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Baseball Column (Back Number) |
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Vol.1 草野球のオキテ
@ 何をおいても野球を楽しめ
僕らはなぜ野球をやっているのか?
自由に使えるはずの土日にわざわざ早起きまでしてグランドにやってくるのはなぜか?
家族や彼女をほったらかしてボールを追っているのはなぜか?
答えはただひとつ。「野球が楽しいから」だ。
そんなことわかっていると言うなかれ。草野球でも勝利は第一目的だ。スポーツなんだから当然。
しかし、「勝ちたい」が前面に出すぎると「打ちたい」「抑えたい」が段々と僕等を蝕んでいく。
結果、「楽しむこと」をつい忘れてしまう。
バッターボックスでマウンドでポジションで力が入りすぎていたり、不安にかられたりしていないかい?
「苦しい」野球は草野球じゃない。まずは何をおいても野球を楽しもう。
ミスをしたってくよくよするな。次にとりかえせばいい。腹から声を出して元気にいこう!
なお、勝利こそもっとも「楽しい」ことであることもお忘れなく。
A 相手があっての野球
「楽しむ」ことが前提とはいえ、やはり「打ちたい」し「抑えたい」。
チームの勝利のためにプレーしているのだからそれも当然だ。
ただ、そこで考えてみてほしい。
対戦相手も同じことを考えていることを。
ひとりよがりになってはいけないのだ。
プロならそれもいい。自分が目立ってナンボだから。
でも草野球は違う。
こっちも必死、相手も必死。その必死さは互いにレスペクトしなければいけない。
野球は9人でやるものかもしれないが、草野球は18人、いやベンチにいる選手や審判も含め20〜30人でやるものだ。だからヒットを打ったり三振にとったりすることは簡単なことじゃない。
勝負の結果を追いすぎず、ひたすら勝負を楽しめ。
もっている実力を100%出し切ることこそが重要なのだ。
B みんなが主役である
プロや社会人や学生の非草野球においては「主役」と「脇役」は分かれている。
それが「勝利」への近道であるからだ。
誰よりも早いボールを投げるエースと誰よりも遠くにボールを運ぶ四番打者がいるチームが勝つ。
そしてエースと四番より実力が少し落ちるが別の特徴がある奴らをちりばめてチームをつくれば無敵だ。
清原と桑田がいてワキを固める奴らを集めたら高校野球では敵なしだった。そういうことだ。
しかし、草野球はそうじゃない。
実力の高い奴がチームのすべてになってしまうと「楽しさ」に差がでてしまう。
極端な話エースと四番だけが「楽しい」ことになりかねない。
それはもはや草野球ではない。
草野球では全員が「主役」であり、ワンプレー・ワンプレーがすべて「ドラマ」。
エースと四番だけが「楽しんでいる」草野球チームは目先の勝利は得られるがそのうちバラバラになり、最後はまさしく「負けてしまう」だろう。
あのプレーはこうだったと、みんなが目を輝かしながらいつまでも話しているチームこそ草野球では無敵なのだ。
2008/07/10 M
Vol.2 北京五輪野球に思う勝負における「目的意識」
北京五輪が終わった。野球日本代表は最後の五輪で結局メダルなし。
その原因はあれこれと言われているところだけれど、僕は根本的な「差」が敗因につながったと思っている。それは「目的意識の差」だ。
例えば金メダルの韓国。彼らは兵役免除(実際には大幅短縮)というまさに命に関わる課題をかかえていた。決勝トーナメントに残った4チームの中では明らかに実力は最下位。しかし、結果は逆で、彼等は見事に全勝した。あえて若手中心に臨んだことの意味はそういうことだったのか、とも思えるくらいだった。
キューバには、五輪こそが彼らの実力を世界に知らしめる場であるという明確な意思が感じられた。事実、明日からでもメジャーで億単位の金を稼げるであろう選手ばかりだったから、銀メダルであってもその目的は達したのではないかとも思える。
3Aの選手を中心に臨んだアメリカにはこの舞台で活躍することがメジャーに上がる近道、ということがあった。メジャーへ上がれれば途端にリッチだ。金満のアメリカらしいところだがそれはそれで大きなモチベーションだったろう。
ひるがえってわが日本。何とも中途半端だった。日本野球の実力を見せるという目的はWBC優勝で果たしてしまった。そのWBCにおけるメジャーを倒すという強烈な意志は、五輪では目的にならない。勝利?それは他のチームも同じこと。4強の実力はほとんど差がなく、みな勝ちたいとは思ってたのだから、「目的意識」のない日本が4位になるのは必然だったのかもしれない。
さて、別に僕は野球評論家ではないので、五輪の敗因分析はどうでもいい。話は草野球だ。僕等のやってる野球も勝利が目的なのはどのチームも同じ。「ウチは負けてもいいんだ」なんて口では言っててもみな本音は違うはず。そもそも勝利を望まないなら試合をやる必要もない。だとすれば、勝利の希求にプラスする「目的意識」を持ちたい。チームのみんなが同じ目的を持てれば鬼に金棒だろうし。
それでは何がそれになりうるか?チームそれぞれなんだろうけど、僕は「自己実現」なんじゃないかと思う。タイムリーヒットが打てた、素晴らしいスピードボールを外角低めに決めることができた、そんなときのあの気持ちよさ。それを味わうことなんじゃないか。もっと気持ちいいのはみんなが満足できるような素晴らしいゲームができたときのあの達成感。「目的意識」としては抽象的過ぎる?1回味わってみれば、これ以上ない「目的」になるよ。一考あれ。
2008/09/01 M
Vol.3 天皇賜杯 第63回 全日本軟式野球大会観戦記 @市営大宮球場
軟式野球日本最高峰の試合が自宅からチャリで10分のところで開催されると聞き、1試合だけ観てきました。
ど素人なので、技術的なことはよくわかりませんが、せっかく行ったので参考までに報告します。
観戦した試合は、石川県代表の竃k国銀行と富山県代表の武内プレス工業
による北陸勢同士の準々決勝戦でした。
客の入りは、平日の高校野球県大会1回戦くらいな感じでしたが、
スタンドには、試合を終えた選手らしき人々が多数おり、
そろいもそろって、いかにも「野球選手です!」みたいな体格で驚きました。
”趣味で仲間と週末に草野球やってます”っていう人たちの体ではありません。
見た目では、やはり20歳代が中心で、いってても35歳くらいまでかな〜といったところでしょうか。
試合中の選手も若手が多く、肩が完全に崩壊している選手などは、当然ながら一人もいません。
試合のほうは、両投手とも、球速はびっくりするほど速いわけではなかったと思いますが、
制球がよく、内外の出し入れと縦の変化球を効果的に用い、要所で三振を結構取っていました。
厳しい内角攻めによる死球がいくつかありましたが、つまらない四球はひとつもありませんでした。
日本一の大会というだけあって、投手が少しでも汚れたらボールを交換していたのが印象的でした。
(その度にメタボ気味のボールボーイ(ボーイではないですが)係の役員の方が、ベンチ前と球審との間を猛ダッシュで
往復する姿が、会場で注目の的となっていました。)
守備は、高校野球の強豪校のように捕球・送球ともに安定感とスピードがあり、とても美しかったです。
それでも、ランナーが2塁や3塁にいると、投手が慎重になり四死球をだして傷口を広げたり、
野手のミスが出たりします。守備側にプレッシャーを与えることはやはり重要ですね。
内野の守備陣系は、状況にもよりますが基本的に結構浅めでした。
一、三塁手はベースの2、3歩前で二遊間は、塁間のラインの少し後ろぐらいな感じでした。
攻撃側では、ノーアウトやワンアウトでの2塁ランナーや3塁ランナーを確実に進塁させるため、
最低でも内野ゴロを打つことが徹底されているような気がしました。
押せ押せの場面で強振して内野フライをあげてしまう選手ではだめですね。
また、軟式だからなのか、3塁ランナーはかなり積極的で、内野ゴロ時の反応がすばらしかったです。
ちなみに、打者のほとんどがビヨンドマックスを使用していました。
ということで、これで終わりです。参考にはならなかったと思います。
個人的には、やっぱり上手な人たちの野球はかっこいいな〜と思いながら、弁当片手にのんびり見ていたんですが、
「これぐらい上手くなりたい!!」とおもったところで、いまさら1000%無理なので、
できる範囲で、少しだけでも、無理せずに、丁寧なプレーを心がけたいと思う程度にとどめました。
2008/09/15 T
Vol.4 ベンチウォーマーのプライド
以前に「楽しくなければ草野球じゃない」みたいなことを書いた。
それはもう僕にとって絶対的な信念なんだが、反論はありうる。
例えば「試合に出れなければ楽しくない。」 確かに。
残念ながら(時に特別ルールがあるが)試合に同時に出られるのは9人しかいない。
草野球の監督やキャプテンは泣く泣く誰かをスタメンから外さざるを得ない。
もし、スタメンから外れてしまったら、ちょっと想像してみてほしい。
あなたを外した監督の考えを。
草野球の監督ならば誰でも全員をプレーさせたいと絶対思っている。
どこかで出番が来る。
チャンスでの代打か熱い場面でのリリーフか、はたまた1点を争うところの守備固めか。
そのときあなたはまぎれもなく主役になる。
そのプレーが勝敗を分ける。
ほら、わくわくするでしょ。
そのときが来るまで、あなたの頼もしいチームメートがその場面を作ってくれることを信じてせいいっぱいベンチで声をはりあげよう。
時に遠慮なく叱咤し、素晴らしいプレーには人一倍の賞賛を。
それでも、つぶやいてしまう。
「必ず出番が来るわけじゃない。」 確かに。
展開によっては出番はないかもしれない。
もちろんそれはあなたの力が必要な場面が来なかっただけなのだけれど。
しかしだ。
ベンチにいてもあなたの役割はたくさんある。
三塁コーチのジャッジはそれこそ勝敗に直結する。
一塁コーチのアドバイスは走者の次の塁を奪う気持ちに大きく影響する。
だいたい草野球チームは9人じゃダメだ。
投手交代に備える投球練習はできないし、ファールボールを拾うこともできない。
人数が多い方が必ず勝つわけではないが、9人のチームが勝つ確率は相当に低い。
守備時にベンチに何人いるかは勝敗に絶対影響するのだ。
プロ野球は試合に出ることが生活に直結しているから、レギュラーであるかは相当に重要だ。
しかし、草野球においては試合に出ている選手とベンチにいる選手に違いはないのだ。
それでもやっぱりポツリと一言。
「試合に出る方が楽しい。」 確かに。
そのためには努力あるのみ。
アイツが素振り100回ならこっちは150回。
今ベンチにいるあなたの進歩はもっとも有効なチームの強化策である。
2008/10/01 M
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