It`s a big mistake! (2)
台所には、既に先に起きていたブラスカとアーロンがコーヒーを啜っていた。
「ジェクトおはよう。風邪はもう良いのかい?」
「・・・あ、・・・・・・ああ」
ジェクトの顔色がすごく悪く、思い詰めた顔をしているのに、ブラスカは気がついた。
「?・・・ジェクト、何かあったのかい?」
「・・・なんでもない」
そこまで言って不覚にも涙が零れてしまった。
その涙にアーロンもただ事ではないと感じ、ジェクトに近寄る。
「ジェクト・・・」
「っ・・・すまね・・・」
涙は止まらず、ジェクトはパニックに陥る。
「俺、こんなに女々しかったかな・・・」
「感情的になってるだけだよ」
ブラスカはそれだけ言うと。黙ってジェクトを優しく抱き締めた。
「っ・・・わりぃ・・・」
ジェクトは抱き締められた優しさにさらに涙を流した。
泣きながら抱いて欲しいと言われ、困った顔をしてみせたブラスカだったが
アーロンに朝食を作るように言うと、結局自分の部屋にジェクトを連れ込んだ。
ブラスカを必要以上に誘うジェクトに結局は折れてしまった形となったが。
「ん・・・・・・・・」
目の前に天井がうつって、ティーダは体を起こす。
「お、俺!」
このベッドで寝ているはずの人物を探す。
「オヤジ?」
部屋を出ると、台所からいいにおいが流れてきた。
そっちに足を踏み入れようおした時。
『ああっ・・・!』
二階から、艶声が響いた。
「え・・・・・・」
それはジェクトの声で。
何をしているのかなんて容易に想像ができてしまった。
「・・・なんだよ、こんな朝っぱらからヤッてんのかよ・・・・」
真っ青になっていくのが自分でもわかった。台所から物音がして、振り返る。
「ティーダ」
「アーロン・・・・・」
「昨日は面倒をかけたな。今日は俺達がメシ作ってやるから、お前はゆっくり・・・ティーダ?」
アーロンはティーダの顔色が非常に悪いのに気付く。
「どうした?今度はお前が具合悪いのか?」
だがアーロンは、上から聞こえる嬌声に気付き、顔をゆがめた。
「ティーダ・・・・・とりあえずこっちに来い」
アーロンはティーダを腕をつかみ台所に連れて行った。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
とりあえず椅子に座ったはいいものの、2人は口を開かずにいた。
いや、聞ける訳がなかった。
「ティーダ・・・・・」
アーロンの話を折り、ティーダが話し出した。
「アーロンはオヤジが好きなの?」
「え?」
「昨日オヤジに服着せようとしたら跡がいっぱいあってさ・・・。オヤジに聞いたら
アーロン達の事、抱かれたいくらい好きだって言ってた」
「あいつが・・・・そう言ったのか?」
「・・・うん、だから俺・・・・何も言えなくなって・・・」
目に涙が浮かぶティーダを見て、アーロンにもしや・・・という思いがよぎる。
「・・・・・・ジェクトは、確かに俺達の事好きだろうな。でもアイツの本命は別にいる。
俺達は・・・そいつの代わりなんだよ」
「・・・・・・・え?代わり?」
アーロンの言葉にティーダは息を呑む。
「ああ。代わりだ。あいつの本命は本当はそういう感情を持ってはいけない相手なんだ。
俺達に縋ってでもやっていけないくらい・・・」
アーロンは深いため息をついた。
「ブラスカも俺も、馬鹿で身の程知らずでお調子者でブリッツだけが取り柄みたいな奴だが・・・
大事なんだ。だからあいつが壊れるくらいなら相手くらいは・・・」
そこまで言って下をむき、首を振った。
「いや・・・アイツの弱みに付け込んだだけなのかも知れない・・・」
震える声を必死に殺しティーダはアーロンをみつめた。
「・・・・俺達を嫌ってもいい。だが、あいつだけは嫌うな。お前に嫌われたらジェクトは
間違いなく・・・・・狂う」
アーロンの言葉が胸を打つ。
軽蔑なんて出来るわけがない。心のもやもやは間違いなく嫉妬。
「んな事できるかよ。アーロン達にも・・・オヤジにも・・・」
「・・・ありがとう」
ギシギシと階段を下りる音に、2人が振り向く。
「アーロン、もうジェクトは限界だよ。彼、ずっとティーダ・・・・・」
しゃべりながら登場したブラスカはティーダの姿を確認した途端、しまった、と言ったような
表情を浮かべた。
「・・・馬鹿」
「あっごめん・・・」
「な、何?」
自分の名前が出てきてティーダは驚いた。
「ねえ、何?」
口が滑ってしまったブラスカは、仕方なしに話した。
「・・・・君は今好きな人いる?」
「・・・いるッス」
でも言えない。禁忌だから。
「・・・ジェクトと話をしてこい。そうすればきっとわかる」
「でも・・・」
口篭るティーダに、アーロンは声を荒げた。
「いいから行ってくれ!!・・・・頼む」
アーロンの声と、縋るような瞳に、知らずに体が動いた。
階段を上がる音がアーロンの鼓膜をひどく揺らす。
「・・・ごめんよアーロン。まさかティーダ君がいるとは思わなかったから・・・」
「本当だまったく・・・・」
頭を抱えるアーロンにブラスカは近寄り、その肩に触れた。
「・・・・・・君のその悲しみは、私じゃ癒せない・・・?」
「ブラスカ・・・・・・」
バクバクいう心臓を押さえ、ティーダはブラスカの部屋にノックもせずに入った。
うつぶせのまま顔の見えないジェクト。
「オヤジ・・・・・」
ピクッと肩が震えてジェクトの顔がティーダを見る。
「ティーダ・・・・・・」
「話がしたいッス」
「・・・・・」
情事の跡がくっきり残る体を真っ赤になりながら隠そうとするジェクトの腕を引っ張り
ジェクトを抱き締めた。
「ティ、ティーダ!!」
慌てるジェクトにティーダは押し殺したような声を出した。
「俺にも相談しろよ・・・。アーロン達にばっかり頼らないでさ、俺にだって頼れよ。
体くらいいつでも貸すよ」
「んな事できるわけねぇだろ!!!」
頭を振ってジェクトはティーダを突き飛ばした。
「俺が好きなのは、てめぇだ・・・!」
額を手でおおい、ジェクトは声を絞り出した。
「え・・・・・・」
「だからオメェにその気がねぇのに抱かれたく・・・・」
ジェクトの言葉が終わる前にティーダはジェクトを押し倒していた。
「ちょ、おい、人の話聞いてんのか・・・」
「すっげえ嬉しい」
まさか。両想いだったとは。
「俺、オヤジを抱きたい。好きだから・・・・・」
「ティーダ・・・待て・・・・・・」
ジェクトの言葉を無視し深く口付けた。
今までの鬱憤を晴らす様に。
「・・・ん・・・ふっ・・・」
溢れて口の端に流れる唾液を残らず舐め取る。
耳に息をふきかけるとジェクトは思わず体を震わせた。
図に乗り首筋に残る跡の上にさらに濃い跡をつける。
「あっ・・・ティーダッ・・・」
ピクンと揺れるジェクトの体中に残る跡をたどる。太腿の裏まで終わると、快感に震え
先走りの雫のこぼれるそれに口付け銜えこんだ。
「あっ・・・ティ・・・あ・・・」
離そうとティーダの頭を押さえたが、強い刺激にジェクトの腰が跳ね上がり、手に力が入らない。
ティーダは舌で愛撫し、根元からきつく吸い上げた。
「ふっ・・・う・・・んッ・・・この・・・ガキが・・・くぅ・・・」
きつく閉じられた瞳の端から涙が零れ、シーツを濡らした。
「オヤジ・・・」
いったん離し、涙を拭う。
「ごめん・・・だけど・・・俺・・・」
感じやすい体。快感に溢れる声。仕込んだのはあの二人。悔しい。
「・・・謝るな。おめえに謝られたらどうしようもねえだろうが」
「・・・・ごめん」
優しく頭を撫でられ、顔をあげた。紅い瞳と視線があう。
「俺は・・・・・アーロンに何度も抱かれた」
「・・・・・・・」
「それでも・・・俺を抱けるか?」
紅い瞳に問い掛けられた蒼い瞳は、それを否定しなかった。
「うん・・・・抱きたい・・・」
「・・・・あんがとよ」
「オヤジ・・・・・」
「あ?」
「好きだよ」
ずっと。ずっと伝えたかった言葉。好きで好きでたまらなかったよ・・・と。
「・・・ああ・・・」
再びジェクトに乗りかかり今度は胸へと舌を這わす。
突起を刺激すれば、心地よい声がティーダの鼓膜に響いた。
「ん・・・・」
もう片方は指でこねる。
ジェクトが感じるように、優しく。
「気持ちイイ?」
「あっ・・・・聞くなクソガキ・・・・」
朱のかかった体が跳ねるたび、美しいと思う。立ち上がるそれを再び口内に含み唇と舌で愛撫する。
「うっ・・・・く・・・」
与えられる刺激に懸命に耐えようと思っても体は正直なもので、ジェクトの意思に反して体がよがる。
声を押し殺すジェクトの腰を掴み、本格的な愛撫を開始した。
音をたてて吸い、先走りを飲み込む。
「ふっ・・・あ・・・・うぁ・・・・ティッ・・・ダ・・・ああっ」
幾度となく跳ね上がる体で、限界が近い事をしり、唇を激しく動かした。
するとジェクトは耐え切れず短い悲鳴をあげたあと、ティーダの口に白濁を吐き出した。
「はぁっ・・・・・」
快感の余韻に浸るジェクトをよそに口から溢れたジェクトの白濁を蕾に塗りたくった。
「お前・・・巧いんだな・・・」
「そう?」
「あっ・・・・」
「・・・・・イイ声」
「・・・ぬかせっ・・・」
蕾に指を入れると、それは待っていたかのようにぬるりと入りひくついて奥へと誘う。
心地良い締め付けにうっとりしながら指を推し進めた。
奥のしこりを押した途端、今までに聞いた中で一番艶のある声があがった。
「・・・ひっ・・・!!はぁ・・・ああ・・・」
「ここがいいんだ」
意地悪く何回も押した。声はひっきりなしに溢れ出す。
クチュクチュと音でもジェクトを責めたてる。ジェクトは頭を激しく振りながら両手でティーダの腕
を押さえ込んだ。
「も・・・入れてっ・・・くれ・・・!」
ティーダを見るその瞳は赤く濡れていて。
我慢できずに蕾に自分のいきり立ったモノをあてがう。
「いくよ・・・」
遠慮なく、ぐっと奥まで一気に貫いた。
「ああっ・・・・」
貫かれた喜びに体が震えるジェクトの腰を掴む。
痛みの中にじわじわと快感がのし上がってくるのをジェクトは感じた。むろん、ティーダも、
はじめての腸の締め付けに顔をゆがめながらもその中に快感を感じていた。
「オヤジの中・・・すっげぇ気持ちいい・・・」
入れ慣らされた身体。快感に打ち震える声。
普段のジェクトからはまったく想像が出来ない表情。
いつもの勝気な表情は、今では眉間に皺をよせて、おしよせる快感に必死に耐えている。
「おめえも・・・ズイブンとご立派なモン持ってんな・・・。さすが・・・ジェクト様のガキだぜ・・・」
快感に濡れた瞳でそう言われて、思わず腰が動いてしまう。
上がる嬌声にティーダの理性は一瞬に吹き飛んでしまった。
無我夢中で腰を動かした。
「ああっ・・・くっ・・・ふ・・・ぅ・・あ・・・」
ジェクトの嬌声がティーダの鼓膜を犯す。それは背筋を通り、ジェクトの中にうまるものにまで
到達し、ティーダは耐え切れず激しく腰を打ちつけた。
部屋をジェクトの嬌声とベッドのこすれる音、そして、入り口を激しく出入りする際に
出る音のみが支配する。
もう、限界だった。
嬌声と共に白濁がティーダの腹を汚し、ティーダもまたジェクトの奥深くに自分の欲望を放った。
「オヤジってさあ・・・・・」
「あ?」
タバコをふかしているジェクトに寄り添い、ティーダは言う。
「すんげえ感度いいんだね」
タバコを落としそうになりながらもジェクトは冷静さを装う。
ティーダはその様子を見てクスクス笑った。
「アーロン達に立派に調教されたんだねえ」
「・・・・あのなあ・・・・」
ジェクトは照れ隠しに頭をガシガシと掻いた。
「あいつらはお前の代わり。もうしねえよ。俺はお前が好きなの。
だからいいだろ?んな事いわせんなよっ!」
わざと言わせた言葉にティーダはうん、と頷いた。
なんて幸せな一時。
二人が仲良く階段を降りていると・・・
「あ・・・ブラスカ・・・もっと・・・」
「「???」」
二人で顔を見合わせ、こそこそと忍び足でドアからのぞくと・・・
ソファに4つんばいになったアーロンの蕾を激しく出入りしているブラスカのが写って目がまんまるに。
「ああ・・・イイ・・・ブラ、スカ・・・・ああっ!!」
「・・・私もイイよ・・・。君の中は気持ちイイ・・・」
大きくグラインドしてブラスカがアーロンを追い詰める。
「ああっ!!ブラ・・・も、ダメ・・・」
「私もだっ・・・いくよ・・・!」
二人してイッたところでジェクトが勢い良く飛び出していった。
ティーダは一応止めたのだが、ジェクトは何を思ってかブラスカの前までズカズカと歩いていってしまった。
「ジェクト・・・!」
「なんだぁ?ずいぶんと仲睦まじいじゃねーかコラ」
紅く光ったジェクトの瞳には、明らかに目の前の行為に対する嫉妬がうつる。
まったく、何を考えているのか・・・といち早く気付いたブラスカはため息をついた。
「君達だって楽しんだろ?好きな人と出来たのに嫉妬してどうするんですか」
「べ、別に嫉妬なんかしてねぇ!!」
むきになって否定するのは、ジェクトらしいと言えばジェクトらしいのだが。
「オヤジ、ウソ付くの下手だね」
「オ、オメエまで!!」
「ところでティーダ君は美味しかったですか、ジェクト?」
「は?」
「え?」
ブラスカの質問の意味がわからなく固まった二人。だがやがてティーダが大笑いを始めた。
「あはは!!ブラスカさん、食ったの俺ッス俺!!あははは!ひ〜!」
「なっ!!」
やっとブラスカの質問の意味がわかって、ジェクトは慌てて手を左右に振った。
「オヤジが俺の事襲うわけないッス!あんだけ仕込まれてんのに!!アリエナイッス!!」
「・・・・・君は完璧な受けなんだねえ・・・・」
どう見てもティーダ君の方が受けっぽいのに・・・と呟くブラスカに拳を握ってジェクトは今にも
殴りかかろうとしていた。
「バカにしやがって!!」
真っ赤な顔にさらに二人で笑っていると、忘れかけられていた人物がのっそりの起き上がる。
「あ、アーロン」
「ブラスカ・・・・」
「なんだいアーロン」
「・・・・・腰が痛いから寝る。メシはまかせた・・・・・・」
「!!!」
アーロンは深くため息をつくと腰を押さえながら自室へと戻っていった。
「・・・・俺メシなんか作れないぜ・・・」
「いいでしょう。私が作ります」
「ちょっと待ったあぁ!おめえの作ったメシなんてキモくて食えたもんじゃねえ!やめろ!」
「何がキモイですか。あれだって立派な食事です!」
「カエルやら何やらが浮いた汁モンのどこが立派な食事なんだっ!出前だ出前!!」
以前、ブラスカがつくった得体の知れない料理を無理矢理食わせられて腹を壊した事の
あるティーダは、はあ・・・と息を吐くと一人台所へと向かった。
「カエルは栄養があるんです!私が子供の頃はめったにないご馳走で・・・」
「ここは異界だ!メシもたんまりあるし金だしゃメシ持ってきてくれる人がいんだ!」
「まだやってんのかよ、2人共。メシは俺が作るッス!!いいッすね!!」
ティーダを見遣るブラスカとジェクトはじい・・・と自慢げに胸を叩くティーダを見つめた。
「アーロンが好きなもんたくさん作るッス!!アーロン譲りの腕でね〜!」
「・・・・・おめ、もしかして、テクもアーロン譲りか・・・?」
「!・・・・・・・ヤバイッス」
ブラスカは微笑みながら2人のかけっこを見つめていた。
「・・・じゃあ、やっぱり今日は私が作ろうかな♪」
end
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