Bousou - Honey.
!!! R-18 !!!
現パロで、ギル時前提のマボワ。
時臣が尻軽で英雄王が火遊びに寛容で綺礼が当馬的存在という
地雷まみれの設定ですので、苦手な方はご注意下さい。
ただし、メインはマボワです。
また睡眠姦(未遂?)、年齢操作、綺礼がモブ女性と付き合う設定など
細かく微妙な地雷を含みまくっています。
Already there are owners in jewelry store of ruby.
(宝石店のルビーには既に所有者がいる)
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「……」
カラン、カラン、と軽い音を鳴らすドアベル。
見た目通りの狭い店だ。左右の壁沿いの展示棚は商品である眼鏡やアクセサリーで埋め尽くされており、客が自由に動けるスペースは二畳程度しかないだろう。最もそれは、その場で一回転すれば全ての商品が眺められるということと同義であったが。
そして最後の一方――つまり正面だ――にはカウンターがある。人はいない。ドアベルは来客を知らせるためのものではないのだろうか、と少々疑問に思ってしまった。奥にはどこかの国の土産のような刺繍が施された布がのれんのようにかけられているから、その奥に待機スペースのようなものがあるのかもしれない。だとすると、見た目よりもここは広いのだろうか。
にじむような暖色の明かりにきらきらと、あちこちに飾られたアクセサリーたちが輝いている。不思議な空間だった。
「すみません」
カウンターに歩み寄り、綺礼は声をかける。
――返事はない。
「すみません!」
今度はもう少し大きな声で。
すると奥でがたりと音がした。誰か、はいるのだ。ついで扉が開いて閉まるような音と短い足音が聞こえ、次の瞬間のれんが割れた。
「――席を外していて申し訳ない。お客様かな?」
現れたのは男だった。すっと通った鼻筋と、縁のない眼鏡の向こうに青い目。海の向こうの国の特徴を持った、整った顔立ちの。――一瞬、見惚れる。
「何か?」
「あ……いえ」
その理由がわからないまま、綺礼は首をふる。そのまま言葉に詰まった綺礼の様子を見て、店主は気を取り直すように微笑んだ。
「――それで、欲しいものは何かな? 似合うものをこちらで選んであげることも出来るよ」
「あ、いえ、買いたいのではなく……これを、引き取ってもらえないかと」
言いながら、綺礼は紙袋を差し出した。店主は少しきょとんとした様子でそれを受け取る。
「これは……ええと、私が開けてもいいのかな?」
袋から出した小さな四角い包みを手に乗せて彼が浮かべたのは、明らかに苦笑。開けなければ何だかわからないだろう、と不機嫌になりかけた綺礼は、次の瞬間その苦笑が『開封された様子のない女性向けブランドの包みを持ってきた男』に向けられたものだということに気付いてしまった。
「……彼女とは、別れたので」
「そうなのかい。残念だったね」
「いえ」
その綺礼の言葉に店主は不思議そうに首をかしげるが、綺礼が言葉を継ぐことはなかった。やがて、また店主は手元の包みに目を向ける。
十字にかかったサテンのリボンをほどき、光沢のあるパール色の包み紙を丁寧にはがしていけば、やがて中から現れるのはピンク色のベルベット地が貼られた高級感のある箱だ。かぱ、とその箱を開くと、中には小さなピンクダイヤの輝くネックレスが入っている。
「ほう、これはまた……。随分高かったろう」
「バイトをしていますので」
「こんなに良い物を売ってしまっていいのかい?」
「もう必要ありませんので」
「そうか。……わかった。少し鑑定をしないといけないから時間を貰いたいのだが、いいかね?」
「どれくらいかかりますか」
「そうだな、10分程度貰えるかい?」
綺礼が頷くと店主は、それではそこで待っていてくれ、と言ってまた店の奥に消えた。狭い店内に、綺礼だけが残される。
(……)
ぐるりを取り囲むのは眼鏡のフレームとアクセサリー。普通アクセサリーショップ、もしくは眼鏡屋と言えばガラスケースの中に商品がしまわれているイメージが有るのだが、ここではそうではないらしい。
恐らくは店の狭さのせいだろう。幅の薄いガラスケースも置いてあり、高級なものはその中に収められているようなのだが、いくつかの商品はそのガラスケースの上だったり壁だったりに無造作に飾られている。何気なく今綺礼が値札を見てみた小さい青い石のついたネックレスは、4万9千8百円と書いてあった。
こんな風に無造作に置いておいて心配にならないのだろうか。――いや、この値札は少しほこりをかぶっているようだ。めったに客が来ないから、油断しているのかもしれない。
(……この青い石は、先ほどの店主の目の色のようだ)
ふと隣の商品に目をやれば、そちらは深い赤色の石。店主の中にこの色は見当たらなかったが、どうにも彼に似合う色のように思えた。そんなことを考えながら周りを見渡すと、なんとなくではあるのだが、あちらの金色のブローチも、こちらの赤い眼鏡のフレームも、どことなく店主のイメージが伝わってくる。もしかしたらこの店は、彼の好みで埋め尽くされたものなのかもしれない、と綺礼は思った。
そんな時、奥からまたぱたぱたという足音が聞こえてきた。店主が戻ってきたのだろう。
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〜〜中略 以下R-18シーン〜〜
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――やるなら、今だ。
振り返り、カーテンを閉める。綺礼の影からはみ出していた部分も全て薄暗く染まる。部屋も、人も、全て。
念のため、一旦部屋を出て表に「本日休業」の札をかけておくことにした。薄暗い部屋から出ると太陽が酷く眩しく見える。すれ違っていく通行人たちは、今から起きることを知らない。
再度店内に戻って、時臣のいる奥の部屋へ行く。後ろ手に扉を閉めればノブが戻る時だけがちゃりと音が響いたが、薄暗い中に取り残された時臣の反応はなかった。カーテンを閉めてしまったから少しだけ室内の温度は下がった気がする。だが、外よりはよほど暖かい。
机に上半身を伏せて眠る時臣の元へ歩み寄る。綺礼は身をかがめて、落ちかかる前髪を払って彼のこめかみにキスをした。
「…………」
ついでむき出しの耳たぶを食む。ひんやりとした温度が伝わってきた。アクセサリーショップなどしているくせにその耳には穴は開いていない。自らを飾ることには興味が無いのだろうか。そんなことを考えながら複雑な形をした耳の内部へと舌を侵入させれば、苦い味がした。
「ぅ……」
もぞり、と時臣が動く。投げ出していた片手を引き戻して耳をかばうような動作をした。くすぐったいか気持ち悪いか、どちらかの反応だろう。それでは面白く無いので、その手を抑え再度耳へと舌を伸ばす。
反射のように腕が抵抗を見せるが、綺礼に抑えられているためにその耳たぶは無防備なままだ。眉間にしわを寄せ体を硬くするも、時臣が目を覚ます気配はない。甘咬みし、溝を舌でなぞり、その耳が口内の温度に染まる頃、やっと綺礼は体を起こす。唾液に濡れた耳たぶは赤く、かすかな明かりにぬめるように光っていた。
それでも、時臣は目を覚まさない。少しだけ吐息がせわしなくなっているようだが、その程度だ。先ほどまでは寄っていた眉間の皺も、今は元通り。まるで、自分の周りには自分を害する存在が居ないとでも思い込んでいるような穏やかな寝顔に、段々と腹が立ってくる。
「ッ、うぅ……」
机の下に手を突っ込んで股間に触れると、流石に体がびくりと跳ねた。服の上から緩く揉みしだく。抗議するように内腿が擦り寄せられ未だ押さえていた腕がもぞもぞと動くが、その程度で意思を持って動いている綺礼の手を振り払えるはずがない。
まどろみの中にいるせいか反応はよく、すぐにスラックスの股間部分は窮屈そうに盛り上がった。触れる手がしっとりとした感触を伝えてくるから、恐らく先走りの体液を漏らしているのだろう。
「うっ、――ぁ……」
強めに触れればそんな声が漏れて、ふる、と体が震えた。感触的に出したわけではないようだが、軽くイッたらしい。時臣は耳も頬も赤く染めて荒くなった息を吐いている。
「――ぃ――、しゅ……」
ふと、その口が吐息以外の音を漏らす。綺礼は手を止めて耳を澄ませた。
眉尻を下げ眉間にしわを寄せ、切なそうな顔をした時臣の唇が動く。
「――……ぃる、ぎる……、王……っ」
綺礼は、自身の体温が上がるのを感じた。
ああ、彼は夢の中で、綺礼の手に想い人を重ねているのだ――!
感情のままに手に力を込めれば、声もなく時臣は達した。びくびくっと体を痙攣させ、次の瞬間体が弛緩する。座っていた椅子からずるりと落ちかけるのを、綺礼は抱きとめて支えた。ベージュ色のスラックスの股間部分が、じんわりと濡れた色に染まるのを、見た。
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