裸のまま、僕と真優はベッドで待つ中野先輩の前へと向かった。
先輩はたくましく鍛え抜かれた体で、短い髪の似合う端正な顔立ち・・・シンプルなトランクスでベッドの上に座っていた。
「注文どおりの体だな・・・」
裸の僕をじっくりと見つめて、先輩はそう言った。
はずかしい・・・そう思ったけど、口には出来なかった。

「どこまで覚えてる?」
「AV女優としての僕を、先輩が、プロデュースするって・・・最初は性同一性障害の治療のために作られた技術だって・・・それから・・・」

僕はあせったように答えた。
「セックスするために作られた自分のカラダをどう思う?」
ひどいことをいわれた、とおもった。
僕は何も答えなかった。

そして、心の中では、ようやく男としての自分が戦いだした。
この男に、これから抱かれるなんて、ふざけるな・・・
そんな思いが急にわきあがってきた。

だが、ふとわれに返って、こちらを見つめる中野先輩の目を見ると、そんな考えは吹き飛んでしまう・・・
「でも、中身の方はどうかな・・・」
中身・・・女としての体が、「注文どおり」かどうか、という意味だ。

僕の胸はきゅん、となった。これから、僕とセックスするという、確かな宣言だった。
僕は、この人に堕ちてしまいそうだった・・・いや、もう堕ちていた。

「あゆこ、お前は俺がプロデュースした理想のAV女優だ。もちろん、俺が楽しめるような最高の体をもった、な」
身長154cm、上から80(C)、56、82、これがプロデュースされた「最高の体」のサイズだった。
でも、そんな数字だけからは計れない、さまざまな作られた魅力がこの体には埋め込まれているのだという・・・

意識を失う前に言われたことを、真優から聞いたことを、繰り返された。
嫌悪は、まだ消えてない。こんな男に抱かれてなるものかという・・・
でも・・・それすらも消してほしいと思う心もあった。

「さ、あゆこ、そこに座れ」
命令口調にも慣れている。この人の言うことには、僕はもとから逆らえない。
逆らおうとも思っていない。こんなにひどい男だと知ったのは、つい、昨日のこと。もう、遅すぎた。

「はい・・・」
そういって大きなベッドの端にちょこんと座った。
後ろから、先輩が抱き付いてきた。

「あっ・・・」
僕は、体をすこしこわばらせた。嫌悪ではない。恐怖が、軽い恐怖が生まれた。
「怖いか?」
「は・・・い・・・すこし・・・」
素直に答える僕。

「大丈夫だよ、可愛がってあげるから・・・」
その優しい一言にぼくのカラダはとろけそうになった。
ココロは、とろけてしまった。魔法のような彼の声・・・

「力を抜いて・・・」
その言葉がなくても、「可愛がってあげる」の優しい一言がぼくの体から力を奪っていた。

その力が抜けた僕の首を回して、僕の顔と先輩の顔がすぐ近くで向かい合った。
先輩が目を閉じようとするのを確認して、僕もあわてて目を閉じた。
ファースト・キスの瞬間だった。

「ん・・・」
とろける・・・口から・・体中に電流が走るようだった。
体に力など入らなかった。
でも、目を閉じてその電流を受け入れている僕の、柔らかい胸に、男の手が・・・先輩の手が伸びてきた。

「ぁ・・・ん・・・」
快感、きっとそう呼ぶにふさわしい感覚が全身を包んだ。
女の体は・・・ただ敏感なだけではないんだ。
きっと、男に抱かれるという喜びで、快感を生み出すのだろう。僕は、そう感じた。

でも、そんな理屈などどうでもいい。
「んふ・・・ぁ・・・」
ふさがれている口の中は、まだ先輩の舌が暴れまわっていた。

両手は、まだ胸をもんでいた。
だが、しばらくすると、少しずつ右手が下のほうへと手が移っていく。
僕は、胸と口をふさがれて、自由になる首と、頭を小刻みにくねらせて快感を現してしまう。
そんなしぐさこそが、先輩が「プロデュース」した重要な部分だった。

僕のカラダは、初めから、男を「萌えさせる」最高のカラダで、しぐさの一つ一つすらそうだったという。
だから、先輩も自分でわかっていながら、萌えたのだろう。

「ぁ・・・ん・・・あぁん・・・」
次の瞬間、口が解放された。
くるおしいほど気持ちのいいキスが終わってしまったことの残念さと、
体をまさぐられてそこから生まれる快感を、正直に口から外に出せることの安心が同時に生まれた。

そう思ったら、先輩の右手はお腹から、腰を経て、ついに、「大事なところ」へと近づく。
「あぁん・・・」
正直な喘ぎ声が・・・セクシーな声が・・・

ふと、目を開くと、目の前で裸の真優が立っている。
真優と同じように気持ちよさそうに声が出てるかな・・・
もう、僕はそんなことを考えるようになっていた。

同時に、真優の姿が、僕を現実に引き戻した。
急に、こうして中野先輩に抱かれようとしていることへの疑問が、再びわきあがった。

体がまたしても、こわばる。
胸をもまれていたことの快感が急に止まった。
気持ちのよい感覚は走る、でもそれを気持ちいいとは感じなくなってしまった。

体はこわばったまま。
先輩の右手が近づこうとしていた、僕の「大事なところ」は、
今まで悦んでそのときを待っていたのに、急に脚を閉じて、拒否の姿勢をとっている。

僕の意思がそうさせているわけではない。
感情の動きが急すぎて、僕の心がついていけない。
先輩も今まで従順に体を許していた僕が急に体を硬くしたことにすこし戸惑ったようだった。

「だいじょうぶ、あゆこ・・・こわがらないで・・・かわいがってもらうんでしょ・・・」
真優がそう言って、僕の脚のところにしゃがみこんで、優しく脚を開いた。
「かわいがってあげる」先輩のその言葉が、真優によってよみがえった。

「ふぅん・・・」
体から、また、力が抜けた。いや、「かわいがって」もらうことの期待にとろけたのだ。

とろけたのは、カラダだけではなかった。
先輩の右手の人差し指と中指がたどり着いた、僕の「大事なところ」は、
気持ちのよさと、かわいがってもらうことへの期待で、とろとろの蜜をあふれさせていた。

「ほおら、処女なのに、こんなに濡れちゃって・・・」
先輩は僕の目の前でねばねばの液体が指についたのを見せた。
僕は恥ずかしさに目を伏せた。

「あゆこ、お前は最高の淫乱女だ。AVにでて、エッチに、淫乱なあゆこを日本中の男たちに見せ付けてやるんだ」
「いや・・・そんな・・・」
恥ずかしさで目を伏せたまま僕は、首を横にふった。

「どうして? お前の喘ぎ声も、そのカラダをくねらせる様も、まさに俺が望んだとおりだ。もっと、かわいがってほしいだろ?」
「は・・・い・・・」

「かわいがってやる」、その言葉は呪文のように響いた。
ぼくが、素直にそう答えると、先輩は
「よし、いい子だ」
といって、ぼくの体から手を離した。

そして、ベッドの端から、枕の方へと僕を導いた。
広いベッドには、僕と先輩だけでなく、真優が乗っても十分なほどスペースがあった。

僕は枕を頭にして寝転がった。だが、先輩はベッドの上に立ち上がった。
その姿に見とれてしまう僕・・・その意味を理解する前にただただ見とれてしまっていた。
だが、真優は先輩が立ち上がった意味を理解した。

「さぁ、あゆこ、起きて」
真優は、先輩の前にちょこんと座って、先輩のトランクスの上から、その肉棒をまさぐる。

「このなかに、あなたがこれから処女をささげるおちんちんがあるのよ。さわってみて」
とろけきっていた体に力を取り戻そうとして、僕は起き上がる。
心臓のどきどきは一度も収まっていなかったことに気がついた。

ペニス・・・先輩のそのモノは何度も見たことがある。
勃起していない状態でも、そのたくましい体に似つかわしい立派なものだったことは覚えている。
そして、いま、僕の処女をささげようとしている。

ゆっくりと先輩のトランクスの前に近づいて、手を伸ばした。
「せんぱぁい・・・」
上目遣いで、何かを訴えた。

僕は先輩のトランクスの上からそのたくましい肉棒をまさぐった。
少しずつ、大きくなっていった。これが、いまから僕の中に入ってくるんだ・・・
「真優・・・お手本を見せてやったらどうだ?」

「あ、そうね・・・」
そういうと、僕の触っているトランクスに真優も手をかけた。
「せぇの!」
そういうと、僕の手をとって、一緒に先輩のトランクスをズリ下げた。
目の前に立派な肉棒が現れた。

「フェラチオは後からでいい。お前が見せてやれ」
「はぁい・・・んぐ・・・ふう・・・ん・・・」
真優がその小さな口に立派な肉棒を含んだ。
首を振ってピストン運動をしてみたり、亀頭をいとおしそうに舐めまわしたり・・・

僕もやってみたい・・・
そんな気持ちを抑えるのに精一杯だった。
股間からは蜜がとどまることなくあふれ続けていた。

「あぁん・・・」
僕はその蜜を自分でどうすることも出来ず・・・自ら「大事なところ」に手を伸ばしてしまった。

その姿を先輩と真優に見られてしまった。
「んぐ・・・あ、あゆこ、なにやってんの、あなた・・・」
「いや、やらせてみよう」

真優が僕の行為を止めようとしたのを、先輩が制止した。

「あ、あぁ・・・ふぅん・・・」
まだ女の子の「大事なところ」の構造も良くわかってない僕は、とにかくあふれる蜜をどうにかしたくてその秘唇をまさぐり続けた。
真優が舐めてくれたり、先輩が触ってくれたりしたように、気持ちよくはならない。
だが、どうにかしたかった。

「あぁ・・・ん・・・!」
二人がフェラチオをやめて僕の行為を見つめていることに気がついた。
「そ・・・そんな・・・」
僕の手が止まった。

「やめるな、あゆこ」
先輩の命令が僕を縛る。
「は・・・はい・・・ぁ・・・あん・・・」
みようみまねで何とかしようとするものの、どこをどう刺激すれば気持ちいいのか、いまいち良くわからないのがもどかしい。

「ふぅん・・・あぁん・・・」
無理に喘ぎ声を出そうとしているのが二人ともわかったようだった。
「あんまり気持ちよくなさそうだな」

「せん・・・ぱい・・・そんなぁ・・・」

それが、先輩が僕に仕掛けた、僕に「あゆこ」としての人生を決断させる、最後の攻撃だった。

「もっと気持ちよくなりたいか?」
「はい・・・なりた・・・い・・・です」
「じゃあ、どうしてほしい・・・」
「・・・」

「しょうがないな・・・もうちょっと、頑張ってみるか?」
「はい・・・せんぱ・・い・・あぁん・・・」
気持ちよくなろうとするのに必死だった。

股間をまさぐり続ける僕の目の前で、先輩は僕の目を見つめ続けた。
それだけでも体がとろけそうだったが、やっぱり、僕の指は、生まれたての処女の指は、技術を伴わなかった。

苦しくなってきた。先輩が、真優が見守ってくれるから、この行為を続けることが出来た。
それでも、技術を伴わないこの行為が苦しくなってきたときに、
自然と僕の口から言葉が出た。

「せんぱい・・・あゆこの、オナニー、見ててください・・・」

先輩は驚いたように目を丸くした。
真優は、手で口を押さえて、目は笑っていた。
「あゆこ、無理することはないよ・・・」
先輩の優しい一言がまた、僕を包み込んだ。

「こうするんだ・・・」
先輩は、そういうと、僕の手を取って、僕の股間に、「大事なところ」に顔をうずめた。

「あ、あっあん、あっ・・・」
先輩の舌が僕の「大事なところ」の入り口で、動き始めた。
「そんな、せんぱ・・イ・・きたな・・・い・・・ぁ・・・あぁん・・・」
自分の指と何が違うのかわからない。

でも、とにかく次元の違う快楽が僕の体を駆け巡った。
「あぁぁぁぁぁ、あぁん、あん・・ん・・・ふぅ・・・あぁん!」
その瞬間、僕は枕に倒れこんだ。
今までとは違う、鋭い衝撃が体を貫いて、体から一瞬にして全ての力が抜けた。

心臓のどきどきも、一瞬にして収まった。

「イっちゃったか・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
僕は、息を激しく荒らして先輩の言葉に何も答えることが出来なかった。
イく・・・これが、イくっていうことなんだ・・・そう思うしかなかった。

決定的だった。この感覚は、もう、忘れることが出来ない。
このカラダは、気持ちいい・・・
もっと、かわいがってほしい。そう思った。

「さぁ、次はどうするんだ・・・?」
ようやく息を整えた僕に、先輩が意地悪く聞いてきた。
「もっと・・・かわいがって・・・ほしいです」
「それって、どういうこと?」

「・・・」
「言ってみろ」
「・・・」

その先の答えは知っていた。でもいえなかった。
女の子になったばかりの恥ずかしさだけではない。

ここに来て、僕の中の「男」が最後の抵抗を見せていた。
まだ、自分は男だというプライド・・・いや、ただのこだわりが、心の中に残っていた。

枕の後ろに真優が現れて、僕の体を抱きかかえた。
僕の耳元にささやいた。
「したいんでしょ、セ・ッ・ク・ス」
かぁっ、と顔が赤くなった。
「ほら、やっぱりそうなんでしょ。じゃあ、そういわなきゃ」
「そ・・・んな・・・真優・・・」
真優に甘えていた。
そう、真優が先輩を説得して先輩のぎんぎんに反り返った肉棒を僕の中にぶち込んでほしかった。
痛くてもいい。きっと、すぐに気持ちよくなると知っているから。
そうなるとわかっているから。

もう、僕はこの作られた肉体が、先輩の「プロデュース」したとおりのものでありだから、
先輩にかわいがってもらえば、必ず気持ちよくなれると、気づいていた。
先輩を信じていた。

心からの欲望が僕を支配して、たまに僕の中の「男」が騒ぎ出したところで決定的な欲望は否定のしようがなかった。
かわいがってほしい。もう、僕は女の子でいい・・・淫乱女でいい。

「言ってみろ、お前は誰だ?」
懇願することが出来ない僕に、先輩が別の質問をぶつけてきた。
「ぼくは・・・」

「ぼく?」
「あ、あたしは・・・あゆこ・・・あゆこです・・・」
自分の呼び方が、間違っていたことに気づいた。

「おまえはまだわかってないみたいだ。お前は男なのか?」
先輩の目が「そうじゃないだろ」と命令している。それを否定すれば、きっと、かわいがってもらえる。

「あゆこは・・・あたしは・・・女です。女の子です」
「おまえは、こんなにおまんこをぐしょぐしょにして、これからどうしてほしいんだ?」

「あゆこは・・・あゆこは・・・セックスしてほしいです。先輩に、セックスしてほしいです。そのおちんちんを、あゆこのおまんこに入れて!」

まだ先輩は許してくれなかった。
「セックスして、その後はどうするんだ」

「あゆこは・・・あゆこは・・・セックスするために生まれた女の子です。
AV女優になって、日本中の男の人にオナニーしてもらうために・・・もっと、もっとエッチになります」

恥ずかしさも、プライドも、全部捨てて、ここまで自分の意思で言い切った。
はやく、もっと、かわいがってほしかった。

「よくできたわね・・・あゆこ。さぁ、脚を開いて・・・」
ぐしょぐしょの女芯は、生まれたてでも、もう準備万端だった。

「力を抜いて・・・痛かったらそういってくれよ」
「はい・・・せんぱい・・・」
真優が僕の体を離して、僕は大きな枕に肩から上を全部うずめた。
自ら脚を開いて、先輩が入ってくるのを待っていた。

その脚を先輩が持った。
僕は、右手を自分の足から離して、真優のほうを見つめた。
真優はその意図を察したのか、僕の手を握ってくれた。

「あは・・・ぁ・・・」
そんな嗚咽が漏れる。先輩の亀頭が僕の「大事なところ」の入り口にたどり着く。
僕は、これから襲ってくるであろう痛みに耐えるために、目を閉じた。

「だめよ、あゆこ、しっかりみつめてて」
強く、手を握って真優がそう言った。

すこしだけ首を挙げて、先輩が僕の中に入ってくるのを見つめる。
「ん・・・はぁ・・・あぁん・・・」

ずぶ、ぬぷ・・・そんな音を立てて、少しずつ先輩が入ってくる。
「ん・・・」

唇をかんで、目を閉じようとする。そのたびに真優が手を強く握って、もう一度目を開く。

グロテスクで、いやらしい光景だった。
でも、その痛みを伴う光景は、あゆこにとって、最高の幸福だった。

ぬぷ・・・ずぷ・・・にゅる・・・

「よし、最後まで入ったぞ」
そういうと、先輩は少しずつ腰を動かし始めた。

「あァ・・・はぁ・・・んぁ・・・」
僕の「大事なところ」の中の肉ひだは、初めてとは思えないほど男を悦んで迎え入れ、痛みと快感の入り混じった不思議な感覚が・・・襲ってくる。

真優の手を握って耐えた。
痛みにも・・・快感にも・・・
痛みと、快感の比率が少しずつ変わってくる。

「あぁん・・・あ・・・ぁ・・・ふぅうぅん・・・」
僕はその結合部分を見つめるのをすっかり忘れて、首を斜めにくねらせながら、いやらしい声でよがり始めた。
もう、真優が手を強く握っても、その結合部を見つめる余裕がなかった。

「こんなにはやく・・・あゆこ・・・すごい・・・」
作られた、淫乱な僕のカラダに真優も驚嘆の声をあげた。
そして、同じように、快感が痛みを上回ったことを見て取ると、先輩も少しずつ激しく腰を振り始めた。

「あぁん・・・いや・・・いやぁ・・・」
「あは・・・ぁん・・・ぁン・・・きもち・・・いい・・・」
気持ちいい・・・本心からそう思った。
同時に、僕の上で腰を振る先輩が見えた、先輩の上半身が動くリズムで、僕は気持ちよくなっていく。
「あぁん・・・せん・・・ぱい・・・ぁぁん・・・」
「おぉぉぉ・・・いくぞぉ!」

次の瞬間、僕の股間から何かがすっぽり抜けた感覚があって、さらにその次の瞬間、僕の胸に暖かい、白い液が発射された。

「あぁん・・・はぁん・・・」
先輩は、そういって、余韻に浸って喘ぐ僕の口元に、僕の股間からあふれ出た蜜と先輩のスペルマでいっぱいの肉棒を差し出した。

「はぁん・・・せんぱい・・・んぐ・・・」
僕はその肉棒をいとおしそうにほお張った。

「はぁ、とっても、よかったよ・・・あゆこ・・・」
心を込めて、先輩の肉棒をお掃除するぼくに、先輩が語りかけた。
僕はそのまま上目遣いで先輩を見つめながら、その行為を続けた。

たった今、僕を完全にオンナにしたこの肉棒が、とてもいとおしい。
先輩は、ぼくの上目遣いを見て満足そうに頭をなでてくれるのだった。

「これからまだいっぱいかわいがってやるからな。次はフェラチオもしっかりおぼえるんだぞ」

精一杯しゃぶっていたぼくの「お掃除」が、まだまだ未熟なことがすこし切なかった。
でも、先輩が喜んでくれているし、とってもかわいがってもらったから、ぼくのココロは幸福感でいっぱいだった。

いつのまにか、自分が男だったことなど忘れてしまいそうだった。

  ◇◆◇

「ふぅ・・・ん・・・」
真優の、「安藤しずか」としてのデビュー作でも最初の相手役を務めた佐藤さんがワンピースの間からぼく、「井川桜子」の女芯を刺激しだす。

先輩に抱かれているのとは違う。でも、先輩よりもうまいかも・・・
「はぁ・・・ぁ・・・ん」
目を閉じて、すこしずつカラダに走る快感を口から吐き出す。
「ちょっと、すごいよぉ・・・」

パンティの上から僕の「大事なところ」のスジをなぞって、濡れていることをぼくに伝える。
そんな予定調和すら、僕の、淫乱な気持ちを刺激してしまう。

「いやぁ・・・」
ワンピースの後ろのボタンを全部外され・・・下着も外され、そのたびにぼくは恥ずかしがる。
パンティも脱がされ、秘唇から、蜜を搾り出されると、早くも、僕はわれを忘れて喘ぎ声を出してよがってしまう。
でも、男優さんが目の前に仁王立ちになると、照れ隠しでも笑顔になってしまう。

「ああ、おおきい・・・」
ぼくはその男優さんの大きな肉棒を最初、舌の先でちろちろとなめて、それから口いっぱいにほお張る。

そして、初めての、AV女優としてのセックス。
僕は、最高レベルのアイドル女優だったが、
作られた淫乱AV女優には、擬似セックスなどという選択肢はない。

真優の初めてのときがどうだったかは知らない。
でも、男優さんの肉棒を受け入れる体勢はしっかり整っていた。
「あぁん・・・いれてください・・・」
そんなことを言わされて、ふと、周りを見渡すと、全ての人が、そして、そのほとんどが男なのだが、僕のセックスを撮影することに集中している。

「神に選ばれた」僕は、同じ男として生まれながら、この男たち全ての中心にいて、男優さんですら、僕を気持ちよくするためにここにいるに過ぎない。
そして、カメラの向こうにいる男たち・・・僕でオナニーする。

僕のビデオは、発売されると同時にどこのレンタル店でも何枚も並び、セルとしても空前の売り上げが見込まれていると、聞いた。
今年一番の新人であるといわれる、「安藤しずか」つまり、真優よりも、高いお金をもらっていることも知っている。

その分、中野先輩に搾取されていることも知っている。

それでも、いい。
DVDが出回って、ネット上で僕のセックスが出回る。
そんなにたくさんの男たちに痴態を見られ、オナニーされる。
それがどんなことか、元男だった僕は知っている。

お金にしたって、東大に通いながら、先輩がスカウトとして、とてつもない信用を得ていることの裏返しなのだ。
それすらも幸せに感じるように、きっと、「プロデュース」された僕の感情もいじられているのかもしれない。

たくさんの男たちが、僕のビデオを見てオナニーする、その全ての男に犯されているのと、同じなのだ。
それが、幸せに感じられる。
見てほしい、そしてオナニーしてほしかった。たくさんの男たちに・・・

僕は、中野先輩がプロデュースした、生まれながらの天才AV女優である自分が、選ばれた人間であることを自覚して、
さっきまで口に含んでいた男優さんのたくましい肉棒が入ってくると同時に、恥じらいながらも堂々と喘ぎ始めるのだった。


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