蟲
「うううう!!!!!」
『今のお前なら、蟲を『入れても』痛みは感じない・・・』
そう男は言った、しかし、細胞の間を開かれそこにとげの生えた不気味なケチン質の足が押し込まれるのだ。痛みと、異物感はじゅうぶんにあった。
「うぁああああああ!」
『・・・痛みは感じない、バックスほどにはな。』
ロジャーは、では、どれほどの痛みを感じていたのだろう?それを思うと、恐ろしい気がした・・・あ・・・2本目、3本目・・あああ・・・そしてすべての足が・・・・
「ひいいいいい・・・・ふぁああああ!」
痛みにあげたはずの絶叫の後半が甘くとろけていた。 脛の正面から刺さるこの蟲の脚は、わたしの右の下肢から、危険な甘い痺れをつたえてくる・・
(だめぇ・・・まけちゃ・・・!)
しかし、わたしの踏ん張りもむなしく、その蟲がわたしのふくらはぎの中を(!)這い始めると、わたしは全身がカーッと熱くなり、身体が小刻みに震えるのをとめることが出来なかった。
「う・・・ふぅ!・・・あわわわわあああ!」
両手をロジャーの肩にかけ、私は必死で身体を支えた。蟲は・・・さらに、はいあがってくる・・・ふくらはぎの中で、向きを反転し、私の体の後面から、骨伝いにはいのぼり・・・
「ぐ・・・はああああああ!!!!!!!」
その前足が、左の膝の裏側を引っかいたとき、またしは、体をガクンと前につのらせた。胸と頬が、どろどろにただれたロジャーの厚い胸板に押し付けられる・・・
次の瞬間、革の様にざらざらとし手、そして同時にじくじくと湿った掌のようなものに私のお尻っぺたがつかまれ、ぐっと開かれる・・・
「ヒドミィィィィィ!・・・・やらせおおおお!!!」
ロジャー! そうだ、虫が抜けて、また、正気を失っているのだ・・・
「い・・・いやぁ! やめて! ロジャー!」
そういってわたしはかつての恋人を押し戻そうとする、でも、がっちりと抱かれて離れられない!そうしているうちにも、蟲は敏感な、私の太ももを這い上がり・・・あああ・・・骨の近くから、その、鋭い足先を、内側から・・・表皮の神経をかきならすように・・・
だめ・・・ああああ・・・感覚が、激しくゆすぶられすぎて・・・力が・・・入らない!
知らぬ間に、私のお尻をわしづかみにしたロジャーの両手で体を宙に持ち上げられてしまっていた・・・
「ヒドミいいいいい!! お・・・おおおっばい! おばいいいいい!!!!」
ロジャーが、気の狂ったような声を上げて、私の乳房に吸い付いてくる・・・
的確に、脇からつながる外郭線をなぞり、胸の谷間ををじょうげになめあげ、そして、舌先ではじくように、乳首を・・・ ああああ・・・私が、どうすれば狂ってしまうのか、知りすぎた舌が・・・はぁあああああああ!!!
そのあいだにも、私の右脚に侵入した蟲が、厭らしい足を伸ばしながら、私の体の中心に向かって這い上がってくる・・・ああああ! 焼けるような・・・痛痒・・そして・・・抑えようのない・・・あああああ! 燃えちゃう! 狂っちゃうぅううう!!
わたし、肉が削げ落ちてもなお逞しい、バックス大佐の腕の中で、絞り上げるように体を拘束されながら、体を左右に揺さぶり身悶えていた・・・胸にむしゃぶりつき、お尻をもみあげながら女の秘所やアナルをなで上げてくるロジャーの愛撫がもたらす官能、そして腿の天辺辺りからソケイ部にかけてゾロリ、ゾロリと這い上がってくる蟲の異様な感覚、体中が熱くなり、気も狂わんばかりの性感と激痛に私は意識を真紅に染め上げられる・・・残る力で、何とか自分の体を引き剥がそうとしても、そのたびに襲ってくるおぞましく、甘美な感覚に翻弄され、私の抵抗はほとんど何の効果も持たない・・・
「・・・!!!!」
突然、私の背後からぞわぞわとした、強烈でいてそれで心細いような感覚が湧き上がる! む・・・蟲が、私のお尻に這いこんでくる! ロジャーにもみくちゃにされ、とろけきった私の尻たぶの中に・・・あの、蟲のとげとげの脚が・・・ あ・・・ああああああ!!!!
体を硬直させ、口をはしたなく「O」の字にあけて、大きな声を上げてしまう。伸ばした体をロジャーが支えきれず、わたしは彼の腕の中でゆっくり下に滑り落ちていく・・と、胴のそこに何か、厚い、ごつごつしたものがぶち当たる・・・
「ぐ・・ふああああ!!」
「い・・・ででやうううううう!!!」
ロジャーが目をむき、口の端からよだれをしぶかせながら、体を上に跳ね上げる! あ、だめ! は・・・入ってしまう!!
「い・・・・!!! やああああああああああああ!!!!!!」
串刺しにされていた・・・
ロジャーの逞しいものが私の中心部に、ズリュリという音を立て、肉壁の神経端の一つ、一つを押しつぶしながらはいってきていた・・・
「ぐああああああああ!!!!」
体をゆすり必死で逃げようとする私の体をロジャーは腐りかけた両腕で押さえつけ、渾身の力で締め上げた。湿った、嫌な音がして、腐りかけたロジャーの腕の肉が削げ落ち、二の腕から骨が露出した。
ロジャーが、グフッ、グフッと,獣のような声を上げ、私の体をゆすりあげる!体が反り返り、目に入ったロジャーの顔は、人というより、欲情に狂ったサルのようにおぞましいものだった。
「い・・いやぁ・・・・」
必死で逃げようと、体を泳がせた、でも、ロジャーの力は普段以上に強く、身動きすら出来ない。
「ははは、お前たち、相当体が馴染んでいるらしいなぁ??」
「ち・・・ちがう! あああ・・・やめ・・・させて! いやあああ!!」
外から揶揄の声をかけてくる男をにらみつけ、必死に抗議の声を上げる。でも、次の瞬間、更に峻烈な感覚の嵐が私を襲う・・・
「ホ・・・・ホオオオオオオオオゥッ!!」
ロジャーに、貫かれている、私の女の部分の、すぐ真裏のあたりを、蟲が・・・あああああ!!!体の・・組織に、絡まる、ように、蟲の脚が!
(だ・・・・だめええええええ!!!!)
「・・・・・・・・・・!!!!」
わたし、顔を限界までそらせ、身体を激しく反り返らせ、声にならない叫びを上げて、絶頂に達していた・・・・
甘い死
赤い、赤い熱いマグマの中で、必死に手を掻いて、何とか、おぼれないように頭を空中に出している・・・そんな夢だったのだろうか・・・朦朧とした意識が戻りかけたとき・・身体中をジンジンとする痺れが支配していることに気が付いた・・・そして・・・目を開けると、わたしは床に横たわるロジャーの上に馬乗りになり、下からその剛直で突き上げられているところだった・・・意識が戻った瞬間、恥辱の炎が一気に全身を包み込んだ・・・
「アン!いやああ! だ・・・だめええ!!」
下から突き上げられるたびに上がるわたしの声は完全に甘いものにかわっていた・・・はぁあっ!背骨の下部から、なにかが・・・ああああ・・・鋭い、そしてくすぐるような、それでいて強烈な感覚が・・・湧き上がってくる!
(ああああ! なに・・・? これ・・・??)
すぐに気が付いた・・・さっきの蟲だ・・・ 背骨にそって・・・わたしの敏感な背中を、はいあがってくる・・・
「あはっ! ひっ! ほぅあああっ!!!」
蟲の脚の一本一本が新た繰り出されるたびに、わたしは飛び跳ねるようなよがり声を上げ、もだえてしまう。 ああああ・・・・ロジャーが両手をのばしてくる・・・
あ、乳首を、だめ! つまんじゃ、いやあああ!
「ふぅうううう!いやあああああああ!!!!」
腰がクイクイと前後に揺れてしまう、そして、全身を包み込むぞくぞくする感覚とともに、私の官能はより高い階層へと投げ飛ばされて・・・ああああ・・・でも、 蟲と・・・ロジャーの愛撫は・・・あああ・・・とまるどころか、 ますます・・激しく・・・
「ひぃっ!! はっ! はっ! ・・・く・・はぁああああっ!! うはぁっ!! だっ! だめええ!! ひいああああああ!!」
「ははは! こりゃいいいや!!! Spacegirlのこんな淫らなすがたがみれるとはな! 愉快!愉快!」
男が、揶揄するように声をあげる・・・ 確かに、ロジャーの腐りかけの体にのせられ、はげしく腰を振りながら、連続する発作のような声を上げる私を見るのはさぞ滑稽だったろう・・・
「ぐふふふふうううう!!」
男の、笑い声に触発されたかのように、ロジャーも狂気に染まった声を上げる・・・だめ、ロジャー、狂わないで!正気に戻って!
「ロ・・・ロジャー!・・・お・・・ おねがい! やめ・・て! 正気に・・・もどって!!」
必死で懇願する、でも、彼には私の言っていることの意味など分からないらしく、逆に私のもだえ声に興奮したかのように、さらに、激しく、腰をふりたててくる・・・・
「や・・・いやあああああああ!!」
あああ・・・いつまで・・・つづくの・・・?こんなに・・されたら・・・もう・・わたし・・・
そのとき、筒の外の男が、意外な声をかけてきた・・・
「ヒトミ、バックス大佐を正気に戻してやろうか?」
そのときのわたしに、そいつの言葉の真意を理解する余裕など残っていなかった・・・・
「も・・・もどしな・・さいよ・・はやく・・・はやくうううう!!! おねがいだからぁ!」
まるで、恋人に愛撫をねだるような、甘ったれた(そんな声しか出せなかったが)声で屈辱的に懇願した。
「いいだろう・・・」
男はにやりとした。そして両掌を上向け、上に押し上げるしぐさをしたその瞬間、わたしたちを包む筒がスーッと上に浮きあがっていった!
周囲に、「さわさわ」という音が沸き立つ、それがなにだか分かるのと、わたしたちに向けて縮まってきていた灰色のカーペットがわたしの足元に到達するのはほとんど同時だった。
「い・・イヤアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
足が、膝が、ふくらはぎが、腿が、膝が、腰が、背中が、おなかが、お尻が、胸が、口の中にも、耳にも、首にも、腕にも、頭にも、口の中にも、 おなかの、中まで・・・・・・・
埋め尽くされた。 入り込んできた。 かき回された。 ほじくりだされた・・・後で思えば、瞬時に気が狂わなかったのが不思議だった。
強烈とか、圧倒的とか、どのような表現を使ってもたらないだろう。体中のいたるところを同時に、うちと外から、まるで神経の糸を、アーチュリーの弦をはじくかのように激しくかき鳴らされたのだった。わたしはまるで機関銃を連射されてるかのように体を激しく、でたらめな方向に躍らせていた。
(もう・・・ぐああああ! こんなの・・ウワアアアアアアア!また! いや!もう・・・!! アアア
アアアア・・・またぁあああああ!!!!)
蟲だけではなかった。 わたしの中に自分の分身を埋め込んだロジャーも、また、蟲の多数の侵入を受け、激しく体を痙攣させていた。その振動がわたしの官能に新たな火をつけていった・・・
「だ・・・うぐうあうああああ!! も・・いいいい!!! ぐはあああああああ!!!」
涙、汗、そして、恥ずかしい汁、体中からすべての体液をしぶかせ、わたしは床の真ん中で木津付いた同僚の体にまたがったまま、死のダンスを踊らされている・・・
「ハハハハ! 狂え!くるってしまえ!!! はははは!!! あと4日だヒトミ、そうすれば、もう何も分からなくなるぞ・・・ハハハハハ!!」
男の叫びが部屋に響く・・そんな・・・もう・・・耐えられない・・・あああ・・4日なんて・・・わたし・・・わたし・・・ああああああああああ!!!!!
一際強くロジャーの体が反り返るのと、蟲の体が膣からお尻の穴、、そして背骨から脳に向けて抜けていくタイミングが合致した、その瞬間、焼けるほど熱く、そしてしびれるほど寒い電流の柱が全身を突き抜けた。目の前が真っ白になり、そのままわたしは慈悲深い闇に突き落とされた・・・
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