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ダークネス・オブ・ジ・カオス 番外編
制作者:シャープネスさん(ゲイトの御礼編) この前のサルベージの護衛の直前に、エイリアに『ゲイトのお礼』を受ける事を約束した俺は、早速ゲイトのところへ向かった。 通された部屋は、白を基調とした清潔感溢れる部屋だった。 「よくきたな!エックス!!」 両手を広げて笑顔でゲイトが俺を迎えた。 「久しぶりだな、ゲイト」 にっこり微笑んで俺は片手を掲げた。 「早速だが、今日はこの前の事件の侘びと感謝の気持ちを込めて、御礼をしようと思う」 目を閉じて、あの事件の事を思い出しているような面持ちでゲイトは言った。 「は、はぁ」 何か有無を言わさない気迫に押されて、つい気の抜けた返事を俺はしてしまった。 「受け取ってくれ!これが僕の気持ちだ!」 「(ぼ、僕の気持ちぃ!?)」 何か引っかかるような言い回しに心の中でツッコミを入れている俺を何気に無視してゲイトは壁面のパネルを操作した。 それと同時に何かがせり出してきた。 せり出してくる何かには布がかぶさっていた。 ばっ!! 一気に取り払うゲイト。 「!!? こっ、これは!?」 「ふふふ」 誇らしげに微笑むゲイトの丁度真後ろ。 そこには馬鹿でかいケーキが乗っていた。 「けっ、けぇーきぃ!?」 「ふむ、その通り。レプリロイド用のケーキだ」 「どうやってこんな物を!?」 ツッコミ所は満載だったが、あまりの事にそんな事にしか突っ込む事が出来なかった。 的確ではあったが。 「金髪で髪の長い、君のファンを名乗る女性『三人』との共同研究によって生み出された、正に至高の一品だよ!」 「『三人』ってだれさ!?」 速攻でツッコミを入れる。 それをさして気にしない様子でゲイトは俺のツッコミに答える。 「三人とも君の知っている人さ! ただ、三人とも仲が悪くてねぇ、ここには来ていないが…」 大体察知した。恐らく、一人はエイリアだろう。 もう一人は多分…マーティだと思う。 しかし、もう一人は一体…? 「二人はまぁ想像できたけど…。エイリアとマーティだろ? けど、もう一人って言うのは心当たりが…」 「そうか? おかしいな…。いつも君の事を見て、傍に居るんだって誇らしげに言っていたのだが…?」 「(誇らしげ? …なんか喉まで来ているんだが…)」 何か知ってはいけない事のような気がする。 知らない方が幸せなような…。 「何でも昔、ソウルについて研究していたとか…」 「!!! ベっ、ベルカナぁ!? そ、そんな、そんな馬鹿な…!!」 ついに気が付いてしまった。 あの時の女…生きていたのか!? 「ん? そう、そう、そんな名前だったよ、彼女」 「(いつも俺の事を見て、傍に居るって…ストーキングしてるのかよ…)」 片っ端から心の中で激しく突っ込んでいるのを再び無視してゲイトは口を開いた。 「まぁ、なんにせよ、『僕の気持ち』(強調)のこもった物だ。是非、食してくれたまえ!!!」 「は、はぁ……。いただきます…」 俺は、ゲイトの妙な気迫を前におずおずとケーキを切り分け口へと運んでいった……。 非常識なほどそれは『美味かった』が、その美味さに正比例して、いや、その二乗程の身の危険を感じたと言う。 何より、食べている間のゲイトの視線が、恋する少女の様な感じだったのが、より一層の危険を感させたと言う。 …結局何も無かったが。 後日談としては、今現在もベルカナのストーキングは続いているらしく、常に何者かの視線を感じると言う。 妙な発明を駆使しているらしく、捕まえる事が出来ないらしい…。 エックスの受難は続く………。 ………おしまい★ | ||
制作者コメント 管理人コメント |
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