第○話「無惨!スライム男の襲撃!(前編)」のあらすじ


超科学の結晶、バイオケミカル獣人を次々送り込み、

世界征服を狙う悪の秘密結社、『マルク・ジュネ』。


彼らと戦う正義のヒロイン『流聖天使プリマヴェール』、

月(ツクヨ)──若草純菜と、

太陽(コロナ)──皐月乃(さつきの)つばさのふたり。


だが、バイオケミカル獣人・スライム男に、純菜の同級生、

ちなつと、その姉沙耶香が犯され、妊娠してしまう。

一度は撃退したものの……。

ストレッチャーが、姉妹妊婦を分娩室に運んでいる。

高木沙耶香、高木ちなつのふたりだ。

スライム男の予告通り、堕胎も許されず、今日、出産の日を迎えてしまったのだ。



第○話「無惨!スライム男の襲撃!(後編)」



学校にも、あれから行っていない。

偶然ふたりをみつけて通報し、病院まで付き添ってくれた同級生、

若草純菜と、その後輩、皐月乃(さつきの)つばさ。

純菜の親友でもある、一番ちなつと仲の良かった篠原茜。

友人関係で、ちなつの入院の真相を知っているのは、この三人だけだ。

三人は今日も、こうして産気ずく直前、お見舞いに来てくれている。


お腹はすっかり大きくなってしまった。

つわりもあった。母乳も出て来た。

ぬくもりすら感じるお腹を、何度も何度も繰り返しなでながら、

ただ、まともな自分の仔が産まれてくること……。薄い望みに賭けた。

それが、好きな男とキスした経験すらない少女の、たったひとつの祈りだった。


触手に味あわされた惨めな快楽は、とうとう忘れられなかった……。

夜になると我慢できず、姉妹してオナニーで感じ、声を響かせ合う。

たった一度だけ、恥ずべき姉妹でのセックスもしてしまった。

ふくらんだお腹同志を擦り合せ、

お互いにあの日自分たちを犯した触手の感触を求めて……。


そしてついに、姉妹同時出産が始まった。

「いきんで、沙耶香さん!」

看護婦の声に従い、沙耶香は、必死にリズムをつけて呼吸し、いきむ。

カーテン越しに妹のいきむ声も聞こえる。

姉妹して何をやってるのか……気が遠くなりそうな出産の極限状態の中で、

今更のようにそんな言葉がふっと頭をよぎり、

自分たち姉妹のあまりの惨めさに悲しくなる。

やがて……、

「きゃああぁぁぁ!!」

看護婦の悲鳴が分娩室に響いた。

沙耶香の股間から出て来た赤ん坊の頭は……緑色だった。

すでにスライム男と同じ目つきの、いやらしい両目を開けて、

看護婦に、医者に、そして自分の母親にニヤリと笑みを向ける。

ちなつの絶鳴も聞こえる。

「いやあっ! や……。出て来ない……でええ……!看護婦さん、中に戻してえ…」

(ああ……駄目なんだ……。やっぱり、もう、駄目なんだね……)

(こんなもの見てしまったら……

もう、一生、好きな人の子供なんて、産めないね……)

沙耶香は、もう何も見なくて済むように天井を見上げて、分娩を続けた。

白い天井は涙でぼんやり曇っていた。

予想された最悪の事態に、医師が、急いでその物体を取り上げようとした。

ぶしゅっ!

異音と、医師の悲鳴とが、同時にあがった。

あの汚液が、医師の顔面にふきかけられたのだ。

慌ててガーゼでくるもうとした看護婦にも、

みぞおちに触手で一撃を食らわせ、昏倒させる。

隣からも複数の悲鳴が聞こえてきた。

たちっ、と湿った音をたてて床に着地すると、沙耶香の子供は、

滑りながら病室の外に逃げ出そうとする。

と、バン!と音を立てて分娩室のドアが開き、この場には場違いの

きらびやかなコスチュームの少女ふたりが現れた。

「たあぁっ!」

オーラの光を放つ手刀がスライムの仔を焼く。

煙があがり、産まれたばかりの沙耶香の仔は、永遠に地上から姿を消した。

「つばさちゃん、そっち!」「ハイです! やっ!」

ちなつの産んだスライムも倒された……と思った瞬間、

緑の影がひとつ、ドアを押して滑り去った。

「逃がした!?」「も、もう一匹いたなんて…」

忌まわしくも、……ちなつは、双子を産んでいたのだった……。

(ちなつちゃん……お姉さん……)

泣きそうな思いで姉妹をみつめながら、少女は病室の外にスライムの影を追った。

あとには、意識を失った、医師、看護婦、姉妹──分娩台の上で

出産直後の性器を露出したままの姉妹が取り残された。


 * * * *


日も落ちかけ、薄暗くなった街。

人気の少ない通りを、純菜の親友、篠原茜が歩いていた。

ちなつを見舞った帰り道だ。

純菜たちは、急に用を思い出したと言うので、そこで別れた。

(ああ……それにしても許せないよ)

茜は、一月たってもまるで薄れない憎悪を、心中でぶすぶすと燃やしていた。

(ちなつ……すっかり、ハキハキした前のちなつじゃなくなっちゃって……)

(レイプされてお腹大きくした高校の同級生なんて見たくないよっ)

(しかも、怪物になんて……近頃、怪物騒ぎとかが多発してるって

噂は聞いてはいたけど……。まさか、自分の親友がそんな目に遭うなんて!)

初めて真相をちなつから聞いた時は、ちなつ、茜、純菜、

三人して肩寄せ合って泣いた。

たった今だって、ちなつのことが可哀想で涙が出そうだ。

(警察も手におえない怪物は、プリマヴェールって人達が撃退しているらしいけど)

(あたしも、もし、ちなつにひどいことした連中に出会ったら、許さないっ。

一発ぶんなぐってやらないと、気が済まない!)


はっ…

何かが、視界の横を横切った。見間違いじゃない。

横道に消えていったのは、緑色の物体だ。スライムだ。

「…まさか……、あれが?!」

心臓がどくんと強く打った。──復讐の、最初で最後のチャンスかもしれない。

考える前に走り出した。

茜は、10歳の時から、空手を習っている。

女の子ふたりを犯した化け物にそれが通用するなんて思わないが、

荒事には、ちなつ達よりは向いているつもりだった。

ちょっとでも危なくなったら、通報して逃げればいい。逃げ足にも自信がある。

ぶしゅる うしゅる うしゅる……

不気味な音を立てて、人間大の緑色のスライムが、

広い公園の一角で、小山のように盛り上がっていた。

今、人通りはないものの、姉妹が犯された場所に比べれば、

街灯もついているし、この時間でも人の行き来のある場所だ。

今夜は、ずいぶん大胆な場所に現れている。

仔スライム──ちなつの産んだ子は、そいつに向かっていた。

──よーし、見つけた。

これで充分だ、と茜は思った。

直に見てみると、やっぱり、空手がどうこうという相手じゃなさそうだ。

通報して、すぐに離れよう。そう思って携帯をカバンから取り出した。

パシッ、と音がして、手が急に軽くなった。「……!?」

携帯が、誰かにひったくられたのだ。

心臓が跳ね上がるような思いがした。

振り向くと、そこには不気味な黒いマスクの男が立っていた。

「ひっ!」

気が付くと、いつの間にか何人ものマスクの者達が後ろに立っていた。

完全に、取り囲まれている……!


マスク男達の中から、一人の男が歩み出て来た。

大袈裟なほど仰々しい装いをしている。全身黒タイツのような姿の他の者達とは違う。

黒々としたマントを羽織り、同じく漆黒の色の鎧を身に着けている。

顔は、かなりの美形だ。ただ一人素顔を晒していることもあり、

集団の中でかなりの異彩を、その男は放っていた。

「スライム男の幼体を追うサーチ・カメラが、お前を、ずっと追っていた。

ふむ……プリマヴェールと同じ学校の制服、だな」

「あっ、あんた誰よ!」

気丈に問い掛けた茜に、マントの男は答えた。

「俺は、地上征服を目指す偉大なる組織『マルク・ジュネ』の幹部、

プリンス・ガーランドだ」

茜のあごを、掴み上げる。

「我々に小賢しくたてつく『プリマヴェール』という小娘たちのことを探っている。

ふだんは、お前らと同じ学校に通っている、ということまでは、わかった。

…お前、見舞いに来ていたな? 以前スライム男に犯された娘の、

知り合いでもあるようだな。少し、話を聞かせてもらおうか」

「……あ、アンタがっ!!」

コイツが、ちなつ達をあんな目にあわせた張本人なのだ。

茜の頭は、怒りの熱で一瞬で真っ赤に染まった。

ガシッ、と音を立ててプリンスの手をあごから払い除けると、

渾身の蹴りを、プリンスに叩き込んだ。

破裂音のような小気味いい音が響いた。

…プリンスは、かろうじて左腕でそれをガードしていた。

「この娘を、捕らえろ!」

プリンスの命令に、マスクの男達──マルク・ジュネの戦闘員達が茜に駆け寄った。

奇声をあげ、先頭をきって走ってきた戦闘員に、茜の中段蹴りが見事に入った。

戦闘員が、脇腹を押さえて悶絶する。

続いて跳んできた相手は、みぞおちに正拳突きを叩き込む。

そいつも、腹を押さえてうずくまった。

人を傷付けよう、倒そうとして空手を使うのは、生まれて初めてだった。

しかし、今、茜は実力以上とも言える力を発揮している。

怒りと憎しみが、茜の全体重を乗せて敵の肉体に食い込む、そんな感じだった。

が──、

「きゃ、うわああ──っ!」

急に足が引っ張られ、茜は地面に倒れた。かと思うと、すごい力で引きずられてゆく。

スライム男の触手だった。

あっという間に腕、足、腰をからめ取られて、地面に押し付けられる。

「ぐ──っ! う──っ!」

「よくやった、スライム男。……さて、話してもらおうか?

プリマヴェールに関して、お前が知っていること、すべてな」

「おまえらなんかに、教えることは、ひとつもなーいっ!」

顔をあげることも許されない茜だったが、そんなことで怒りの炎は消えなかった。

「プリンス様……」スライム男が口を開いた。

「ひっ」

緑色の物体が口を聞いたのに、茜は驚く。

「この娘……カン、チョウ、シテみたい……」

(なに? …かん・ちょう?)

ゾクッと、嫌な予感がした。

「フフ……確かに、このハネっかえりをしおらしくするには、

浣腸ぐらいしても面白いかもしれんな」

「え? え? な、何……!?」

奴等が何を言っているのか、何をするのか、茜には理解できなかった。

交わされている言葉はわかるのだが、まさか、このままこの場で、

しかも、これから自分がされることと、

“カンチョウ”という音が結びつかなかったのだ。

スルスルと細い触手が茜のスカートの下に伸びると、器用にアヌスに潜り込んだ。

「ヤぁ───────ッッ!!」

他人に肛門を触られるなんて、まだ学校にもあがらない小さい頃、

熱を出して母親に座薬を入れてもらった時ぐらいだ。

身動きも許されない中、なにか、熱いものが肛門の奥でひろがっていった。

どうっ、ドク、ドク………

「ひぃ…。な、何!?」

射精、だ。

たっぷりと、汚い汁を注ぎ込んで、入れた時と同じくスルスルと触手は戻った。

茜は、肛門に性器を挿入されて射精される異常な初体験を今、味あわされたことに、

まだ気付いていない。

スライム男が、ぐ──っと茜の身体を宙に引っ張り上げた。

お腹が、ぐるぐると鳴り始めた。「あっ?!」

「まだわからんのか。浣腸をしてやったのだ。

このままここで惨めに排泄物をぶちまけて、少しはしおらしくなるといい。

ちょうど、ギャラリーも集まって来たしな…」

「嘘! 嘘! な、なんてことを! ううっ……」

あきらかにお腹がおかしい。苦しい。

でも、両手も拘束されて、お腹を押さえることもできない。

しかもプリンスの言う通り、公園には少しずつ人が集まり始めていた。

通りすがりに異常な光景を見て、皆ギョっとして立ち止まっている。

気のきいた者が通報しようと携帯を取り出すと、

すかさず戦闘員に取り囲まれて取り上げられる。

いまや、自分に訪れている危機が“便意”だ、ということに

茜もはっきりと気付いていた。

物凄く冷たい、嫌な汗が、背中を伝う。

(このまま? ここで? できるわけないじゃない!? そんなこと)

「ひ……」

悲鳴が出そうになった。

空中から、自分の周りが見渡せる。

通行人たちが、自分を驚いた目で見上げている。

「いやぁ……」

スライムの子を追跡し始めた時は、

まさか、こんなことになるなんて思ってもいなかった。

「もう……だめ……」

苦しさは一秒一瞬ごとに耐え難くなる。

眉根を寄せ、唇を噛み締めて必死に耐える。

だが、ついに異音がして、熱いものがお尻の門を開き、

スカートを汚しながら、足を伝って流れ落ちた。

わあ、という声が、通行人たちからいっせいに起こった。

生まれてから一番恥ずかしい出来事に、頭がガンガン鳴るようだった。

「空中でそのままじゃ可哀想だ。せめて、している間だけでも降ろしてやれ」

クックッと、いかにもおかしそうに笑いながら、プリンスが命じた。

地面に、足がついた。手も解放された。

慌ててしゃがんでショーツを降ろし尻を出したが、もちろん手遅れだ。

茜の便と、一緒に出た尿で、ショーツとスカートは汚れきってしまっている。

しかも、まだ、排泄は続く。

「いやっ、いやっ……」

降ろされたからといって屈辱は終わらない。

むしろ、ふだんと同じ姿での排泄を外でみんなに見られている今の方が、

屈辱感は増しているかもしれない。プリンスは、そこまで考えていたのだろう…。

「見ないでください……お願い……」

涙が零れ落ち、鼻がぐすぐすと鳴った。

顔をそむけてくれる人もいたようだが、見知らぬ女子高生の生の排泄姿など

全員が初めて見る光景だ。あっけにとられてまじまじと見つめ続ける者も多かった。

本人にとって無限に思えるほどの時間がたって、ようやく、茜の排泄は終わった。

「きれいにしてもらえ」

「あッ」

触手が、また茜を宙に引っ張り上げる。

「いやぁぁぁぁっ!!!」

汚れたスカート、ショーツが抜き取られる。

制服の上着もスポーツブラごとずりあげられ、乳房も、むき出しにされる。

また触手が股の間に滑りこんで来て、汚物まみれの茜の下半身を大量の液で洗った。

「こ、このぉッ!!」

茜は、目の前の触手に、かじりついた。

手足が動かせない今、たったひとつの反撃手段だ。

しかし、無駄だった。

一部をかじり取られても、スライム男は痛がる素振りすら見せない。

口中に残ったスライム片を、茜は慌てて吐き出した。

茜はまだ知るよしもないが、その味は、男根の味だ。

「プリンス様……」「なんだ、スライム男」

「オレ、コイツが気に入りましタ……コイツとの子供が欲しイ」



茜は、背骨に高圧電流が走ったような衝撃を感じた。

実際、ぶるっと身体が震えた。

(なに……? なんて、言ったの…? 今)

「どうやらスライム男はお前が気に入ってしまったようだ。鼻っ柱の強さといい、

腕っ節といい、なんなら洗脳して俺の側に置いてやってもいいほどだが……。

スライム男にとっても一ヶ月ぶりの種付けだ。残念だが、犠牲者になってやってくれ」

目眩がした。自分が、怪人の仔を妊娠する……?

ちなつの恨みをはらすつもりでしゃしゃり出、逆にほとんど抵抗もできずに、

ちなつと同じように、種付けをされてしまうのか……?

そんな。惨めすぎる。

「いやっ! ほ、本気なのっ?」

「話せる情報があるなら、いまのうちに話した方が良さそうだぞ」

「や────っ! やめてっ! 絶対駄目──っっ!!」

「では、プリマヴェールに関して教えろ。

お前の学校の誰がプリマヴェールなのか、知っているか?」

「プ、プリマヴェールって、アンタたちと戦ってるって最近噂の人達でしょ?

でも、知らないよっ! アンタたちに教えることなんて、何も知らない!

ウチの学校にいるってのも、今、初めて聞いたよぉぉっ!!」

長い舌のような触手が、スポーツブラに隠されていた小振りな乳房を嘗めあげる。

「ひゃうっ! 本当に、本当に何も知らないんだよーっ!」

「……どうやら、本当のようだな」

プリンスが言った。

「ゆ、許してくれるの」

「いや。スライム男にくれてやるだけだ」

触手が茜の足を大きく広げ、群集にさらした。

「ぅあ──っ!! やめ、やめてぇぇ──っ!!」

「……オナニー、しロ……」「え?」スライム男が声をかけてきた。

「皆の前で、オナニーしロ……いつも、自分でシているようニナ」

「じょ、冗談っ…!」「なら……」

むくむくと触手の一本が男根の形になって、茜の股間に滑り込もうとした。

「やっ! やめてやめて!!」「スるカ?」

涙が滲んできた。鼻をぐすぐすと鳴らしながら、ようやく、茜は答えた。

「したら、もう、変なことしない……?」



茜はまず、両手をいっしょに自分の股間に伸ばした。

左右十本の指でおずおずと、やがて一定のリズムで、陰唇をこねはじめる。

親指が、ときどきクリトリスを軽くはじく。

そして、ちょうど乳房の位置にある二の腕の腹で、乳首を擦って刺激し始めた。

「ほう……それがお前のオナニーか」

ものすごく不安そうな顔で、茜は、手を止めた。

「なっ、何よ……」

「フフ……。いや? 多少変わっているなぁと思っただけだ」

「へ、変なの……? そ、その……あたしの………やり、方」

「…いいかラ、続けロ…」

「うう……」

ただオナニーをさらけ出しているという以上の恥を晒しているんじゃないか…

という不安を抱えたまま、再び茜は手を動かし始める。

(こんな状況で気持ち良くなるわけないよ)

しかし……、肛門に大量に注ぎ込まれた汚液が、強力な媚薬であることを、

茜はまだ知らない。

「あっ……?」

「どうした?」

(嘘……気持ちいいよ……いつもと同じぐらい)

夜、一人でベッドでふける、自慰の密かな楽しみ。

一人で集中するあの時と同じくらい、身体の各所から快感のパルスが起こっていた。

「うあぁっ」

恐くて、思わず手を止める。

「やめるナ。続けロ」

ゆらぁり、と男根触手を揺らして脅されては、従うしかない。

このまま、群集の前にベッドでと同じ姿をさらけ出してしまうのか……

頭をなぐられたような、重いショックを感じる。

それでも、指を、腕を、卑猥に動かして自分を慰めること以外、

この女子高生にはいま何一つ許されないのだ。

指を這わせている股間は、いまや茜の記憶にもないぐらい

大量の恥液を湧き出させて、燃えている。

腕の腹でこする両の乳首もびんと立ち、電気プラグでも繋がれているかのように

熱と痺れの波紋を乳房に起こし続けていた。

「んっ…ふぅ──……っ、あっ、あっあっ」

「ほう……本格的な声を出し始めたな。よほど、良いようだ」

「ムスメの……カラダ熱くなっテきた……オモシロイ」

(やめて! 言葉でいじめないでよ…っ)

こいつらに命令されて仕方なく気持ち良くなっているのに、

他人事みたいに言われるなんて……。茜は、死ぬほど悔しかった。

目線を動かすと、触手で釣り上げられた茜からは下の方に、

好奇のまなざしを向ける群集が見える。

(ああ、見られてる、恥ずかしいとこ見られてる、やあぁぁ…)

「シかし…人の前でシてこれだけ燃えるとは……」

「ハハハ……どうやら天性のマゾの素質持ちだったらしいな」

そんな馬鹿なこと言うな、と絶対に否定したい気持ちと、

でも、本当に感じて喘いでしまっている自分にショックを受けている気持ち。

媚薬のせいとは知らない茜は、両方に揺らがされたまま上り詰めていく。

「あァん、あァン、あん、うっ…ああああああ」

ぶるぶるっ、と茜の裸が震えた。

「お? イくのか?」

「イクっからっ……もう、もう許してっ……うあはぁっ…!」

これまでの人生で一番大きな快感の波が茜を襲った。自分の指の動きで──

(嘘だよ……マゾなの? あたしマゾなのっ?……き、気持ちいい…っっっ!)

先ほどの排泄時の残尿がぷしゃぁっ、と吹き零れ、群集からまた驚きの声があがった。

(出ないでえっ───)

茜の願いも虚しく、飛沫は、月の光に照らされてキラキラと弾け続けた。


 

はっ、はっ、と自涜(じとく)の後の荒い息をつく茜。

乳房と下半身は丸裸のまま、股間から下も恥液と小水で濡らしたまま、

触手に高く吊るされてている。

快楽に、全身の力が脱けてしまっていた。

17歳の女子高生にとって、間違いなく、これまでで最高のオナニーだった。

──マゾ……──

プリンスたちに言われたその言葉が、焼き印でも押されたかのように

茜の脳裏に重く貼り付いている。

ざわざわと騒ぐ群衆の中から、絶頂の瞬間、茜の股間からほとばしったものを、

あれが潮吹きってやつだ、いや、ありゃ失禁したんだろう、と

下世話に取り沙汰する声が聞こえた。

(そんなこと、か、考えないでえ……)

でも、どうしてだろう。胸がぎゅっ、と疼(うず)く。

そんなことを言われる惨めな自分の姿に、茜は、感じ始めているのだ。

「では、そろソろ挿入をすルぞ」

「え…そ、そう……。…?!! …っちょ、ちょっと待って! 嘘!」

茜は空中で大きく四肢を広げられ、群集の前で性器を開かれる。

その濡れそぼったピンクの処女襞(ひだ)に、スライムが性器の先を潜り込ませた。

「命令通り、オナニーしたのにっ! したのにぃーっ!!」

「……ダカら解放してヤるなどと約束しタ覚えはなイが?」

プリンスが高らかに笑った。

「ハハハハハ、お前は最高だな、スライム男」

「わああぁぁぁ〜〜〜〜!!! やめてっ、やめろ────っっ!!」

ずぶり、と、処女の性器に対しては、意外なほどスムーズに、

スライムの巨根は茜に飲み込まれていった。

「………んーン!!!……」

茜は、濡れに濡れていた自分の膣口に、

スライムのちんぽが埋まってゆくのを、群集と共に、ゆっくりと見守った…。


じゅっぽ…、じゅっぽ…、じゅっぽ…、じゅっぽぉ……

スムーズには受け入れられたが、茜の股間を出入りするたび

巨根が赤い色で濡れているのがわかる。

茜が、スライムに犯されるその瞬間まで処女だったことを示す、

純潔のあかしの血だ。

「ううっ……。うっ……(ぐすっ)……ひっ……うぅぅっ……」


痛いよ。

痛くて、気持ち悪いよ。

でも、でも、身体が熱くて、あそこがむずむずして、気持ち良い感じもするのは、

あたし、あたし、本当に……マゾ……なの……?!

ちなつちゃん、あたし、バカだよね。

けっきょく、手も足もでないまま、同じ目に遭っちゃったよ……。

ちなつちゃんより、もっと、惨めな思いもさせられたよ。


突然、茜の脳裏にフラッシュバックのように過去の光景が浮かんだ。

あの、純菜たちと買い物に出、ちなつ姉妹と出会った日の光景だ。


あの時は、まだ、あたしたちバージンだったね──。

自分の妊娠なんて、心配したこともなかった。

彼氏とお泊りした、あの子の話……、したね。

あの子は、公園なんかで脱がされたり怪物と初体験なんてしなくて良かったんだよね。

あの子は、初体験の時、人前でうんちなんかしなくて良かったんだよね。

あの子は、きっとたくさんの人の前でオナニーなんてさせられなかった。

あの子は、たくさんの人にイクところまで見られたりもしなかった。おしっこも。

あの子は、初めておちんちんを挿入されるのをたくさんの人に見られなくても済んだ。

しかも、彼氏じゃない、人間ですらない、怪物になんて……。

あの子は、──



「あ、あ、ああああぁぁ……」

茜は号泣した。

こんな惨めな女子高生たちが、地球上に自分たちの他にいるだろうか。

しかも、親しいクラスメートだったふたりが、同じ目に遭わされるなんて……。

嘆いても、悲しんでも、太い男根の抽送は容赦なく続く。

茜とスライム男のいやらしい粘液が擦れ合う濡れた音を、夜の公園に響かせて。

「あまり泣き喚くな。少し、うるさいぞ」

「プリンス様。俺がダまらせまス」

オい、オマエ、と、スライム男は茜に呼びかけた。

「オマエのオカマを掘って新シい快楽を教えてやル。泣いテるヒマもなくしてヤる」

ぐちょぐちょと膣口を犯されながら、茜はそれを聞いた。

「ハハハハハ! 男勝りのこの女のおかまを掘ってやる、か。そいつはいい。

少しはしおらしくなるかもしれん」

プリンスは、スライム男の提案に喜んだ。

「わかるか?女。アナルセックスをお前に教えてやるそうだ」

(アナル、セックス……!?)

その単語は、友達同志のエッチに関する他愛のない会話で、何度か話題にはなった。

だが、それはもちろん冗談としてだ。

──ホンカクテキ、ヘンタイ、コウイ──

世の中にはそんなことする馬鹿なカップルもいるという笑い話のネタでだ。

自分がアナルセックス経験者になるなんて、それこそ、いままで想像したこともなかった。

「オれの肛辱ハ、サイコウだゾ……処女デすらアナルマニアにし果てる自信ガある」


触手が、茜の裸の尻を捕らえて、ゆっくりと広げた。

観衆の面前に、今度は茜の菊門がはっきりと見えるようになる。

「いやぁ! いや!」

先が毛筆のように細く割れた触手が、くるくるとそこに汚液を塗りたくり始める。

気持ち悪さとくすぐったさに、茜は狂ったような声をあげて悶えるはめになった。

だが、塗りたくられた場所はすぐにじんじんと高熱を帯び始める。

むずむずする。まるで、何かを入れて欲しくなるような──熱い感覚。

そして、耳掻きのように細い触手が、茜の尻を犯す先鋒を務めることとなった。

するりっと潜り込む極細の感触に、また、背筋に怖気が走る。

行為の開始だ。

肛門内で先っぽが膨み、男根を細くディフォルメしたような形になると、

ゆっくりと、やがて素早く、内壁を往復し出す。

少女の排泄器官を新しい性器へと変化させるべく、

先の穴から何度も媚薬入り汚液の噴射も行われる。

「ううっ!? くひぃっ!」

経験したことのない種類のたまらないむず痒さに、

知らず、口の端からよだれがこぼれ出た。

執拗な愛撫だった。

少女の内壁を、こすり、撫で、ドリルのようにねじ入り、びたびたと内側から叩く。

前門も犯されたままに続けられる異常性愛に、茜の精神は砕けそうだった。

「マゾのお前には最高の辱(はずかし)めだろう……?

こんなに大勢に、アナルセックス初体験を見物してもらえて……しかも触手と」

プリンスの駄目押しも、今の茜には、効き過ぎるほど効く。

(あたし……マゾだから……こんなので、感じるの……っ?!

い、いい……。アナルセックス、気持ち、イイっっ!!

もう、駄目だ……がまんできない……駄目に、なる、よ……)

「シリが、イイ、だロウ?」

「……ウ……ゥン……」

……喘ぎ声混じりに、その素直な返答は、返って来た。

「……お……、おしりが気持ちィィ……!! あ、ああぁあぁぁぁっっ!!」

膣を犯す野太い男根のストロークの重さと、肛門を犯す細い触手の

工作機械のような高速の抽送に、崩壊寸前の理性。

そして、茜の反応に満足したか、肛門を犯す触手も脹らみ始めた。

ぶくり、ぶくりと肛門を、縁(ふち)の色が白くなるほどの圧力をかけて押し広げ、

ついには前を犯す男根触手と同じ太さとなった。



「ホモの男みたいに、おかまを掘られて感じてしまっているなぁ。娘」

「あ、あ、あ、やぁ……ぁ…………」

「もう、終わりだ。誰もが、お前の本当の姿を全部見てしまった。

お前が変態だと、マゾだったと、バレてしまったぞ……」

「……う、うああぁぁぁー……っ!」

茜は泣いた。

そして、ふたつの性穴のみならず、触手が全身を犯しはじめる。

小振りな乳房を揉みしだき、乳首を甘く噛み、脇をくすぐる。

お尻の肉をこね、耳と口にちゅっちゅっ口付けし、背筋をなぞる。

そして、クリトリスを弾く。

どの部位にも、まんべんなく汚液をなすりつけながら。

茜の衣服も、ついにすべて静かに溶け落ちていった。

親友ちなつの境遇に怒りと復讐心を燃やしたこの少女も、

髪までどろどろに濡れ、汚され、

あの日のちなつと同じ惨めな全裸姿になったのだ。

しかも、恥ずかしい双穴責めを受ける股間を、人目に晒して──。

処女穴をふたつ同時に裂けんばかりに広げられながら、

しかし、いまや茜はこの異常な快楽の虜になっていた。

媚薬入りの汚液は、この女子高生の裸体をだらだらと流れ落ち、

また、膣と肛門、口から体内に注ぎ込まれ続けている。

うぶな処女をも性奴のように狂わせる「魔薬」だ。

初の性交で激烈な痛みを生じさせるはずの交尾部分も、

男根の太さの分そのままとでもいうような苛烈な性的快感を生んでいる。

脊髄を、稲妻が走ったかのような快楽で痺れさせ、

茜の魂まで犯さんばかりに、産道と尻穴を、強力にほじる。

「が……うぁあ゛…っ、がっ、わぁぁっ!!」

それは次第に、目を見開き、よだれを垂れ流し、

獣のような喘ぎ声をあげなければ耐えられないほどになっていった。

(し、死ぬ……? 死んじゃうの……!?)

だが、茜は今、自ら腰を振っていた。

これほどの快感を与えられて貪(むさぼ)らずにいろ、というのは、

人の子の肉体を持つ者にとっては、無理な話なのだ。

「マエとウシロ、ドッチが、キモチイイのダ……?」

「ああっッッっ、両方ぉっ!! 両方ぉぉ────ぉ!!!」



「どいて! お願い、どいて下さい!」

プリンスが、振り向いた。その視線の先には──、

「来たか、プリマヴェール!」

プリンスの放った戦闘員たちにスライム追跡を邪魔され、

行方を見失ったプリマヴェールのふたりが、

ようやくいま、スライム本体のもとにたどり着いたのだ。

そして、人ごみをかきわけたプリマヴェールが見たものは、

親友、茜が、無惨にレイプされているまさにその姿だった。

「あ、茜……!!?」

茜の朦朧とした目線が、純菜の方を向いた。

「う、純菜……。純菜……? う、ぐぅ」

「茜……!」

駆け寄ろうとした純菜を、戦闘員が取り囲んだ。

戦闘員の抵抗で、プリマヴェールのふたりはなかなか茜に近づけない。

「純菜っ……来ちゃだめええ……見ないで…が、あ、…見ないで……」

絶え間ない抽送が続き、苦しい息の下、喘ぎ声混じりでようやく茜はそれだけ言えた。

「やめて! ひどいことっ! なんで茜がこんな……。

茜、駄目よっ! また妊娠させられちゃう、その獣人から離れてーっ!」

「駄目だよ、気持ち良くて止まんないよ……っ! あう、あ、あ」

もたらされる悲惨な結果を知っていてなお、

茜は自ら腰を振るのを止めることができなかった。

ぶびゅぶっっっっっっ

ぶぼっっっっっっ……

「ふ、は、あ、うああああぁぁぁぁ──────っっ!!!」

そしてついに、茜は自らの淫らな腰の動きで、

スライム男の射精を導いてしまった……。

噴射というよりもはや放水のように、膣奥へ下等生物の精子が流れ込む。

肛門も、たっぷりと媚薬入りの精子の洪水で犯され、満たされる。

「ひ、は、は、はぁぁ────」

極限の性的絶頂に、茜の裸身は反り返った。頭の中が真っ白になる。

神経が、焼き切れそうだ──。


早速、精管とも言うべき触手が茜の子宮口のさらに奥、

卵子に直接精子を吹きかけるべく、侵入してゆく。

そして、茜の身体にも、あの痛みというほどもない痛みが、

──あの日、ちなつが感じた痛みが──胎内に、はしった。

絶頂のすごさにぼんやりと曇っていた頭が少しずつ澄んでくると同時に、

茜は、無惨な汚辱を加えられた末、自分が妊娠させられたことを、悟った。

しかも、最後は、自分自らの惨めな腰使いでそれを導いてしまったことも。

全裸で吊るされたまま、双穴にこじ入れられた性器から射精を受け入れ続ける茜。

茜は顔を、汗と汚液、よだれ、そして止めど無い涙で濡らしながら、

静かにつぶやいたのだった──。

「女の子になんて………………、生まれて来なきゃ、良かったね………」



ようやく戦闘員の群れを蹴散らし、純菜はスライム男めがけて跳んだ。

「茜ぇっ!!」

純菜の、光り輝くオーラをまとった体当たりを避け、

スライム男は茜を宙に放り捨てて飛びのいた。

全裸の親友を両腕でキャッチする純菜。

「……茜……。どうして、こんなことに……!」

「……じゅ、純な……」

まだ牝の熱い息を吐きながら茜は、純菜を見つめ返した。

「純菜が、プリマヴェール……?」

「……いままで隠しててゴメン……! 守れなくって、ゴメン! 茜っ!」

「あたし、あたしぃ、ちなつの仕返しをしようと……でも、馬鹿、だね……。

捕まって、一生分、犯されちゃったよ……」

「あぁ……」

純菜も、性行為の現場に居合わせるなんて、まだ、たったの二度目の経験だ。

それが、二度とも、親しい女の子が

激しく怪物にレイプされている所だったというのは、強烈すぎた。

自分が何かされたわけでもないのに、身体ががくがくと震えている。

「妊娠もさせられちゃったみたいだよ…」

「ええっ………!」

純菜の緊張と寒気の震えが、怒りの武者震いに変わるのに長い時間は必要なかった。

「マルク・ジェネ……絶対、絶対に許さない……っ!」



と、シュルシュルシュル、と純菜と茜に何かが巻き付いた。

スライム男の触手だ。復讐の念に燃えるスライム男が、この隙を逃すはずもない。

「つばさちゃん、お願い!」

「ハイです!」

阿吽の呼吸で、つばさが触手めがけ跳んだ。ジャンプキックを叩き込む。

単なる物理衝撃なら吸収してしまえるスライム男の触手だが、

流聖天使のオーラをまとった攻撃には耐え切れずに、ふたりを手放す。

毒でもくらったかのように、触手は痙攣を起こしていた。

純菜は茜を優しく地面に横たえると、マントを脱いで裸身をくるんでやる。

「いま、かたきを取るよ、茜」

怒りの大きさが、純菜を覆うオーラの強さでわかる。

闇夜にピンクの光の飛沫が、吹き零れるように咲いていた。

「プリマヴェール……フクシュウノトキハ、キタ! プリマヴェール!!」

スライム男の口調と形相が、一気に、より怪物的に変わる。

多数の触手がスライム男本体から飛び出し、プリマヴェールのふたりを襲う。

不意打ちのダメージがあったあの時とは、数が比べ物にならなかった。

夜空を緑色の線が覆い尽くし、まるでスライム色の傘を被せられたかのようだ。

しかし、触手の軌道をまるで事前に知っていたかのように、

純菜はわずか二、三歩動いただけでそれをすべて避けきってみせた。

「信じられん……」

眼前に見るプリマヴェールの戦闘力の凄まじいレベルに、

プリンスは、呆れた果てたように笑みすら浮かべてしまった。

一本だけプリマヴェールを捕らえることに成功した触手、

つばさの右手首に絡み付いた触手を、無言で引き千切る純菜。

「…あなたには、」

引き千切られた破片は、純菜の手の中で煙となって蒸発した。

「死、以外の何物もふさわしくないわ」

純菜が、必殺の構えを取った。

「つばさちゃん、…いくよ」

「ハイです!」

「天空より降り注ぐ聖なる光よ」

「我ら天の使いにその力をお貸しください!」

ふたりの周囲に、神聖さを湛(たた)えた光が、大気中から集まり始める。

「まずいぞ、スライム男……」

プリンスが言う。

「………シューティング!」

直視している者には、眩しさでふたりが見えなくなるほどの光の集中。

プリマヴェール、必殺の技だ。

「………スターライト!」

いま、集まった光のすべてがスライム獣人に叩き付けられる。

「……フラ」

「きゃああんんっ!!」



突然、悲鳴が響いた。

「どうしたのっ、つばさちゃん」

振り向いた純菜も、つばさに続いて悲鳴をあげた。

「ああっ!! うあっ…!」

しゅうしゅうと、純菜の身体、そしてつばさの身体から、白煙が立っていた。

せっかく集まっていた光が、宙に霧散して、消え去ってしまう。

ふたりは、いきなり真後ろから、触手の攻撃を…あの汚液を受けたのだ。

そして……

「ああ……い、イヤ……」

つばさが自分の後ろを押さえてうずくまる。

だが、隠しようもなく、両手の間からつばさのまるだしの尻の割れ目が覗けていた。

純菜も、コスチュームの胸部分から、

小振りな自分の左の乳房が零れ出ているのを見て、呆然とした。

「あ……やぁっ」

慌てて両腕で隠してしゃがみ込む。

「フ、フ……イイカッコウダ、プリマヴェール」

「スライム男は改良された。お前らを美しく覆い、また、強力に防護している

流聖天使のコスチューム……。普通の衣服とは全く違うソレを溶かしたうえに、

身体に傷は付けない粘液を開発するのには、骨を折ったぞ」

プリマヴェールふたりの背後、側溝から、本体と同じ大きさの、

スライム男の別のボディが這い出してきた。

半身を、今までそこに潜ませ続けていたのだ。

「スライム男のボディの大きさは、前回の三倍になった。

無論、その分、攻撃力も、耐久力もな」

「ね、ねーさま……」

ふたりは、肌を晒して初めて、この騒ぎで集まった、周囲を囲む群集の目を意識した。


「ハッハッハッ、大事な所が丸見えだな、プリマヴェール。いかに強かろうとも、

一皮剥けば、中身はうぶな小娘だ。捕らえろ! スライム男」

触手が飛ぶ。

「キャッ!! ああ…ん」

お尻を押さえながら、必死にジャンプして逃げるつばさ。純菜も跳ぶ。

着地したものの、コスチュームから覗いた肌は隠しきれない。

右に、左に、捕らえようとする触手を避けなければならず、

次第に、露出した尻と乳房を隠す余裕もなくなってしまう。

どんっと、純菜が群集の一人にぶつかった。

「うわっ!」「ご、ごめんなさい!」

その男のスーツの胸に、裸の乳房と乳首を押し付けていることに気付き、

純菜は頬が熱くなるのを感じた。

「戦闘員ども、お前らも手伝え!」

奇声をあげて、ふたたび戦闘員たちもプリマヴェールに飛び掛かる。

ふだんなら、集団であろうがどうということもない相手だが、

露出した肌をかばいながら戦うのでは、悪戦苦闘を余儀なくされてしまう。

触手も、間断なく襲って来ているのだ。

「もう……いやぁぁ……!」

お尻を抑えながら、左右に連続キックして戦闘員を蹴散らすつばさ。

しかし、足を振り上げるとお尻の下の、あの部分まで覗けてしまいそうだ。

さらに触手は汚液をも吹きまくる。躱(かわ)し切れなくなったつばさは、

肩、右足、そして胸の部分まで溶かされてしまった。

「きゃんっっ!」

純菜よりずっと小ぶりな乳房が、ふたつまとめてあらわにされた。

「もう…ダメ…………」

ついに恥ずかしさに耐えられなくなったつばさは、

身体を隠してその場にしゃがみ込んでしまう。

触手は、そんな少女を容赦なく捕らえて空中に引きずり上げた。

「つばさちゃーんっ!!」

スライム男は、つばさの手足を広げさせて空中に磔(はりつけ)のようにすると、

ビュッ、ビュッと射精のように汚液を吹きかける。

顔面にまで、全身まんべんなく汚液を浴びせ掛けられ、

つばさは、アクセサリとショーツの残骸をわずかに残して、

すべてのコスチュームを溶かされてしまった。

大勢の群集の、目の前で。

「イヤぁぁん、は、恥ずかしいぃぃっ、ね──さまぁっ!」

プリマヴェール、残りひとり。



「なんてことを……!」

純菜はつばさを救出するため懸命に近づこうとするが、

ひとりですべての戦闘員、触手を引き受けるのは多勢に無勢が過ぎた。

まとめて飛び掛かってきた戦闘員を次々蹴り飛ばすものの、

その隙に、純菜の腕ほど太い触手三本もに、まとめて右腕をからめ取られてしまう。

「ええいッ!」

左腕での手刀、そして蹴りと、渾身の連続攻撃で三本とも断つものの、

さらに四本、五本と触手は純菜を襲う。

スライム男の大きさは、以前の倍。触手の数も倍だ。

もはや乳房を隠すこともままならずに、跳び、転がって

必死で触手を避けるが、汚液まではとうとう避けきれなくなった。

「うぅっ!」

ジュワ……ッ!

純菜の美しいコスチュームから、再び、汚液を浴びての白煙が噴き上がる。

「は……あぅ……」

純菜も、つばさと同じくお尻をむき出しにされ、

さらに背中をも大きく露出させられてしまった。

それでも、晒した身をかばうこともできず、

群集の目の前で触手を躱(かわ)し続けねばならない。

恥ずかしさで涙を目の端から散らせながら、純菜は戦った。

群集の男の人達の目が、誰にも見せたことがない乳房に、お尻に

集まっているのが、わかってしまう。

つばさには近づけず、もう身を守るだけで精一杯だ。

丸太のように太くなった触手が、仲間の戦闘員をなぎ倒すのも構わずに

闇を裂いてぐんと伸びてくる。

体を捻り、二度、三度と跳躍してギリギリそれを躱す。

鼻先を触手の一撃がかすめた。くらったら一発で昏倒させられそうだ。

と、突然背中にドン、という衝撃を受けた。

また誰かにぶつかってしまったのだ。

黒い影。

「あなたはっ!!」

純菜は待ち構えていたプリンスの当て身を、思いきり鳩尾(みぞおち)に受けた。

ついに、最後のプリマヴェールの動きも止まった──。



抱き止めた純菜の、露出した尻、背中を傍若無人に撫でながら、

スライム男の触手を呼び寄せるプリンス。

「ぐ……うぅ」

だが、純菜の身体はダメージで痺れ、なにひとつ抵抗もできない。

何本もの触手が、純菜を、つばさの隣に運んで

同じように空中に磔にした。

「ねーさまぁっ……!」

「あぅ、ぅ……」

「フフ……。プリマヴェール。お前、おそらく処女だろう?

人目に裸体をさらすのも今日生まれて初めて、ということになるのだろう……?」

「や……、やめて……」

「やれ。スライム男」

ぶびゅう、びゅう、と、触手は、純菜にもたっぷりと汚液を浴びせ始めた。

長い髪に、目を閉じた顔に、そして、純菜の全身に。

「いやぁ………う、ぶっ…!」

白煙があがり、純菜も、ショーツとアクセサリを除いてすべての衣服を溶かされた。

夜空に肌色の“X”の字がふたつ浮かぶ。

「フフフ……なかなかどうして、そそる身体をしているではないか。

小振りだが、形のいい乳。細いウェスト。まるい尻……」

「や……めて…!」

「スライム男。下着だけ残してやったのはどうしてだ?」

「ヒ、ヒ……コレはユックリ脱がしてヤリます。クツ辱を倍増さセるためニ」

ふたりの前の部分をわずかに覆っているだけの、

もはや残骸のようなそれを、触手は掴んだ。

つばさが泣いた。

「やめ、てー……っ!」

純菜も泣いていた。

「お願い、それだけは……」

プリマヴェールふたりの願いも空しく、

やがて、はらり、と小さな布切れが宙に舞い、プリマヴェールのそこは、

スライム男、プリンス、そして群集の前に、あらわにされた……。


つばさの、くっきり縦線が見える股間。

純菜の、まるで名前通りとでもいうような、若草にも似た薄い茂みの股間。

両足は大きく開かれており、その間に秘められたピンク色の処女の秘裂も、

すべての人の目にあらわにされていた。

「いやぁぁっ…」「し、死んじゃいたい……」

プリンスとスライム男の笑声が響いた。

「ハハハハハ……! こんな風に哀れな姿にしてしまえば、

さすがのプリマヴェールも、ただの小娘と変わらんな。

いや、公園で全裸になり、性器まで人に見せびらかしているのだ。

露出狂の変態女と変わらん姿、と言うべきか…」

「う、うぅっ……!!」

逃れようと泣きながら一生懸命力むものの、

ふたりを捕らえる触手の数は、どんどん増えている。

脱出はもはや容易ではない。

あの魔性の汚液をたっぷりかけられたせいか、

身体の中から、徐々に熱が込み上げて来ている。

流聖天使の力も、神聖なオーラも、充填できない。

「どれ、プリマヴェールの身体を俺の方に持ってこい。スライム男」

「な、何をっ……する気……!」

目の前に来たふたりの股間に、プリンスは目を寄せた。

匂いすら感じるほどの至近距離だ。

「ほう……薄いな。毛を通して縦すじがはっきり見えるぞ」

「!!」

「こっちのプリマヴェールはまだ生えてもいないのか……。

まるっきりの子供のあそこだな」

「やっっ! やめ……て……!!」

「スライム男、ふたりの腰を持ち上げろ。集まっている方々にも見ていただこう」


ぱっくりと両足を広げられ、群集に見えやすいように

腰を地面と水平に持ち上げられた純菜。

つばさも、純菜のすぐ横にまったく同じかっこうで晒されている。

触手に絡め取られ、身動きも取れないまま、

ふたりの股間は群集の好奇の視線の前を横に滑ってゆく。

「いッ、いやッいやッ……やあぁあ……」

もじもじと尻を揺するものの、それが唯一、精一杯の抵抗だ。

処女の縦筋をよりいやらしく見せる効果しかない。

復讐のつもりが、こんな惨めな性的見せものにされている屈辱。

純菜の涙は、止まらない……。


「モう一恥かかせてヤります、プリンス様」

「ほう……?」

しゅるり、と、細くしなやかな触手がプリマヴェールふたりの

両足の間から現れると、秘密の縦筋にぴったりとくっついた。

「や……ヤメテ……」

汚液をまぶしながら、優しくプリマヴェールふたりのそこを、さすり始める。

「ああ……! あぅ……!!」

ぽろぽろと涙を落としながら身を悶えさせるふたり。

オナニーすらしたことがないのに、路上で、人前で性器を擦られているのだ。

友達を助けるために、復讐のためにスライムに挑んで、逆に、

惨めな全裸の姿でこんな恥をかかされている自分が、純菜は死ぬほど悔しかった。

しかし、人間の少女の身体を持つ以上、

スライムの触手の快感に耐えることは、プリマヴェールにすら不可能なのだ。

「あん、あん、あん、あ……や、ヤだぁ……っ」

いつの間にか、いやらしいビデオみたいな声を出している自分に気付き、

愕然とする純菜。

股間が、あそこが、体験したことのないようなむず痒さを感じている。

すごく熱い。耐えられないほど痒い。──異常なほど、気持ちいい。

つばさも声をあげている。

「きゃン、あっ、あっ、あっ、あぁン……や、ヤダよう……っ!」

幼い身体には、この刺激はより酷な体験となっているはずだ。

「ククク……イってシマえ。コノ群集のマエで、ハジをさらすノだ」

「イヤあぁぁっ!……あァッ!!」

何度逃れようとしても、触手は四肢にがっしり巻き付いて離れない。

逃れようのない恥が、訪れようとしていた。

「あンあンあンンッッ…あぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」

つばさが、触手を両股でキュっと挟み込んで、叫び声をあげた。

「落ちる…!? どっかに落ちちゃうう…、

何? 何? あッ〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!」

純菜をも、未経験の感覚が襲った。

顔を真っ赤にしてブルブルと白い裸身を震わせる。

「ハハハ、アハハハハハハ……!

イッたか、プリマヴェール!! ついに生き恥をさらしたな!」

はっ、はっ、と切なく息を吐くプリマヴェール。

まだ裸身は痙攣の名残を残している。閉じた目からは、涙が零れ続けていた。



「ひ、ひどい……」

もう逆らう力も無く、空中で裸の×の字姿を晒されたまま、純菜は泣いた。

つばさも泣いていた。

これが、えっちの時の、イクっていう事なんだ……。

倒そうとした憎い獣人に、やられた友達と同じこんなことを初めて教えられて……。

「ソろそろ、貫通式とイクぞ」

「ふふ……。いよいよ、あのプリマヴェールがスライムとまぐわうのか」

「嘘……」

ぐこお………と、大きな触手が純菜の股間から起きてきた。男根触手だ。

──アレを、刺し貫かれる。

「イヤ! イヤ!! いやあぁあぁぁぁぁ!!!」

(私もまだバージンなのに! 茜ちゃんとちなつちゃんたちの

仇を討とうとしたのにぃぃ!)

逆に、彼女らと同じ物を入れられてしまうのだ。

男根触手がぴたりと淫裂に触れる。

「ひゃっ!!」

交合の潤滑油代わりに、汚液を分泌してそこをぬるぬるにする。

「だめです──…っ! 裂けちゃいますぅ……」

涙ながらに抗議するつばさ。だが、腕一本、足一本も動かせない。

しかし、今の純菜にはそんなつばさの声を聞く余裕すら失われていた。

(もう駄目だ・犯されちゃう・嫌嫌嫌・悔しい・犯される前に死んじゃおうか)

ぐらぐらと思考が揺れる。目の前の光景も揺れる。

群集の目線が、自分に集まっている。自分が犯されるのが見られるんだ。

群集──。

純菜の目が、群集の中のひとりを捉えた。


全裸の女の子だ。

マントで裸身を覆い隠そうと努力しながら、純菜を見つめている。

……茜……。

その目線は、絶望とショック、悲しみを、激しく見る者に伝えていた。

「あか…ね……っ」

そうだ。

今ここで、自分が屈してしまったら──

今ここで、自分が堕ちてしまったら。

茜の、ちなつたちの希望もすべて失われてしまう。

きっと、何度でもこんな悲惨なことが繰り返される。悪の手によって。

自分一人の恐怖と屈辱にのみ捕らわれていた、

そのことを、純菜は、強く、強く、恥じた。

茜たちを守る力を持った、この世にたったふたりのプリマヴェール。

その自分がこんなに簡単に諦めたら、誰が茜たちを、

そしてこれから悪の手にかかるかもしれない、誰かにとっての茜たちを、

救えるというのだろう。

その人達を救う。

それが流聖天使の力を授かった自分の義務。

プリマヴェールである自分としての、使命。

自分が犯されることなど、その義務と使命の前では、どうでもいいことだと思った。

茜と楽しく過ごした日々の記憶が、脳裏を霞(かす)めてゆく。

自分には、友達のために、できることがあるのだ。



「ぁぁぁぁああああ…………ッッ!!!」

異変が起こっていた。

雄叫びとともに、純菜の身体に、再びまばゆいあの神聖な力が灯っていた。

「ウヌゥッ!!」

スライム男が、そしてプリンスが、突然の事態の変化に驚愕する。

純菜を襲っていた触手と汚液の汚辱感が、消えたわけではない。

しかし、その中でも今、純菜は精神を高められる。

神聖な力を、集められている。

手足を縛るスライム男の触手が、神聖なオーラに触れ、

煙をしゅうしゅうとあげ始めていた。

「まずいぞスライム男、急げ! 早く小娘を犯してしまえ!」

「ハ、はいッッ」

うなりをあげるかのような迫力で、男根触手が、純菜の股間に迫る。

割れ目に密着し、圧力をかけて、順名の処女地を割り開いてゆく。

「グゲェッ!」

男根触手までもがじゅううと音をあげて溶け始める。

純菜の神聖なオーラと、スライムの男根の力の綱引きだ。

完全に性器に侵入して射精してしまえば、いかにプリマヴェールといえども

もうまともには動けないだろう。

白煙をあげて先端を溶かしながらも、めり、めり、と少しずつ

男根触手が純菜のそこに埋まってゆく。

しかし……、

「ギャ、ギャゲッ!!!」

突如、純菜のオーラがさらに眩さを増した。群集もプリンスも眩しさに目を覆う。

触手が激しく焼け爛れ始めた。

「つ、つばさちゃん……」

純菜は、見た。

自分の左手を、つばさが、伸ばした手の先でしっかり握り締め、

自分の神聖なオーラを送り込んでくれているのを。

「ねーさま、がんばって……! わたしのチカラ、ねーさまに貸しますっ!」

「つばさちゃん! ありがとう!」

純菜が最後の気合を込めると、光は爆発し、

純菜を拘束していたスライムの触手はすべて爆ぜ失せた。



「────────ッッッッッ!!!!!」

人間には決して出せない声、スライム男の寒気のするような悲鳴があがった。

「やああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」

気合の声とともに、純菜の裸の手が、肢(あし)が、スライム男を切り裂いた。

もう全裸であることも気にしていない。

攻撃を振るう度に、裸の尻が群集の前にあらわになり、

裸の乳房が揺れるのも、意に介さなかった。

純菜の今の思いはただ、スライム男を憎み、倒す、その一点のみ。

流聖天使のオーラは純菜の裸の全身をきらきらと包み、さらに

何個もの眩い光をまとわりつかせている。

夜の暗闇の中、それは美しく少女の裸身を映えさせていた。

べちっ!

「痛ぁっ!」

純菜の攻撃で、つばさが触手から解放され、裸の尻で路上に着地した。

「つばさちゃんありがとう! 貸してもらった力、今、還すわよ」

つばさの手を握ると、白く輝いていた純菜のオーラがピンクに戻った。

そしてつばさも、蒼の光を取り戻す。

「よくも、わたしとねーさまをヒドい目にあわせてくれたわねっ!

倍にして返してやるんだから!」

つばさはスライム男に駆け寄ると、太い触手をむんずと抱え、背中で持ち上げた。

「たああ──────っっ!!!」

どどぉん!!と巨木が倒れたような轟音が響く。

裸の少女が、2mを越すスライム男の巨体を、一本背負いで投げ捨てたのだ。

「くぅっ!」

プリンスがそのすぐ側で倒れている。

つばさは、プリンス目掛けてスライム男を投げ下ろしたのだ。

かろうじて避けたものの、プリンスとは違い

避けきれずに下敷きになった戦闘員達がどうなったのかは、知るよしもなかった。

「クそ……おノれ……このッッ…………」

スライム男は苦労して巨体を起こしながら、雨の如く汚液を乱射した。

残った触手も振り回す。

しかし、その攻撃を、宙を飛ぶツバメのように身を翻して

見事に躱(かわ)す、流聖天使プリマヴェール。

わずかに掠(かす)める汚液も触手もオーラに触れた瞬間蒸発してゆく。

かつてこれほどのオーラをプリマヴェールがまとったことは、なかった。



「つばさちゃん!」

「ハイです!」

ふたりが手をかざすと、ふたりの手の中に白い光の槍が現れた。

「プリマヴェール・スターライト・ジャベリ──ンッ!!」

光の槍が投擲される。

「!」

槍はスライム男の脳髄と心臓の間を貫き、さらに数mも引きずって、

スライム男の巨躯を立ち木に縫い付けた。

「────!!!」

もう逃げられない。

「……つばさちゃん、とどめよ」

「! …は、ハイです…」

明確な『殺意』を静かに瞳に込めた純菜の様子は、

ふだんの優しい“ねーさま”の姿とはとてもギャップがあって、つばさを圧倒した。

しかし、美しい裸の姿ともあいまって、

つばさはそんな純菜にもときめいてしまう。


──天空より降り注ぐ聖なる光よ!──

──我ら天の使いに、その力をお貸しください!──

「………シューティング!」

「………スターライト!」

「フラ────────ッシュ!!」


プリマヴェールとスライム男の間だけではない。

その時、公園全体がすさまじい光に飲み込まれた。

そんなものの中心にいた物体が無事でいられるとは、

誰一人考えられないほどの、光と、熱。


!………………

!!………………………………………………………………………………


何人もの女の子を辱めた邪悪の塊、スライム男は、

こうして、地上からその姿を消した……。



ハァ、ハァと肩で息をするプリマヴェールのふたり。

立ち木がぱちぱちと音を立てて燃えている。

スライム男の姿はもうそこにはなかった。

「おのれ……プリマヴェール……」

ごそっと黒い塊が起き上がる。プリンスだ。

光の渦に巻き込まれ、おおいにダメージを受けたようだった。

マントも失い、髪もそこかしこチリチリに焼け、顔も煤だらけだ。

ジャリ、と鞘から剣を抜いてプリマヴェールに対峙する。

ふたりは油断なくプリンスに対して構えた。

「チッ! さすがに戦力的に俺の方が不利か……!」

プリンスは、ざっ、と大きく後ろに飛び退く。そのまま、姿を消した。


「茜……」

純菜は、茜に駆け寄った。

マントを被り、全裸で戦いの行く末を見守っていた茜の所に。

純菜が自分のブレスレットの宝石に指を置くと、ブレスレットが光りだす。

純菜が光に包まれ、プリマヴェールの変身が、解ける。

流聖天使の力を失い、普通の女子高生に戻るが、

変身前に身に付けていた衣服も元に戻るのだ。

自分がキャミソール姿になるのも構わず、

純菜は茜に自分のセーラー服の上着を被せた。

(ごめん……茜……。わたし……遅くて……守れなくて……)

戦いが終わって、緊張が解けて、そして親友の顔を見た。

途端に、涙が溢れて止まらなくなってしまった。

茜は、汚液が渇いてこびり付いた顔で、笑った。

「こらこら……ここはあたしが泣く所じゃないの?

…助けた人が泣いてどうするのよ」

「ご……ごめん……なさい……」

「誰も純菜を責めたりしないよ……。つばさちゃんとたったふたりきりで、

あんなやつらと、こんな戦いを、ずっとしてたんだね……。

あたしこそ、全然気付かなくてゴメン。親友失格だね……」

茜は、泣きじゃくる純菜の身体を抱き締めた。

ようやく誰かが通報できたのか、駆けつけるパトカーと救急車のサイレンが、

小さく耳に届き始めていた……。



 * * * *


プリマヴェールの正体を世間に明かすことはできないので、茜とはその場は別れた。

しかし、それ以来、純菜は二度と茜には会えなかった。


ある日、朝のHRで教師からクラスに、茜の転校が告げられた。

驚いた純菜が茜の家に駆けつけると、

茜は、すでに家族ごとどこかに引っ越して行った後だった。

堕胎することもできない惨めなお腹、悲惨な出産。

そんなものを抱えてしまった茜は、

純菜たちと離れ、誰も知る人のいない場所に行きたかったのだろう。

茜は、そういう子だった。

でも、そんな茜の性格を知っていてなお、

純菜はドアにすがり付いて号泣するのを、止められなかった。

ちなつも、精神的ダメージが深く、しばらく学校には出られない。

行けるようになるかどうかもわからない、と伝え聞かされている。

純菜の最も悲しい戦いは、こうして、終わった──。


 * * * *


マルク・ジェネ本部。

なんとかプリマヴェールから逃れたプリンス。

今、彼は研究所の培養カプセルの前に立っている。

「スライム男ほどの生命力の持ち主でも、細胞片一つ残さず消し去られるとはな……。

まさに恐るべき攻撃力だ。残ったのは、この仔スライム一匹だけか」

「は。完全再生にはかなりの時間が必要です」

「……プリマヴェールのオーラそのものを無効化する獣人の開発が必要なのか……」

「難しい課題ですな。マルク・ジェネの総力を結集せねばなりません」

「資金はいくら使っても構わん。責任は俺が取ろう。

とりあえず、その間も獣人での攻撃は続行せよ。奴等のおおよその素性はわかった」

「はっ!」

(おのれ、プリマヴェール……、この屈辱はいつか晴らしてくれる。)

プリンスは歯噛みしていた。

(今度は、この俺のもので処女膜をブチ抜き、犯しぬいてやる……。

生まれてきたことを後悔するほどなぶりぬいて、

俺の性処理の為だけの奴隷に変えてやるぞ……!)



                            <ゲーム本編に続く…>


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