「あ、あの先輩・・・」
 俺は華子先輩にひっぱられながら聞いてみた。
 「俺がこんな女の子の身体になっちゃったのは、先輩からもらった薬を飲んだからなんですよね?」
 「うん、そうよ」
 ちなみにもう声を低くしても意味がないので、普通にかわいい女の子の声でしゃべっている。
 「あ、あの・・、ひとつ気になる事が・・」
 「なあに?」
 「ひょっとして俺って一生このままですか!?」
 「あはははは」
 先輩は手を口にあておかしそうに笑いながら俺をみている。
 いつもは彫刻のように綺麗な顔なのに、笑顔になると本当にかわいい。
 普段学校で見ていた能面のように冷たいイメージとは大違いだった。
 「大丈夫よノンちゃん、効き目の切れない薬なんてないわ。  そのお薬の効き目はちょうど一週間だそうよ。
  なんでも飲んでからピッタリ168時間で効き目が切れるんですって」
 「そ、そうですか・・、よかった・・」
 俺はホッと胸をなでおろした。
 (一生じゃなくてよかった。でも一週間でも結構長いな・・。
  夢にまでみた華子先輩と仲良くなれたのは本当によかったけど・・、これじゃ本末転倒だよ)
 などと思っていると公園につく。
 先輩は公園の端にある公衆便所にまっすぐ向かう。
 「えっと先輩・・・、俺に本当に女子の制服着せるつもりですか?」
 「あたりまえでしょ、ノンちゃんそのかわいい声で男言葉つかっても変よ。
  ちょっと待っててね、中に誰かいないか見てくるから」
 そう言うと先輩は女子トイレに入っていく。
 (や、やっぱり女子トイレだよな・・、人生17年女子トイレに入ったことないんだが・・・)
 すると先輩が女子トイレからひょこっと顔だけを出し。
 「ノンちゃん誰もいないよ、早くきて」
 と悪戯っぽい笑みをうかべながら、かわいく手招きしている。
 一応先輩の方に向かいながらも俺は、
 「俺女子トイレはちょっと・・・」
 とモゴモゴ言っていると。
 「いいから早く」
 と言われ中にひっぱりこまれる。
 女子トイレの中は綺麗なピンクのタイルで出来ていてかすかに香水の匂いがする。
 がしかし、俺が初の女子トイレを堪能する間もなく、三つある個室の一つに先輩は迷わず俺をひっぱりながら入っていく。
 「せ、先輩!! まじですか!?」
 俺は中に入るのをちょっと抵抗する。
 「いいから早く入って、ここじゃなきゃ着替えられないでしょ」
 そう言うと俺を無理やり中にひっぱりこみ、ドアを閉め鍵をかける。
 結構広めの洋風便座式の個室も二人で入ると結構せまい。
 先輩は楽しそうに便座に鞄を置き、中から女子の制服を出し始める。
 俺がドキドキしながらその様子を見ていると、先輩は俺の方をチラッと見て。
 「何してるの?早く全部脱いで」
 と言うと鞄の中からスカートを出し始める。
 (ど、ど、どうしよう俺・・・、女子の制服なんて着れないし、先輩の前でいきなり全部脱ぐなんて出来ないぞおれ・・・)
 とドキドキしながら迷っていると。
 「もう、しょうがないわね私が脱がしてあげる」
 と言い俺を脱がし始める。
 「え、え、え・・・」俺は顔が赤くなるのを感じた。
 まずは先輩は俺の被っていた帽子を取る。
 「あ、ダメじゃないノンちゃん。髪の毛を輪ゴムで縛ってる。輪ゴムで縛ると取る時痛いから、ちょっと我慢してね」
 「アタタタッ」
 先輩は俺が適当に縛った髪から輪ゴムを無理やり取る。かなり痛かった。10本ぐらい一緒に抜けたっぽい・・
 俺の肩ぐらいの長さの髪がパサッと顔にかかる。
 おもわず手を止めて俺の髪を手にとる先輩。
 「ノンちゃんの髪・・・、本当に綺麗ね・・・」
 「そ、そうなんですか?」
 「うん、すごく綺麗よ」
 そう言うと先輩は名残惜しそうに俺の髪から手を離すと、まずネクタイをはずしブレザーを脱がす。
 そして前に回り大きい胸できつくなってるYシャツのボタンを上から一つづつはずしていく。
 ボタンをひとつづつはずされる度に胸の鼓動もドンドン早くなっていく。
 そうしてYシャツのボタンを全てはずされYシャツを脱がされる、そしてTシャツだけになると、
 「わ、ノンちゃんの胸大きいと思ってたけど本当に大きいね、それに・・」
 先輩が少し顔を赤らめながら俺の胸をじーっと見ている。
 なんだろうと思って俺も自分の胸を見てみると、
 「ゲッ」
 きつそうにTシャツを押し上げている大きな胸の頂上の方で乳首が透けて見えている。しかも乳首が立っているようだ。
 俺は思わず恥ずかしくなり両手で胸を隠す。腕の中で胸がつぶれながらもその柔らかさを腕に伝える。
 「うふふ、ノンちゃん本当は男の子なのに恥ずかしいんだね。でもTシャツ脱がないとブラジャー付けられないでしょ」
 そう言うと先輩は俺の手をどかしTシャツを脱がす。
 脱がされる時に胸がTシャツに引っかかり、脱がした時にプルルンと揺れる。
 (わっ、胸が揺れるって変な感じだな・・・)
 「綺麗・・・」
 先輩は顔を赤くしながら言う、先輩もドキドキしているようだ。
 俺はさらに恥ずかしくなり真っ赤になりながら下をうつむく。
 下を見るとツンと上を向いたおおきなオッパイが視界に入る、足元が見えなくなるほどほど大きい。
 「はぁ・・、下も脱がしちゃお」
 先輩の息も少し荒くなってきている。
 華子先輩は俺の前にかがむとまずベルトをはずし、大きくなったおしりに少しつっかえながらもズボンを脱がす。
 そして履いていたトランクスも一気に脱がされた。
 俺は生まれたままの姿にされる。
 「あ・・」
 思わず声がでる。
 そうなのだ、俺は今日の朝、女になった自分の体をよく見てる暇もなかったのだ。
 そんな自分の体を今、憧れの華子先輩が舐めるように俺の全身を見ている。
 「本当に綺麗だよ・・・、ノンちゃんの体・・・、大きくてやらしいおっぱい、くびれた腰、おしりもやらしいし、それにここも・・・」
 そう言うと先輩は俺の股間の茂みを見つめる。
 (あぁ・・、見られてるだけでなんでこんなにドキドキするんだろう・・
 先輩もドキドキしてるみたいだ・・、女の子になった俺の体を見て興奮してるのかな・・・)
 先輩は潤んだ瞳で俺を見上げるとニコッと笑い、
 「それじゃあ今から女の子の制服着せてあげるね」
 そう言うと鞄からまず白いレースのパンティを出した。
 「えっ・・・」
 「はい、履かせてあげるから足上げて」
 俺は女物のパンティを履くのにさすがに抵抗はあったが、裸でいるよりはいいと思い直し、片足を少し上げる。
 先輩は器用に俺の大きくなってるおしりにパンティを履かせてくれる。
 女のパンティを履くのは初めてだが、おしりにピッタリとフィットする感じと柔らかい生地が気持ちよかった。
 先輩は次に白いブラジャーを取り出す。
 「ごめんね~、さすがに胸のサイズはわからなかったからCカップ用のブラ買ってきたんだけど、
 ノンちゃんの胸Eカップぐらいありそうだからちょっときついかも」
 「ブ、ブラジャーも付けなきゃ駄目ですか・・?」
 「あたりまえでしょ、ブラ付けないと乳首透けて見えちゃうし、形もくずれるし、擦れると痛いでしょ?」
 (うむむ・・、男としてブラは付けたくなかったが、乳首が透けて見えちゃうのは最悪だし、確かにずっと擦れてて少し痛かったしな・・)
 「・・・じゃあ、お願いします」
 「うん」
 先輩はまず俺の腕にブラのストラップを通させ、後ろのホックを閉めてくれる、そしてストラップで大きさを調整してくれる。
 「きつくない? これ以上大きくできないんだけど」
 初めて付けたブラなのできついのかどうかもよくわからなかった。
 「だ、大丈夫かな・・・」
 確かに付けてない時よりは安心感みたいなのがある。
 でもやはりサイズが少し小さいようで胸の半分くらいしか包めていないようだ。
 (俺ブラジャー付けてるよ・・・、でもやっぱりサイズが小さいのかな、ちょっとキツイ気がする)
 こうして女物の下着を着けた自分の体を見下ろすととても自分の体とは思えなかった。
 キメの細かい白い肌に白いブラとパンツがよく似合ってると思ってしまった。
 「はい、次はYシャツだよ」
 そう言うと先輩はYシャツを着せてくれて、ボタンを一つづつはめてくれた。
 次に、うちの高校の制服の茶色のチェックのスカートを取り出すとそれを履かしてくれる。
 スカートの内側の生地が肌に気持ちいい事に気づく。
 膝上10cmぐらいの長さだろうか、ちょっと下から覗かれたら簡単に中が見られてしまいそうだ。
 (なんか股がスースーして何にも履いてないみたいだな・・、女の子はいつもこんなの着てるのか・・・)
 最後に制服のブレザーを着せてくれて、赤いリボンもとめてくれる。
 「あ、あとこれも履いて。ノンちゃんなら24.5cmで大丈夫だと思うけど」
 と言い女子用のローファーを履かせてくれる。
 「よし、完成。ノンちゃんかわいい~~」
 俺は自分を見下ろしてみた。
 どうやら俺は完全に女子高生になってるようだ。
 (うっわぁ~、俺背が低いから女子の制服着ても全然違和感ないよ)
 「ねえ、ちょっとクルッと回ってみて」
 「えと・・、こうですか」
 俺は女子高生になった自分にドキドキしながらゆっくりと一回転する。
 足を動かす度に触れるスカートの感触をいやでも意識してしまう。
 「も~、ノンちゃん似合いすぎだよ~、かわいい~」
 そう言うと先輩はいきなり俺に抱きついてきた。
 「わっ、せ、先輩」
 俺はいきなりの事にビックリする、先輩の長く柔らかい髪が俺の顔にかかる。
 「あ~ん、困ったなぁどうしよぉ~」
 「な、何がですか??」
 すると先輩は俺の耳元でささやいた。
 「ノンちゃんがあんまりかわいいから、私我慢出来なくなっちゃったの・・・」
 「え、我慢って・・・??」
 「制服着てるノンちゃんと・・・、エッチしたいの・・・、いい・・?」
 「えええええっ!?」
 先輩に抱きつかれながらそんな事を言われ、俺は耳まで真っ赤になっていた。
 (確かに俺は先輩が好きだし、エッチもしたい!!
  がそれはあくまで俺が男として華子先輩とエッチしたかったのだ。
  無理やり女の子の体にされてのエッチは・・・)
 やっぱりこんなのは間違ってる、俺は先輩に断ろうと思った。
 がしかし、先輩は俺が黙ってるのを恥ずかしがってるとでも思ったのか、
 「かわいい」
 と言うと、いきなり俺の唇に唇を押し付けてきた。
 先輩の柔らかい唇が俺の口を塞ぐ。
 「んっ・・」
 唇が絡みう。
 頭の中が真っ白になる。
 先輩は一旦顔を離し、荒い息をしながら潤んだ瞳で俺を見つめると今度はさらに濃厚なキスをしてきた。
 唇を絡ませ、顔の角度を変えたりしながら舌をいれてくる。
 キスしてるだけなのに、ドンドン体が熱くなる、エッチな気分になってくる。
 男のときなら勃起してる所だが、かわりに股間の所が熱くなるのを感じる。
 突然俺の中で熱い気持ちが生まれる、元々死ぬほど好きな娘と今キスしているのだ。
 俺は先輩の背中に腕を回し、きつく抱きしめながら舌を絡ます。
 先輩はシャツの上からやさしく俺の胸をもみ始める。
 「んっ・・、んんっ」
 下から持ち上げるように揉んだり、強弱をつけて揉んだり、円を描くように揉まれる。
 柔らかいブラジャーに包まれた胸を様々に揉まれながら、俺は男では決して味わえない快感を感じていた。
 (胸を揉まれるって気持ちいいな・・)
 先輩はキスを止めると、俺のシャツのボタンをはずし、前をゆっくり広げる。
 白いブラジャーにきつそうに包まれたEカップの巨乳が露になる。
 そのブラジャーを上にずりあげると、先輩は乳首をペロペロ舐め始める。
 「あっ・・」
 思わず声が出てしまう。
 (あぁ・・、先輩が俺のオッパイの乳首をかわいい舌でペロペロ舐めてる・・・)
 先輩はもう片方の乳首を指先でつまみながらコリコリし始める。
 「あっ・・、あっ・・、あぁぁ・・」
 我慢しようとしても、どうしても声がでてしまう。
 口に含まれながら舌先で乳首をはじかれる。
 「あぁんっ・・」
 俺は思わずのけぞる。
 先輩は今度は胸の谷間に顔を埋めると、両方の胸を揉みながら谷間を舐め始める。
 「あぁぁぁっ、はぁ・・、あん・・・」
 俺はかわいい声で喘いでいた。
 「ノンちゃんって感じやすいのね、巨乳の子は敏感だって本当みたい」
 そう言うと先輩はまたディープキスをしながら、今度はスカートの上からおしりを撫でたり揉んだりする。
 (女の子の体って何でこんなに気持ちいいんだろう・・・)
 「ノンちゃんのおしり大きいなぁ、安産型だね。気持ちいい・・?」
 いつのまにかスカートはずれていて、パンティの上からおしりを揉まれている。
 「はい・・、気持ちいい・・」
 「うふ、じゃあもっと気持ちよくしてあげる」
 そう言うと先輩は手をスカートの中に入れてきて、パンティの上から俺の女性器をなぞる。
 「あぁぁぁぁぁっ」
 想像以上の快感に俺は思わず先輩にしがみついていた。
 先輩はそのまま強く上下にさすりはじめる。
 「はぁっ・・やっ・・・あっ・・あぁん・・・」
 俺は快感に身悶えながらエッチな声で喘いでいた。
 くちゅ・・、くちゅ・・
 すると、俺のあそこから変な音が聞こえはじめる。
 「あれ・・ノンちゃんすごい・・・濡れちゃってるよ?」
 「えっ・・」
 (俺は本当は男なのに、先輩に攻められて濡れちゃってるんだ・・)
 先輩は俺のマンコを激しくさすりながら、俺のオッパイにしゃぶりつき激しく舐め始める。
 「ひゃあっ・・ああっ・・あぁっ・・あっあっ・・先輩っ・・」
 俺はマンコと乳首からの快感に頭がおかしくなりそうになる。
 「あぁっ・・先輩っ・・ダメです・・変に・・なりそうですっ」
 「いいのよ・・、もっと感じて・・、変になっちゃっていいのよ」
 そう言うと先輩はおれの前にひざまずき、太ももに舌を這わし、白いももを舐め回す。
 「ぅうっ・・・はぁっ・・あぁ・・」
 (女は全身が性感帯と言うけど、あれは本当みたいだ、ももを舐められてこんなに気持ちいいなんて)
 先輩は両足のももをひとしきり舐めると、今度はパンティをツルンと足首まで下げ、スカートの中に顔を突っ込みマンコを舐め始める。
 「ああああああっ!」
 俺は朝の公衆便所の中で淫らな声を上げていた。
 マンコを舐められるという、あまりの刺激に俺は思わず腰がひけ、スカートの上から先輩の頭を押さえてしまう。
 しかし先輩は俺を逃がさないようにおしりをガッシリ掴むと、さらに激しく舐め始める。
 「ああっ・あっ・・あっ・あんっ・・はぁっ・・・・ああああっ」
 両足がガクガクしてもうほとんど立っている事ができない。
 先輩がひと舐めするごとに、背中を電気のような快感が駆け登り、マンコの奥の所がさらに熱くなってゆく。
 (あぁ・・、華子先輩が俺のマンコをしゃぶりつくように激しく舐めてる・・
  俺は女の子の制服を着ながら、Yシャツの前をはだけて巨乳を露出させて・・・
  そして憧れの先輩が俺のスカートの中に顔を突っ込んで俺のマンコを舐めてるんだ・・・)
  そんな自分の今の状態をあらためて確認して、さらに興奮が増す。
 快感に身をよじる度にオッパイも一緒に揺れるのを感じる、汗でオッパイがさらにいやらしく光っている。
 「あぁぁっ、あっ、あっ、はぁ・・・」
 俺は女の子のように喘いでいる自分に気づかない程、快感に酔っていた。
 先輩は最後の仕上げとばかりにクリトリスを剥き出し、そこをつつくように舌をすぼめ舐め回す。
 「ひぃ~~~、ああっ!!あっ!あっ!あぁっ!先輩っ!もうダメですっ!立ってられない・・」
 俺はクリトリスを舐められながら、いつのまにか自分で自分の巨乳を激しく揉んでいた。
 「あっ!あんっ!あんっ!いいっ!あぁぁっ!先輩っ!あんっ!なんかくるっ!ああああああっ!」
 俺は激しいオルガズムを感じると、ビクッビクッと2度痙攣しその場に座り込んでしまう。
 (これが女の子のイクってやつなのかな・・・、すごすぎるよ・・・)
 人生で始めてのエッチで、いきなり女の子の激しい快感は、男にはきつすぎたようだ・・・
 俺はほとんど薄れている意識で、先輩が優しく
 「かわいかったよ」
 と言いながら俺にキスしてるのを、ぼんやり感じていた・・・


 「おはよ~ございま~す」
 「おはよ」
 「華子先輩、おはようございます」
 「おはよ」
 登校時間ギリギリの校門の前では、みんな走って校門に行くのだが、
 女子全員とほとんどの男子が華子先輩にかならずあいさつして走り去って行くのは正直驚いた。
 (さすが華子先輩、学園の女王だな)
 しかもその全員が俺の事をチラッと見ていく。
 (やべぇ~、すごい注目されてるよ)
 俺は女子の制服を着ながら、先輩と並んで登校していた。
 顔が見られないようになるべくうつむいて歩く、長い髪が顔を隠してくれるのでありがたかった。
 歩く度にゆれる胸とスカート。
 スカートで歩くのは感覚的にパンツだけで歩いてる気分だ。
 「せ、先輩・・、俺やっぱり帰ります・・、て言うか女になってる間は学校休みます」
 「もぉ~、何回も言わせないで。大丈夫だって言ってるでしょ」
 そう、俺はトイレでエッチした後、当然と言えば当然の問題に気づいたのだ。
 女の子の体になってるのに学校に行けるのか?
 昨日まで男だった奴が、次の日に女の子になってきたらおかしくないか?
 先輩にそのことを言うと、
 「大丈夫よ、私にまかせて」
 とそれだけだった。
 (先輩が大丈夫だと言ってるんだ、何が大丈夫かわからないけど信じよう)
 一応、トイレにあった全身の映る鏡で女子の制服を着てる自分の姿を確認したのだが。
 どっからどう見ても女子高生だった。
 しかもかなりかわいい・・・
 (先輩の言うとおり、俺ってかわいいかも)
 気づくと遅刻ギリギリの時間になっていたので俺と先輩は学校へ向かう事にする。
 登校の間中、俺と先輩は他愛もない話をしながら楽しく歩いていた。
 エッチをした事で、二人の距離が一気に近くなったのを感じた。
 がしかし、周りに他の登校中の生徒が増えてくると、俺は話どころではなくなっていた。
 女の制服を着て歩いてる事が急に恥ずかしく思えてきたのだ。
 確かに体は女になってるし、見た目も完全に女子高生だが・・・
 昨日まで普通に男をやっていたのに、いきなり女になったって簡単に適応できるわけがない。
 急激に俺の中で不安が広がってゆく。
 (やっぱり大丈夫なんかじゃないよ・・、いやどう考えたって変だろ・・)
 「先輩、やっぱり・・・・」
 こうして俺は学校につくまでの間中、先輩に何度も同じ事を聞いていたのだ。
 俺はまた同じ質問をしようとしたその時、前を歩いてる二人組の女子がクラスの女だと気づく。
 しかも二人とも俺の事をじ~っと見ている。
 (やばい、俺だってきづいたかな・・・)
 二人の話し声が微かに聞こえてきた。
 「ねぇ、華子先輩と一緒に歩いてる娘誰? あんな娘うちの学校にいたっけ?」
 「ううん、私も初めてみるけど・・・、ちょっとかわいくない?」
 「うん・・・」
 どうやら周りからは、美人女子高生二人が一緒に登校しているように見えているらしい。
 (でもクラスに行ったら、なんて言えば???)
 考えるのが苦手な、俺の頭がショートしそうなその時。
 キーンコーンカーンコーン
 周りの生徒達が一斉に教室に向かって走り出す。
 「やばっ、先輩!! 教室にいなきゃいけない時間ですよっ!!」
 いつもの俺なら猛ダッシュしている所だが。
 しかし先輩はゆっくり歩いたまま、
 「大丈夫よ、校長先生の所に行くわよ」
 と言うと、下駄箱で靴を履き替え、まっすぐ校長室に向かう。
 俺はあわてて後を追う。
 先輩は校長室のドアをノックすると、返事も待たずに中にはいる。
 中では校長が椅子にふんぞり返って、雑誌の週間JOMPを読んでいたが、華子先輩が入ってきたのを見ると、
 ビックリして椅子から転げ落ち、あわてて揉み手をしながら下品な笑いを浮かべて先輩の前にくる
 「これはこれは、高嶺野さん。どうされました?」
 校長は50代の後半で、太った腹にほとんど禿げてる頭、脂ぎった顔にはいつも汗を浮かべている学校の生徒全員に嫌われてるおっさんだった。
 がしかし、何でも損得だけで計算するその目だけは、鋭く光っていた。
 そんな校長も華子先輩の前では、今にも土下座でもしそうな程の低姿勢である。
 「実はお話がありまして」
 先輩は汚いものでも見るような目つきで校長を見下げると。
 「二年五組の駄目名のび夫さんですが、一週間だけ女の子になってしまう奇病にかかってしまいましたので、先生方にそのように話してもらえますか?
  駄目名さんが今までと同じように学校生活を送れるように取り計らって下さい。
  ちなみに駄目名さんは、私の大事なお友達です」
 俺はビックリした、そんなムチャクチャな話誰が信じるだろうか??
 校長もしばらくポカーンとしていたが。
 「あっ、そうですかそうですか。わかりました、そうゆう事でしたらしょうがないですね」
 と下品な笑いを浮かべると、隣の部屋の扉を開ける。
 校長室の隣は職員室になっていて、今は朝の職員会議の真っ最中だったが。
 「先生方~~、ちょっといいですか?」
 と職員会議を中断させる。
 俺と華子先輩も校長の後ろから職員室へ入る。
 (どうなっちゃうんだろ;;;)
 と俺は一人で心配していたが。
 なんと、校長を見ても顔を向けるだけだった先生達が、華子先輩をみるなりいきなり全員が席を立ち、顔に笑顔を張り付かせている。
 (なんだなんだ・・??)
 「え~、なんでもここにいるこの娘だが~」
 と言うと、校長が俺の肩に手をおく。
 「一週間だけ女の子になってしまう奇病にかかってしまった、二年五組の駄目名君なんじゃ」
 校長は額の脂汗をハンカチで拭う。
 「悪いが一週間の間だけらしいので、駄目名君が困らないように先生方~、お願いしますよ」
 静まり返る職員室。
 校長も無茶苦茶言ってるのがわかっているのか、汗の量が半端ではない。
 職員室の全員の先生の視線が俺に集まる。
 そして思い出したように華子先輩に集まる。
 「そ、そ、それじゃ~しょうがないですね~」
 「そ、そうですね。病気じゃしょうがないですよ」
 先生達はみんな異口同音でしょうがないですね~と言っている。
 「そういえば二年五組の担任は佐藤先生ですよね? 先生、問題ないですよね?」
 「ちょ、ちょっと待って下さい。」
 さすがに担任では、しょうがないですね~ではすまないらしい。
 俺の担任は慌てて俺の方に走ってくる。
 俺の担任は64歳の国語教師のおじいさん、定年退職前の一番問題を起こしたくない時である。
 「ほ、本当に駄目名か??」
 そう言うと担任の佐藤先生は穴があくほど俺の顔を見つめ。
 「あ、確かに駄目名だ」
 と安心したように言った。
 「お前、本当に女の子になっちゃったのか?」
 「は、はい・・・」
 「なんでまた・・・」
 「げ、原因不明の奇病らしいです・・・;;;」
 「そうか・・・」
 佐藤先生はしばらく考えていたが、華子先輩の方をチラッと見ると。
 「わかりました、クラスの皆には私からうまく言っておきますんで。
  駄目名、お前も色々大変だと思うが、一週間がんばるんだぞ」
 と励ましてくれる。
 (信じたのか・・・?)
 「そうですか、そうですか、それでは佐藤先生、先生方、よろしくお願いしますよ」
 そう言うと校長は逃げるように校長室に戻っていく。
 「私からもお願いします」
 一言そう言うと、先輩は俺の手を取り職員室を後にする。
 先生方は緊張した面持ちで俺たちを見送る、中にはペコペコ頭を下げてる先生もいる。
 職員室から出てしばらく廊下を歩くと、先輩は職員室を振り返り吐き捨てるように言った。
 「情けない大人たち・・・、18歳の小娘にペコペコして・・・、恥ずかしくないのかしら・・」
 「華子先輩ってすごいですね~~、先生方までペコペコしちゃうなんて」
 俺は思った事を口にした。
 「違うのよノンちゃん、私がこの高校に入学した時ね、お父様が多額の寄付を校長にしたのよ。
  先生方一人一人にも、娘をお願いしますって結構な額を渡したらしいの。
  それ以来先生方はみんな、まるで腫れ物を触るように私に接するの・・。
  お父様は私の学年が上がる度に先生方にお金をばら撒いてるみたいで。
  先生方は私に嫌われたら、お金がもらえなくなると思ってるみたい。
  教師は聖職だなんて言うけど、しょせんは金がほしいのよみんな・・・」
 そう言う先輩の顔はとても寂しそうに見えた。
 「それじゃノンちゃん、私もクラスに戻るから。後で休み時間にノンちゃんの教室に行くね」
 俺に顔を向け満面の笑顔でそう言うと、小さく手を振り走って行く。
 俺は佐藤先生が出てくるのを待つことにした。


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