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 第63回 ビタミンA

 ビタミンAとは?

ビタミンAは上皮細胞(口、鼻、喉、肺、胃、腸、皮膚などの粘膜の外側に接している細胞)や各種器官、臓器などの成長・分化に関与する脂溶性ビタミンです。

ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと緑黄色野菜に含まれるカロチン(体内でビタミンAに変換されます)の2種類があります。

ビタミンAには視力を正常に保つ働きがあります。
ビタミンAは、目の網膜に光の明暗を感じるロドプシン(視覚細胞)の主成分であって、鳥目(夜間や暗所でものが見えにくくなる症状)の改善などに効果が期待されています。


 ビタミンAに期待されている効能・働き

ビタミンAには胎児・子供の発育促進作用、成長促進作用があります。

ビタミンAには他にも、抗がん作用、抗ストレス作用、抗酸化作用があり、皮膚・粘膜や視力、臓器、生殖機能、免疫機能の正常化・正常維持にも関与しています。

ビタミンAはさらに、アレルギー症状、感染症の予防・緩和に効果が期待されています。

ビタミンAはまた、細胞の遺伝情報にも関与しています。

  • 胎児の発育、子供の成長促進作用
  • 抗がん作用
  • 抗ストレス作用
  • 抗酸化作用
  • 細胞の遺伝情報に関与
  • 皮膚・粘膜の正常維持
  • 視力の正常維持
  • 臓器の正常維持
  • 生殖機能の正常化
  • 免疫機能の正常化
  • アレルギー症状の緩和
  • 感染症の予防

 ビタミンAの欠乏・過剰摂取によって引き起こされる可能性の高い症状
欠乏症:

夜盲症:暗所で視力が低下する症状欠乏症が進行すると角膜上皮細胞が破壊されて、失明する危険もあります。
眼球乾燥、目の痒み・ヒリヒリ感、歯茎の弱化、味覚障害、無気力、神経過敏症、不眠症、免疫力低下、風邪、感染症、下痢、疲労、乾燥肌・カサツキ、ニキビ・吹き出物、脱毛症

過剰症:

特にないと思われます。


 その他

ビタミンAの内、動物性食品に多く含まれるレチノールと違って、緑黄色野菜に多く含まれるカロチンには過剰症の心配がありません。

ビタミンAの内、カロチンは抗酸化作用を持つファイトケミカルの一種です。
カロチンは活性化酸素によって弱まった身体の免疫力を高める効果があって、がんなどの生活習慣病の予防に効果が期待されています。


 ビタミンAを多く含む食品

マーガリン、アナゴ、アユ、アンコウ、ウナギ、ウニ、ギンダラ、ハモ、鶏肉、豚肉、卵、調製粉乳、チーズ、バター、アシタバ、ヒジキ、 カブ、コマツナ、シソ、シュンギク、ダイコン、トウガラシ、ニラ、ニンジン、パセリ、ホウレンソウ、ノリ

レチノールは動物性食品、カロチンは緑黄色野菜に多く含まれています。
カロチンは油に溶けた状態でないと吸収率がよくないので、炒めるなど調理の工夫が必要です。


 ビタミンAの所要量、摂取量
成人男性:

600µg(2000IU)

成人女性:

540µg(1800IU)

1IU=レチノール0,3µg=カロチン1,8µg

ビタミンAは所要量をレチノールカロチンで半分ずつ摂取するように奨励されています。
ビタミンAを2000IU摂取するにはレチノール300µg、カロチン1800µgが目安となります。

ビタミンAは脂溶性ビタミンなので過剰摂取による中毒症状が懸念されています。
ビタミンAの許容上限摂取量は成人でレチノール量として1500µg(5000IU)となっています。
一方で、カロチンには過剰症の心配はないとされています。


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