「あの…今日は本当にありがとうございます…それと」
レオンはクララを見つめた。紅い瞳、闇を照らす炎のような瞳だ。
「どうしたんだ、クララ?」
クララも懸命にレオンを見つめる。その瞳には月の光が宿っているようだ。
「わ、私…レオン…さんの強い性格が大好きです。だけど本当は、レオンさんの全てが大好きなんです…!!」
レオンはクララを見ながら微笑んだ。
「俺も、クララの一生懸命な所が大好きだぜ。クララのやさしい所も、みんな、みーんな大好きだぞ」
眼鏡を外したクララの瞳から涙が溢れた。レオンは手持ちのスポーツタオルで、クララの顔中を拭いた。クララは嗚咽しながらレオンを見た。
「も、もう一度…言って、下さい、レオンさん…」
レオンは頭に手をやり、頬を赤く染めた。
「あのな、俺は、お前が大好きだ!!」
クララは益々泣きじゃくった。レオンは対応に困ってしまった。
「クララぁ…なんで泣くんだよぉ…」
「だって、レオンさんが、嬉しい事を言ってくれたから…」
「嬉しいのに泣くのかよ?」
「そういう事もあるんです…レオン…君」
クララを慰めるのに必死なレオン。そんな二人の前にある茂みに、数名の見物人がいたようだ。レオンはドロップを茂みに飛び込ませた。


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