@止める

【 瞳 】「愛ちゃん!!」
    速い!
【 瞳 】「お願い、止まってッ! 愛ちゃん!」
    私の声は聞こえているはずなのに、愛ちゃんは止まってくれない。
    ・・・それなら!
【 瞳 】「止まらないなら、無理にでも止めてやるわ!」
    このままでは愛ちゃんに追いつかない。 
    私は腕に持つチェーンソーを見た。
    コレで止める。
    
       ドンッ!!
    
    左足が芝生に減り込むほどの勢いで急ブレーキ。
    右に構えたチェーンソーを振り回しながら身体全体を左回転。
    一回転・・・二回転・・・よし!
    あとはハンマー投げの要領でチェーンソーを放り投げる。
【 瞳 】「たぁあああああ――――――ッ!!」
    チェーンソーを投げると、真っ直ぐ愛ちゃんに向かって飛んでいく。
    距離もタイミングもドンピシャだ。
    良くて愛ちゃんの目の前を通過して足止め、最悪なら直撃・・・っぽい・・・
    このままじゃ、愛ちゃんにチェーンソーが当たっちゃう!?
    愛ちゃんに向かって走りながら声を出す。
【 瞳 】「愛ちゃん、よけてー!」
    いま、まさに愛ちゃんにチェーンソーが当たろうとした、そのとき。

       キン―――――

499 名前:瞳 vs アイ[sage] 投稿日:03/04/19 14:03 ID:+QhcM7Xx

    鋭い金属音が鳴り響く。
    愛ちゃんを見ると足を止めて右腕を水平に構えていた。
    チェーンソーは・・・空中に止まった状態でいるように見える。
    しかし、それも一瞬の出来事で次の瞬間にはチェーンソーはバラバラになって
    地面に落ちた。
    『あんたはル○ンの五○門か!?』
    心の中でツッコミながら愛ちゃんに体当たり。
    ・・・をするんだけど、視界の隅で愛ちゃんの左腕が動いているのが見えた。
    マズイ マズイ マズイ
    このままだと殺られちゃう!?
    急いで頭を下げると、さっきまで頭のあったところを愛ちゃんの鎌が通り過ぎた。
    うわっ!?
    間一髪でなんとか避けられたんだけど・・・髪が!?
    結構な量の髪が宙を舞っている・・・ううぅ・・・
    とにかく愛ちゃんのお腹のあたりに突っ込んで抱きかかえるようにして倒れ込む

       グジュジュジュジュジ

    倒れこんだところには麻痺していて動けなくなった触手が地面を覆っていて
    ニュルニュルとした感触が気持ち悪い。
【 愛 】「どうして邪魔をする!? 殺されたいのか!!」
    どうしてって・・・
【 愛 】「放せ! 放さないと・・・」
【 瞳 】「放さないわッ」
    イヤな予感がするから止めた、なんて言っても無理だろうな・・・
【 瞳 】「愛ちゃん、お願い。 いったん引いて頂戴」
【 愛 】「黙れ! 放さないのなら・・・」
【 瞳 】「愛ちゃん!!」

    説得は無理そうだ・・・と思った矢先。

       ブシャ――――ッ

    背後でなにかがおこった。
    慌てて振り向くと芝生の一部が宙を舞っていて、地面からは白い液体が噴水の
    ように噴き出していた。
    でも、よく見ると噴水の中に何かいる・・・?

       バシャバシャッ

    噴水の中から何かが飛び出してきた。 アレは・・・巨大ミミズだ!
【 愛 】「どけッ!」
    腕の力を抜くと、あっという間に引き剥がされた。
    愛ちゃんは素早く立ち上がると、上から襲い掛かってくる巨大ミミズを
    正面から迎え撃つ。
【 愛 】「死ねぇ――――――ッ!」
    草刈鎌を巨大ミミズの先端から切りつけると、尻尾?の部分まで真二つにして
    片付けた。
【 愛 】「・・・ふん」

       ドドド――――――ン・・・

    噴水の周りの地面が吹き飛ぶと、そこには白濁液まみれの巨大ミミズが
    数匹鎌首を擡げていた。
    あっ・・・目が合っちゃった。(巨大ミミズに目は付いていないけど・・・)

       『ギシャ―――――――――ッ!』

    巨大ミミズは愛ちゃんを無視して、こっちに向かってくる。

    やばっ!
    急いで立ち上がって・・・武器がないッ!?
【 愛 】「お前たちの相手は私だ!」
    愛ちゃんが私の前に移動してきて巨大ミミズの前に立ち塞がる。
【 愛 】「この・・・雑魚が―――ッ! 死ね、死ね、死ね!」

       ザシュッ ドシュッ 
       『ギィ――― ギシャ、ギギャ―――』

    巨大ミミズを輪切りにし、さらに細かく切り裂いていくが、地面に開いた穴の中
    から次々と現れて襲い掛かってくる。
【 愛 】「くそっ! 次から次へと・・・邪魔だー!!」

       ザンッ ザンッ ザシュッ
       『ギィ、ギィ、ギギィ― キィ――――』

    ときおり巨大ミミズに交じって動けるようになった触手が攻撃をしてくるが
    巨大ミミズと一緒に切断されてしまう。

       ニュル、ニュル、ニュルルル
       ドシュ、ザシュ、ズバッ!
    
【 愛 】「・・・はぁ、はぁ、はぁ まだ・・・いる」
    もう何匹の巨大ミミズと触手を倒しただろう・・・ 
    でも、さらに数匹が穴の中からゆっくりと姿を現す。
【 瞳 】「愛ちゃん、後退しましょう。 一度、距離をとってから・・・へ??」
    ドン、と何かに後ろから肩を押された。
    そのまま愛ちゃん背中にのしかかってしまう。
【 愛 】「黙れ! 逃げたいなら あっ!? 何をする!? はなれ・・・」

       ドシュッ!!!


【 瞳 】「ひぎっ!!?」
【 愛 】「!?・・・・・・がはっ!」
    痛い痛い痛い痛い痛い!
    お腹が痛い! お腹を見ると愛ちゃんの背中との間にピンク色をしたモノが
    見える・・・ コレって・・・触手!?
    一本の触手が私と愛ちゃんを突き刺している!

       『ぐぞ・・・ハ、ハズじ、た・・・』

【 愛 】「瞳さん、少し我慢して・・・ 光疾!」
    
       『ひぎゃ―――――――――――――――!!!』

    あががががががががが・・・か、から身体のなな中か、ら電気が、がっががが!
    ・・・ぅぅぅぅぅ、終わった? ・・・こんなの二度とゴメンだわ・・・
    うわ!?
    目の前に草刈鎌が差し出された。
【 愛 】「前は押さえた・・・ コレで後ろを切断しろ」
    そんなコト・・・ あがががっ!?
    身体を動かすと触手が擦れて・・・痛い、痛い痛い。
【 愛 】「ぐッ!?・・・ は、はやく!」
    そんなコト言ったって・・・イタタタタタタタ!!!
    愛ちゃんが引っ張っててる!?。
    はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・ とりあえず愛ちゃんから草刈鎌を受け取る。
【 愛 】「怒鎚!!」(イカヅチ)
    愛ちゃんが右腕を伸ばすと先端から発生した雷が巨大ミミズのいる穴に直撃した。

       ズガ―――ン!!
       バリ! バリバリバリバリバリバリバリ

    本物の落雷ソックリな音が鳴り響くと穴の中の白濁液が吹き上がり、
    続いて巨大ミミズが何匹も姿を現した。

      『ギギャ―! ギギャギャギャ ギギッ ギギャグギャ――――!!!』

    最初から外にいた巨大ミミズ共々感電していて、真っ直ぐに体を伸ばし小刻みに
    震えていたが最後に大きく震えると全匹が地面に大きな音を起てて倒れこんだ。
【 愛 】「・・・・・・ッ」
    うわ・・・ 愛ちゃんの右腕全体に裂傷ができていて血が噴き出している。
【 瞳 】「ぐっ・・・ 愛ちゃん、その、ぅぐ!? き、傷は・・・」
【 愛 】「・・・はやく、切断を・・・はやく!」
    そうだ・・・ぃ、こっちを・・・ ん、ぐぅ――――――!!!
    腕を後ろに回すだけで激痛がはしる・・・
    なんとか後ろ手で触手を握り絞めると・・・ん? 全然、抵抗がない・・・
    そっか・・・さっきの電撃で麻痺しているのね。
【 愛 】「なにをしている。 急げ!」
    はい、はい・・・ 自分の腕に当たらないように気をつけながら触手を切断をした。
【 瞳 】「ンあっ・・・ハァハァハァハァ・・・」
【 愛 】「・・・次は、間だ」
    私と愛ちゃんの間に草刈鎌を差し込んで切断する。
【 瞳 】「ぃギッ!」
    触手を切断するとお腹に気を失いそうな痛みが走り、膝をついてしまう。
    ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ・・・
    お腹に触手が入ったままだがコレを抜くと間違いなく大量に出血してしまうため
    抜くに抜けない状態だ。
    すでに、けっこうな量が出ているけれど・・・(笑)
    あぅ・・・お腹が熱い。 まるで焼きゴテを押付けられているみたい・・・
    出血も止まらないし・・・ これからどうなるんだろぅ・・・
    愛ちゃんは・・・ 愛ちゃん!?

【 愛 】「ぅ、ぅぅううう! あ、ぁぁぁあああああ! ぐっあああああ!!!」
    愛ちゃんが叫び声をあげながら胸から突き出ている触手を掴んで引き抜いていた。
    すると胸に開いた穴から血が噴き出す・・・が、すぐに出血が止まる。
    どうして・・・?
【 愛 】「ふぅ、ふぅ、ふぅ・・・ ん、ンン――――」
    うわ〜〜〜・・・
    右腕が・・・流れていた血がビデオの逆再生のように傷口に戻って・・・
    傷が・・・傷が治っていく。
    すると胸の穴も塞がっているんだ・・・ 便利だなぁ・・・ イイなぁ・・・
    ――――・・・・・
    ・・・・・・
    ・・・
    ・
    あっ・・・ ヤバイな・・・ 一瞬、意識がトンじゃった・・・
    このまま・・・ 死んじゃうのかしら・・・
【 愛 】「はぁ、はぁ、はぁ、んっ・・・ ま、待っていろ・・・ いま、すぐに・・・
     ふぅ―――・・・ 殺して、やる・・・!」
    愛ちゃんが、ゆっくりだが『アイツ』に近づいていく・・・ 
    見た目こそ傷が塞がっているようだがダメージが残っているようで、ふらつき
    ながら進んで行く・・・

       『ぐ、ぐるな・・・ぐる、な・・・来るなぁ――!!』

    『アイツ』にも先程からの電撃のダメージが残っているのか、動いて逃げる
    ことが出来ない。
    触手はビクビクと小刻みに動いているが本格的には動かせないようだ。

       『動け・・・動かんか・・・ 動け!動け!動けっ!!』

       ギュル・・・ギュル、ジュルルル、ズジュルルルルッ
 

    ああぁ・・・ 何本かの触手が動き出すと『アイツ』と愛ちゃんの間に
    立ち塞がって攻撃しようと待ち構える。

       『寄るな! これ以上・・・寄るな! そ、そうじゃ、と、と、取引を
        しよう・・・ このままじゃと共倒れじゃ!
        お互い命があればこそじゃ・・・ な?な?な? そうしよう・・・ 
        お、お、お願いじゃ・・・ 殺さないでくれ・・・』

【 愛 】「・・・・・・」
    無言のまま愛ちゃんが『アイツ』に近づいていく・・・
    あっ? あれ?
    愛ちゃんの顔がこっちを向いて目が合うと・・・
【 愛 】「・・・来いッ!!」
    このスキを見て『アイツ』が攻撃を仕掛けた。

       『うぉっ・・・し、死ねぇっっっっ!!』

    触手が愛ちゃんに襲いかかる!
【 愛 】「・・・・・・ッ!」
    真正面からやってくる触手を避けないで左手に握った草刈鎌で迎え討つ。

       ザシュ! ザシュ! ザシュ!
       ドシュドシュ!!

    ああッ!?
    何本かの触手は切り落としたけれど、残りの触手が左肩と右フトモモと貫いて
    しまっている。


【 愛 】「ぐっ・・・・・・」
    
       『グハハハハハハハハッ よ、余所見なんぞしておるからじゃ!
        ひ、ひひひひひひひ・・・ひぃ!?』

       ザシュ! ザシュ!

    右手に持ち替えた草刈鎌で刺さっている触手を切り落とした。
【 愛 】「・・・・・・殺す」
    小さいが怒気を含んだ声でそう言うと身体に刺さった触手を抜かないまま
    足を引きずって『アイツ』に向かっていく。

       『ひっ!? よ、寄るな・・・ やめろ・・・ やめてくれ・・・
        ・・・くっ、くそぅ・・・ お、オマエは、死ねぇっっっっっ!!』

    一本、また一本と動けるようになった触手が次々と攻撃をして、愛ちゃんの
    身体に傷をつけるが、そんな攻撃はおかまいなしで致命傷になりそうな攻撃の
    触手だけ確実に切断しながら進んでいく。 
    私も、行かなくちゃ・・・愛ちゃんが待っている・・・
【 瞳 】「・・・ぐ、あ・・・んくっ・・・ぁぁぁぁああああああっ!」
    ふぅ、ふぅ・・・
    なんとか立ち上がれた・・・ ポケットの中から籠球を取り出して右手に握る。
    急がないと・・・くっ・・・ お腹からの出血はあいかわらずだけど・・・ 
    どうせ死ぬなら『アイツ』も道連れにして死んでやるわ・・・!
    よしっ!
    『アイツ』に向かって走る。
    実際は走ると言っても気持ちだけで、普段の私の歩く速度くらいしか出でいない。
    でも・・・徐々に愛ちゃんと『アイツ』が近づいてきた。
    くぅ、足が地面に着く度に痛みで気を失いそう・・・ 
    愛ちゃんを見ると『アイツ』のすぐそばまで近づいていた。

   
        ヒュン ヒュン   ヒュン ヒュン

      『近寄るな!  殺してやるぞ! この小娘が!! 寄るな、寄るな! 
       それ以上近寄ると、殺す!! ・・・・・寄る、な・・・ 
       う、ぅぅぅぅ、く、くそ!死ね! 死んでしまえ!!!』

    愛ちゃんを近寄らせない為に触手を振り回して威嚇していた『アイツ』だったが
    全身が切り傷で血塗れになりながらも無言で近づいてくる愛ちゃんへの恐怖に
    耐え切れなくなって、最後の触手で攻撃を仕掛ける。
    しかし!

      ズバズバッ!

    最後の触手は簡単に切断されてしまった。
    もう、愛ちゃんと『アイツ』の間を阻むものは何も無い。
    そして、ついに愛ちゃんが『アイツ』に刺さっているロッドに辿り着く。

      『やめろ・・・止せ・・・! ヤメロォ・・・ヤメロォ――!!』

    愛ちゃんの右手がゆっくりと挙がって・・・ロッドを握ると静かに言い放つ。
【 愛 】「・・・・・・死ね」

      『やめろぉ――――――――――!!!!!』

【 愛 】「斬風ッ!」(ザンプウ)

      ザン! ザン! ザン! ザンザン! ザシュ!! 
      『ギギャッ! グギャ! ガハッ! ガッ!ガッ! ―――――ッ!!』

    見えない刃(やいば)が『アイツ』の体内から背中を切り裂くと幾つもの血飛沫が
    噴き出す。

【 愛 】「ぁぁぁああああああああッ!」
    愛ちゃんは自分を奮い立たせるかのように声を上げるとロッドから手を放し、
    その場でクルリと右回転。 
    そして触手の刺さっている右足で後ろ回し蹴り!
    右足が『アイツ』に突き刺さっているロッドの刃の付け根に命中すると
    『アイツ』の左半身を切り裂いてロッドが飛び出す。

      『ヒギィ―――――――――――――――――!!!』

    まだ、愛ちゃんの攻撃は終わらない。
    蹴りを入れるのと同時に右手でロッドを掴むと、蹴った力を利用したロッドの遠心力で
    再び身体を回転させて攻撃をする。
【 愛 】「光疾ッ!」
    愛ちゃんの体から発生した電流が腕からロッドへ伝わると、ロッド全体が青く輝く。
    そして、帯電しているロッドで『アイツ』の右半身へと斬りつけた。

      ズバッッッ!!

    ロッドの刃が『アイツ』の体を引き裂き、体内へ進入すると・・・
【 愛 】「ブレイクッ!」

       ・・・・・・ズ、バ――――ン!!!!!

    愛ちゃんのかけ声に反応して、ロッドが蓄えていた電流を開放すると
    『アイツ』の体内で爆発を起こした。

      『うっっっぎゃ――――――――――――――――!!!』

    爆発は煙や炎こそ出なかったが『アイツ』の体に大穴を開けて、私のところに
    まで肉の焼けたニオイがやってきた。

    しかし多大なダメージを与えたにもかかわらず、『アイツ』を倒すにまでは
    至っていない。

      『ふは、ふは、ははははははは! 生きとる!? ワ、ワシは、い、いい
       生きとるぞ!! グハハハハハハ!!」

    『アイツ』の勝ち誇った笑いが響きわたる。
【 愛 】「それは・・・どうかな?」

      『なんじゃと!?』

【 愛 】「もう、終わりだ・・・・・・はッ!」
    愛ちゃんが真上にジャンプ! 
    そして入れ替わるように、その場所へ私が走りこむ。

      『・・・・・・なっ!!?』

【 瞳 】「うぉぉぉおおおおッりゃあああ――――――ッッッッ!!!」
    籠球を左手に持ち替えて『アイツ』の大穴へ渾身の左フック!
    大穴の炭化した表面を突き破ると左肩まで『アイツ』の体内へ埋まってしまった。
    左頬に炭化した肉が当たり、肉の焦げたニオイが直接鼻腔に臭う。
【 瞳 】「・・・これで」
    籠球を握りしめる。
【 瞳 & 愛 】
    「「 フィニッシュッッ!! 」」
    次の瞬間、『アイツ』の体内から白い光が溢れ出し、その光が徐々に広がって
    『アイツ』を侵食していく。
    同時に『アイツ』の頭上にジャンプしていた愛ちゃんが落下を利用して
    『アイツ』の頭頂部から地面まで文字通り真二つに切り裂いた。

    光に体を侵食されていく中、『アイツ』の顔が真中から分かれて左右の顔が
    上下にずれる。

       オオォ――――――――――――――――ン・・・・・・

    私の視界が白い光でいっぱいになる中、『アイツ』から遠吠のような声が
    発せられたのを聞いたのを最後に意識を失った・・・






       グリッ

【 瞳 】「――――――――――!!!!!?」
    痛い! 痛い! 痛イ!! イタイ、イタイ、イタイ!!!
【 瞳 】「ふぐ――! んあひ!! ふがひ、ふんがひ!!?」
    声が・・・ 口に何か入っている!?
    赤いのが目の前に・・・ これ、愛ちゃんのリボン!?
【 愛 】「気が、ついた・・・?」
    愛ちゃん! ど、どこに!?
    あれ? えっ!?
    愛ちゃんは身体を右横向きにされて寝かされている私を跨いでいた。
    左肩の上に愛ちゃんのお尻が乗っかっていて、私の上半身と両腕を両足の
    フトモモで挟んで固定している。
【 瞳 】「んぐ――、ふぐ、ふぐぐ、んん――」
【 愛 】「いまから・・・ お腹の触手を、抜く」
    抜くって・・・ どうやって!?
    
       ズプッ グリ、グリリ


    ―――――――――――!!!?
    お腹に、何か、んくくくくく・・・ 入って、る!?
    指!?
    愛ちゃんの指!?
【 愛 】「・・・ん、掴んだ」
    はやく! はやく抜いて!! 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い! 
【 愛 】「暴れるな! 暴れると傷口が・・・」
    自分では動かずにしているつもりなんだけど、唯一自由な両足が勝手に動いて
    しまっていた。
【 愛 】「抜くぞ・・・ んっ!」
    
       ビュルルルルル

【 瞳 】「!? んぐ―――――――――!!!」
    すかさず愛ちゃんの両掌がお腹と背中の傷口に当てられる。
    すると不思議なことに痛みがじょじょに無くなってくる。
【 愛 】「とりあえず・・・ 傷は塞いだ」
    愛ちゃんの顔が覗き込むように現れて私の口の中に入っているリボンを外した。
【 瞳 】「ぷはっ! ありがとう・・・ 『アイツ』は? 倒したの?」
【 愛 】「・・・・・・ん・・・」
    そっか・・・ 
    お腹に手をやると生地の無い所がある・・・ 
    この部分だけ周りの肌と違ってスベスベしていた。
【 瞳 】「よっと」
    起き上がって愛ちゃんと向き合う。
    無傷だ・・・ しかも服まで元に戻っている。
    それにくらべて私ときたら腰から下は血に染まっているし、上半身も
    ボロボロ・・・
    腰まで伸ばしていた髪は背中の真中あたりでバッサリと切断されている・・・
    まぁ、生きていただけで儲けモノよね。

【 瞳 】「・・・で、此処はどこなの?」
    何処をみても真っ白だ。
    足の裏に感触があるので立っている実感があるが、いま立っている地面?と
    空間の境さえもわからない・・・ 
    視覚的には白い液体の中にいるみたいだわ・・・
【 愛 】「いま・・・大規模な魔法が発動している」
【 瞳 】「ふんふん」
【 愛 】「その魔法がこちらの世界に干渉しているとき、時間と空間のゆらぎが発生する
    ・・・それがこの場所」
【 瞳 】「ふむふむふむ・・・ 愛ちゃん本当にわかって話してる?」
【 愛 】「え!? あ?・・・その、えっと・・・ゴメンなさい」
【 瞳 】「いや、謝られても困るんだけど・・・って、そんなコトじゃなくて、
     その大規模な魔法って・・・いったい何をやっているの?」
【 愛 】「今回の事件に関係している人物達の記憶を操作して、一連の事件を別の事件に
     置き換える・・・『ゆらぎ』や私がいなかったコトにする」
【 瞳 】「そ、そんな凄いこと、で、出来るの!?」
【 愛 】「・・・・・・」(コクンと首を縦に振る)
    なんでも有りすぎて返す言葉も無いわ・・・
    あっ・・・ でも、出来るから今まで表沙汰になっていないのか。
    襲われた人、『ゆらぎ』や魔法戦士を見た者まで記憶を改ざんされて
    いるんじゃね・・・
    
    あれ?
    それって・・・もしかして・・・
【 瞳 】「私も!?」
【 愛 】「・・・・・・」(ゆっくりと首を縦に振る)
【 瞳 】「あっ、でも、私は、ほら、あれよっ、愛ちゃんの魔法は効かなかったし!」
【 愛 】「・・・」
    いままで縦にしか振らなかった首が、ふるりふるりと横へ振る。

【 愛 】「この魔法は・・・私は起動させるだけで魔法自体は私の世界から行われている。
     だから・・・」
【 瞳 】「・・・失敗しないってワケね?」
【 愛 】「・・・・・・ウン」
    ウンって・・・そんなので『はい、そーですか』なんて納得しないわよ。
【 瞳 】「イヤよ!」
【 愛 】「・・・瞳さん」
【 瞳 】「まだ私、愛ちゃんにパフェを奢っていないわ」
    我ながら聞き分けのない子供みたいなことを言っているわ。
【 瞳 】「パフェを食べる愛ちゃんの横に秋俊くんを並べて、その向かいの席に座って
     ヒューヒュー言ってひやかすの!」
    
    ・・・・・・秋俊くん?

       『今回の事件に関係している人物達の記憶を操作して、一連の事件を
        別の事件に置き換える・・・『ゆらぎ』や私がいなかったコトにする』

    じゃあ・・・じゃあ、秋俊くんは?
    おそるおそる愛ちゃんを見ると、顔を俯かせていて表情はわからない。
     ・
     ・
     ・
    どのくらい時間が経ったのか、愛ちゃんがゆっくりと顔をあげる。
    愛ちゃんの顔を見るのがこわい。  
    でも目をはなすことが出来なかった。
    ・・・愛ちゃんの表情は・・・ 笑顔だった。
    でも・・・ こんな悲しい笑顔は見たことがない・・・
【 愛 】「どうして、泣くの・・・?」
    いつの間にか、涙を流していた。
【 瞳 】「・・・だって・・・愛ちゃん、そんなのって・・・」
    泣いているのを意識すると、さらに涙が溢れ出した。

【 愛 】「・・・・・・」
    愛ちゃんは、ちょっと困った顔をしてから
【 愛 】「・・・ありがとう」
    愛ちゃん・・・!
    『ありがとう』という言葉を聞いて、さらに涙が出る。
    そんな私を見ながら愛ちゃんは、
【 愛 】「・・・もう、時間だから」
    えっ? えっ!? じ、時間って・・・
【 瞳 】「ちょ、ちょっと待って・・・」
    これで愛ちゃんと最後なワケ!?
【 愛 】「さよなら、瞳さん」
    なに一人でお別れモードに入っちゃってるのよ!
    急いで涙を止めなくっちゃ。
    たとえ、忘れてしまう相手でも笑って別れたいの。
    ・・・なんとか落ち着かせて涙を止める。
    よし、もう大丈夫。 愛ちゃんに顔を向けて・・・
【 瞳 】「さよなら、愛ちゃん。 ・・・ありがとう」
    私、ちゃんと笑っているよね。
【 愛 】「・・・・・・」
    私の表情を見て、なにかを考えている表情の愛ちゃん。
【 瞳 】「なに? なに? どうしたの?」
【 愛 】「・・・・・・ぅん」
    意を決した表情の愛ちゃんの口が開く。
【 愛 】「・・・・・・アイ」
【 瞳 】「・・・えっ?」
    愛ちゃんは顔を真っ赤にさせながら
【アイ】「私の・・・名前・・・」
【 瞳 】「・・・名前って・・・? アイ? えっ?えっ? え〜〜っ!?」
    このコったら最後の最後になんてこと言うの!?
【 瞳 】「ア、アイ・・・ちゃん?」
【アイ】「・・・・・・うん」

    ずるいっ! 卑怯だわっ!! 人が笑って別れようとしているのに・・・!
    抑えていた涙が再び流れ出す。
    でもこれは、さっきとは違う。 悲しくて泣いているんじゃない。
    涙が流れるのを止めることが出来ない私を見ていた愛ちゃんは、
【アイ】「・・・また、泣かせちゃったね」
    違う、違うの。
【アイ】「・・・ゴメンね・・・・・・さよなら」
    愛ちゃんが後ろを向くと私とのあいだが広がる。
    な、なんで? 私もアイちゃんも歩いていないのに・・・ どうして!?
    二人の間がゆっくりだが確実にひろがっていく。
    駄目!
    こんな別れ方はイヤだ!
    アイちゃんに最後に見せた顔が泣き顔だなんてイヤだ。 
    私は笑って別れたいの。
    でも・・・涙が全然止まってくれない。
    だけど・・・!
【 瞳 】「アイちゃんっっ!!」
    離れていくアイちゃんの背中に向けてありったけの声を出して呼ぶ。
    私の声が聞こえたのか、アイちゃんがこちらに振り返った。 
【アイ】「・・・!?」
    ふふふ・・・おどろいた顔をしている。
    私、笑えているよね? 涙は止まらないけれど、ちゃんと笑っているよね?
【 瞳 】「ありがとう、アイちゃん! さよなら!」
    そう言いながらブンブンと大きく右手を振る。
    そんな私を見つめていたアイちゃんは・・・
【アイ】「・・・・・・さよなら」 
    それは・・・アイちゃんと出会ってからはじめて見る、満面の笑顔だった。
    













      [・・・・・ピ・・・ピピ・・・] 

    ・・・・・・う、ん・・・

      [ピピ・・・ピ・・・ピピ・・・]

    ナニか・・・鳴って・・・・・・


     [ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ]

    段々・・・ん・・・

      [ピピピピピ、ピピピピピ、ピピピピピ、ピピピピピ]

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(怒

      [ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ]



【 瞳 】「・・・うるさいッ」

      [ピピピピピピピピピピ] ベキャッ!

【 瞳 】「よし・・・・・・」
    おやすみ・・・
【 ? 】「・・・『よし』じゃない!」

      スパ――――――――――ン

    頭を叩かれた。
    なにで叩かれたのかはわからないけれど、叩いた相手が誰なのかは
    目を開かなくてもわかる。
【 瞳 】「イタイよ、トラちゃん・・・」
【子虎】「なに言ってるの・・・ いま何時だとおもってるの?」
    んんん――――――――ぅ・・・ 何時って・・・
    枕もとの目覚まし時計に手を伸ばす・・・あれ? ナンか形が・・・
    時計を目の前まで持ってくる。
【 瞳 】「ぺちゃんこ?」
【子虎】「瞳が壊したの!!」

       スパ―――――――――――――――――――ンッッ

【 瞳 】「スリッパでパンパン叩かないでよ・・・」
【子虎】「・・・いい、瞳。 いくらこの寮が学園の敷地内だからってこんな時間まで
     寝てちゃダメ。 もう8時10分よ」

    8時10分 !?
    一気に目が覚めた。 急いでベッドから飛び起きる。
【 瞳 】「今朝は8時から職員会議があるのよ! ああ〜〜、遅刻だわ!」
    ドタバタと部屋の中を動き回る。
【 瞳 】「服、服、服はドコなの?」
    まだ引越しで持ってきた荷物を片付けていないので服がドコにあるのか・・・
    頭の中が混乱している、いまの私には見つけることが出来ない。
    そんなパニック状態の私をジト目で見ていたトラちゃんが、大きく溜息ついて
    から声をかける。
【子虎】「はぁ―――――――――っ・・・ 落ち着きなさい、瞳。 
     たぶん、職員会議は中止だと思う」
    ピタリと身体の動きを止めて首だけをトラちゃんに向ける。
【 瞳 】「なんで・・・?」
    どうしてトラちゃんにそんなことがわかるの?
【子虎】「ん・・・この部屋にくるのに中庭を通ってきたんだけど・・・
     中庭に大きな穴が掘られてるし、ところどころ芝生に焦げた跡があって
     中庭に教師達が集まってた」
【 瞳 】「はあ?」
    中庭に大きな穴? 芝生に焦げた跡?
【 瞳 】「そんなの、昨日はなかったわ」
【子虎】「だから騒ぎになってるんでしょ・・・」
    あれ、なんか・・・さっきからトラちゃんの私を見る目がヘンなんだけど?
【子虎】「・・・瞳。 別にどんな恰好で寝てても私には関係ないから・・・
     だから、その、別に、良いんだけど・・・ とりあえず、なにか着なさい」
【 瞳 】「・・・はい?」
    なにか着なさいって・・・
    あらためて自分を見てみると・・・裸だった。
    上から下まで、下着さえも着けていない・・・ようするに素っ裸だ。

【 瞳 】「あ、あれ? なんで? パンツも穿いてない・・・どうして?」
    おもわずトラちゃんに聞いてしまう。
【子虎】「そんなの知らない・・・ とりあえず、そこのTシャツでも着なさい」
    Tシャツ、Tシャツ・・・っと、よいしょっ・・・
【子虎】「・・・パンツも」
    はい、はい。
【 瞳 】「よっと・・・はい、トラちゃんお待たせ〜」
【子虎】「・・・・・・? ・・・で、この二日間、なにがあったの?」
    なんか、ヘンな溜めがあったけど・・・んんん?
【 瞳 】「なにがあったかって・・・なんにも無かったわよ」
【子虎】「・・・? なんにも無くても定時連絡は入れないとダメじゃない」
    又してもヘンな溜めが。
【 瞳 】「そういえば・・・ 司令、メールでも怒っていたわ」
【子虎】「・・・? 『怒っていたわ』じゃない! まあ、無事でなによりだけど・・・」
    ・・・・・・気になるなぁ〜。
【 瞳 】「トラちゃん・・・心配してくれていたんだ」
【子虎】「な、なに言ってるの!? 心配なんてしてないわよ・・・!」
    慌てているトラちゃんもカワイイなぁ・・・ あれ? おかしいな・・・ 
    つい最近、こんなやり取りをしたような・・・?
【 瞳 】「ねぇ、トラちゃん・・・ この二日間、一緒にいなかった?」
    馬鹿な質問しているなー。
【子虎】「・・・? なに言ってるの、瞳? 大丈夫?」
【 瞳 】「そうよね・・・ 私、なに言っているんだろ・・・」
【子虎】「ふぅ、もういいわ。 このままだと二人揃って遅刻するから続きは夜に・・・?」
    トラちゃんが目を細めながら首を傾げる。
【 瞳 】「・・・トラちゃん、さっきからどうしたの? 私が、どうかした?」
【子虎】「なんか・・・違和感が・・・う〜ん・・・瞳、そこで身体を一回転してみて」
【 瞳 】「一回転って・・・こう?」
    くるん、と右回転。

【子虎】「・・・? 今度は後ろを向いて」
【 瞳 】「今度は後ろを向く・・・っと」
    トラちゃんに背を向ける。
【子虎】「・・・瞳、その髪・・・どうしたの?」
【 瞳 】「髪? 私の髪がどうかしたの?」
【子虎】「う〜〜ん、自分の目で確認したら・・・」
    なによ、どうなっているのか言ってくれてもいいじゃない。
    首のあたりから髪を持って前に回す・・・あれ?
    あれ――――――――!?
    髪の長さが胸の下までしかない・・・
    髪を元に戻して手を後ろに回す・・・ 無い!
    腰まであった髪が背中の真中までしかない! 
    髪が短くなっている!?
【 瞳 】「どうして!?」
【子虎】「・・・さあ?」
    さあ、って・・・確かにトラちゃんに聞いてもしょうがないけど・・・
【子虎】「でも、毛先は揃えてあるから・・・ 失恋?」
【 瞳 】「なに言っているの。 散髪なんてしていないし、もちろん失恋もしていないわ!」
    身体を回してしてトラちゃんと向き合うとコスプレをしたトラちゃんが立っていた・・・
    ように見えたがそれも一瞬だけで、目の前にはちゃんと制服をきた虎ちゃんが立っている。

【 瞳 】「・・・・・・トラちゃん、眼鏡・・・」
【子虎】「・・・眼鏡?」
【 瞳 】「眼鏡・・・外してくれないかな?」
    なにを言っているんだろう・・・トラちゃんが眼鏡を外したからってどうだっていうの・・・
【子虎】「・・・・・・外せば、いいのね」
    私の言動をおかしいと思いながらも何かを感じとってくれたようで
    トラちゃんが眼鏡を外してくれた。
【子虎】「・・・はい、これでいい?」
    私の前に眼鏡を外したトラちゃんがいる。
    何故か、トラちゃんの顔を見つめていると胸が絞めつけられる・・・ あっ!?

    
       バシュッ!
    
    頭の中にトラちゃんに似た少女が現れた。
    その少女は・・・笑っていた。
    見ていて気持ちの良くなる、とっても素敵な笑顔だ。
    
    あっ? あれ?
    すぐに、少女が見えたという事以外は何も思い出せなくなっていた。
    どんな少女だったのか? 
    背格好は?
    どんな顔をしていた?
    わからない・・・
    なにも、わからない・・・
【子虎】「・・・瞳、どうしたの?」
    トラちゃんが私の顔を覗きこんでくる。
【子虎】「なに泣いてるの・・・」
    泣いている? 私が・・・?
    頬に指を当てると確かに濡れている・・・でも、これは・・・この涙は―――――

【 瞳 】「・・・ふふっ、んふふふふふふふ」
    うれしいんだ・・・!
    なぜだかわからないけれど、うれしくて涙が溢れてくる。
【子虎】「なに泣きながら笑ってるの・・・ ふふっ・・・瞳の泣き笑いを見てたら
     こっちまで笑っちゃうじゃない」
【 瞳 】「あは、あははははは。 トラちゃん、大好きよ!」
    トラちゃんをギュゥ〜〜と抱きしめる。
【子虎】「こら、瞳! 放しなさい! 放してっ!」
    私の腕の中でトラちゃんがジタバタと暴れだす。
【 瞳 】「ダ〜〜〜メ、放さない・・・」
    さらに力を込めて抱きしめる。
【子虎】「イタ、痛いってば! どうしたのよ、瞳・・・ あっ? こら! 
     ヘンなトコロ触んないのっ あんっ!? 放してってば!」
【 瞳 】「んふふふふふ、放さないも〜んっ!」
【子虎】「あっ? あっ? ああっっ!? やめて、お願い! ぁあああああ!!?」
    始業のチャイムが鳴るまで、ズ―――――っとトラちゃんを抱きしめていた為に
    二人揃って遅刻をしてしまい、学年主任に怒られてしまった。(トラちゃんにも怒られた)

    

    そして、
    いつもと同じ一日が始まる。
 

                                              瞳 vs アイ    完
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