もうもうと辺りを覆う湯気の所為か、それとも僕自身の疲労の所為か、天井のタイルが霞んで見える。
お風呂場の中には不思議と嫌な臭いは全く無くて、ハーブ系の淡い香りだけが漂っている。
微かな香水の香りは僕のお腹に伏せている犬からのものらしい。
獣臭さや嫌な臭いが隠されているのは、僕にとっては救いだった。
「は、あぁ・・・・・くっ、う」
お尻に力を入れてお腹を膨らませていたぬるま湯を追い出す。
抜け出たばかりのホースが足元で水を吐き出しながら踊っている。
ようやく僕は二度目のぬるま湯浣腸から解放された。
お尻の穴がひりひりする。新しく水を入れられる間、何度も高められてはおあずけされたヴァギナも火照りっ放しで、
僕の意思とは関係なく涎を溢れさせながら襞を蠢かせるそこは、まるで別の生き物みたいだった。
犬達が僕から離れて、視界に雪香の姿が現れた。
今、僕は昂奮しきっていて酷い姿だと思う。目
を合わせるのが嫌で、裾からうっすらと覗ける雪香のワンピースの中へ目を逸らしておいた。
「さすがのなかばも大人しくなったみたいね」
足で首輪を嬲られる。その刺激にまで心地良いものを感じる自分が嫌だ。
何か言おうとすれば体に満ちた熱の催促をしてしまいそうで、口を半開きにしたまま細い息をするだけしかできない。
「さて、洗うのもやっと終わったし。最後の下ごしらえをしてあげる」
どん、と重い物が置かれてタイルに響いた。
下ごしらえがどういう事なのかはわからないけど、僕は首を左右に振った。
ゆっくりと、弱々しい振り方になってしまったけど。
見てみたら、近くに置かれたのはポリタンクだった。
さっき雪香が持ってきていた奴で、5リットルかそこらの容量の奴だ。
何が入っているんだろう。何に使うんだろう。
雪香はタイルに投げ捨てていたポンプを拾って、手にしたホースのキャップに取り付けた。
ポンプが接続されたホースにさっきまでよりも獰猛なものを感じて、足元の方へ移動された時、僕は身悶えして叫ぶ。
「そんな、挿れる、な・・・・・」
叫んだつもりだったのに、囁く様な声しか出なかった。
雪香には届かなかったみたいで、体を動かしての抵抗も気にされた様子がない。
浣腸と女性器への責めに、自覚している以上に弱らされてしまったみたいだ。
お尻をキャップが突付いたと感じた途端、すぐに潜り込んできた。
入り口を開かれて引っ掛かれるのが段々気持ち悪くなくなってきてる。
不意に、お尻の中には有り余る程の刺激を与える癖にヴァギナには制限させる雪香が、異様に憎らしくなった。
熱を我慢できずにそんな事を考えてしまう、自分自身も。
ホースが奥深くに這い進むのを覚悟していたけど、今度は潜ってすぐの入り口近くで止まった。
その代わり、シュコッと音が鳴る度に僕の中で何かが丸く膨らんでいく。
「はぅ、何・・・・・」
「途中で出て来ないようにね。バルーンで止めておいてあげてるの。
ホースには逆流防止弁も付いてるから、このポンプを使って空気を抜かないと、なかばは絶対に・・・・・ふふっ」
歪んだ微笑みはまともじゃないものを感じさせた。
お尻の内側からの圧迫が最大になると、取り外されたポンプがタイルに跳ねて乾いた音をたてた。
僕を塞いだ風船は、最初のアナルストッパーより遥かに大きい存在感がある。
(また、出せなくされた?)
治まったはずの腹痛がフラッシュバックする。
最初の浣腸の3倍以上の液体が入っていそうなポリタンク。
手を使っても抜けない程膨らまされたバルーン栓。体がガタガタ震え出す。
「そんなに怖がらなくて大丈夫。なかばが私の言う事をきちんと聞いてくれれば、そうまで苦しくはならないわ」
言う事を聞かなければ、想像以上に苦しくしてやる。
僕にはそう聞こえた。
お尻から伸びているホースが蓋を開けられたポリタンクの中へ入れられる。
僕を陵辱する作業が淡々と進む。そこには雪香の意思だけで、僕の意思は、ない。
雪香がホースの真ん中辺りを持ち上げると、そこだけ太くなってスイッチみたいな物がついていた。
一瞬の迷いもなくスイッチが押し込まれる。
ヴゥゥゥゥゥゥゥ。
低いモーター音が響いてホースの中を目に見えて何かが通り始めた。
じれったくなるくらいの速度でゆっくり・・・・・僕に近付いてくる。
声も出せなくて僕は首を振った。
「なかば、いい? このタンクの中には6リットル入ってるの。全部無理に入れたらどうなるか、わかるでしょ?
すぐに気が付くと思うけど、ただの水じゃないしね」
ただの水じゃない。曲がりくねったホースの中を通るものは勢いが全くなくて、
普通の液体じゃなくてゼリー状なのが直接見なくても、薄々わかっていた。
水より入る速度が遅そうだからそれはいい。でも、6リットルという量は僕の頭に重く響いた。
怖くて、とにかく恐ろしくて、僕は横向けになって丸くなった。
緊張して体に力が入って、肛門に入っているものがより生々しく感じられてしまう。
そうしていると雪香が、僕に見える様にか、少し離れた所に立った。
見るとなしに見ていると、あいつが自分でワンピースの裾を持ち上げる。
一瞬、自分が女の子になって酷い仕打ちを受けているのも忘れて、心臓が期待に跳ねた。
そして次の瞬間、僕はさらに目を見開いた。
そうさせたのは男として裏切られたという気持ちと、自分の体が女だと自覚した心が感じる恐怖の所為だったと思う。
雪香は下着を着けていなかった。でも、驚くべきはそこじゃない。
あいつの股間には、ペニスがあった。赤黒い、血管の浮いた、男だった時の僕のモノよりも大きい立派なペニスが。
既に勃起して臍まで反り上がったその根元は黒い恥毛に覆われていて、奥にあるものはわからない。
ただ、睾丸がないのは明らかなのでヴァギナはあるのかもしれない。
アンドロギュノス、なんて言葉を思い出す。
熱の残る僕のヴァギナがひくっと蠢いた。ペニスを見て反応したなんて、考えたくはないけど。
雪香があれをどうするつもりなのか、今の僕は女の子で、
受け入れる為の器官があるんだと思うと感じた事のない恐怖が大きくなる。
(あんなの、入る訳ないよ)
雪香の巨根に対して、僕に出来てしまっている割れ目は幼過ぎる。なんとかしてこの場を逃れたい。
けど、僕に残されている逃げ道は見っとも無く哀願するくらいしかない。
悔しさに奥歯を噛み締めると、とっくに出尽くしたと思っていた涙が一筋、目から溢れた。
その時、僕のお尻の中にとろっとしたものが流れ込んできた。
「今までは私がしてあげてたけど、今度はなかばがする番よ。
お尻に入れるのを止めて欲しかったら、私のこれに奉仕しなさい。手を使わずに、そのかわいいお口だけでね」
すぐ横まで雪香が近付いてきて、僕の顔の上に凶悪なペニスが突き出される。
(フェラチオをしろって言うのか? 僕に・・・・・)
いくら雪香が美人だといっても、男性器が生えていても女なんだとしても、
体はともかく男である僕がペニスを口に銜えて奉仕するなんて真似、出来る訳が無い。
「ほら、早く起きて。四つん這いになっておしゃぶりしなさい」
出来る訳がない、けど、しなかったら?
お尻に入ってくるものは止まらなくて、ヴァギナの疼きも放っておかれたままで、お
腹が限界まで膨らんだら我慢も出来なくなって、結局僕は雪香の言いなりになるしかなくなるだろう。
意地を張ってもっと無様な姿を晒すくらいなら、初めから言う事を聞いた振りをしておけば。
そうだ。
今だけ。今だけでいい。
言いなりになった振りをして油断させれば、逃げるチャンスだってきっと広がるから。
あからさまな反抗は自分を追い詰めるだけだから。少しでも酷い事をされずにやり過ごす為には仕方ないから。
そう、逃げる為には、仕方ないから。
僕は震えながら力を振り絞って、四つん這いに身を起こした。
気付けば口先にペニスがあった。雪香から動く気はないみたいでじっと待っている。
青臭い臭気が鼻に届く。心臓が警鐘の様に鳴る。露出した亀頭は真っ赤なえらを大きく張り出している。
頭のどこかでやめろという声がする。ペニスの先からは透明な液体が滴っている。
お尻の中に少しずつゼリー状のものが溜まっている。
代わりにヴァギナの奥から時々湧き出る蜜が、陰唇を撫でて床へ落ちてるのがわかる。
口を開いて臭気を受け入れる。これ以上は引き返せなくなる気がする。
でも、仕方ないから。
僕は目を瞑って頭を前へ進めた。
硬い弾力のある熱いものが舌に触れる。小さく割れた部分を感じると、しょっぱい雫に味覚を刺激された。
びくん、とそれが震える。
「そう、そう。いい子ね、なかば」
男の時よりも繊細になった髪を撫でられて、首筋がぴりぴり痺れた。
なんだか妙に心が湧き立つのは、狙い通りに雪香を油断させられたからなんだろうか・・・・・。
僕は思い切ってペニスを銜えた。
口の中一杯に太くて青臭いものを迎え入れる。舌で幹をなぞると浮き出た血管のゴツゴツした凹凸を感じられた。
「巧く出来たらオマンコもイかせてあげる。イきたいんでしょう?」
雪香の言葉に僕は目を開けた。四つん這いの姿勢から口の中のものを出さないように目だけで見上げてみると、
愛しいものを見る様な目で僕を撫でていた。
ちゅぷ。
蠢いた襞が愛液を掻き混ぜた音が僕の股間から小さく伝わった。
雪香の顔を見て反応を確かめながら舌を動かす。
ヴァギナが火照ったままじゃ冷静になれないし、落ち着いて逃げる方法を考える為には、
今は雪香に一生懸命奉仕しないと、仕方ないから。
「ん、んふ、んぅ」
喉の近くまで使ってペニスの3分の2くらいを口に入れた状態で、つるつるした亀頭からえらを舐め回す。
生臭さを感じながら幹にも唾液を塗っていく。そうしていると雪香は僕の口の中をより大きく広げて膨らむ。
顎が痛い。口の端からも唾液が零れてしまう。
ちくっとした感触が閃いた。
「んっ、ん!」
お腹の方、お尻の中からだ。入り口だけじゃなくて直腸全体がなんだかむずむずする。
お尻を振って中のホースで刺激してみようとするけど足しにならない。
それでも少しはと思って尻尾みたいにホースを振ってみる。
(何これぇ、お尻が変・・・・・あそこと同じみたいに、変な感じがする)
「あ、効いてきた? 今なかばのお尻に入れてるのはね、媚薬の効果があるの。
早く止めないと、お尻もオマンコになっちゃうかもね」
楽しそうに雪香が笑う。
気が付いてみればお腹もまた張ってきていた。ど
れくらい入っているのかはわからないけど、むずむずする感触はかなり奥まで来ていた。
(媚、薬?)
ヴァギナに残る熱とお尻の中の痒みが下半身を包み込む。
お尻が震えてあそこをどうしようもなく何かに擦り付けたくなる。
触っても無いのにクリトリスが急にじんじん疼き始めた。
「私をイかせたら、なかばもイかせてあげる」
「うんんぅ、んんん、あむぅぅ」
早く、早く巧くしないと。巧くペニスを舐めてイかせて貰わないと、おかしくなる!
(最初にされた時みたいにすれば)
僕はフェラチオされた時の事を思い出して、同じ様に頭を動かした。
ちゅばっ、と音を立てて鈴口を吸い出しながら唇を引く。
じゅぷっ、と唾液と先走り液が混ざった粘液を泡立てながら唇に飲み込む。
そうしながらも舌で飴を味わう様にペニスをぬらぬらと舐め回す。
「ちゅぷ、ちゅぷ、んっ、ちゅぷ・・・・・」
雪香のペニスが僕の口の中でわななき始めた。放出が近いみたいだ。
淫靡な水音を立てて奉仕しながら僕は、はっとした。
(飲まされる!?)
僕の時に雪香がした様に。
「さすが元男の子、いい所がどこかわかってるね。さあ、なかば、全部飲まないとお尻のも抜いてあげないよ」
頭を両手で捕まえられて逃げられなくされた。
どっちにしろお腹はもうぱんぱんに張って苦しくなってきてる。
お尻の中だって割れ目の奥だって疼いて疼いて、弄って貰いたくてしょうがない。躊躇してる暇なんてなかった。
「んうっ、んんふ、んぅ、んんふっ」
僕は喉まで使って激しい注挿を繰り返す。自分の口が女性器になった錯覚を覚えた。
ふっと冷静な感情が湧いて、今の自分を冷たく見据える。
美女の股間からそそり立つ男性器を四つん這いになって銜えて、幼さの残る顔に似合わない淫らな奉仕をする、
お尻からホースを生やした裸の美少女。
(でも、仕方ないんだ)
ペニスが跳ねた。
「飲んでっ! 飲みなさいよ、なかば!」
「んふうぅぅぅうっ!」
裸の僕はワンピースの美女に股間に押し付けられて、口に精液を思いっきりぶちまけられた。
びゅくびゅくびゅく!
音が聞こえそうなくらい強く、喉に粘液を叩きつけられる。
ペニスに占められた口内の僅かな隙間を粘液が満たしていく。唇の隙間からどろどろ零れ出てしまう。
「零したら駄目よ! 全部飲まないと6リットル全部お腹に入れてあげるから」
脅迫にお腹の張りが一層強くなった気がした。
僕は慌てて口の中に溜まった精液を喉を鳴らして飲み込む。
「ん、く、んく、んく」
栗の花の強烈な臭いが鼻に抜けていく。ねばねばしたものが喉に絡みながら食堂を滑り落ちていくのがわかる。
苦くて塩辛いそれを吐き気も感じずにスムーズに飲み込めている自分が不思議だったけど、
それ以上考える間もなく、次から次へと腐液が銜えた幹を脈動させて飛び出てくる。
僕は何度も喉を動かした。なのに、止まらない。
「んくん、くん・・・・・ん、んくぅ」
「ほらほら、どんどん飲まないと、んっ! まだまだ出るよ」
苦しい。お尻がチリチリして一杯で、下からもどんどん入れられてるのに、
もう喉を動かすのも嫌なのに、どっちも止まってくれない。
腸には粘着性の媚薬を、胃には青臭い精液を詰め込まれて、
息をするのも辛くなった僕はついにペニスを口から放してしまった。
「ぷあ、あっ!」
びちゃびちゃ、と白濁液が頭から振ってきた。外に出たペニスが噴火みたいに射精しながら跳ね続けている。
僕は呆然としてその光景を眺めた。物凄い勢い。口の中で受け止められていたのが信じられないくらいだった。
頭に、顔に、唇に、背中に、お尻に、精液を浴びて、ようやく長い放出は終わってくれた。
お尻の奥のむず痒さに腰を振りながら、雪香の表情を確かめる。
言われた通りに全部飲めなかったから、怒ってホースを外してくれないかもしれない。
怖くて、表情の消えた雪香の顔から逆に目を逸らせなくなる。
固まっていると、横座りした雪香に正面から抱き寄せられた。
「いいの、一生懸命だったからね。いい子だったよ、なかば」
片手を頭の後ろに回されて、胸に抱かれて髪を撫でられる。
怒られると覚悟していたのに。戸惑っているとタイルの上を探った気配がして、ホースのキャップがお尻で動いた。
シューっと音がして入り口のバルーンの圧迫感がなくなっていく。
「ふ、あああぁぁぁ・・・・・」
勢い良くキャップが抜けて、僕は躊躇う事なく解放した。
「苦しかった? でもずっと我慢したあとだと、気持ちいいでしょう?」
「んっ」
顎を持ち上げられて、唇を塞がれる。挿入された雪香の舌を、舌で迎える。
水と違ってゆっくりとしか出せない粘液の流れが、疼く直腸を撫でていくのが気持ちいい。
(でも、このまま気持ち良くなってもいいのかな。雪香に気持ち良くなんてされてて・・・・・いいのかな)
そんな疑問も浮かんでくるけど。
気持ちが中途半端なままじゃいい逃げ方も考えられないから。
ヴァギナの、お尻の、心の疼きを止める為には今はあいつにされるままになるしか、
そういう振りをするしか仕方がないから。
僕は雪香の上に座って少しずつお腹を解放しながら、舌に舌を絡めて唾液を交換する。
「ん、ちゅっ、んんぅ、ちゅく」
優しく口内を愛撫されながら髪を撫でられると、胸の奥が苦しくなって、自分より大きな体に強く包まれたくなってしまう。
それをわかって強く抱き締めて貰えるのがたまらなく嬉しい自分を、信じたくはないけど、僕は確かに見つけていた。