途中、レオンがふと言った。
「なぁクララ、何で俺達だけ動けたんだろうな?」
クララはレオンの肩越しに叫んだ。
「私もそう思います…あ!もしかして…ドロップちゃん?」
レオンの頭上を飛ぶドロップが鳴いた。
『キュー♪(レオンとクララちゃんが心配だったから♪)』
「お前、いつの間に魔法を使えるようになった?ドロップ?」
『キューン♪(ひみつ―♪)』
レオンは前方を見たまま口を開いた。
「それよりさドロップ、何であの時怒ったんだよ?
俺が【ちび】とか言ったから?」
『ガウガウ。ギュー(そうだよ。ぼく、お兄ちゃんだもん)』
「あ…そう言えばクララのマジックエッグ、ドロップが産まれた時と同じ色だよな。だからか…悪かったな、ドロップ」
『キュー♪(いいよぉ、レオン♪)』
「ドロップちゃん、お兄ちゃんになるんですね。凄く嬉しそう!」
「そうだな。ほら、俺達って弟や妹いないじゃんか?
その辺、良く判らなかったな…」
「そうですね―あ!アカデミーです!」
二人は花壇近くに着陸し、総合教員室へ急いだ。

「お帰り、レオン、クララ。レオンのマジックペットから、
テレパシーで事情が届いたよ。良く頑張ったな、二人とも」
「お疲れ様です、レオン君、クララちゃん」
教員室で、レオンとクララを待ち受けていたのは、フランシスとリディアだった。フランシスはクララの頭を撫でて微笑んだ。
「本当に偉いぞ、クララ」
「ありがとうございます!フランシス先生!!」
リディアはレオンの手を取り、うっすら涙を浮かべた。
「ありがとう…レオン君」
「リディア先生、泣くなってば〜!あ、フランシス先生」


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