いつかどこかの とあるところに 猫がいました
みみの先っぽからしっぽまで まかっかで ひとみもまっか
ところどころ金色の毛並み
めずらしい猫でしたが やっぱり猫でしたから
おひるはお日様が 毛をふかふかにするから好きでしたし
よるはお月様が 後ろをついてくるので好きでした



猫は 最初 ひとりっきりでしたが
なでるとふかふかで
ねずみもむしも まっかな猫のまえではいっぽも歩けません
それに だれにも やさしくノドをならすので
いつのまにか いつもひとがそばにいました



『こんな毛並みを見たことはない。だから、猫いがいのものだろう』
『どんなエモノでも取れるから、猫より強いいきものなんだわ』
『こんなに賢いのだから猫じゃあないでしょう』
ちかくにいるひとも とおくにいるひとも 猫をみてそう言います
猫は猫でしたし 自分を猫と知っている猫でした
猫いがいになる予定のない猫です



猫はほかにも猫がいることを しっていました
夜みたいにくろい猫や 緑色のひとみの猫
それにくっついて回ってる猫も友達です
そのほかにも、出会ったことのある猫もいれば
会ったことのない猫がいるのも知っています
ただ 遠いところに住んでいるので 
ときおり 狩りをいっしょにすることがあっても
一番大切なものが違うので ずっといっしょにいることはできませんでした
それが毎日だった日のことです



しらない はいいろの猫が ナワバリの中にいました
まっかな猫は 猫もすきだったのでほうっておきました
しらない猫は 毛づくろいをして ごはんをたべて ひるねをして
またどこかへふらりといってしまいました
気にはなりましたが もう来ることはないと思ってましたから



夏から秋になって またあの猫がきたときは びっくりしました
猫はまたくつろいで 毛づくろいをして ごはんをたべて ひるねをしています
まっかな猫は これはどうしたことだろうと おもいました
ちいちゃい猫ならともかく はいいろの猫は どうみてもおとなの猫で
そのくらいになれば ナワバリがたいせつなのは みんな知っています
あのハイイロは まったくもってヘンな猫だと毛を整えながら まっかな猫はおもいました
猫たちには いく道も まどろむところも お日様とお月様にしめされます
それなのに どうやらあのハイイロは みちくさをくっているようなのです
ここらにいる ねずみもむしも そこいらと変わりがありませんし
なでるひとには あまりちかづきません
ナワバリかともおもいましたが ここにまっかな猫がいることはしっているようです
だって おはようといえば おはようと返しますし 魚をたべるか聞くとうなずきます



しっぽを二度三度ふって もひとつ聞きました
どうしてここにいるの
だって ここにはまっかな猫がいるだろう
けろりといわれたことが よくわかりません
たしかにいるけど それがどうしたの











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