最近、イライラしてならない。何故だろう。
…いや、原因は分かっている。
新しく入ってきた転校生のせいだった。
別に転校生が何かしたわけじゃない。
みんなと楽しく話ている。
それが原因だった。
私は薬関係の知識なら誰にも負けない自信があるし、他の事だってそれなりにはできると思う。
しかし、あまりみんなと話しするのが得意ではなかった。
初めの頃はみんな珍しがって話しかけてきたけど、今では気を使ってくれるルキアとクラス委員で優しいカイルぐらいしか話しかけてこない。
まぁ当然と言えば当然の事だった。
そんな事を考えてたある日の放課後。
いつもの通り一人で帰る準備をして廊下に出ようとすると…
「しかし、言っちゃ悪いけどマラリヤって感じ悪くねぇか?」
「確かに…ちょっと話しかけづらいところがあるな。」
「転校生がまたマラリヤみたいなのじゃなくて良かったよなー…あっヤベッ…」
二人と目があった。
レオンとセリオスだった。
あきらかにしまったという顔をしている。
「ちょっと!!二人とも、酷いじゃない!!ちゃんときゃっ…」
私は走って逃げた。
ルキアが待ってと言った気がしたけど、どうでもよかった。
私は寮に帰らずアカデミー本島の端に来ていた。
夕日がにじんで見えた。
(私も話したい。仲良く話したい。)
二人の会話が蘇る。
感じ悪くねぇか?
感じ悪くねぇか?
感じ悪くねぇか?
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