◎遠い近く◎
いつからだろう。コイツと張り合ったり、喧嘩したりしてるのは…
いつのまにか一緒に居る。
好き 嫌い
そういう次元じゃねーんだ。
「おい、犬コロ。」
呼ばれてふと顔を上げると猿の顔がある。
「ん…なんだ猿か。」
昼休みいつもの場所で食パンと、コーヒー牛乳を飲んでいた所だった。
「なんだとはなんだよ。オレはテメーが1人寂しくメシ食ってるっつーからよ。一緒に食ってやろうかと思って。」
「余計なお世話だ。とりあえずどっか逝け。」
自分でもわかってる。本心じゃないんだ。本心じゃ。
「そーだ!屋上行こうぜ、屋上♪」
といってオレを無理矢理引っ張って屋上まで連れてこられた。面倒臭せー。何考えてんだ馬鹿猿。
「おっ誰もいねぇーなー。」
嘘だ。無理矢理でも面倒でもありゃしねぇ。
オレはコイツと居たい……んだろうか。
「どーしたんだコゲ犬。何黙ってんだ?」
「そりあえず…うっせーな。」
「へーへーわかりましたよ。」
まだ飲みかけのコーヒー牛乳を一口。また一口飲んだ。
「お前コーヒー牛乳ばっか飲んでっから黒いんじゃねー?」
猿は笑いながら俺の飲みかけのコーヒー牛乳を飲んでパックを横に振りながら
「そんなにうまいかねー。これが。」
…これって間接キス…だよな…
そう思ってしまった瞬間そんな自分が嫌になる。
「…大丈夫か犬ッコロ!?何か顔赤いぜー?」
そういってこいつはオレの額に手を当てた。
やべー。入院レベルだな…どっか手術した方がいいかもしれねー。
「大丈夫だ。ほっとけ…。」
そう言ってコイツの手をよけた。
のが悪かった。手をつかんだその時心臓が跳ねる。
これを世間では「恋」と言うのだろう…。
するとアレか?オレはこの馬鹿猿に惚れてるとか?笑えねー。
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