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制作者:真アルティメットアーマーさん Prologue/ 序章 「__。君はイレギュラーをどう思う?」 これは誰の声であっただろうか、ひどく懐かしい声。おぼろ気なのか、最初の方がよく聞き取れなかった。 「さあな。何が理由でイレギュラーになったのかは知らんが、哀れだとは思っている……ってところかな……」 相手の問いに自分はそう答える。実のところ、それがはっきりとした答えかはこの時、思っていなかった。 「お前はどう思うんだ? ____」 そう言って、自分は相手の方を見る。茶髪のショートカットで中肉中背の若い男だ。 もちろん外面的な話だ。なぜなら相手はレプリロイド。人間と機械を融合させたような存在なのだ。そして自分も……。 「僕もはっきりとは分からないよ。ただ、もし何かの間違いでイレギュラー認定を下されてしまったのなら、可哀相だとは思うけどね」 相手は空を見上げた。肌寒い冬の昼間の公園に自分達はいた。相手は髪の毛と同じ色のロングコートを着ていた。 「ならもし、僕が無実の罪でイレギュラー認定を下されてしまったらどうする? 誰かの故意でもただの間違いでもどっちでもいいんだけどね」 ロングコートに身をすぼめながら訊いて来た。 「そうだな……」 一言呟くと、自分も青く透き通った空を見上げた。 「……その時は、俺がちゃんと調査してお前の無実を証明させるさ。だがお前が罪を被せられたことに怒って誰かを殺した場合、お前をイレギュラーとして処分する」 場面が変わった。 辺りが暗闇に包まれ、時折、酒場のネオンの様な光が一人の男を照らしていた。男は茶髪で茶色のロングコートをはおっていた。自分がいつも話していた男だ。だが、いつもと雰囲気が違っていた。彼の顔とロングコートには、血がベットリと付着しており、足元には血だまりが出来ていて肉片が転がっていた。そうだ、自分はこの肉片と化してしまった者達を知っている。同じ職場の仲間だ。 自分はこの状況に驚かされながらも男に訊ねた。 「____! お前……何をやっているんだ!?」 「そんなに大声を出さないでくれよ。こいつ等が悪いんだからさ」 彼の様子がいつもと違う。そう思いながらも自分は訊いた。 「何故、こんなことを……」 「こいつ等が僕を殺そうとして来たから、返り討ちにしてやったのさ!」 「何!?」 「どうやらイレギュラーハンターは、僕をイレギュラー認定したらしいんだ。何故かは知らないけどね……」 男は不気味な笑みを浮かべた。顔に血がついている為、よけい悪魔的に見える。 「だからといって仲間を殺していいと思ってんのか!?」 自分は怒鳴りつけた。だが男は何とでもないような顔をした。 「別に僕が悪いわけじゃない。勝手に僕をイレギュラーにしたのが悪いのさ。まあ、僕をイレギュラー扱いしたイレギュラーハンターは恨むけどね……」 男は再び笑みを浮かべた。自分は驚愕した。今まで一緒にやってきた友人が突然、別人になってしまったかの様だ。 「お前は仲間を殺した。その時点でお前は本当にイレギュラーになってしまったんだ!」 「残念だ。君も牙を向けるのかい? 君が僕の邪魔をするのなら、僕も容赦はしないよ……」 次の瞬間、男の手から光球が放たれ、自分はそれを思いっきり受けてしまった。 「きみは僕よりも強い。けれど友人を倒そうとすることは出来ないみたいだね」 くずれ落ちる自分を背に、男はそこから遠ざかっていった。 「さようなら。__。僕はいつの日か、また君と会うことがあるのかもしれないけどね」 「馬鹿なことは止めろ! 目を覚ませ!!」 そこで意識はなくなった。 そして自分は目覚めた。 | ||
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