木陰へと姿を消した。
 譲は寝転がりながら、自分のおかれた異常な状況をまだ整理しきれずにいた。
「あなたが着ていたその制服、私と同じ学校ですね」
 少女は、譲を見下ろしながら言った。
「私は、二年二組の篠崎麻紀菜(しのざき・まきな)です」
「に、二年三組の辰熊譲(たくま・ゆずる)……」
 なんとか声が出た。助けを呼ぼうかと思ったが、素裸の上にペニスまで勃起したこの状況で人を呼ぶには、あまりにもリスクが大きいような気がする。
だがそれ以上に彼は、白色灯を照らしかえす濡れた股間と、くびれたウエスト、かわいらしくへこんだへそ、そしてその上のパーツに思考を奪われていた。

(しかし、でかい……)

 下から見上げると、彼女の胸の大きさが際立つ。
 篠崎という名前を聞いて思い出したが、彼女は隣の組のクラス委員長だ。勉強も学年トップだし、全国模試でも優秀な成績を修めていた。
それくらいは彼でも知っていたが、まさかこんなに胸が大きいとは知らなかった。巨乳グラビアアイドル並のボリュームだ。
「あら。くまさんって、あなたのことだったんですね」
「うっ……」
 辰(龍)と熊というワイルドな名字とは裏腹に、譲は母親似で、どちらかというと華奢で細い体をしている。
アマチュアレスリング選手の姉の方が肩幅も体重もあるくらいだ。それゆえに彼は密かに自分の体に対してコンプレックスを持っていた。
 しかし、まさか彼女にまで「くまさん」のあだ名を知られていたとは思わなかった。
全裸でいる方がよっぽど恥かしいのだが、それはあちらも同じだ。
 考えがそこに及んだ瞬間、猛烈な羞恥心が込み上げてきた。
 いつ誰がくるともわからない公園の木陰で、全裸の男女が向かい合ってすることと言えばセックスしかない。
もちろん野外ですることが普通のはずもないが、誰が見てもこれからことにおよぼうとする男女以外と見間違えるはずも無い。

(ヤバイ、どうしようどうしようどうしよう……)

 思考が再びぐるぐると無限ループに突入する。
 別に男性の方が好きだとか、青少年保護条令に引っ掛かるどころか問題外の年齢のロリっ子が好きとか、
二次元の絵でしか勃起しないとかいうのではなく、それなりにセックスに対して興味はあった譲だが、この状況は完全に想像外、想定外だった。
 まさか全裸に剥かれ、強姦同然に同級生の女の子に犯されるだなんて誰が思うだろう?
しかも淫魔がどうだとかまでくっついてくるのだから、余計わけがわからない。
 混乱している譲をよそに麻紀菜は大きな胸をゆらしながら彼の左横に膝を揃えて座ると、
彼の体に対して十字になるように体をくっつけて、大きな胸をぴったりと譲の胸に押しつけた。

(うわ、柔らかいっ! すごく柔らかい……ちゃんと二つあるのがわかる、って俺、何を考えているんだよ! でも、乳首が……)

 なおも混乱している譲の体はまだまったく動かない。麻紀菜はそんな彼の右腕をそっと持ち上げ、力無く垂れている指を口に含んだ。
 じゅるるるるっ……。
 温かい粘膜に包まれたと同時に、ざらりとした触感が譲の脳髄を震え上がらせる。
彼女が指を舐めているのだ。それも、ねっとりと丹念に、唾液をすする音やちゃぷちゃうという水音まで交えての熱演だ。

(まるでフェラチオをしているみたいだな)

 譲が股間をさらに熱くさせると、麻紀菜は彼の心を読んだかのように指をしゃぶるのをやめて、
ちゅぷっと濡れた紅色をした唇から譲の指を吐き出し、彼の顔の方を向いて言った。
「あまぁい……」
 そういえば、アイスで手が汚れていたのを忘れていた。彼女は再び譲の指をしゃぶり始めただけではなく、手の平や甲までしゃぶりつくしてゆく。
 涎で汚れたという感じはまったくなかった。それどころか、アルコールで拭いたようにさっぱりとして涼しくすら感じる。
 麻紀菜の口唇愛撫はとどまるところを知らず、そのまま手首、腕、肘へと舌を進めてゆく。
「あ、はうっ!」
 くすぐったさのあまり、譲は少し精液を漏らしてしまった。
胸のあたりを舐めていた麻紀菜は彼のへそのあたりに飛んでいる精液の方に目をやり、困ったように首を傾げた。
「まあ、もったいない……。ん、もう、我慢できません!」
 いい終わるが早いか、彼女は体を移動させて譲の股間近くに顔を持ってゆく。
「うふぅ……おチンチン……本物のおチンチンです。とってもいい臭い……」
 まだ身動きがとれない譲の股間に顔を近づけ、息を吹き掛ける。
「ふああっ!」
 尾てい骨のあたりから急速に射精感が込み上げるが、麻紀菜が尿道を指で押さえただけで、快感が抑えられてしまった。
「まだ出してはだめです。もっと……もっとがまんして、濃い精液を下さい」
 そのまま足を持ち上げて、譲の体をまたぐ格好になる。
 股間が譲の目の前で揺れている。

(う、わぁ……)

 生の女性器を見るのは、もちろん初めてだ。
 今時、無修正画像なんてインターネットで飽きるほど見られるが(学校のパソコンはフィルタリングソフトが入っているので見られないはずなのだが、
なぜか先生が使うパソコンにはそれが入っていないので、悪友達はこっそりそれを使って学校でエロ画像を満喫していたりする)、
手を伸ばせば届く距離に、しかも顔の真ん前にある。
 鼻をくすぐる匂いは、どこか花の香りに似ていた。だがそれは甘いがきつく、脳髄を突き刺す強烈な刺激が譲の思考を揺さぶる。
 体が跳ねた。
 まるで思考がまとまらない。体が浮いているからなのか、前後左右がまるでわからずパニック状態におちいってしまう。
 ただ感じるのは、股間からの刺激だけ。
 麻紀菜が自分のペニスをしゃぶって……フェラチオをしているのだ。尻の穴がきゅきゅっと締って、今にも出そうな精液を堪えようとする。
だが、彼女の大胆な愛撫は譲の肉体的限界をあっさりと崩壊させていた。
「くうぅぅっ!」
 体が何十秒も硬直した後に来た、痛いほどの解放感が譲を襲う。
今までに体験したことがない大量の射精を、麻紀菜は咳き込んだり吐き出したりすることなく、全て飲み込んでいるようだ。

(あっ……垂れてる!)

 膣口がひくひくと蠢いて、内側から白濁した粘液が溢れだし、彼の喉元に落ちた。
 熱かった。
 汚いという感じはしなかった。
「あら、辰熊さん、まだ元気なんですね」
 その様子を見ているだけで、射精を終えて萎えたはずのペニスが再び力を取り戻したのだ。
「辰熊さん、私のおっぱいが見たいですか?」
「あ、う、うん」
 声が出た。
「見たい」
「これでおチンチンをはさんだりすると、男の人って気持ちいいんですってね」
 大きいのに張りがあってまったく型崩れがしていない胸は、おっぱいマニアではない譲でも目が離せない見事なものだった。
「65のIカップなんですよ。つい二か月前まではBカップだったんですけど、おねぇさまに淫魔にしていただいてから、こんなに大きくなってしまったんで す」
 ちなみに、アンダー65のIカップのトップバストは95センチである。
160 センチにも足りない小柄な麻紀菜だけに、その爆乳ぶりは視覚的なTNT爆弾と言っても過言ではない。
 ところが見たいと言っているのに、麻紀菜は一向に譲の目の前に胸を持ってきてくれない。
それどころか、彼の目の前にある淫裂からは、白く濁ったねっとりとした液体がぽたぽたと陰毛を伝って喉元に垂れ落ち、蠱惑的な香りを放って譲の精神を狂わ せている。
 もう我慢も限界に達していた。だがそれは麻紀菜も同じだったようだ。
「でも、私もう、がまんできません。早くおチンチンをここで……」
 サーモンピンクの肉襞が麻紀菜自身の指で広がってゆく。
「私のおま○こで味わいたいです。辰熊さんのが欲しくて、ここをほじって、突いて、奥まで貫いて、濃い精液を注ぎこんで欲しくてたまらないんです」
 胸のことなんか、一瞬で吹き飛んでいた。
 麻紀菜はするっと体を反転させ、譲の腰の上に一気に腰を下ろした。
「んーっ、ふっ!」
 童貞を失ったという感慨に耽る間もなく、麻紀菜は腰を上下ではなく前後にゆっくりと揺すり始めた。
強烈だが決して不快ではない肉の摩擦で、譲はあっけなく彼女の中に精を出してしまった。
 しかし、萎える余裕も恥かしいと考える余裕も譲には許されていなかった。
「辰熊さん……私のおま○こ、気持ちいいですか?」
「あ、う、うん……気持ち、いい」
 麻紀菜はコツを覚えたのか、絞ったりねじったり擦りあげたりと様々な刺激を譲に与えている。譲は自分で動くことはできなかったが、それでも十分だった。
「うふっ。私も、辰熊さんのおチンチンがすごく固くて、奥まで届いてて気持ちがいいです。子宮が……あはっ! 子宮口が押されて、すごく……すごくいいで す」
 おとなしそうな優等生が、泣き笑いのような表情を浮かべて喘いでいる。
「おっぱい、触ってください」
 揺れている大きなふくらみを両手でつかんだ。
 柔らかいが、内側からしっかりと指を押し返す感触がある。片手におさまりきらないボリュームの中心が、手の平に感じられる。固くなった乳首だ。
「すごく、大きい……」
 気持ちがいいのだが、あまりにも血液が流れ込んでいるためか、内側からかなりの痛みも感じる。
大きいと言ってくれるのは嬉しいが、いつまで射精しないでいられるかわからない。
「あー、ああぁぁっ!」
 射精してしまった。だが麻紀菜の動きは止まらない。気持ちがいいのも止まらない。情けない声を上げつつ、譲は彼女の中に精液を注ぎ続ける。
「辰熊さん、もっと……もっと私の中に、あなたの精液を注ぎこんでください」
 痛みはいつのまにか痒さに変わっていた。ただひたすら痒かった。痒いのに気持ちがいい。麻紀菜が腰を動かしているからだ。
「やめ、やめて!」
「あはぁっ……辰熊さんの、どんどん大きくなって……奥が、押されてっ、いやぁ、だめですっ!」
 また射精してしまった。だが、止まらない。今まで体験したことがない勢いで、麻紀菜の子宮口に文字通り浴びせかけ、叩きつけるような勢いで射精してい る。
「すごいのっ! 辰熊さんの精液、どんどん注がれてますッ!」
 わずかな時間しか続かないはずの絶頂と射精が、止まらない。それどころか、快感は強まるばかりだ。
 大きな塊が腹の奥から吹き出したと思った瞬間、そこで譲の記憶は、ぷつっと途切れた。

 ***

 ぐちゅぷっ……と泥の中に突っ込んだ脚を引き抜いたような音がした。
 譲が目を開けると、麻紀菜が立ち上がって譲を見つめていた。いつの間にか、場所はどこかの室内に移っていた。
どうやら更衣室のベンチマットに転がされているようだが、どうやって彼女が気絶している自分を運んだか、まったくわからない。
「辰熊さん、気がつきました? 淫魔の種が芽吹きましたよ。ふふっ……」
「いんまの、め?」
「ええ。ほら」
 股間からだらだらとこぼれ出る精液を隠そうともせずに、麻紀菜は譲の股間の方を指差した。
「え……ええっ!?」
 驚いた。
 そこにあったのは、驚くほど長い……今までの自分のそれの倍はあるんじゃないかという、とんでもないものがそこにあった。
「淫魔の種って、どうやって増えるか知ってますか?」
「いや、知らない」
 そもそも、そんなものがあるなんてことすら、さっき知ったばかりだ。
「人間の体を栄養にして育つんですって。淫魔になれなかった人は……淫魔の樹の苗床になってしまうんですよ。
樹って言うけれど、キノコに似た形で、まるでおチンチンみたいなんですけれど、元がこれならば納得ですね」
「ひぇぇ……っ!」
 何がなんだかよくはわからないが、かなり危険な状態にあるらしい。
「だから、辰熊さん。今のうちにたっぷりエッチをしましょうね」
 麻紀菜はなおも大きくなり続けているペニスを両胸の谷間ではさむと、ゆっくりと幹をしごきだした。
「これが人生最後のエッチかもしれませんから。うふふ……」
「あ、うっ!」
 麻紀菜は豊満な胸でシャフトをマッサージしつつ、谷間から顔をのぞかせている亀頭によだれを垂らし、先端にキスをした。
「辰熊さんのお汁、とっても美味しいです。はぁ……まだ、出せますよね」
 にっこりと微笑んで麻紀菜はまたしゃぶり始めた。
 目の前の少女は人間の形をしているが、まぎれもなく化け物だった。そうでもなければ、こんなに楽しそうな表情をするはずがない。
「あうぅぅっ!」
 譲がたまらず射精をすると、半分は顔で受け、滴り落ちる精液を見せつけながら美味しそうにすすり、残りの精液を吸い出すためにペニスをくわえる。
もうそれだけで譲は射精してしまうのだが、麻紀菜は嫌がるどころか嬉々として精液を飲みこむのだ。
「ねえ、辰熊さん。まだ、し足りないでしょう?」
 そう言って譲を見つめた彼女は、まぎれもない“悪魔の微笑み”を浮かべていた。


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