1-2/紅葉

1day/October 20(Mon.)
シャーロック&ルイ合作


 私とユイとの出会いは、この時期と同じく、紅葉の中、私が小さい頃までにさかのぼる。
 この三咲町に引越し、一人で公園の砂場でで遊んでいると、ユイが、

「ねぇ〜、一人なの」

「うん・・・・」

「なら一緒に遊んであげる」

 と一緒に遊んでくれたのが始まりだった。
 それまで、私には友人がいなかった。
それ以来、私たちはずっと二人で一緒に学校も通っている。



 中学の時、彼は一度交通事故をあって、家族を失い、ユイは重症を負ったことがある。
そのときも、ずっと一緒にいた。
 しかし彼は、死んでもおかしくない状態だったのに奇跡的に回復した。
 私には『不死の躰』という能力を持つ。
 代々我がステアー家は、特有の能力を持つ。
その能力は一人一人違っており、パイロキネシス、つまり発火能力を持つものもいれば、テレキネシス、念動力をもつ人もいる。
 私の『不死の躰』力は、私の家系では初めてで、これ以上歳がとらないことがわかっている。
それを気づいたのはユイが交通事故にあう2〜3ヶ月前のことだった。
 ユイがICU(集中治療室)で寝ている時、私はこっそりと病院に忍び込み、彼に会った。
 一番の友人の変わり果てた姿を見て涙を流してしまう。

「ユイ…今助けてあげるからね」

 私は全身の神経を集中し、自分の能力をユイに分け与えた。
 まず、彼の体のダメージを私の中へ取り込み、逆に彼に『不死の躰』の力を与える。
苦痛が私を襲うが、彼の体が元通りになる。
 ユイの体が元通りになると、病院を出た。



 実を言うと、簡単なことは今まで何度かしてきたが、ここまで大規模なことをするのは初めてだった。
だから正直、成功する確率は低かった…。



 後日、彼は一般病棟に移ると、私はすぐに彼の病室を訪ねた。
 ユイは、完治しており、私はホッとした。
 成功した。
 一週間後、彼は退院すると、何事もなかったのごとく再び学校へ通った。




 その後、彼に一つ問題が発生した。
 彼は、ある一定の条件が重なると、人格など何もかもが変わってしまうのだ。
目は赤くなり、髪の色も変わり、獣のごとく犬歯が伸びるのだ。
言うならば「吸血鬼」。
 過去に一度だけ彼は変わった。
 ちょうど退院してから一ヵ月後の日曜日のことだった。
 その時私は体調を崩し、午前中は寝込んでしまった。
その後体調が回復し、ユイの家へ訪れると、私の前で苦しみだし、豹変した。
 私は、彼に襲われそうになったが、私は彼の心を落ち着かせようとヒーリングを行った。
すると、すぐに彼はもとの姿に戻り、気絶した。



 あとで調べてみるとユイの家系は、この地域に根を張る『混血』の宗主で、家族は遠野家の末端の家系だった。
 遠野家には、代々「遠野の血」が受け継がれている。
ある程度の歳に達すると、それが目覚め、人ではなくなってしまう。
 そう、私たちはそれを「先祖還り」と呼び、遠野の一族は「紅赤朱」と呼んでいる。
 ユイの家系は、その「遠野の血」がもっとも薄い家系であり、ユイの家系で目覚めることはなかったが、ユイの場合は特別だった。
 「遠野の血」の能力が高く、本家の遠野家と同等のクラスだったのだ。
そして、もう彼には家族がいない。
誰も
だから私はユイをほっとけないのだ。







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