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スラッシュ・ビストレオと妖精型レプリロイド 制作者:マシン・Jさん 「うおおおぉぉぉぉぉ!」 「…また始まった」 なにが始まったのかというと、スラッシュ・ビストレオの大暴れだ。 一度闘争心に火がつくと敵が全滅するまで誰にも止められない。 「ちっ、もう終わりかよ。やっと燃えてきたのによ!」 冗談じゃない。これ以上やったらこっちも危ない。 そう思っていても言えるはずはなく、来ていた仲間は黙っているしかなかった。 ビストレオはその力と敵を全て倒すまで止まらない気性から『鋼の破壊王』と呼ばれ、軍では恐れられていた。 (目を合わせるな。殺されるぞ) (うわ、おっかねぇ…) このように陰口をたたき、避けている者も多くいる。 ただ単に『暴れたかった』という理由で入隊したのではないかという噂もある。 …実際その通りなのだが。 数秒後、ジェット・スティングレンが飛んできた。 「ビストレオ、この辺にこれぐらいの小さい女を見なかったか?」 「(たぶんあいつだな…。だが、ここでこいつを振り回してやるのも面白い)」 そう思ったビストレオはこう言った。 「あぁ、あっちの方いったぜ」 「ぬぅ、あの女〜!」 何故か逆上しているスティングレンがいなくなったのを確認すると、少女が隠れたところへ行った。 「おい、あいつはもう行ったぞ」 少女は驚いた表情で出てきたと思ったら、脱兎の如く飛んで逃げていった。 「なんだ、あいつは!?」 後で少女はスティングレンと目が合ったらすごい勢いで逃げていったという話を聞いた。 ―次の日 ビストレオが息抜きに表に出ると、先日の小さな少女が恐る恐る近づいてきた。 「あ、あの……先日は何も言わなくて…ごめんなさい……助けてくれて、ありがとうございました」 人と話すのが苦手なのか、口調が落ち着いてない。 「あの事か。あいつには、カリがあるからな。で、お前はあいつに何したんだ?」 すると済まなさそうに話してくる。 「え…その…ごめんなさい。以前から知らない人と目を合わせるのも苦手で…怖くなってつい……」 どうやら人見知りのようだが、これは激しすぎだ。 「なら、俺はビストレオ。スラッシュ・ビストレオだ」 「私は…ジャニスです……」 これなら知らない者同士じゃなくなるし、まともに話すだろうと思ったが、そう簡単な問題じゃないらしい。 そう思っているとジャニスは先日隠れてた場所から箱を引っ張ってきた。 「これ…先日のお詫びと…お礼です。よろしければ…使ってください」 箱を置くとジャニスは1度ペコリと頭を下げると飛んでいった。 「俺に話しかけてきた人見知り女か……言っても誰も信じねぇな」 何故かはわからないが、気分が良くなっていた。 ビストレオがいい気分で箱を開けると中はエネルギーカプセルが詰まっていた。 「スラッシュ・ビストレオには軍用列車の防衛を任せる」 「よし、乗り込んできたやつらは、全員ぶっ潰してやるぜ!」 とは言ったものの、貨物搬入作業が終るまでヒマだった。 数日の内に他の仲間が全員倒されたという話もあった。 「少しは楽しめそうじゃねぇか…早く来やがれ!」 そう思っていると列車が騒がしい。 どうやら、イレギュラーハンターが来たようだ。 「第2号、大破! アレを使います」 「(…使うんじゃねぇよ。万が一やられたら俺が闘えねぇだろうが)」 そう思っていても任務の都合上言えるわけはなかった。 「(いや、やっぱりブッ壊してもらうか。じゃなきゃ、潰し甲斐ねぇよな)」 それから数分後。 「サブトレイン大破! 赤いイレギュラーハンターがメイントレインに向かっています!」 それは最後の、一番大事な車輌だ。 「赤いイレギュラーハンター…確か、ゼロとかいったな。 やっと来やがったな。うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 列車を追い抜かんばかりのスピードで走るビストレオ。 列車の途中まで行くと、ゼロの前に出るように飛び乗った。 「ここを狙おうとはいい根性してんじゃねぇか。だが…うれしいぜ、久しぶりの闘いだ!」 クールでいるゼロと熱くなっているビストレオの闘いは始まった。 | ||
制作者コメント 管理人コメント |
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