「いやぁ!」
女らしい自分の悲鳴が情けなかった。わたしのお尻に刺さった大佐の指先はまだ触れられたこともなかった直腸の壁をこそぎ取るように刺激してくる。
「エイリアン達が地球の女と交わるとき前よりもこっちを狙ってくるのが多いのを知らないだろう? なぜかわかるか?」
わたしは必死で首を左右に振った。大佐はわたしの顔を覗き込んであざけるような表情で見つめている。必死で大佐の腕をつかみ、気道を確保しながら後ろからの道の悪寒に震えている私の滑稽な姿が大佐の漆黒の瞳に反射している…
「それはな、コタニ少尉、奴らのものが長いからさ!!」
大佐がそういい終わるか終わらないかの瞬間わたしはそれを感じた。大佐の・・・大佐の指が、伸びるのを!!
「すごく、長くて・・・そして」
あ…そんな! イヤァァァァァァァァァァァッ!
「こんなこともできるのだからな!」
おなかの中で、伸びきったボディスーツの生地が破ける音がした。そして、大佐の指が・・・わたしの、腸いっぱいに、は・・・入って・・・ぐ・・・ グネグネとっ!
猛烈な不快感がわたしを襲う。内臓を、何か、得体の知れない、巨大な軟体動物に蹂躙されている・・・パニックが襲い、体中から汗が噴出す・・・熱が出たように、身体が、熱くなる!
わたしは、逃れようとして、必死で大佐の腕の中で左右に身体をくねらせる!
「よかったな、ヒトミ。おまえはエイリアンとのファックを楽しむ素質があるみたいだぜ!」
ADDの伝説が、下卑た声でわたしをからかう・・・違う・・・こ・・・こんなに・・・気持ち悪がってるのに・・・わたしは必死でかぶりを振る。医務室の鏡に、ドゥイエ大佐の灰色の腕の中で・・・狂ったように白いスーツに包まれた身体を左右に振っているわたしが写っている。それはまるで、灰色の巨大な蛸の腕の中で、むなしくも最後の力を振り絞って身を暴れさせる銀色の魚のようだった。
「お前が嫌がっても、お前の身体は楽しむようになる。いや、もう楽しんでいるんだ。」
わたしは、次の瞬間、襲ってきた強烈な感覚と、自分の声に愕然となった。
「はぅ!ふぅぁああんん!!!」
何かに、何か、舌の様な物に、わたしの・・・あああ・・・女の部分が!
「ひっ! ふぅぁああ! はっ! い・・・いやぁはぁぁああ!い・・・いひぃぃぃぃっ!!」
アソコを舐められる感覚に情けない嬌声がほとばしり出た。
強烈な、凝縮された快感とお尻を責められる、おぞましいような不快感にわたしの感覚は・・・
「へへへ、どうだ?すごいだろう?これだけじゃないぞ!」
あああ!、なにかが、何か、熱くて、ぬれてて、長いものが、わたしの背中に、垂れ下がってくる・・・それが、背筋を・・・その突き出された先っぽで!
とたんに、ぞぞぞ−っとする感覚に身体をそらせてしまう、
「ニンゲンと違ってウデガニホントハカギラナイカラナ・・・」
さっきとは違った金属的な声で大佐が話し掛けている言葉に対してもう、反応する余裕もない・・・身体がびくびく震え、全身の神経がびりびり音を立てて震えている!
あ、こんどは、アーチのようにしなっているわたしのからだの、中心、お臍のあたりに、ぬるっとしたものが・・・い・・・アアアアアアアアッ!
・ ・・ぐ・・・ぐぅうううう!!!
「うでだけじゃないぞ、ヒトミ!」
とつぜん、何かぬれた耳栓をされたように、周囲の音がくぐもり、あっ!あああああっ!耳に!両耳に!大佐の舌が同時に!!
大佐の舌が・・・先で、細かくわかれて、頭蓋骨の中に侵入し、わたしの脳の表面を覆い尽くすように嘗め回してくる!そ・・・そんなかんじが・・・い・・・いやぁあああ!!
「キモチヨクテ、タマンナイダロ?ヒトミ・コタニ??」
直接、脳に伝えられた電気信号のように大佐の声が響いてくる・・・
「ああああ・・・わかんないのぉ! く・・・狂っちゃう! や・・・やめて・・・あああ・・だめ・・・やめちゃぁ・・・あああ・・い・・・いや・・・おねがい・・・ゆるして・・・き・・・きもち・・・わるい・・・ああああ・・・すごく・・・いいいいい!!!!」
鏡の中に、異形の、蛸のような形の化け物に身体を絡め取られたわたしが写っていた・・・そこにはADDの養成コースをトップの成績で進んできた優等生の姿はなかった。未知の、異界の陵辱のまえに、ただただ力なく翻弄される若い女がいるだけだった。
(あああ・・・たすけて・・・おねがい・・・はやく・・・おわって・・・)
こんなに情けない、弱い気持ちになったのは初めてだった・・・
「ヤツラニハ、ソンナカンタンニヤメテハモラエナイゾ!トクニ、オマエミタイナエウマソウナオンナガアイテノトキハナ!」
触手の生えている本体の首のあたりには厳しい教官の顔がある・・・ああああ・・・いったい・・・ドゥイエ大佐は・・・やはり・・・エイリアンだったの・・・?
信じられなかった・・・わたしは、朦朧とする意識の中でその事実を絶望的に悟っていた。
この体勢では、いくら頑張ったって、何本のもの触手をもっているドゥイエ大佐から逃れることはできない・・・
「モウ、アキラメルノカ?ヒトミ??」
頭の中にからかう様な大佐の声が響く。
「い・・・いやぁぁぁぁぁぁ!! はなしてぇ!!!!」
全身に残った最後の力を振り絞り、絡みつくドゥイエ大佐の拘束から自分を解き放とうとする。ずるずると、大佐の触手がわたしの肌をすべり、身体が逃れていく・・・
「ふぅう!」
耳の穴から大佐の舌が抜け、上半身をつかんでいた触手が離れる。わたしは前のめりに床に手をつき、四つん這いになってしまう。かすんだ・・・視線の先、床の上にレーザーガンが転がっているのが見える・・・(あそこまでいけば・・・)
わたしは、疲れ、快感と悪寒にしびれたままの身体に鞭を打ち、ゆっくりだが、確実に銃に向かって這い進んでいく・・・一歩進むごとに・・・、お尻の穴に入った大佐の長い、太いごつごつした指が直腸から、ずるずると抜けていく・・・節くれだった出っ張りが、わたしの身体から抜けていくたびに強烈な感覚が襲ってきて、体がビクンビクン震えてしまう・・・あと・・・あともう少し・・・もう少しで・・・
身体が重い、すべての神経ががさがさの乾いた雑巾で引っ掻き回されたように騒いでいる・・・うごくたびに・・・あああ・・・おしりが・・・へん・・・
強烈な汚辱感に襲われながらも必死で床を這い進む私・・・大佐からみたらなんとも情けない姿なのだろう。
ああ、やっと・・・手が、銃に! わたしは倒れこむようにして銃をつかみ、身体を反転させて・・・引き金を絞った!
「ゴウカクダ! ヒトミ!」
急に訪れる安堵感。でも、次の瞬間!
「ひ!・・・・・・ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!!」
背後から急激に強烈な感覚が湧き上がる! わたしは銃を取り落とし、無様なかえるの様にに床に崩れ落ちる。お尻の、中の、大佐の腕が、ぶるぶると震えて・・・ああああ・・・全身が熱くしびれてくる!! あまりの強烈な感覚に全身が・・・いや、すべての意識が紅く染まっていく!
「ゴホウビダ。ヒトミ! タノシムンダナ!」
いやぁあ!! やめて! 大佐!!
「お・・・おねがい・・・・ああああ・・・・おねがい!!」
「ナニヲオネガイシタインダ?」
大佐が・・・いや、わたしを陵辱している灰色のぬらぬらした化け物がわたしを引き寄せ耳元でささやく・・・
「や・・・やめ・・・・てぃいいいいいああああああ!!!!」
わたしはあまりの激しい感覚に呑まれていた。余裕なんか全然なかった。おしりの中に、いや、腸の中に大佐の触手の感触がありありと感じられ、それに気がつくたびに全身を高圧電流が駆け抜け、『絶叫』としか呼べない獣のような声がほとばしりでた。
「ああああ! ああ! あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
わたしは全身をそらせ頭を後ろにそらせて身を打ち震わせた。もう何がどうなっているのかわからなかった。気持ち悪いといったらいいのか、痛いといったらいいのか、気持ちいいといえばいいのか、・・・わたしの神経、いや存在自体がずたずたにされてしまうような・・・もう、取り返しのつかないような・・・自分がもう自分でなくなってしまうよう・・・だった・・・
「ソウダ、ヒトミ。オレハナ、ハンブンハニンゲンダガ、ハンブンハ”ロミラニアン”ダ。ジンルイニトッテサイアクノテキサ。ロミラニアンハトクニセイヨクガツヨイ。オレノハハオヤハナ、チキュウデケイサツカンダッタ。チジョウニシンニュウシタロミラニアンニユウカイサレテナ、10ネンイジョウ、オレノオヤジノリョウジョクヲウケツヅケタンダ。」
朦朧となっているはずのわたしなのに・・・大佐の声ははっきり聞こえた。
「オレガサイショニコロシタエイリアンハナ・・・オレノオヤジダ、ナンデダカワカルカ?」
「は、はぁあああ!・・・わからない・・・わからないわぁあああ!!!」
こんな状況で答えられているのが不思議だった。
「オレガ12ノトキ、オフクロガシンダ。ヤサシイオンナダッタ。デモ、オヤジノリョウジョクニタエラレナクナッタ。ロミラニアンノセックスハ3ニチツヅク。オマエニモオモイシラセテヤルケドナ・・・オフクロハ、イヤニナッテ、ソシテオレヲニンゲントシテソダテヨウトシテ、オヤジノフネヲウバイチキュウニカエロウトシタ。スグツカマッタヨ。ソシテ・・・ソノアト5ニンノロミラニアンガキテオフクロハ・・・シヌマデオカサレタ。ヤスミナシニナ!」
「ふわぁああああ!!!」
大佐が語気を荒げるとともに、わたしの前の部分を責めていた”舌”がわたしの女の部分に滑り込んできた・・・
「ロミラニアンノハダカラハニンゲンニトッテハカンカクゾウシンザイニナルブンピツエキガデル。オフクロハイタミニクルイ、カイカンニメッタウチニサレナガラアワヲフイテコトキレタサ!! コンナフウニナ!!」
「・・・・・・!!!!!!! イヤァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
体中で、いっぺんに核爆発が起きたようだった!誓ってもいい、その瞬間わたしの身体の骨という骨が砕け散り、体中の皮が一時に剥ぎ取ら、全身の真皮に強烈な麻薬が、いや劇薬が刷り込まれた・・・そうとしかいえない感覚だった。お尻の奥で始まった感覚は全身にまわり、官能と嫌悪感の小人たちがすべての神経の糸をパチンコよろしくはじいていた。そしてわたしの、女の部分の・・・その・・・奥・・・触れられたことのない・・・奥の、空間を・・・・大佐の、触手の先が、掻き・・・むしるように!!!
(ひっ! ふぁあああああああああああ!!!!!!!!)
まるで、やけどした敏感な皮膚の上を、半田ごてで引っ掻き回されるような感覚。
ああああ・・・だめぇえええ!!!!! やけちゃううううう!!!!!!
「あ・・・あはぁああああ!・・・・・あああぁああああ?!!!!」
うしろのほうで引っ張られる感じがしたかと思うと、ビリッ!という破裂音がした。とたんに敏感になってしまったお尻の肌に医務室のホルマリン交じりの空気が触れてくる・・・そして、スーツの裂け目から、一本は氷のように冷たく、又別の一本は火のように熱い触手が這い上がってきた・・・淫らな蛇はわたしの剥き出しの肌の上をずるずると這い上がっていく、ピッタリした肌着と滑滑のわたしの肌の間の狭い隙間をねとねとして刺激性のある粘液で充たしながら・・・
「いやぁあ!! いやぁああああ!!!」
新たに加えられた不快感にわたしは激しくかぶりをふった。そして、体をゆらすにつれ、わたしの足の付け根のあたりにあるゴツゴツとした大佐の触手のわだかまりに身体を擦り付けてしまうことに、否応無しに気付かせられた。
(あああ・・・どうしたらいいの?!)
いつしか、わたしはあぐらをかいたドゥイエ大佐の上に大きく両足をわり開かれて乗せ上げられていた。あああ・・・こんな格好、嫌だ。
「はなし・・はなしてぇぇぇぇえ!! は・・・はぐうぅぅぅっ?!!!!」
力の限り叫んだ、その口に何かが押し込まれる! そのものは、わたしの口を喉までふさいでおいて、さらにくすぐるようにわたしの口腔内をなめまわしてくる!!
(・・・・・!!!!!!!!!)
口をふさがれたことで逃げ場を失った情感がわたしの体内を駆け巡り、酸素の不足したわたしの脳がマジェンタ色の警報をけたたましく連発した。
(だめぇ! もう・・・ほんとに・・・ダメェェェェェェェェェェェェェェェェエエエエエ!!!!!!!!)
あ、駄目ぇ! 尾てい骨のあたりから染み込むように、ボウッとしたぬくもりがお尻とおなか全体に広がり、それが、ビリビリするような痺れを伴って全身に広がっていく。
(い・・・いやぁあ!!こんなにされて・・・だめ!・・・だめぇええ!!!!)
いつもより、痺れが激しい。さっきまでぬるま湯程度だった下半身の温感は今は油が沸騰する温度となって全身を覆い包んでいる。
(凄いのが・・・凄いのが来ちゃゥゥゥゥゥ!!!)
目をかっと見開き、鼻の穴から激しくいきをしながらわたしは全身を小刻みに震わせ、迫り来る崩落寸前の官能の津波の前で立ちすくんでいた。
「・・・・・・・!」
最初に感じたのは激しい虚無感だった。まるで並みに成層圏、いや、地球からみた月の高さまで持ち上げられ、急に足場を取り払われたような浮遊感だった。 しかし、次の瞬間同じ高みから落下時間0で地上にたたきつけられたような衝撃がわたしを襲った。
(い・い・・・イイクゥゥぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
頭の中でこだました私自身の絶叫にわたしは鼓膜が敗れたと確信するほどだった。もうおしまいだ・・(せめて、せめて天国にいかせてぇ!)無神論者であるはずのわたしは切にそう願っていた。
医務室の鏡にはそのときどのような痴態が映されていたのだろう・・・? 薄い、第二の肌のような白いボディースーツを身体に貼り付けながらもこのおぞましいエイリアンにおそわれ、強烈な感覚の海の中でぼろきれのようになって翻弄されるわたしは無様だっただろうか・・・それとも・・・おそろしく妖艶だったのだろうか?
***
陵辱は何時間続いたのだろう。ドゥイエ大佐はわたしが最初の頂点から回復するのをまつと、つぎは快楽の頂点の1ミリ手前まで何度もわたしを追い詰めてはじらした。 わたしは、いつしか耐えられなくなり、大佐にはしたなくとどめを刺してくれるように頼み込んだ・・・そして、それがかなえられないと悟ると、泣きじゃくりながら命を奪ってもらうよう嘆願した。 大佐はサディスティックな表情でわたしの屈服を楽しむと、つぎは尋常ではない感覚の核爆発の中にわたしを漬け込んだ。わたしは・・・何度も何度も・・・そして何十分間もいや、何時間も、全身を引き裂かれるような感覚の中でさけび、わめき、泣きじゃくりながら、体中の骨が砕けるほどに身体を痙攣させたのち、ついに、待ちわびた暗黒の闇の中に沈んでいった。
目がさめたとき、わたしは又メディカルポッドの中にいた。 全身が寒かった。そして、心細かった。(やめよう・・・わたしにはむりだ・・・)本当にそう思った。そしてそのまま膝を抱え込み、ポッドの中で泣きじゃくっていた。しかし、此処まできてリタイアすることは許されなかった。ドゥイエ大佐はわたしに平手打ちを加えるとわたしの背中の真ん中ほどもある髪をねじりあげ、軽々とわたしの身体を引きずって次のトレーニングステーションにむかっていった。