良く効く薬
「おいっ!」
顎を突き上げられるような衝撃、ほほが2度3度とはられる…ああ…頭がぼおっとする。わたし…どうして…朦朧とした意識の中に今閉じ込めあられているううくらい地下室のような風景が像を結んでくる…そう…こいつらに…つかまって…
「やれ、イルン」
ギャングの首領の低い声が響く…若いエレフィン人、イルンが大きな壷のようなものをもって現れる…イルンは、つぼの中に手を漬け、ゆっくり引き抜く、手首から先がなにかベトベトな緑の液体に濡れている。
{なんだか分かるか?}
答える気力もない...
「よく効くくすりさ。染みるがな! 強烈に!!ハ,ハ,ハ!!」
そう言うとイルンは人差指をわたしの鎖骨の辺りに押しつけた。
途端にやけたてつごてを押し付けられたような痛みがおそってくる!
「いっ!・・・・くっ!」
顔をしかめ、声を漏らしてしまう。
「これでイクのか??Sukebegirl??」イルンが揶揄する。
「う…うるさい!!!早く縄を解きなさい!!!あんたのその目玉くりぬいてやる!!」
強がるわたし、でも、イルンがぬるぬるとした液体をわたしの胸部前面に塗りつけた瞬間
「IYaaaaaAAAAHHHHHH!!!!!!!!!!!!!!!!!」
骨にまで達するような感覚が上半身全体を襲い、わたしはたまらず悲鳴をあげていた。
イルンは、更に、その、悪魔の液体をわたしの背中の…そしてお尻の傷跡に塗りこんでくる!その都度に、ああ…全身が引き裂かれるような…強烈な、感覚が襲ってくる…
「ヒトミ、この液はな、おまえの神経を通常の30倍敏感にするんだ!…つまり、痛みも普通の30倍、熱さも普通の30倍ってことさ!」
「ひっ!…あああぁぁぁ…いっ!!!…あ…あああぁぁぁっ!!!」
「地球の言葉に『傷口に塩を塗りこむ』って言う表現があるな??」
イルンがしゃがんで、すぐたちあがる…そして、手のひらを開く…砂・…? わたしは、恐怖に顔をこわばらせる!!
次の瞬間、お尻の傷口に、火の粉が振り掛けられたような感覚!!そして!!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!」
イルンは容赦しなかった…わたしは体中をチェーンソーに切り刻まれるような痛みに苛まれつづけ、なんども血を吐くような絶叫を上げさせられ、そして、何度気絶したか数えられなくなるまで責めつづけられた。そして、最後に、蝋燭から、熱いろうを背中にたらされ、マグマの海で燃やされているような感覚のあと、すべてが真っ暗になっていった。・・・
闇の監獄
体の上を温かいものが流れている。緩めのやさしいシャワーのような…心地よい…お湯の流れる感覚…ちょうど体温ぐらいの…わたしのからだを控え目に打っておちていく。いや、まとわりついていく...水、じゃない。どろどろした、もっとヌメッとした感触の液体…あっ!...なにかがヌルヌルしたものがそ液体をからだにぬりこめていく。しつこいくらいに、わたしの身体の線に沿って...鍛えた筋肉の、柔らかな肌の感触をたしかめるように...ああ…なぜか、体がピクンと反応する…淫らな…危険な心地よさ…そして
「ひっ!」
わたしは、その、いやらしい舌がわたしの耳の穴の中に器用にはいりこみ、べつの一本がお尻の割れ目にいやらしく滑り込んで来たときに気がついた。
「おめざめかい?スペースガール?」
あ、こいつは!目の前に立っているのはエレフィン人の首領だった。
「薬は良く効いたはずだよ…もう傷も癒え始めたと見える…もう、痛感神経も正常に戻ったは
ずだ…他の神経はまだ過敏のはずだがな??え??」
「は・・・うう・・・放してよ!!あなた…わたしに…こんな…こと…して…た…だ…で…ああ!!済むと思もっ…て…は…うあぁああああ!!!!」
駄目…わたし、触手だらけのいような怪物に後ろから抱きかかえる様にされて…
ああ…前のほうから・・くらげのようなゆらゆらした生き物が…
「あうっ!!や・・・やめてぇ!!なんなのぉ??!!何が欲しいのよぉ!!!」
ああ…乳首が、吸われる!! あ…そこからジーンと…染み込むような感覚が…全身に!!
「ひぃーっ!!!」
悔しい…恥ずかしい…こんな卑劣な奴らの前で…慰み者にされるなんて
「やめてぇぇぇえええ!!ころしてぇぇぇ!!!殺しなさぁぁぁい!!!」
わたしは涙をこらえて叫びつづける…
「ヒトミ中尉、我々は欲しいものなどないんだよ。おまえの身体以外にはな!」
「そうさ、いつまでもおまえを俺たちの玩具にするのみだ。どれだけこれまでおまえに煮え湯を呑ませられたか…」
どうして…わたし、こいつら、知らないのに…??
「Hitomi,わたしが本当は誰か、教えてやろうか??」
エレフィン人の首領がわたしの前に出てくる…
「お…ああああ…おまえなんか…知らないって…あんん!!・・・言って…るで…ああああ!!い…イッチャウ!!!」
首領にあごをつかまれたまま、わたしのからだの暴走が理性を奪いそうになる、
「まだだ!!」
ビシッ! 頬が張られる…痛みに…正気が戻る… そして…わたしの目の前で、エレフィン人の風貌が見る見る崩れていく…
「お・・・おまえは・・・!!」
その瞬間、わたしは悟った…最初から…仕組まれていたのだ…何もかも…
おもい、鉛のような絶望感がわたしの心を蝕んでくる…でも、次の瞬間には、背骨の底から湧き上がる臙脂色の官能に、意識が呑みこまれていく…
「う・・・・はぁああ・・・・・」
あ…こ…こんどは、右の…耳に…ミミズのような冷たい感覚が…ああ・…ッ!!脳みそを直に嘗められてるみたいなそんな…
「ふぁああああ!!!」
あ…そして…後ろから…分厚くて…熱い…物が…わたしの…ああ…中に…
い…いやぁあああ!!!は・・・入ってくる!!!!!
「だ… だめぇええええ!!!!」
こんな…こんな情けない声…ADDの、トップエージェントのわたしが…
あ…そこは…あ、駄目なの!!そんな!!
「ひ…ひゃぁああああ!!!!…そこ!!だめぇええ!!!」
ひぁぁあっ!!!…わたしの…後ろの…恥ずかしいとこに…!!!
「本当は感じているんだろう? ヒトミ・コタニ中尉??」
「いやぁあんん!!」
あ・…わたし感じてなんか???
「気持ちいいだけじゃ、拷問にならないな…」
ああ…感じてなんか…そんな…わたし…淫らじゃ…あ…?!!
「ぐぅぅぅ・・・・!!!」
急にのどが締め付けられる・・・う…後ろから伸びてきた…蛇のような触手が…わたしの首を締め上げてくる!!駄目…い…息が…く…苦る…し…い
「ゲホッ!!、グホッ!!!」
大きくあけた口に、今度は、もう一本、太い、舌のようなものが…!!!ああ!!!喉の奥まで!!!!
(だめぇえええ!!!もう!!!死んじゃう!!!!)
無理やり与えられる官能が、すべての出口をふさがれた肉体の中で暴走している!!そして、酸欠の頭の中で、悔しさと、屈辱と、諦めと、官能と…そして恐怖がゴチャゴチャに混ざり合って、わたしの意識はどろどろの異界のマグマの中に溶けていった…。
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