「今日は、宏樹と会ってきて」
朝、お姉ちゃんがそう言った。
「ちょっと、夜遅くなるから、相手してあげられないかもしれないから」
それは知っていた。だから今日は、夜の「開発」されないかもしれない。それが朝から残念だった。
でも、その代わりに、1週間前に私が処女をささげた、滝澤宏樹と会って来い、とお姉ちゃんは言った。
それが、どんなことかも良くわかる。
「えっ・・・でも・・・」
「なぁに? いや?」
嫌ではなかったが、抵抗を感じないわけではなかった。
「宏樹がねぇ、すっかりゆっこにはまっちゃってね。もし、よかったら、付き合ってもいいわよ。別に、セフレでもいいけど」
考えてもいなかった。宏樹と付き合うなんて・・・セフレになるなんて・・・
「そんな・・・お姉ちゃんいないんでしょ?」
一人で男と会うのが、なんとなく不安だったのだ。
しかも、男だったころから知ってる男だ。
昨日も、あれほど時間をかけて「エッチなゆっこ」を自分に刻み込んだのに、昔のことを思い出したりしたら・・・不安だった。
エッチなゆっこの、そんな不安を、お姉ちゃんは見抜いていた。
「大丈夫よ。自信を持って。宏樹の前でもエッチなゆっこでいられるでしょ。頑張れ。ゆっこ」
握りこぶしを作って私を励ますお姉ちゃん。
「それに、エッチな女の子がいつまでもお姉ちゃんとレズってるばっかり、ってわけにもいかないでしょ。
もう1週間もすれば大学の入学式なんだから。
そのあと、童貞の男の子たちを食いまくるエッチなゆっこになるには、これから1週間、男とセックスする修行をしないと」
「エッチなゆっこ」という言葉をお姉ちゃんは繰り返し使う。
しかも、それですごいことを平気で言う。
昨日の官能が私の中でよみがえる。お姉ちゃんの言うことには逆らえない。
私が「エッチで淫乱なゆっこ」であるためには、男とセックスする修行が必要なのだ、と、心の中で自分に言い聞かせる。
「わかった?いろんなことを教えてもらってきなさいね」
「う、うん」
肯定的な返事をして、私は心を決めた。
「それから・・・と。もし、今の時点で付き合う気がないんだったら・・・」
「えっ・・・」
お姉ちゃんは私に耳打ちした。
「それって・・・どうするの?」
「それは自分で考えて。あとで報告してね」
それだけではない。今日着ていく洋服、靴、下着、バッグ、すべてを指定した。
「これで、宏樹の欲望をくすぐって、しかも、歩いてるときにすれ違う男はみんな宏樹を、
つまりあなたを連れていることを、うらやましい目で見るはず。メイクなんて、しなくても全然ね」
「それじゃ、行ってらっしゃい。お姉ちゃん」
笑って見送ったが、心の中は不安でいっぱいのままだった。
最近、昼間は、ずっと女のことを勉強している。
女性誌を何冊も買ってきて片っ端から読み漁ったり、お化粧の練習をしてみたり。
お姉ちゃんの妹である私は「エッチなゆっこ」である以前の、18歳の女としての社会生活の準備も、短期間でつめこまなければならない。
そんな途中で、今日は初めて一人での外出だ。
お姉ちゃんが出来る限りの準備をしてくれたとはいえ、やっぱり緊張する。
そして、耳打ちされたお姉ちゃんの「エッチなゆっこ」への指示。
うまく出来るだろうか。
一方で、カラダは、男とセックスすることの予感に、悦びをもって反応しているようだった。
ココロも、不安を抱えてはいても、前、宏樹さんに抱かれたときの悦びを忘れてはいない。
華奢な私が、たくましい男に、宏樹さんは男としては細い部類ではあるけれども、
いい男に抱かれる、それは、セックスそのものを抜きにしても、ココロにもカラダにも悦びを思い出させることだった。
お姉ちゃんとの、柔らかい肌どうしのふれあいとはちがう。
女を抱くことが自然に出来ている男とのふれあい。私が失ってしまったものとの交わり。
それは、やっぱり楽しみでもあるのだった。
午後5時少しまえ。待ち合わせの場所に、私は少し早く着いた。
はっきり言って、期待に胸を昂ぶらせていた。
宏樹さんに処女をささげたあの時とはちがう気分だった。
お姉ちゃんに「開発」されて、おまんこの中もずいぶん使えるようになっていた。
もう痛みも消えていた。そして、耳打ちされた、お姉ちゃんの指示。
なんだかだんだん楽しみになってきた。
「やぁ、おまたせ」
期待に胸を昂ぶらせているのはこの男も同じだろう。
お姉ちゃんは、宏樹さんが、私にはまっているといっていた。
今日のデートは、宏樹さんのほうからお姉ちゃんにお願いしたものだったのだ。
それに応じることをお姉ちゃんは私に指示した。
お姉ちゃんは「エッチなゆっこ」を、宏樹さんに見せ付けてもかまわない、といっていた。
「どこに行きますか?」
たぶん、宏樹さんのことだ、別に聞かなくても自分なりのプランを立てていることだとおもう。
それは、今日もまた私とセックスしたいから、その雰囲気作りから始めるだろうという、
行ってみれば、マニュアルどおりの行動だといっていいとおもう。
お姉ちゃんの耳打ちの指示、私は自分で考えてまず最初に実行してみた。
「いいから、ホテルに行きませんか?」
宏樹さんの動きが止まった。鳩が豆鉄砲食らった、とでもいうような顔をして。
「お姉ちゃんからも聞いてます。私とまたやりたいんでしょ」
私は満面の笑みをたたえて、下から宏樹さんの顔を覗き込んだ。
「ゆっこはもう、そのつもりで来たんです。優しくしてくださいね」
つい数日前に自分が処女を奪った女から、いきなりこんな風に言われるとは、予想もしていなかったのだろう。
宏樹さんはしばらく黙り込んでしまった。
「どうしたの? 宏樹さん?」
はっとした様子で、宏樹さんは答えた。
「いや・・・びっくりして・・・」
とりあえず、早めではあるけれども食事をしたあとでホテルに行くことになった。
私は、やりまくる気まんまんでやってきたので、ファミレスで宏樹さんとご飯を食べてるときから、舌なめずりしていた。
私は、小さいピザと、チョコサンデーを注文した。
ピザを食べるときは、わざとチーズを伸ばして、口の中に入りきらなくなると、
口の周り煮に垂れ下がったチーズをいやらしくすすった。
それは、この前口でイカせた宏樹さんのスペルマを口の周りについたものまでなめて飲み込んだときと似ている光景、を意識した。
チョコサンデーも、うぅんといやらしく食べた。スプーンを使わずに上からちろちろとなめてみたりした。
明らかに誘っているように振舞った。胸元の谷間が見えるように、意識的に姿勢を低くして話したりした。
スプーンを使うときにも、舌を少しだけ出したり、奥までくわえてみたりした。
さんざんいやらしい振る舞いをして、腕を組みながら街を歩く。
まだ少し冷たい風が花柄のスカートの私の足に当たって、少し寒かった。
夜はこの時期でも結構寒い。この体験は初めてだった。
すれ違う男たちの多くが、私に目を留めるのが分かった。
私のあらわになっている足に、ジャケットに間からのぞく細い腰周りに、
小さいながらも寄せて上げた胸に、そして、すっぴんでもかわいい顔に、視線を感じる。
これも初めての体験だった。
お姉ちゃんの言うとおり、そして、自分がそうだったように、そんな男たちは私を一瞬、目で犯す。
あの娘かわいい、と目を奪われる。
さっきからの宏樹さんを誘う行動と、多くの視線。
なれないことの連続。しかもその一つ一つが、自分が「エッチなゆっこ」であることを実感させるものだった。
街を歩きながら、私は少し自分に酔っていた。彼と腕を組んで二の腕に胸を当てたりしながら歩く。
歩いているときにも、「エッチなゆっこ」を忘れたりはしない。一人カラダが熱くなっていく。
腕を組んでいるのは彼に支えてもらうためでもあった。アソコはもうとろけそうだった。
純白のパンティが濡れているのを感じた。フトモモの内側に冷たいものを感じた。
ホテルの部屋に入ると、私は、いきなり宏樹さんに抱きついた。
「ねぇ・・・これ以上・・・じらさないでよ」
そう言うと、宏樹さんは私の背中に手を回してきた。
それは、今の私からすれば、じらされているのも同じことだった。
「もう!」
私はその体勢のままひざを曲げてかがんだ。宏樹さんのベルトを外して、ジーンズの前を強引に開いた。
トランクスごとずりおろして、まだ勃起していない宏樹さんのペニスを根元から持って、口に含んだ。
洗っていない宏樹さんのチンポからは、むっとした悪臭がした。
懐かしいにおいだった。不思議なことに、今の私には、それほどそのにおいに対しても嫌な思いがなかった。
男だったときは、こんなものをしゃぶるなんて、考えられなかった。今は違う。
「エッチなゆっこ」はその、宏樹さんのチンポを、においごと口に含んで受け入れることが出来た。
すぐに口の中で宏樹さんのチンポが大きくなってゆく口でピストン運動を始める私の髪を彼がなでる。
ちゅばっ、ちゅばっ・・・この前はただ口の中に含んで一心不乱に動かしただけだったが、
お姉ちゃんの「開発」のおかげで、舌を使うことを覚えた。
んぐぅ・・・んぐっ・・・
私がフェラチオをしているのは、自分との戦いだった。
いつもと同じことを今日はお姉ちゃんの助けなしにしなければならない。
こんなことをしているとき以外は、結局は普通の生活なのだ。
体つきが違って、出す声も、視線の高さも、男のときとは違う。
でも、たとえ女のことを勉強していても、結局、男だったころとそんなに変わらない。
いや、むしろ、何も変わらない。
お姉ちゃんに開発されているとき、体中にはしる、狂おしい快楽が、私のココロとカラダに、オンナを刻み込む。
「エッチなゆっこ」を刻みこむ。
今日は、「エッチなゆっこ」を、お姉ちゃんの助けなしに刻み込まなければいけない。
だから、今日の待ち合わせからホテルに来るまでの間、行動と目線で彼を誘って、
「エッチなゆっこ」を必死に演じたのとはちがう意味で、このフェラチオは戦いだった。
情けない声を男がだす。
「ああ、気持ちいい」
自然と彼の腰が動き出す。私の口の中がだんだん気持ちよくなってくる。
彼のチンポが私の上の口を蹂躙している。私の小さな口と舌は、積極的な動きを止める。
口が性器の変わりに彼の腰の動きを受け入れている。
ゆっこは、彼の腰の動きと自分の舌の動きのリズムの違いに戸惑って、従順に彼の腰の動きに合わせた口の前後運動へと移行した。
お姉ちゃんが、今日の朝、エッチなゆっこに耳打ちした指示は、
「今日はあなたがリードしなさい。思いっきり淫乱な痴女になって主導権を握って、宏樹を何度もイカせてきなさい」というものだった。
朝の時点で今日の分の「エッチなゆっこ」を私のココロに刻み込んだ。
私はそれに従って、ここまで、お姉ちゃんの言うとおりに行動した。
その私の努力を、あざ笑うかのように、いつの間にか彼は、私の頭を両手で抱えたまま自分のペースで腰を振り始める。
抵抗できなくなる。私の口はただの性器、快楽を求める彼の道具になった。
「あっ・・・は・・・」
ふさがれた口から嗚咽が漏れる。
次の瞬間、彼は頭から手を離して、腰の動きを止めた。初めて上目遣いで彼の顔を見上げた。
そういえば、お姉ちゃんから、フェラチオするときはなるべく男の顔を見上げながらやれ、と教えられていたのを忘れていた。
しまった、と思った私を両脇から抱きかかえ、立たせた。
キスをされた。今度は彼の舌が私の口の中を蹂躙した。もう、完全に彼のペースだった。
イっちゃった、というわけではないが体から力が抜ける。
彼の左手はそんな私を抱きかかえ、後ろから左のおっぱいに近づく。
カットソーの裾から入り込み、左側だけまくりあがった状態のまま、ブラジャーとおっぱいの隙間に侵入してくる。
右手はスカートの下から、同じようにスカートをまくしあげて侵入してくる。
フトモモを彼の指が優しく上へとなで上げる。
付け根まで来ると、そこから逆向きに動く。正面から純白のパンティの中に、彼の指が入ってくる。
「あぁ・・ん」
完全に主導権を握られた私は。軽い屈辱を感じながらも官能に身をゆだねるしかなかった。
秘裂をなぞった彼の指は、私のクリトリスを探し当てると少しだけ刺激して再び秘所をなぞる。
少しだけ、入り口だけ私のアソコを刺激して、またクリトリスへと戻る。
「あぁん・・・くぅん・・・」
彼の舌に蹂躙される口からとろけきった喘ぎ声がどんどん漏れ始める。
この人は、私が男だったことなんか知らない。彼にとって、私はただの女。
快楽を貪る対象。そんな思いが朦朧とする私の頭にわきあがる。彼にとっては、ゆっこはただのゆっこ。
そんな中では、もう自分のココロに「エッチなゆっこ」を刻み込む必要もない。
そのままベッドに連れて行かれて、押し倒される。力が抜けて仰向けになる私。
彼は少しはだけていた自分の服を、歩くためにあげたパンツも含めてすべて脱ぎ去った。
ああ、それは私が脱がせる予定だったのに。彼に主導権を握られた軽い屈辱が再びよみがえる。
素っ裸になった彼は、私のスカートの中から、パンティだけを下ろして、スカートを再びたくし上げて、そのままクンニの体勢になる。
私のアソコに顔をうずめて、なめはじめる。
「あぁんん・・・いやぁ・・・ん」
拘束がなくなった私の口は、自由に喘ぎ声を上げることが出来るようになった。
「気持ちいぃ・・・よぉ・・・ひろきぃ・・・さん・・・」
これ以上、やられっぱなしでたまるかという意識と、このまま快楽に身をゆだねていたいという気持ちが私の中で戦っている。
このまま、私は今日も落ちていく・・・オンナになっていく・・・それでいいのか・・・私は・・・男なのに・・・
混乱している。いや、そんなことはない・・・私は・・・エッチな女の子・・・
「あぁん・・・あぁん・・・あぁん・・・」
私は喘ぎ声を上げながらも、負けられない、という思いもあった。
でも、そんな私に出来たこといえば、仰向けのまま、自分で服を脱ごうとすることくらいだった。
ジャケットを何とか脱いで、カットソーを脱ごうとする。
すると、どうしても下半身も動く。私の動きに気づいた彼がクンニをやめて、起き上がる。
彼は私の服に手をかけて、バンザイの体勢にして、脱がせた。
ブラジャーも彼の手によって剥ぎ取られた。結局、服も彼に脱がされてしまった。
彼はそのまま胸をなめ始めた。おまんこには左の手が伸びてきた。
丁寧に、私の胸を、彼がなめた。彼は、上目遣いで、よがり狂う私の顔を見ている。
目が合うたびにすごく恥ずかしい。屈辱も感じる。
その屈辱が、彼に主導権を握られたゆえなのか、男にいいように扱われているからなのかは、もうわからなくなっていた。
彼の口が、舌が、私の顔を見上げる体勢のまま下に移動する。
おなかをなめながら下に移動する。
まくりあがったままのスカートという境界線を越えて、再びクンニの格好になって、
自然に開いていた私の足を抱えて、じゅるじゅるっ、といやらしい音を立ててなめる。
私は、これ以上負けていられないと思った。
「あぁん、あぁん」
よがり声を上げながら、彼の口があるアソコを円心にして横に回ろうとした。
最初はそれにつられるように動いた彼も、私の動作の意味を察したようだった。
私は下から彼のチンポをくわえる、シックスナインの体制を作ろうとした。それを彼は察したのだ。
しかし、それでいて私の動作そのものを受け入れたわけではなかった。
彼は起き上がって、私の腰を両手で持ち上げた。
「きゃっ」
私は突然のことに少し驚いた。彼は仰向けになってその持ち上げた腰の下に頭を入れて、私は体を起こした。
ひざ立ちになって、顔面騎乗位の体勢でまたクンニが始まった。
私は最初の予定通り、彼のチンポをしゃぶるために前に体を倒した。
ようやくシックスナインができあがった。でも、それにしても、なんと言うことだろう。
結局シックスナインに持ち込むことすら、彼のペースで進んだ。
私はその屈辱を打ち消すために思いっきり舌を使って、負けないように、
じゅるじゅるっ、といやらしい音を立てながら、彼のチンポをしゃぶり始める。
最初はそうしていたが、彼が突き上げるように下から腰を使い始めると、再びわたしの口は蹂躙されるだけの性器の変わりに成り果てた。
一方、彼は指を抜き差し、時にはクンニを中止しながら、私のおまんこをもてあそぶ。
「あぁん、あぁん」
上下の口に走る快感に、あっという間に私はイってしまった。体から力が抜けて、彼の体に倒れこむ。真っ白な頭の中。
それでも、なんとか彼のチンポを横から持ってしゃぶろうとする私。
「イっちゃったの?」
と、彼が聞いてくる。
完全に私の負けだった。
彼はクンニをやめて起き上がると私をまた押し倒した。
枕を私の頭の下に敷いた。十分に濡れていたアソコの入り口を彼のチンポがなぞる。
「あぁん・・・」
すぐには入れてくれない彼の顔を見つめて、「早く入れて」と目で訴える。
「もうイっちゃったんだからいいなじゃない? どうしてほしいの?」
「いやぁん・・・いわせないでぇ・・・」
「何を?早 く、入れてとか、はめてとか、言わないと、もうゆっこちゃんはイっちゃったんだからいいのかな?って思っちゃうよ」
完全に敗北したゆっこの口から、敗北宣言が発せられることを求める彼。
私は敗北には屈辱を感じていたが、それを受け入れることで、彼のチンポが入ってきて私のおまんこの中を、
奥に当たるくらい突きまくって欲しい、とも感じていた。
男だった私の心はこんな屈辱をも感じていた。
ずっと好きだった愛を、お姉ちゃんをもこんな風に抱いているこの男に、女になった今も、
エッチなゆっこになった今も、勝つことは出来ないのか、と。
男としての屈辱が湧き上がってくると、「エッチなゆっこ」は、それを捨てることをカラダで覚えさせられていた。
お姉ちゃんはそうやって私を「開発」してきた。
そうすることが私の幸せなのだ。
そんなところで突っ張ったって、どうにもならない。ココロは、官能に打ち震えることを選択した。
「入れて・・・ゆっこのおまんこに・・・ひろきさんのおちんちん・・入れて・・・」
完全敗北の言葉がでると、彼は何も言わずに、ずぶずぶ、と私の秘所に割ってはいってきた。
ゆっくりと動き出す。
「あはぁ・・・」
少しずつ、ペースが速くなる。私は、両手で枕の端をつかんで痛みと快楽に耐える。
「うぅん・・・うぅ・・・ん」
体中を走り抜ける官能に、具体的な反応をあらわすことが出来るのは、必死で枕をつかむ両手と、ぴん、と立った乳首と、首から上だけだった。
首を上下左右にふり、快楽を受け入れる。目は閉じたままだ。
「あぁん・・・あぁん・・・」
もう、彼の動きに私は合わせるしかなかった。
なれてくると、私は下から腰を使うようになった。
敗北を受け入れた私の、せめてもの抵抗だった。
男だった私のプライドのかけらだった。お姉ちゃんから指示された「エッチなゆっこ」の使命だった。
せめて、自分の動きだけでイカせたくない。そんなことを頭のどこかで感じながら。
すると、腰の動きを止めた彼が、私を抱き上げて、四つんばいになるように言った。
後ろから、すぶっ、と私のおまんこを刺した。
「あはぁん・・・」
中で運動するときとはちがう、あったかいチンポが入ってくるときの感触。
私のココロは、また、彼の腰がゆっくり動き始めることを予想していた。
その予定で枕に顔をうずめて快楽に耐える準備をする。
ところが、彼の口からその予想を否定する言葉が発せられる。
「自分で動いてみてよ」
敗北を受け入れながらも抵抗を続けた私をあざ笑うように、彼が命令する。
完全な敗北の上塗りに、後ろから突き刺さった男のチンポを相手に、
自分から快楽をむさぼれ、という命令。男だった私にこれ以上の屈辱はなかった。
そして、自分の中の男が顔を出すと、決まって次には「エッチなゆっこ」が逆襲をはじめる。
そんなプライド捨てちゃいなよ。気持ちよくなれるよ。
「エッチで淫乱なゆっこ」は快楽を求めて、両手を前足にして、腰を動かす。
「あぁん・・・あぁん・・・」
私の中の男を、いつもとはちょっと違う方法で消していく。
お姉ちゃんの力を借りずに、自分の力で「エッチなゆっこ」をココロとカラダに刻み込む。
そう思うと、屈辱を受け入れることなどなんともないことだった。むしろ、誇らしいことにすら思えた。
「あぁん、うぅん・・・いい、いい・・・よぉ・・・」
いつの間にか、前足は崩れ、枕に顔をうずめて、必死に枕を抱えながら、私はよがり狂う。
彼も再び腰を動かすようになる。しばらくすると彼はまた体位をかえる。
騎乗位の体勢で、また、私に腰を動かすように命令する。私は丁寧に、精一杯激しく腰をグラインドさせる。
「あぁん・・・あぁん・・・」
そうやって得た快感の、その上を行く快感を私は与えられる。
私が懸命に腰を動かして快楽を貪っても、そんなものは彼が動いたときに得られるものにかないはしないのだ。
「う・・・ふぅ・・・あぁん・・・」
そんな屈辱、敗北を感じるたびに、出現する私の中の男、
それを打ち消すために快感を受け入れさせようとする「エッチなゆっこ」
そのせめぎあいは、いつも「エッチなゆっこ」が勝利する。
そうして、今日も私は少しずつココロとカラダに自分が「エッチで淫乱な女の子」であることを刻み込んでいく。
「あぁ〜ん。もう、いっちゃう〜〜」
正常位に戻った彼が腰の動きの激しさを増す。
「あああっ、おう」
彼がイった時には、私はもうイカされたあとだった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
乱れた呼吸を整える。
「すてきだった。気持ちよかったよ」
宏樹さんが私をほめてくれる。
それだけでは、その日は終わらなかった。
そのままバスルームに連れ込まれた。
そこでも主導権は握られっぱなしだった。
シャワーでアソコをあらわれたり、彼の求めるままに彼の体を、チンポをあらったり。
そうしているうちに、彼は回復し、そのままお風呂で第二ラウンドが開始された。
あったかいお湯の中での交わり。
お湯と汗とエッチな汁が混ざり合った、エッチな空間。気持ちよかった。
ベッドで、もう一回抱かれて、計三回。私のカラダが彼をイカせた。
「エッチなゆっこ」は、今日は思いっきり彼を攻めるようにお姉ちゃんに指示されていたのに、それが実行できなかった。
でも、三回もエッチなゆっこのカラダが彼をイカせたことは、「エッチで淫乱なゆっこ」のオンナとしてのプライドの種に水を与えて、芽を出させたのだった。
帰ったあと、お姉ちゃんに、今日の仔細を報告した。
指示を実行できなったこと、でも、自分から彼を誘い、精一杯いやらしく振舞ったことなどで、自分を弁護した。
「でも、出来なかったんだから、おしおきね」
お仕置き、その官能的な響きに、宏樹さんに抱かれて官能を受け入れた私のカラダはまた熱くなる。
私のカラダは、ココロは、その「おしおき」を歓喜をもって受け入れた。
正直、男の宏樹さんとのセックスは、激しくてすごくよかったけれど、彼が男であるがゆえに、
いつものお姉ちゃんの「開発」と比べると、彼がイったあとなど、ちょっとあっさりしていて、
それに、私がイカされた回数でも、ちょっと物足りなさを感じていた部分があった。
そんな隙間を、お姉ちゃんは見事にうめてくれた。
「ばかねぇ、はじめっからかないっこないことくらい分かってたわよ」
お仕置きのあとで、お姉ちゃんが言った。
「でも、あなたがそうやっていやらしく振舞ったことで、宏樹の心にも火をつけちゃったのね。よかったねぇ。
それは、宏樹、あなたのことを本気で攻めまくってたんだよ」
お姉ちゃんは今日の種明かしをした。
「そうだったんだ・・・」
「エッチなゆっこ」に芽生えたプライドが少しくすぐられた。
「さぁ、もう寝よう。まだ6連戦の1日目しか終わってないよ」
私は目を丸くした。
そういえば、朝、これから入学式までの間、男とやりまくって修行をするようなことを言っていたことを思い出した。
「エッチなゆっこ」が。明日からの「修行」に、期待で胸を昂ぶらせながら眠りについたのは言うまでもない。